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死角 オーバールック



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【この小説が収録されている参考書籍】
死角 オーバールック (講談社文庫)

死角 オーバールックの評価: 3.92/5点 レビュー 26件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.92pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(5pt)

ありがとう

ありがとうございました
死角 オーバールック (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:死角 オーバールック (講談社文庫)より
406276850X
No.17:
(4pt)

人は聞きたいものを聞く

相変わらずのクオリティの高さ。
 本作は他のボッシュ作品と比べると量的には半分程度のページ数であったことから、番外的なものなのかとあまり期待せず読み始めたのですが、いやいや、面白いじゃないですか。
 逆に、短いからこそのストーリー展開がテンポよく、ハラハラ感がより味わえます。
 やはり、ボッシュシリーズにハズレなしです。
 内容的には、ボッシュシリーズとしては前作にあたる『エコーパーク』から半年後に発生した事件ということで、『エコーパーク』同様、FBI捜査官レイチェル・ウォリングが登場します。
 本作の面白いところは、テロ事件ととらえ国家安全保障の問題として奪われた放射性物質を見つけることを最優先と考えるFBIと、あくまで殺人事件捜査として犯人をみつけることを最優先と考えるボッシュとの対比でしょうね。
 国全体の視点で物事を考えるFBIが、政府に悪影響を与えるテロを防ぐため(もしくはテロの脅威が国民の感心を政府に対する不満から逸らすことができると考えるがため)、放射性物質の発見を最優先することは理解できますし、一方、被害者の代弁者たる市警のボッシュが「もしおれたちが展望台で死んで倒れている男のことを忘れるなら、ほかのあらゆることを忘れてしまうだろう」「殺人犯を見つければセシウムも見つかる」と考えるボッシュの立場も理解できます。
 この二つの立場の対立が物語を面白くしています。
 この対立構造を物語の柱に置くマイクル・コナリー、やはり巧いです。
 ボッシュは言う。
「おれたちはみんな渦に巻き込まれて排水口から消えていくんだ。なかにはその運命が近づいてくるのに気づく者もいれば、渦を巻く暗流につかまえられて、暗闇の中に永遠に引きずり込まれるまでなんの手がかりも持たない者もいる。大切なのは、それに抗うことだ。常に蹴とばし続ける。常に暗流と戦い続けることだ」
 暗流と戦い続けるボッシュの今後の活躍が楽しみです(次のボッシュ作品『ナインドラゴンズ』を読むのが楽しみになってきました。まだまだ読んでいない作品がありますので、しばらくボッシュ世界に浸れそうです)。
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No.16:
(5pt)

ボッシュの推理力が際立っている

比較的厳しい意見が多いが、“さすがのコナリー”で私は期待を裏切られることはなかった。
まずタイトルから犯人の予想はつくが、内容の展開に不満はなくおもしろい。
比較的ページ数が少ないので、冗長な箇所も少ない。
ボッシュはどんなに周囲に邪険に扱われても、最終的には見事な彼の推理力が勝利を収めるのだ。ここが痛快!
レイチェルはここでは凡人。生意気なだけで、学んだ知識や得た情報の中でしか考えることができない。
FBIとロス市警の軋轢が描かれているが、どちらかというとFBIが上から目線なようで、それはレイチェルにも言える。
新たにペアになった20歳以上後輩のイギーはボッシュと上手くいかない。とうとうイギーがキレて「あんたはパートナーを望んでいない。使い走りがほしいんだ。自分のすることになにも疑問を抱いたりしない人間を」と言うがこれはもっともだと思う。実際ボッシュのような同僚がいたらたまらないだろう。
しかしここでは『ボッシュ』。凡人のイギー君には到底かなわない域に達している人間なのだよ、ということ。

本作では放射能によるテロの恐れがひとつのテーマになっているが、具体的な放射能の恐ろしさとして、最近では1999年の東海村JCO臨界事故や、2006年のロシア人元スパイが緑茶に放射性物質(ポロニウム210)を混入されて殺害された事件・事故を思い浮かべた。
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No.15:
(4pt)

面白かったです。

マイクル・コナリーの作品にしては珍しく1冊完結でしたが、おもしろく読むことが出来ました。
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No.14:
(5pt)

