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東京島



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【この小説が収録されている参考書籍】
東京島
東京島 (新潮文庫)

東京島の評価: 2.99/5点 レビュー 187件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.99pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全187件 181~187 10/10ページ
No.7:
(2pt)

いくら何でも…

無人島に取り残された31人の男と1人の女のサバイバル物語です。
自分は桐野さんは好きな作家ですが、本作はさすがにうまくいって
いないと思います。設定に無理があるのは、無人島物語という実験
的な小説をつくるため仕方がないのかもしれません。
しかし物語中、登場人物たちの俗悪・醜悪の面のみがこれでもかこ
れでもかと強調され、気持ちが悪かったという読後感しか残りませ
んでした。
作者は清子は生命力の強さをも描こうとしたのかもしれませんが、
自分は清子には少しも共鳴することができませんでした。
東京島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東京島 (新潮文庫)より
4101306362
No.6:
(3pt)

うーん やっぱりちょっとスランプなのかな?

ひさびさの新作と期待し、さすが桐野さんならではの女性の身勝手さしたたかさは健在
男性ではやっぱりここまで女のドロドロした心の内は描けませんが
女 1 対  男 多数の話
エロとサバイバル 割合は 3:7位かなぁ
漂流ものはロストとか緻密なミステリーが印象深いのですが、
こちらはそこまで謎めいてません
ありがちな人間模様です。特に驚いたことする人もいないし
それと島の地名とか無理やりつけて行く感じがどううも話にのめり込めにくくさせます
(グループの集落をブクロとかチョーフとか...)あだなも小物は結構わかりにくいし
OUTの頃を期待して買うとちょっと....かも
最近の作品て、事件を題材にしたものが透けて見える感が強いので
ぜひ、時間がかかっても書き下ろしのオリジナル新作読みたいですねぇ
東京島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東京島 (新潮文庫)より
4101306362
No.5:
(5pt)

多くの男性に囲まれた女性の人間の心理描写がたまらん

前作の「メタボラ」では沖縄の民宿とそこにたむろする若者が
描写されすっかり桐野ワールドもここで無くなったかと思われた。
内容は夫婦で世界一周のヨット旅行途中に遭難し、無人島に流れ着く。
その後流れ着く男たち。あわせて男31人と女1人の無人島生活。
そりゃエロい話も出てきますわ。形を変えた桐野ワールド。
無人島において人間とはこうも変るもんですか?!
そのあたり人間の行動心理みたいなものがおもしろい。
東京島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東京島 (新潮文庫)より
4101306362
No.4:
(5pt)

他者と触れ合いそうで触れ合うことはない。

ずっと放置されていた『メタボラ』も読み始めると止まらなくなってしまった。
あの物語の(主人公たちの)情けない疾走感みたいなものが心地よく、物語の切れ方はセリーヌの『夜の果ての旅』みたいにいかしてた。
さて、『東京島』である。
無人島に漂着した31人の男と1人の女。あたしは必ず脱出してみせる・・・と、帯にある。
しかし、やはり桐野女史、西村寿行みたいな展開にはなるはずもなかった。
性の饗宴みたいなシーンはほとんどなく、たった一人の女性である清子独壇場の展開などでも決してなく、
話は予想しがたく展開してゆき、ワープして(ワープなんて今どきでも使うのかな?)予想しがたい結末を迎える。
これ以上は控えるが、
思ったのは、彼女のストーリーの登場人物は、
他者と触れ合いそうで触れ合うことはない。
肩に触れたと思っても、そこをすり抜けていってしまうのである。
だから他者は自分の中に取り込まれた亡霊として登場するときに最もリアリティを持つのだろう。
それが現代なのか。
誰かを殺し、死体を平然と切り刻み、ディスポーザーやら下水に投棄する。
知らぬ顔してインタビューに答え、素知らぬ顔で淡々と仕事を続ける。
例えば誰もが自分の中に手負いの獣を飼っている、なんて表現を昔はした。非常にブンガクテキに聞こえちゃう。
多重人格なのか、分裂してしか存在し得ない自我なのか、
しかし、そんなんで自らの命絶ったり絶たれたりじゃあたまらんと思うんだが、
乾いた眼で、肋骨下縁に、エッジの鋭いナイフが音もなく忍び込み、小腸を超え、大動脈に至る、
そんな感じかな。
登場人物は非常に多く、それぞれがそれぞれの存在理由を持っているのに前述したように、彼らは個でしかあり得ないのだ。
ワタナベとグンジというキャラの最後あたりがもうちょっと知りたいと思ったけど、そういったぶつ切れで終わらせてしまうのがやはり作家の度量なんだろう。
東京島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東京島 (新潮文庫)より
4101306362
No.3:
(5pt)

他者と触れ合いそうで触れ合うことはない。

ずっと放置されていた『メタボラ』も読み始めると止まらなくなってしまった。
あの物語の(主人公たちの)情けない疾走感みたいなものが心地よく、物語の切れ方はセリーヌの『夜の果ての旅』みたいにいかしてた。

