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東京島
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東京島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全187件 101~120 6/10ページ
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桐野夏生氏による谷崎潤一郎賞受賞作。 無人島に漂着した31人の男と、たった一人の女による異色の群像劇。2010年に映画化もされる。 清子は夫の隆との旅行中に海難事故に遭い、無人島に漂着する。 次いで23人もの日本人の若者が漂着。彼らは無人島を「トウキョウ」呼び、共同生活を始める。 そしてさらに、曰くありげな十数人の中国人が漂着。トウキョウの人びとは彼らとその集落を「ホンコン」と呼び、距離を置く。 島の住人は、清子を除くと、全て男である。 そして、唯一の女性である清子を巡って繰り広げられる争い。 清子は男達に欲せられることに陶酔し、自分が女王であることに悦びを覚える。 しかしそれもそう長くは続かない。 本作の読みどころは、刻々と状況が変化する無人島「トウキョウ」と、それに合わせて変化する清子の立場・行動である。 生存、脱出、文明への望郷が、清子をしたたかに駆り立てる。 そして、村八分、裏切りが暴力へと発展する様は読み応えがある。 中でも嫌われ者であるワタナベの存在が異色でインパクトがあった。 本作で決して欠くことができない、最優秀助演男優と言ってもいい。 たった一人の女性をめぐるというエロティックなエンターテイメントを期待した人には物足りなかったかも知れないが、極限状況に置かれた人びとを描く文学として傑作である。 | ||||
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内容が低俗。登場人物の誰も感情移入できない。登場人物の中身も描かれていない。映画化される、というので読んでみたが最後まで読むのが辛く、半分位からは飛ばし読みしてしまった。実話にヒントを得てるとのこと、その実話のストーリーをネットで見てみたが、その方がずっと興味を惹かれた。 桐野 夏生さんの作品はもう読まなくても良いかなって感じ。(OUT、INは読んでますけど・・) | ||||
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かなり面白くない。というか、性の描写が非常に汚いので、途中で読むのが嫌になった。 | ||||
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無人島に男31人、女がただ1人。 まず、この奇抜な設定だけでつい読んでみたくなるというもの。 しかも、この筆者であれば、非日常的な状況下において人々の欲望がうごめくさまを描いてくれるに違いない、という期待を持って読んでみた。 その期待を裏切ることなく、物語は進む。 とはいえ、この物語の面白さは、時間が経つにつれて、 (島での)社会の流れが変わっていき、それぞれの立場も変わっていくことにあるだろう。 どんどん関係性が変わっていく展開に、ついつい読み進めてしまう。 ただ、最後の予想外の展開に至って、ふと思った。 過去の島での出来事を踏まえて、もっと頭を使えば、 もう少々マシな島脱出計画が出来たのではないか?と。 特殊な設定だからしょうがないのかもしれないが、 その辺を含めて、最後は強引さを感じなくもない展開が残念だったため、 星4つの評価とした。 | ||||
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前評判がよかったので飛びついたのだが、 前評判と比べるとOUTなどよりも、衝撃というか刺激は割りと少なめ。 ただ桐野ファンとして、ずっと彼女を追いかけているなら、 彼女なりの挑戦思考が伺える。 純文学勉強中のような・・・(上から目線で申し訳ない) なので、ファンを語るなら読んでおくべき必要性はあると思います。 | ||||
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ない…設定は良かったが、表現が気分が悪かった。男の人には合わないかと思った。だが女の人に合うと言う意味でもない。短編の予定の物を長編にした結果がこれです。 | ||||
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(文庫で初めて読んだので今更ではありますが…)桐野夏生はどうしてしまったのか?ミステリーから「卒業」するのはもちろん否定はしないが、ストーリー、人物設定、文体、世界観すべてが中途半端で正直「稚拙」と言われても仕方のないレベル。最後まで「きっと何かあるはず」と期待しつつ我慢して読み続けたがこのラストはないでしょ!占い師って一体何なんだ? | ||||
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思い付きの段階での設定としては悪くないし、登場人物の人間関係もそれなりに興味深い場面もあったのだが、いかにも「女性が想像だけで描いた無人島生活」という感じで、島の生活描写にリアリティが無さ過ぎ、まったく没入できなかった。 主眼が人間ドラマであるのは承知しているが、その説得力を高める為にも、細部や世界観を緻密に構築しておく必要があったのではないかと思う。山崎豊子ほどとまでは言わないが、作家は自分が未知の事を描くならば、それ相応の取材なりして読者に与える「世界」をきちんと創り上げ、その中で登場人物を生き生きと動かして欲しいものだと思った。 | ||||