コナリー初心者にお勧めの読みやすいボッシュ

深夜にかかってきた上司からの電話がボッシュに命じたのは、マルホランドの展望台でまるで処刑のように無残に殺されていた男について捜査することだった。男は勤務先の病院から治療用の放射性物質を持ち出しており、どうやら放射性物質の入手をもくろむテロリストに利用され殺されたらしい。あくまでも1つの殺人事件として真相を追及しようとするボッシュは、放射性物質の確保を最優先に考えるFBIと衝突する。「どんな人間でも価値がある。さもなければ、だれも価値がない。」という台詞を久しく口にしなくなったボッシュだが、その行動をみれば、彼の信念は今も変わっていないことがわかる。
己の信じる道をゆく刑事ボッシュの軌跡を追うこのシリーズは、その重厚さが新規読者に参入を躊躇させるのが玉にきずだが、本作は場面転換の早さと勧善懲悪という点が希少でありながら、いつものように二転三転する展開を楽しめる。いわばボッシュシリーズのエッセンスを凝縮したような作品であり、初心者にも読みやすい。シリーズ前作を知らなくても問題なく読み通せるので、ぜひボッシュを知らない人に読んでほしい。
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No.13:
(4pt)

新聞小説向けHBシリーズ

ハリー・ボッシュシリーズの翻訳されている中での最新作。普通上下二巻になることが多いこのシリーズでは珍しい一巻もの。新聞小説に載った作品とのこと。ということで、その
スピード感あるれる展開は素晴らしいが、いつものボッシュシリーズにみられる奥の深さにやや物足りさなを感じるのは僕だけか。ただ、さすがコナリー、いろいろと二転三転で読者を満喫させることには事欠かない。放射能物質を扱う医師が射殺された。調べてみると妻はアラブ系の男たちに自宅で監禁されているところの姿を写真に撮られ、夫の医師に送り、助けて欲しければ放射能物質を持ってくるように要求、しかし、その通りに従った医師はやはり殺されてしまった。なくなった放射能物質をFBIが中心に追いかける。
誰もがこれは大きなテロ事件と思うが。ちょっとした勘と状況でボッシュは本件が、妻に仕組まれた殺人事件であることを突きとめる。そのプロットの進め方はさすがというしかない。
面白い作品であることは間違いない。新聞小説という環境に作者も慣れていなかった感も出た作品ではあるが。
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No.12:
(4pt)

シリーズ愛好家向けの一品

2007年発表、2010年邦訳の本作品は、<ハリー・ボッシュシリーズ>の第13作目。
前2作が、迷宮入りした事件を連続して扱ったためか、未解決事件班から、殺人事件特捜班に異動となり、「発生したばかりの殺人事件」を扱う。
それも、夜中に眠っているところを上司からの呼び出されての出動である。

事件の被害者は、医学物理士で、放射性物質を扱う仕事をしていたことから、危険物を扱ったテロが今後発生する危険性が想定され、FBIが介入。
――このFBIとロス市警との軋轢という構図は、これまでのシリーズでも度々、というかほとんどの作品で取り上げられてきたシチュエーションといえます。

今回、題材となった放射性物質が「セシウム」ということで、期せずして日本人にとっては、その恐怖が身に染みる内容となっています。
もちろん、本書の執筆は、2006年なので、日本の原発事故を念頭に置いて書かれているわけではないのですが、ウランやプルトニウムという放射性物質を出してこないところが、よく取材されている証拠といえるかも。

ただ、いつものような「複雑に二転三転する物語」でなく、すっきりしすぎているところが、シリーズを読み続けてきた自分にとっては物足りなさを感じてしまいました。
これは、本作品が当初、毎週日曜掲載の新聞連載であり、字数制限を課せられていたためか。
(その後、単行本化で、大幅に加筆修正しているとのことだが、そこは、巻末解説に詳しいので、そちらをご覧ください。)

本作品は、前作「エコー・パーク」の余波が随所にみられるのが特徴で、ラストの台詞にも関わってきます。
新聞連載時には、誰でも物語に入り込めるようなものになっていたと思いますが、単行本化により、シリーズ愛好家向けの意味合いの強い作品に書き換えられていると推測しています。
このため、ハリー・ボッシュシリーズの初読が本書、というのは、あまりオススメできないと考えています。
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No.11:
(5pt)

ちょっといつものコナリーらしくない。「24」みたい

いつものマイクル・コナリーのハリー・ボッシュものとは、ちょっと違ったサスペンス小説。いつもは、もっとダークでハードボイルドな警察小説だけど、今回は、なんだかTVドラマ「24」みたい。

「24」自体は好きだし、サスペンス小説もキライではないんだけど、どうも今回は、自分好みではあまりない。放射能テロ事件っぽい話で、スピーディな展開は、コナリーのストーリー・テラーぶりを遺憾なく発揮してるとも言えるんだけど、逆にそのせいか、重厚さというか、深さというか、以前のハリー・ボッシュシリーズに見られた、人間の業の深さとか悲しさがあまり描かれていない。

