笑う死体: マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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「マンチェスター市警巡査エイダン・ウェイツ」シリーズの第2作。身元不明死体の捜査をベースにした警察ミステリーであり、エイダンのアイデンティティに迫ったサスペンス・ノワールである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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有難うございます。 予定の日に届きました。 思っていた以上に綺麗で、これから読むのが楽しみです。 | ||||
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本書の著者ジュセフ・ノックスの紹介は素っ気ない。 「英国のストークとマンチェスター周辺で生まれ育ち、書店やバーで働く。ロンドンに移って執筆活動を開始し、『堕落刑事』で作家デビュー、一躍注目を集める。シリーズ第2弾『笑う死体』も好評を博し・・・云々」とのこと。 評者はあえて第2弾の『笑う死体』から読むことにした。 なぜなら話題になった二作目でその作家の才能を伺うことができるからです。 評者の癖として巻末の解説からまず読み始める。 杉江松恋氏の解説で本書の主人公エイダン・ウェイツのことを多少前知識として知っていたから助かった。 評者は、第一作の『堕落刑事』を読んでいないから平巡査の夜勤勤務ウェイツの訳ありな顛末をもどかしいく思いながら読み進んだ。 その顛末で警察内部の冷ややかな目線を浴びながら屈折した性格描写に著者の手腕を感じることができる。 この物語に少年が悪事を働く男に利用されている描写が挿入されている。 が、この少年が幼いころのウェイツなのはすぐだれでもにわかるだろう。 ウェイツのパートナーで上司のサティ警部補の性格設定も面白い。 一見頭の悪いマッチョで事なかれ主義の潔癖症の男だ。 サティとウェイツはお互い嫌っていることを隠さないが、サテイの「仮説」で始まりウェイツの「反論」で始まる捜査上の会話でウェイツも頭の悪いただのマッチョではないことを著者はさりげなく描写している。(P252~256) ウェイツ刑事がパーズ警視に何故これほど嫌われるのかなどの過去を知るために第一作の『堕落刑事』をとにかく読むことにして本書を読み終えた。 イギリスの警察小説では、ウィングフィールドのフロスト警部やラブゼイのダイヤモンド警視などそれなりの地位の主人公が警察ものには多い中で訳あり平巡査を主人公にした著者の発想にユニークさを感じながら読み終えた。 最近外れの多いミステリ小説を読んできたが、久しぶりに面白い個性に出合いました。 | ||||
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一作目よりさらに爆発力をアップさせて、マンチェスターのネガティブ刑事が、厄介な事件に挑む。そればかりか、もう一つ過去のどこかで起こってきた物騒な出来事の数々にまで作家のペンは及ぶ。 優れた小説だなと思うのは、全編、丁寧かつ個性的な文章で綴られているその筆力にある。手を抜かぬ主人公一人称語りでの出来事と当人の個性を描き切る描写力が凄い。過去の話での三人称の不気味な物語の暗い情念のような世界がまた凄い。 一作目でも、どの人物も個性が与えられ際立つノワール性を感じさせてくれたのだが、二作目は確実にパワーアップしている。ジェイムズ・エルロイの黒い裏世界を思わせるリズムと空気が全編を支配している。それでいて謎解き小説としての迷宮性をも抱えた作品である。どこのページを見ても作家の熱気、渾身の力のようなものが感じられるのだ。だからこそページのすべてが緊迫している。 個性的な相棒や上司、事件の関係者たちの複雑に絡まり合う怪しさも個性もどこをとっても凄みを感じさせる。 前作の読書会で聞いた感想では『堕落刑事』は堕落していないじゃないか、いい奴じゃないかと本シリーズの主人公エイダン・ウェイツを評する声が大かったのだが、本編でもそうだが、堕落というより、状況的に追い詰められる感覚が強いように思う。ちょっとしたしくじりをきっかけに夜勤専門の刑事として、上司から退職を期待される維持の悪い人事を施され、署内の半端者としての生きづらさを日常的に感じさせられるエイダンの根っこの部分については本編でより深く語られる。 作者のサービス精神は前作のキャラクターまで登場させることで、エイダンの生きる世界が相変わらず真っ黒な闇の世界であることを想い出させてくれるのだ。 本書は、タイトルの『笑う死体』として放り出された何者かの正体と、その死の原因をめぐっての騙し合い、化かし合いを描きながら、同時にエイダンの悲惨な境遇と、彼の内部をさらに深く抉る刃物の切れ味を兼ね備えている。エイダンの物語は、三部作として閉じる物語らしいが、二作目の本書は非常に重要かつ充実した作品とみてよいだろう。この作品の持つ質量は何なのかと思えるほどに、深さと濃厚さを味わえるストロング・ドリンク。心して味わって頂きたい。 | ||||
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若い頃は憧れるような人物が主人公の小説が好きだった。だが、歳を食うと自分と同類の人物に惹かれてしまうようになる。それの典型のような作品だった。自分をコントロールできない、暴力の衝動を抑えられない、そんなエイダンにどこか自分を重ねるところもある。幸いにもエイダンのように一歩踏み出していないだけ^^; 謎解きもきちんとできているし、青酸カリを盛られてもすぐには死なないことを正確に描き出しているし(とは言え、毒を盛られたと気が付いて、あれだけのことができるかは疑問)、消し屋の心情も理解できるし、P625の「その瞬間を噛み締めたかった。ストローマーに認められた感慨にもう少し浸りたかった」という下りは特にわかるよ。そのカタルシスのために私もエイダンの軌跡をたどったのかもしれないと思ったくらい。 また、ウォリーと言う名の少年について語られる部分は本作では大事なポイント。虐待が虐待を生むという流れの中で掉さしていた少年を思うと・・・P643に描かれる二人の小さなうなずきは・・・私にとっても救いだ。 | ||||
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私が惹かれるタイプのノーベル。次の翻訳は9月くらいでしょうか〜?待ってまーす! | ||||
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