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悪人



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【この小説が収録されている参考書籍】
悪人
悪人(上) (朝日文庫)
悪人(下) (朝日文庫)

悪人の評価: 4.01/5点 レビュー 407件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.01pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全407件 301~320 16/21ページ
No.107:
(4pt)

構成は素晴らしい

少々、演劇的なところがあって、場面展開がめまぐるしく変わるので、そういうのを嫌いな人には合わないかもしれません。ただ読み慣れてくると、次はあの場面が来るといいと思うと、そのシーンに移ります。悪人というタイトルから、悪人は誰なんだと考えながら読んで、いざ読み終わると、いったい誰が真の悪人なのか判らなくなります。『こいつが悪人だ』と思っても、冷静になって考えれば、誰しもの中に潜在的に潜んでる部分がたまたま出ただけだとも思いますしね。誰もが悪いと思う反面、それは因果応報だしなと。個人的には、クライマックスには釈然としない部分があり、この星数になりました。クライマックスより前の部分は、どんでん返しの連続した物語で次から次へとページをだったんですが、最後は文章の裏を読者に想像させる…読者に委ね過ぎると感じたので終わり方は釈然としませんでした。誤解を招くといけないので付け加えますが、物語の展開、人間の心理描写は素晴らしいと思いました。他の方も仰ってるように、私も2日間で読み終えました。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.106:
(4pt)

4人、みんな悪人!

誰が一番悪い、こいつが一番悪人だって決めつめられないもどかしさに悶え苦しむミステリー。当初は、圭吾と裕一を巻き込んだ佳乃の独りよがりな三角関係演出劇と思いきや、光代が出てくる辺りから俄然、ドラマは変な方向に進んでしまう。エセ三角関係の段階では、これまた独りよがりなお坊ちゃま、西南学院大学生・圭吾の理不尽な行動に「人間としてあかんやろ」「そりゃ、ないで」と非難することができよう。彼の非常識な行動に憤慨することには、誰しもが抵抗がないはずだ。なぜ、釈放されてしまうのか、傷害罪がつくんじゃないか、裁判ではどうなるんだ? 作者は、実母の愛情が受けられなかった裕一の歪んだ性格にこの殺人事件の原因を求めているような気がしないでもない。実際最終章では、そう読める・・・・・。 被害者の両親の心情、加害者の祖母の心情、その他脇役陣の個性溢れる描き方が秀逸で、こりゃ映画化されても面白いものになりそう。
悪人(上) (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:悪人(上) (朝日文庫)より
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No.105:
(5pt)

本心と時間差

この本の評価が低い人は、ラスト10ページの重要性を全く認識していない人ということになるだろう。人間が「悪」になることは、実はとても簡単なことであるし、それが倫理や道徳と反するにしろ、真にそいつが「自由」であるというところに「悪」に対する甘美な憧れの現れがある。そして、「自由」とは時間に対しても自由ということである。ただ今を生きるしかない我々にとって、「自由」でありさえすれば、もしかしたら、人は、何をしてもかまわないのかもしれない。人は未来を見据えたときに、はじめて自由ではなくなるのかもしれない。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.104:
(1pt)

高評価さっぱり分からない・・・

AMAZONだけでなく他の所でも非常に高い評価が出ていたので思わず読んでみましたが、なぜ高い評価が付くのかさっぱり???手短に言えば、ありふれた若者の鬱屈した心理が渦巻く中での出会いが産んだ悲劇…?? 人物描写が薄っぺらく各々が抱える背景もありふれすぎています。またこれが技術なのかどうなのか分かりませんが、読みながらなんとか登場人物に入り込もうと努力してるのに、次々と意味不明な場面切り替えのせいでただでさえ薄っぺらい登場人物の描写が更に薄っぺらく感じます。でも、例え文章構成を手直ししたとしても恐らく、題名負け・受賞歴負けです。ほんとうに不思議です…
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.103:
(4pt)

面白いが、少々タイトル負けのような・・・

現代の若者の心の闇をとても上手く描き出した群像劇。携帯の出会い系サイトで出会った女を殺してしまった男、その男に本気で惚れて一緒に逃走する女。そして被害女性が惚れていたろくでもない男。それぞれの関わり合いから起きる悲劇、そして彼らのリアルな心情にどんどん引き込まれてあっという間に読破してしまった。殺される女性の浅はかさも手に取るように分かるし、殺す男の不甲斐なさや弱さにも読み進むうちにどんどん引き込まれる。人は誰でも心に弱い部分を持っているのだろうけど、そこを互いに触発し合う相手と出会った時、それは大きな負のエネルギーに変わり、一気に誤った方向へと転がり落ちてゆくんだな・・・といいう怖さを感じた。しかし、この犯人の男が、私にはどうしても「悪人」とは感じられず、どこでその「悪」の部分が出てくるんだろう?と期待して読み進んだので、最後には正直「なぁんだぁ・・・」とちょっとガッカリしてしまった。悪い部分よりも弱い部分のほうが際立っていたように思う。面白いけど何かちょっと足りないような、タイトル負けしてるような、そんな印象が残った。あと、九州の田舎が舞台になっているので、方言が沢山出て来ます。大分生まれの私にとっては馴染みのあるもので懐かしささえ感じるが、知らない方にとってはちょっと読みにくいと思う。が、吉田さんの文章は読み手をぐいぐい引き込んでゆく巧みなテクニックで、読み始めたらすぐに物語の世界へ入っていくことが出来る。個人的には「パレード」の方が後に残るものがあるので好みだが、しかし「今夜、何か面白いものが読みたい」という時、一晩のお供にお勧めの作品。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.102:
(2pt)