ジェイムズ・エルロイとか、このマイクル・コナリーは、そういったところが好きなんだけどなぁ。

ネタバレになってしまうのであまり書けないけど、結末の付け方もあまりにも安易。というかヒネリがない。やはり、ミステリというかサスペンス小説なんだよなぁ。でも、面白かったけどね。
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No.10:
(4pt)

おおよその概要がここで判ったつもりでいると、痛い目に遭う。M・コナリーはそんなに単純で

オーバールックとは展望台の意で、ロスの展望台で医療用核物質を扱う人物が射殺され、放射性元素セシウムがテロリストに渡った情報が入る。

内容的に殺人事件を重きにおくロス市警のボッシュと、テロリストに渡ったと思われる放射性元素セシウムを取り返そうとするFBIとで、せめぎ合いが始まる。

おおよその概要がここで判ったつもりでいると、痛い目に遭う。M・コナリーはそんなに単純ではない。

中盤でFBI捜査官の一人にボッシュは客観的に見ても酷い仕打ちをし、長年のファンである私でも、それはやりすぎだろうと舌打ちさせる場面があるが、それも伏線の一つになっているから、油断がならない。

ともあれ伏線の張り方、意外性、後半のハラハラ・ドキドキ性というのは只者ではない。星が4つなのは従来に較べて分量が半分ぐらいなので、その分辛くしただけだ。

シチュエーションは違うが、第5作の「トランク・ミュージック」 に匹敵する面白さだ。
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No.9:
(5pt)

コナリーはさすが

事件も一筋縄ではいかないツイストが
効いていて読み応え十分。
放射性物質によるテロということで
緊迫感があるし、
なおかつ事件に食いついたら離れない
ボッシュらしさも存分に出ていた。
本当に面白かったです。
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No.8:
(5pt)

コナリーはさすが

事件も一筋縄ではいかないツイストが
効いていて読み応え十分。
放射性物質によるテロということで
緊迫感があるし、
なおかつ事件に食いついたら離れない
ボッシュらしさも存分に出ていた。
本当に面白かったです。
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No.7:
(4pt)

壮大なる「ハッタリ」

セシウム強奪テロ事件!?
なんともタイムリーな展開で、興味津々で読みました。
久々にボッシュの持ち味である「こだわり」「はみだし」が見られ、ファンにはうれしい最新作でした。
ですが、事件の真相は・・・
がっかりしてはいけないと思うのですが、序盤で広げられた大風呂敷を前に、「どーすんだ、これっ?!」って途方にくれた読者は私だけではなかったでしょう。
みなさん、どうぞ読んでください。
そして一緒に途方にくれましょう・・・。
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No.6:
(4pt)

ボッシュ、健在

ロス市警ハリー・ボッシュシリーズ。
ロスアンジェルス、マルホランド展望台で男性の射殺体が発見された。
男性は高濃度の医療用放射性物質にアクセスできる人物で、ほどなく男性が出入りしていた医療機関から多量の放射性セシウムが紛失していることが判明する。
テロ事件として介入してくるFBIとの軋轢に苦しむボッシュ。事件の真相は…。
ニューヨーク・タイムズ・マガジンの日曜版に連載された連載小説が原作というだけあって、スピーディーな展開が楽しめる。
事件発生からラストまで12時間あまりという急展開をお愉しみいただきたい。
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No.5:
(5pt)

大人のハードボイルド

これは本当に面白いですね。スピーディな展開と緊迫感あふれる物語。ボッシュが一段とかっこよく見えてしまう。ラストも良かったし、文句なしの傑作です。
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No.4:
(5pt)

テンポ良く物語は語られ、非常に面白かった。

新聞連載用のアクション・ミステリーであり、これまでの長編より本編の扱いが軽そう、と言う事で危惧もあったのだが、なんのなんの、『エコー・パーク』で見せた不用意・不注意による不手際も影を潜め、年齢(2006年で56歳)の割には引き締まった身体(本文 12P - ボッシュも体形を気にしているんだ...)を駆使してL.Aの街をグイグイと疾走していく様は痛快。『終決者』以降の長編の中では私にとっては一番面白かった!こんな姿を見せられたらレイチェルもヨリを戻したくなるのもむべなるかな...唯一の悩みは、<こんなボッシュで良かったんだっけ?>と言う事。刑事という公職に復帰後は、やたら前向きで、『天使と罪の街』辺りまでの、暗いオーラを纏ったペイル・ライダーみたいな趣きは微塵も感じられなくなって別人なんだが...(と言うことは、なにも無理にボッシュ・シリーズ出なくとも良かったと言う事。)まァ、ヒーローも歳を重ねて成熟するということを、読者も理解すべきなのか...コナリーには<真犯人の法則>と言うのがあって、(これは勝手に私が言っているだけなんですが)『エコー・パーク』まではピッタリと当たってきたんですが(動機は別)今回は半分しか適用出来なかった。そういう意味でも楽しまされた小説でした。(ネタバレになるので言えないんで、興味ある人は、既刊のエコーパークとリンカーン弁護士での本当の悪の登場場面を比較してみてください。)
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No.3:
(5pt)

一気読みのノンストップハードボイルドで読ませます!!