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やっぱりなという感じではあるが、思い付きの展開がやや多く、 なぜ最初から居る登場人物を掘り下げないのか?と呆れた。 飽きちゃうのだろうね。 こう見ると、最初の書き始めも全くの思いつきなんだろうなと思ってしまう。 一番最初の1部は良いと思うし、発想も面白いので、ここで終われば良かったのに。 その他の良い部分としては、女性が変貌していくわけだが、その心理に関して納得感があり面白かった。 しかし昨今の商業主義には呆れ帰る。 発想が面白いからと言って映画化までするか、普通?? このアホみたいな展開も加味して評価を悪くした。 他に素晴らしい小説は山ほどあるわい! って天邪鬼みたいに評価すると参考にならんレビューまっしぐらですな。 | ||||
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やっぱりなという感じではあるが、思い付きの展開がやや多く、 なぜ最初から居る登場人物を掘り下げないのか?と呆れた。 飽きちゃうのだろうね。 こう見ると、最初の書き始めも全くの思いつきなんだろうなと思ってしまう。 一番最初の1部は良いと思うし、発想も面白いので、ここで終われば良かったのに。 その他の良い部分としては、女性が変貌していくわけだが、その心理に関して納得感があり面白かった。 しかし昨今の商業主義には呆れ帰る。 発想が面白いからと言って映画化までするか、普通?? このアホみたいな展開も加味して評価を悪くした。 他に素晴らしい小説は山ほどあるわい! って天邪鬼みたいに評価すると参考にならんレビューまっしぐらですな。 | ||||
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映画化されると聞き、手にとりました。 著者の本は、 『OUT』『柔らかな頬』『魂萌え!』を 読みましたが、その3作ほど感情は昂りませんでした。 無人島に漂着する発想は 素晴らしいと思うのですが、 登場人物の魅力に乏しい。 映画では清子を木村多江さんが演じますが、 一体、どのように演じられるのか想像もつきません。 原作に忠実に作ろうとしたら、絶対に事務所NGが出るはずですからネ。 | ||||
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話題の本ということで読んでみました。 設定は面白い。1人の女性と多数の男性。無人島。 しかし章毎に時間軸が前後、は良いとしてもそれが あまり良い効果を生んでいない。無人島での文化形成 も分かるが安易すぎる感のあるネーミング。そもそも トーキョー、ホンコンの時点であれ?といった感想。 女性の強さを描いたのであれば想定の範囲を抜けださず 共感もできず。人間の醜悪さを描いたのだとしてもこちらも 同様。登場人物の誰ひとりにも感情移入できず読み終わった 直後の感想も、「で?」といったもの。 ひまつぶしにはなっても設定以外記憶には残らない作品でした。 | ||||
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一番よくないのは主人公の清子が少しも魅力的でないことである。というより、この小説全体を通して興味の引かれる人物は1人もいなかった。読み進める中に次のストーリー展開がみえてくるのも興ざめだった。そして、フィリピンのダンサーたちが漂着して以降の話はつまらないの一語に尽きる。最終章の有人島は蛇足である。もっと別の終わり方を工夫してほしかった。それにしても、谷崎賞の質も落ちたものである。 | ||||
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無人島に漂着して暮らす32人の話です。 但し、その中で女性はただ一人です。 しかも40代半ばの女性です。 それでも、島唯一の女性として女王然とした暮らしをしているのですが、夫が死に、次の夫も死に、ついに籤引きで2年毎に夫が後退する事になります。 ところが、こうした中で島の住民の状況は次第に変わってきます。 それと同時に、彼女の位置も変わってきます。 そして、彼女の性格も。 この物語はサヴァイバルものであり、その究極の状態の中で人間がどう行動するかをテーマにしています。 そのため、人間の「暗部」が嫌と言うほど出てきます。 そして、集団があればリーダーが必要となりますが、これも集団の意思が変わることによって変動して行きます。 この本の中では、強いのは「もの」を持っている人間であり、強く「意見」を訴えかけられる人間であり、更にもっと強いのは「生」への執着の強い人間として登場します。 結局、集団は争いを起こし多くの血を流します。 島に残された人、島から抜け出せた人。 何か、それはその人の性格によって運命づけられていたようにも思えます。 重いテーマを抱えつつも、引き込まれて一気に読んでしまう魅力的な本でした。 | ||||
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本書を読みながら、邪馬台国の女王「卑弥呼」とはその村での唯一の女性あるいは妊娠可能な女性だったのではないか?なんて考えてしまいました。無人島に漂流した31人の男性と1人の女性という設定は読む前から想像力を膨らませるのに十分でした。内容も悪くは無いのですが、やはり女性的視点であるため、本来ならもっともっと血なまぐさく、汚いであろう描写が少ないところがちょっと不満です。最後も大体想像通りの終わり方でした。もう少し清子に焦点を絞った小説にすればよかったのに、色々な人の視点から見せようとしているため焦点がぼやけてしまったのが残念です。 | ||||