さて、『東京島』である。
無人島に漂着した31人の男と1人の女。あたしは必ず脱出してみせる・・・と、帯にある。
しかし、やはり桐野女史、西村寿行みたいな展開にはなるはずもなかった。
性の饗宴みたいなシーンはほとんどなく、たった一人の女性である清子独壇場の展開などでも決してなく、
話は予想しがたく展開してゆき、ワープして(ワープなんて今どきでも使うのかな?)予想しがたい結末を迎える。

これ以上は控えるが、
思ったのは、彼女のストーリーの登場人物は、
他者と触れ合いそうで触れ合うことはない。
肩に触れたと思っても、そこをすり抜けていってしまうのである。
だから他者は自分の中に取り込まれた亡霊として登場するときに最もリアリティを持つのだろう。
それが現代なのか。

誰かを殺し、死体を平然と切り刻み、ディスポーザーやら下水に投棄する。
知らぬ顔してインタビューに答え、素知らぬ顔で淡々と仕事を続ける。
例えば誰もが自分の中に手負いの獣を飼っている、なんて表現を昔はした。非常にブンガクテキに聞こえちゃう。
多重人格なのか、分裂してしか存在し得ない自我なのか、
しかし、そんなんで自らの命絶ったり絶たれたりじゃあたまらんと思うんだが、

乾いた眼で、肋骨下縁に、エッジの鋭いナイフが音もなく忍び込み、小腸を超え、大動脈に至る、
そんな感じかな。

登場人物は非常に多く、それぞれがそれぞれの存在理由を持っているのに前述したように、彼らは個でしかあり得ないのだ。
ワタナベとグンジというキャラの最後あたりがもうちょっと知りたいと思ったけど、そういったぶつ切れで終わらせてしまうのがやはり作家の度量なんだろう。
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4101306362
No.2:
(3pt)

無痛キリノ・・・

小学校の朝礼で校長先生からはじめて教わったのは、
「人に迷惑をかけない」ことと「自分のことは自分でする」ことでした。しかし、男子であるワタシは、自分のコドモだけは人に迷惑をかけて産んでもらわなければならないわけで、これは残念なことだと思っていました。本作を読んで、あらためてこのことを思い出しました。
清子と夫そして三ヶ月後に23人の日本人の若者が漂着、その後中国人集団も加わる無人島生活のなかで、ただ一人の女性である清子を中心に物語はめぐり、あらたに漂着したフィリピン人女性達の助けを借りて、だれが父親か判然としない双子の男女を出産・・そして脱出(または残留)と、テンポ良くお話はすすみます。
清子の夫・隆以外の若者の、漂着以前の心象風景のほうにキリノ流のリアリティーを感じます。この、ろくでもない登場人物たちを通して語られるひとつひとつのエピソードの描写は、さすがストーリーテラー・キリノと唸らされますが、無人島を舞台とした新たな「国生みの物語」とするには、全体を通しての印象は散漫です。章によって語り手や目線があざやかに切り替わるのがキリノさんの流儀で、本編でもいかんなく発揮されている・・といいたいのですが、初出から三年という執筆期間の中で目線を追うカメラのレンズに微妙なぶれがおきてしまったのでは・・と考えると残念です。「OUT」や「グロテスク」など精緻に組み立てられた「痛い世界」・黒キリノを期待して本作を手にいたしました。しかし、舞台が日本最西端の与那国島のさらにかなたの無人島(東京島)という設定なので、すべてのエピソードは象徴的な隠喩に満ちたオトナのおとぎ話になります(∴いたくない・・無痛キリノ)。
東京島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東京島 (新潮文庫)より
4101306362
No.1:
(2pt)

できの悪い『ロビンソン・クルーソー』変奏曲

『ロビンソン・クルーソー』の設定は、その後の文学史においてもヴェルヌの『十五少年漂流記』、ゴールディングの『蝿の王』のほかいくつもあった。それに連なる現代日本の人気作家の最新作。
クルーソー的設定に『女の平和』を加味した按配で、徹底的に手段と化する「性」の直接性が新味を与えているとはいえるが、漂着した無人島という小説上の「実験室」を設えたにしては、結局それも「古典的舞台」であり通俗的の感は免れない。
だいたい、批評家も読者もこの作家を評価し過ぎではないかと常々考えていたが、朝日新聞の「文芸時評」では例によって斉藤美奈子が「国家や市場経済の起源を考えさせる」とまで書いているが、これは本気で言っているのか? 最近、斉藤はどうしたのだろう?
ロビンソンのパロディではミッシェル・トゥルニエのものが一頭地抜け出ているという記憶がある。これは当初『フライデー、または野生生活』というタイトルで岩波現代選書から出ていた。確か大江健三郎推薦だったと思う。
東京島 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:東京島 (新潮文庫)より
4101306362

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