前作「エコーパーク」が上下巻二冊で、しかもボッシュシリーズの最高傑作との評判もあるほどの大作でした。本作「死角」はボッシュ物としては1冊にまとめら量的には少ないなとファンなら、だれもが思うでしょう。(シティオブボーンズ以来の1作ものですね。)というのもニューヨークタイムス誌に、日曜日に16回連作された作品がもとになっているとのこと。一回三千語前後で15回から16回を限度の前提で書かれた作品らしく、大作主義というより、まさに余分な文章、描写を限りなく抑え、怒涛のノンストップサスペンスとなっている。出だしから、主人公ハリー・ボッシュに、FBI特別捜査官のレイチェル・ウオリングが登場し、すぐさまコナリーの世界へと読者を導いてくれる。ロスの展望台で殺された被害者から、テロリストの関与と、ボッシュとFBIの犯罪事件を巡ってのバトルと事件後12時間の緊迫した犯人捜査をベースに、物語は急展開する。前作「エコーパーク」の解決後、即起こった事件のようで、前作を読んで本作を読むと尚更、ボッシュの内面、そしてこのシリーズが新たな展開に発展していくようで、本当に期待が高まる。一昨年発売された「リンカーン弁護士」(ボッシュシリーズ以外の新たなシリーズのようで、今後名キャラクターになるであろうミッキー・ハラー登場。)も、抜群の一作であったが、次回作はそのミッキー・ハラーと我らがハリー・ボッシュの初共演になるようで、本当に楽しみ。来年発売されないか、とってもワクワクする。本シリーズは、古沢嘉通氏の名翻訳に、いつも感謝しつつも、ここ数年のマイクル・コナリーの作品を読むと、本当彼の小説家人生の黄金期にはいったのごとく、出す作品出す作品全てがとてもレベルが高い。最高です。
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No.2:
(4pt)

追跡また追跡の12時間

マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズ第13作。上下巻に分かれていないのは、久しぶりです。展望台で発見された射殺体。新たな部署で、新たな相棒と捜査に臨むボッシュだが、被害者の身元から、テロリストの関与が浮かび上がる。とにかく、追跡、また追跡のノン・ストップ・サスペンス。前作のあとがきで触れられていた翻訳の予定も決まり、ファンとしては嬉しい次第です。
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No.1:
(4pt)

ハリー・ボッシュの刑事人生で “いちばん長い”12時間

“当代最高のハードボイルド”“現代ハードボイルドの到達点”といわれるマイクル・コナリーの<ハリー・ボッシュ>シリーズ第13弾。’10年はコナリー=ボッシュ・ファンにとって嬉しいことに、4月邦訳刊行の『エコー・パーク』とあわせて1年で2作品楽しめた。ある春の真夜中、ボッシュは上司から殺人事件発生の報せと出動要請の電話を受ける。彼は、前作『エコー・パーク』事件のあと、未解決事件班から殺人事件特別捜査班に異動しており、その初仕事としてキズミン・ライダーに代わった新しい、ボッシュよりも20才以上若い相棒・キューバ系アメリカ人のイグナシオと捜査に当たる。現況の調べが進むと、射殺された被害者が放射性物質を医療用に扱うことのできる医学物理士であり、放射性物質セシウムがイスラム系テロリストの犯人たちの手に渡ったことがわかる。一大テロ事件として、シリーズでお馴染みのレイチェル・ウォリングをはじめとするFBIや、ロス市警国家安全保障室が乗り出すが、ボッシュはあくまでもロス市警刑事として「殺人事件」そのものの捜査にこだわる。一方で放射性物質によるテロの恐怖があり、一方でボッシュの、連邦政府機関を相手に何者もの横槍も許さない執念の捜査と推理がある。果たして事件の真相は・・・。本書はもともと、毎週日曜日発行の「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」に連載された作品だけに、ハリー・ボッシュの刑事人生で“いちばん長い”12時間を、各章ごとに見せ場とエピソードが盛り込まれ、次から次に事態が移る急展開と手に汗握る緊迫感で一気に読ませる逸品である。
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