なぜ評価が高いのでしょうか?

売女が殺されるべくして殺された話で、薄っぺらいことをダラダラと引き延ばしただけの内容です。場面もコロコロと変わり読みづらく、そのしつこいまでの場面変化も話に何の効果も及ぼしません。皆さんはこの本のどこが面白いのでしょうか?読みながら、ただただ首を傾げるばかりでした。相対的な評価になりますが、この程度の内容の話は、横山秀夫ならば50ページほどでもっと面白く書けるでしょう。無駄な描写が多くとも面白ければ良いのですが、何の面白みもありませんでした。方言も読みづらかったですね。普段本を読まない人が高い評価をつけているのでしょうね。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
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No.101:
(5pt)

結局誰が悪人か

切ないですねー。事件の真相が明らかになるに連れて主人公は悪人とは程遠い人物に思えてなりません。例のあの人が真の悪人に他ならないのに・・・。終始博多弁で話す主人公はお年寄り思いで朴訥としていてとても憎むべき悪人ではないので結末はとってもやりきれないです。小説とはいえ最後は心が痛くなりました。かなり厚い本ですがなんなく読めました。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
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No.100:
(5pt)

そもそも、悪人とはなんぞや

本の厚さは読むうちに忘れた。見知った地名、見知った景色。そして、人々の姿は等身大。女が男に殺された。よくある事件のひとつとして小さく報道されて終わりになるかもしれない。男女それぞれの家庭や職場の生活、周囲の人々を描くことで、小さな事件の当事者にとっての大きさを思い知らされる。これが新聞に掲載されていたのか。読み終えて、その意義を考えさせられた。法で裁く悪は、法で規定されているものに過ぎない。その意味では悪人とは犯罪者であるが、心情を踏まえた上で語られる悪を規定するのは倫理である。裁判官制度が導入された今、もしもこの事件を裁く側に回るとしたら。自分の基準を問われている気がした。
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No.99:
(5pt)

誰が悪人で誰が悪人じゃないか

久々に真ん中ストレートに刺さった本。 まだまだ進化する作家さんだと期待してるけど、現時点では 最高傑作だと思う。 被害者の父と、加害者の祖母(母代わり)、立場は真逆なのに 2人の辛さや悲しみがリンクしていました。 描写が秀逸で、登場人物や舞台となった地方都市が自分の中で リアルに浮かび上がってくる。 追い詰められ、切羽詰った2人の逃避行はせつな過ぎて痛い。 わたしにとって特別な映画「モンスター」と通じるものがあります。 両作品とも、誰が「モンスター」で「悪人」なのか分からない、 もしかしたら誰もが「モンスター」であり「悪人」なのかも知れない・・・ と思わせるタイトルも含めて。 心をえぐられる本です。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.98:
(3pt)

よくできている。よくできているからこそ・・・・ あと一歩の足りなさが気になる

確かに大変よくできた作品である。ぐいぐい引き込まれ一気に読めてしまった。寝食忘れて読み進めた小説は久しぶり。構成力・表現力・人物像の作り方・その他もろもろのテクニック・・・素晴らしい出来だと思う。でも何かひとつ、あとひとつ、決定的なものが足りない気がするのは何故だろう。外側の表現力的なことではない。読み終わった瞬間、自分の中に残ったものが・・・・・・なかった。バンバン読み進めているときのあの期待していたものが・・・なかった。確かによくできた小説だった。テクニック的には素晴らしかったし、終わり方も悪くはない、と思う。悪くはない。でもその終わり方は・・・その残し方は・・・既にどこかの誰かが使ってきたものだし、私達の心の中で、既に経験済みのものだった。この路線が好きな人が、「くーーーーーっこれだよね、これ。このツボなんすよ」という気持ちを強化したいならよい。ただ、今の私達はもう、この感覚に飽きているのではないか?この手の悲しさにも、この手の矛盾にも、この手の人間「らしさ」にも、飽きているのではないか? この手の「ゆだねられかた」にも。この題名、この題材、そして人間の業みたいなものを今の時代に表現したかったのならばもう一歩、オリジナルな「哲学」が必要だったはずだ。ゆだねるのもよい、ただ、ゆだねられた哲学に、もう一歩新しさがほしい。一定レベル以上のテクニックを持った作家だからこそ書ける、何か・・・新しい「救い」の形が、ほしい。(ああ「救い」なんて陳腐な言葉をつかってしまうような私に言われたくないとは思うが・・・)よくできた小説だからこそ内実のひと味の足りなさが際立ちすぎて残念さが残った。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.97:
(4pt)