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極限状態に女性を放り込んで, そこからあぶりだされる(桐野氏のイメージにおける)女性の素の姿を描いていくという, ある意味ではいつもの作風とも言える作品. この手法は,OUT,グロテスク,残虐記など,氏の作品ではおなじみのものである. このシチュエーションで性を武器にしたり,性感におぼれる女性像というのは それなりに衝撃があると思うが, 今回は孤島という生命の維持すらも危うい極限状態にも関わらず ここまで徹底して性に前面に押し出していける氏のスタンスには信念すら感じる. とはいえ,少々ワンパターンという印象は否めないし 人間の醜い本症を描くとしたら 受け入れがたくても,そこに共感できる何かがなければ 単に変なキャラに成り下がるだけだ. そういう意味で,この状況でセックスにおぼれることのできる清子のキャラには 共感できる部分があまりにも少なすぎる. その他のキャラ達も然り. なんだか物足りない読後感の理由はそこにあるような気がする. | ||||
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映画化で人数が減った理由が理解できる。 31人いる必要はなかった。 個人個人に役割がどれだけ与えられているのかにもよるけれども、木村多江さんは主人公のイメージではないなぁ。 もう少し独善的な女優でなければね。 あくが強くてしたたか、木村佳乃さんの方がイメージに近いかもしれない。 それにしてもあの終わり方は残念だ。 | ||||
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第44回谷崎潤一郎賞受賞作。 太平洋に浮かぶ無人島に漂流した一組みの夫婦。その後、同じく漂流してくる若い日本人たち、中国人たち。 絶海の孤島に1人の中年女性と31人の男性たち。 いつまでたっても救助は訪れず、日本人たちは「トウキョウ島」と呼び、望郷の思いと生きるための奪い合いを始める。 実在の事件をモチーフに、無人島で生に執着する人のどん欲さ、強烈な生き方が描かれているのだが、正直な所、肌に合わなかった。 登場人物に同調できる者がほとんどおらず、章ごとに視点が変わるのでさらにストーリーにのめり込めない。 ラストまでカタルシスがなく、結局「何を見せたい」のかはっきりと伝わってこなかった。うーん、残念。 | ||||
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無人だった孤島に漂流した人々、しかしその中に女は一人。 彼女が、群がる男たちの中でその本能を呼び覚まし、生き抜いていく物語。 とはいえ、よくある漂流物ではなく、登場人物のほとんどがキレています(笑)。 米ドラマ“LOST”を見ていた為か、 序章からただ一人の女、清子が、女王様モード全開だったのに面食らいました。 この物語に登場する人物には、ドラマに出てくるようなヒーローはいません。 というか大多数が世間一般でも、日の目を見てこなかったような人間です。 あえてこのような人選をすることで、 作家の凶暴な妄想を、大暴れさせる事が出来たのかも。 清子自身も、彼女の夫の言葉を借りると、貞淑な妻だったそう。 しかし残念なのが、貞淑な妻から変身するエピソード、描写があまりない事です。 いつの間にか、男を使い倒すしたたかな女王となり、本能剥き出し状態。 しかし、あえてパーソナルなエピソードを省くことで、 “清子=女”と一般化しているのかもしれません。だからこそ、怖い! 女が男の中で独り。だからこそ、その意味・価値・機能が強調されていきます。 物語中盤で、清子が自身を社会全体の象徴“島”であり、“島母”であると、 錯覚して行く件は、女の持つ受容性が極まってのもので、 トランス感がたっぷりあり、読者に迫ってくるものがあります。 女の本質を考えさせられる一冊。 | ||||
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無人島に一人の女と三十一人の男。 「グロテスク」に匹敵するような、性を描いた壮絶な娯楽小説となるのかと思いきや、存外淡々と、観念小説あるいは思考実験のごとく話は進みます。無人島でのサバイバルとしてのリアリティには全くこだわっていないようですし、もちろんミステリー的な要素は皆無です。単行本版のほうのレビューの☆の少なさはそのあたりを反映しているのかなとも思いますが、孤島物という極めて古典的なテーマに現代的な登場人物を配して描いた純文学、という意味での面白さは充分なものです。 古くはロビンソンクルーソーに始まる孤島小説の数々、大抵の場合その面白さの本質は、過酷な自然との生死を分ける戦いにではなく、あくせく働かずとも生きていける南の楽園でいかに故郷の退屈な日常に近いそれを再現するか、というところにあると思います。リゾート小説でありグルメ小説。我々はそんな彼らに同情するのではなく寧ろ羨むのです。 この「東京島」はそういう意味で典型的な孤島小説とも言えます。登場人物たちは飢餓や熱病に脅かされることもなく、それぞれの方法論で自分たちの感情を状況に適応させていったり、適応に失敗して破綻を抱え続けたりしていきます。 物語としては寧ろ退屈です。シチュエーションから期待するような生死を分けたバイオレンスや性愛に絡む陰惨なエピソードは、全くないわけではありませんがさらりと記述されるだけで、ページの多くは、普通ではない状況下での案外普通な内面的心理描写に割かれています。 心理描写は別として物語自体に関してですが、筒井康孝の初期の短編で確か「心狸学社怪学」に収められた、全共闘の闘志達が閉鎖された東大構内で原始共産性的社会を数十年にわたって営み続ける話によく似ていると感じました。終章まで読み進めるとますます似ているどころではなくなります。 | ||||
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