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笑う死体: マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ



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【この小説が収録されている参考書籍】
笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)

笑う死体: マンチェスター市警 エイダン・ウェイツの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

堕落刑事・エイダンの孤独と喪失、そして自律

「マンチェスター市警巡査エイダン・ウェイツ」シリーズの第2作。身元不明死体の捜査をベースにした警察ミステリーであり、エイダンのアイデンティティに迫ったサスペンス・ノワールである。
休業中のホテルで侵入事件が発生し、現場に急行したエイダンと同僚のサティは警備員が負傷して倒れ、さらに顔に笑みを浮かべた男の死体があるのを発見した。死体には指紋を削除した手術の痕があり、服のタグが全部切り取られていた。身元不明の上、死体に見合う捜索願も出されていない行方不明者の男は何ものなのか? なぜ閉鎖されているホテルで殺されたのか? 前の事件(前作「堕落刑事」)が原因で市警内部で疎まれているエイダンは、上層部はもちろん同僚サティの協力さえも当てに出来ない中で孤独な捜査を進めるのだった。
笑う死体の謎解きがメインストーリーなのだが、それに加えて女子学生脅迫事件、ホテルのオーナー夫妻の確執、ゴミ箱連続放火事件、ウェイツの麻薬問題など、サブストーリーも盛りだくさんで話がどんどん大きくなり、読者を混乱させる。それでも、取り留めなく広がったようなストーリーが最後にはきれいに伏線回収されていく物語構成はお見事。途中途中に挟まれる謎の少年ウォリーの告白も、収まるべきところに収まっていく。謎解きミステリーとして、はみ出し刑事の警察アクションとして、さらには人格崩壊寸前で踏みとどまる刑事・エイダンの自律への戦いの物語として、さまざまに読むことが出来る。
警察小説、ノワールのファンにオススメするが、前作「堕落刑事」から読むことが必須であると忠告したい。

iisan
927253Y1

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