悪人は感じぬ“人の匂い”

「雪の中、増尾の足にしがみついとったお父さんの姿を見て、うまく言葉にはできんとですけど、生まれて初めて人の匂いがしたっていうか、それまで人の匂いなんて気にしたこともなかったけど、あのとき、なぜかはっきりと佳乃さんのお父さんの匂いがして」(P388)主要人物の一人である増尾の友人・鶴田がそう述懐する場面がある。鶴田は将来映画監督を目指すほどの映画好きで、「人間が泣いたり、悲しんだり、怒ったり、憎んだりする姿は、腐るほど」見てきた。だが、現代の若者らしく、生々しくリアルな関係性の中に身を置いた経験は皆無と見える。そんな彼が、佳乃の父の姿を見て「生まれて初めて人の匂いがした」。この発見は鶴田にとって、そして小説にとっても重要だと思った。人の匂いがするかどうか、人の匂いを嗅ぎ取れるかどうかが、“悪人”かどうかを測るひとつの指標とはいえないか。それは重大な事件を起こしたかどうかという物理的な問題よりもはるかに重要で本質的な問題のように思われる。増尾は無論、悪人だろう。祐一はどうか。僕はぎりぎり踏み止まっていると考えるが、果たしてどうか。ここが小説の勘所ではないか。うん、面白かった。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.96:
(5pt)

戦後、自由になった日本人の「業」

著者の小説ははじめて読みましたが、その読みやすさと五感を感じる確かな文章力に、まず、驚かされました。420頁の長編にもかかわらず、登場人物から出来事まで、ほとんど無駄がない構成もすばらしい、としか表現できません。おかげで三晩連続、夜更かししてしまいました。(昼間は読書できないため。) 今日の日本を地方(九州)から切り取って見せたような内容でありながら、高齢者のフラッシュバックなどからも感じられるのは戦後、日本が豊かになり、戦争によって「命」の心配をしなくてもよくなった日本人が得た【自由】が、世代を重ねるごとに【業】となり、結果的には殺人犯となる話が自分には戦後に始まった自由であるがための【業】と歪んだ豊かさによる【業】を感じました。被爆地でもある長崎、そして、終戦後、朝鮮半島などからの引き揚げ船が多く入港した福岡市(博多)、その間にある峠が舞台となっていることに偶然性はないのかもしれないけれど、読み終わると関連性が浮かんでくるような気がします。殺人という普通ではない出来事の話でもあるのに、最後までフツーな展開が著者の非凡さと、読み手を広く想定した創作能力の高さなのでしょう。私はこの小説に、自由になりすぎた日本人の不自由な息苦しさを感じました。 ひとつだけ勘弁して欲しかったのは、登場人物の一人が某映画字幕翻訳家と同姓同名だったこと。これから著者による他の本も読みたいと考えていますが、清水俊二、高瀬鎮夫、岡枝慎二、野中重雄といった登場人物が出てきませんように。(笑)
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
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No.95:
(5pt)

圧しつぶされそうな今日の日本を描く

新聞連載小説ですが、連載しながらストーリーを考えて最後に辻褄合わせをした本ではありません。最初はバラバラに見える事柄が次第につながって最後に主題に行き着く見事な構成になっており、連載開始時に結末までの緻密な構想が立てられていたことがよく分かります。作者は題名に「悪人」と謎かけをして読者に「誰が悪人だったのか?」と考えさせる仕掛けになっています。答はあえて書かれていませんが、ヒントは被害者の父親がある若者に言った次の言葉です。「アンタ、大切な人はおるね?」、「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気分になっとる。・・・本当はそれじゃ駄目とよ」。結局悪人として逃避行していた男は大切な人を見つけて、自ら彼女を拉致したと名乗り出ます。少しだけ悪人であっても、大切な人を守ろうとする人間はもはや悪人ではないというのが作者の視点だと思います。 毎日何千人という人が失職してホームレスが増えている、年収200万円で一家を支えている人達が大勢いる、当然そこにはいろいろな犯罪も生まれ、それに巻き込まれる人も増えている、そのような現在の日本の状況をこの小説は象徴的に書いています。圧し潰されそうになって、もがきながら不器用に生きている人々への作者の温かい気持ちが伝わってきます。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
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No.94:
(3pt)

悪人?

難解な表現や抽象的な概念が全くなく、筆者が表現する世界にすっと入っていける。その一方で、観察力、表現力は静謐であるが豊富であり、誰もが情景や心情を容易にかつ詳細に思い浮かべることができる。最近この手の作家が多いような気がするが、その中でも人物描写は一流だ。 ストーリーのテンポや展開もいい。特に前半は読者に半歩先に何かあると思わせる『思わせぶり』のところがいいし、人物と時間が多少前後するところも1つのことを多様な角度から見ている感じがしていい。 でも、題名をみて選んだ読者を納得させられているのか?犯罪の温床で魑魅魍魎が跋扈していると思っていた『出会い系サイト』が実は田舎の孤独な若者で構成されているかもしれないと思わせる辺りにはリアリティを感じたが、とうてい祐一の言動をもって『悪人』が表現されているとは思えない。 文章のテクニックに惚れ惚れするし、1つ1つの場面は読んでいながらそこにいるような錯覚を覚えさせられる。『加害者や被害者の縁者ってどんな心境だろう』って疑問に対する1つの解を得た気もする。しかしながら、そのリアリティによって何を言いたかったのか?表現力と表現したい内容のギャップを感じる。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
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No.93:
(5pt)

人間臭さがいい。

久しぶりに泣けた作品。年齢を重ねたから感じる事なのか、登場人物皆がとても人間臭くていい。登場人物皆悪人なのか、そうさせる環境で生きて来たのか・・・綺麗事の多い小説の中で人間味のある人々の心にふと足を止めてみたい作品。「生まれて初めて人の匂いがしたっていうか・・」と始まる少年の言葉が今の世の中に重なるような気がした。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.92:
(5pt)

リアリティー

分厚い一冊ですけれど、読むほどに入り込めます。瑣末なやりとり、感情を細かく細かく描いていて、何とも生々しいですね。自分が役に移りこんでしまうような感覚さえ覚えます。「悪人」という言葉そのものについて、読み終えたあと随分考えてしまいました。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.91:
(3pt)

複雑な心模様

人の犠牲になってでも 愛を貫き通す強さを持ちながら、人を殺めてしまった男(悪人)。その彼を取り囲むのは、ねたみ、嫉妬、猜疑心、卑屈な心 など暗黒な心を押し隠し、巧みに人当たりが良い人間を演じる 心弱き人間(悪人)たちだった。他には比べ物にならないほどの深い愛情をもちながらも、犯罪をおかしてしまう人間と、邪悪な心をもちながら、かろうじて犯罪をおかしてはいない人間。『良くない心を持った人、または 良くない事をする人を “悪人”という(国語辞書より)』のなら、どちらの種類も悪人といえるのではないか・・・・。全編、むせかえるほどドロドロとした人間の暗黒面をみせつけられる内容です。問題を直視することができない心の弱さと、傲慢な心が、人を傷つけ、取り返しの付かないような邪悪な念を生む、という悲劇を見せ付けられました。ギリギリの中で彼らのみせた底力が、涙を誘う。人間て、想像以上に、実は強いんだ・・・と。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.90:
(4pt)

良作品です

人は愛なしには生きていけない。心の底に沈殿する愛の渇望に突き動かされて出会い系サイトで知り合った男と女が、運命のイタズラによってその歯車を少しずつ狂わせていく。 ワイドショーがセンセーショナルに報じる殺人事件の舞台裏で進行する家族たちの苦悩や葛藤が丹念に描かれ、作品の陰影をより深いものにしている。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.89:
(2pt)

ノータイトル

性欲を持て余して女漁りをしている無口で暗い男が出会い系で会った女をたまたま殺して、また懲りずに女と会い、一緒に逃げ回るっていうしょうもない話。それだけの話に無駄にページ数を費やしているだけ。まあ面白いことは確かとは思うけど。
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X
No.88:
(4pt)

人は、何を根拠に人を悪人と決めるのだろう?

なぜにこんなにも女性同士の会話特有の駆け引きを表現できるのだろう? その嫌らしさのリアルさは、林真理子女史に引けをとらないであろう。男性作家でここまで自然に、女性の心理描写を描ける人は珍しい。それは本書の枝葉の部分でしかないけれども、全体的に、これだけ「  」の多い作品でありながら、一つも不自然な「  」がないのが素晴らしい。だからこそぐいぐいと引き込まれる。さて、悪人とは、誰なのか? 罪を犯した人間だけが、わかりやすく裁かれる。それは当然のこと。自分自身を正当化するために、心を誤魔化し、他者を切り捨てて生き延びる人間は、裁きは受けずとも、正真正銘の悪人ではないのだろうか? 自戒を込めて・・・そんなことを考えさせられる小説だった。 
悪人Amazon書評・レビュー:悪人より
402250272X

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