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東京島
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東京島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全187件 121~140 7/10ページ
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桐野さんの小説を読んだのはこれが初めてで、もともと彼女の小説のファンでもなんでもなく、何の思い入れもない読者です。 雑誌のはしっこに載っていた書評を読み、ひょんなことから、「かなりおもしろそうだ」と思い、手にとりました。 文章はスピード感があって平易で読みやすく、そしてかなりのアイロニーや毒があり、物語にぐいぐいと引きこまれていきました。 もともと、無人島モノが大好きで、『蝿の王』も『十五少年漂流記』も『ひかりごけ』もそれぞれに味があって好きですが、お互いに助け合う絵に描いた餅のような非現実的展開よりも、それぞれが疑心暗鬼になって狂人となり、悲惨な末路をたどる現実的展開の方が興味深く好みなので、この『東京島』はぴったりでした。 島のあらゆる部位に東京にちなんだ名前をつけたり、わざとらしく暗喩を入れて話を崇高なものにしようとしていたり、登場人物が多すぎて名前が覚えきれないところは、読むうえで少し苦痛でした。 けれど、この物語の主人公の一人ともいえる清子の、女性としての強さ、したたかさは、あまりにも醜く、目をふさぎたくなるようなものですが、同じ女性として心の奥底を揺さぶる、本能的な部分で感じる魅力があり、惹きつけられました。 無人島で、文明の中で無意識的にかぶっていた外面の皮を剥がされると、女も、男も、きっとこんな風に生物的本能に忠実になって、何が起こるかわからないようなあ、と思い、サバイバル小説を楽しむことができました。小説の魅力の大きな一つは、自分で普通の生活を営むだけでは到底体験できそうにもないことを疑似体験できることにありますが、この『東京島』は、まさにそんな小説の役割を十分に果たす、とても面白い小説でした。 | ||||
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余り評判の芳しくない1作。 この第1章を雑誌で読んだときには、こんな時空を生み出せる著者の すごさに驚きました。 この第一章亜が素晴らしいだけに、編集者の要請に応えて、 続きを書かざるを得なかったではないでしょうか。 章ごとで少し濃度の違いがあるのは否めません。 しかし、 32人が流れ着いた太平洋の孤島に女一人。 どう女は生きるのか。 女はこう生きる、それが美しくもある。 女の強さ、怖さ、 それが、間違いなく魅力である。 幻想としての女性ではなく、 女の本質を深く知りたい人には、 危険を恐れず読むべきである。 桐野夏生の重要な作品であることは疑いようがない。 | ||||
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女一人と複数人の男の無人島サバイバルですが、やはり桐野さん特有のダークで一線を越える時の心理描写やエグイ表現に満ちていてぐいぐい引き込まれます。読後感は良くないですが、桐野さんの他の作品にも言えることなので、これが持ち味でしょう。ところで唐突にロックの話がでてくるので桐野さんの音楽の趣味がわかります。古めが好きですね。 | ||||
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東京島って何?と手にとった本です。 こりゃ、おもしろいです。内容も、どんどんと小説の中にひきこまれていきます。 まるで、自分がサバイバル生活にはいってしまった気分。 もし、自分が東京島にいったら、どんな風に生きていくの?って考えてしまいました。 ネタバレするので内容はひかえますが、さすが桐野夏生さん、筆力があります。 あっというまに読み終えてしまいました。 自分が職業とか現在のポジションとか関係無しに丸裸になったときに何ができるの? 何をするの?ということを考えてしまう本です。 | ||||
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桐野夏生の「東京島」です。単行本発表時から気にはなっていましたが、文庫化されたので購入にいたりました。あっという間に物語の世界に入れます。サクサク読めますので、映画化されるのも理解できます。無人島に漂着した人々がその島を東京に見立てて生活を始める。ただそこには女性は一人きりであった。 その状況から巻き起こることは人間の弱さや意地汚さ、といった負の感情が島全体を覆いつくしていくことである。そこにはサバイバルの要素はなく、ただただお互いがお互いを警戒しあっている状況のみが広がっていく。いやな状況が広がる世界なのである。極限状況に追い込まれたときの人間の弱さがこれでもか、と描かれている。読むといやなのである。でも物語の世界に引き込まれる。これが筆力というものなのであろう。人間の生理的にいやな部分、つまり「闇」の部分を描かせたら最高の作者が描いた、闇の一遍です。 無人島への漂流生活で明るいサバイバルをお求めの方は、須川邦彦「無人島に生きる十六人」をオススメします。ノンフィクションであり、本書とは全く違う、明るい漂流者、サバイバル生活が描かれています。 | ||||
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戦後、1945年から50年、マリアナ群島・アナタハン島に漂着した、1人の女性と30人の男達。 その共同生活の中で、男達は女をめぐって殺し合い、疑心暗鬼の中、次々と男は消え、最後は女を含む 20人ほどが生き残った。 この「アナタハン島事件」を、換骨奪胎した作品である。 「事実は小説より奇なり」と言うのはまさしくこれで、桐野さんは この設定の飛ばし方に失敗してしまった。 つまり、この小説は「事実の途方もなさ」にすっかり打ちのめされる結果になってしまったのである。 | ||||
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漂流の末に無人島にたどり着いた夫婦と島に捨てられた男だけの若者たち、 そして流れ着いた中国人。 彼らのサバイバルと微妙に変わっていく力関係を島で唯一の女である清子を主人公として 描かれていく。 よくありがちな若くてきれいな女性、をヒロインとするのでなく、 40代後半に設定しているのは桐野夏生ならではと感じた。 それによって色気だけはなくて、生き延びるための人間のドロドロした部分が うまくクローズアップされたと思う。 ただし最近の桐野夏生によくあるように、 話の展開に都合が良すぎる部分があったり、 スピード感にもたつきがあり、好きな舞台設定にもかかわらず、 話しに入り込めなかった。 | ||||
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途中まで、なんだこれ?と思って読みました。こんなのハードカバーで買ってしまって…と後悔しかけたのですが、後半に入ってからの展開と揶揄と暗喩が最高です。 文章や描写は荒いし、いろんな面で取捨選択が激しいのもたしかですから、受け付けない人はだめだろうな、と思いますし、登場人物が少し多すぎる感じもします。あまり計画的に書かれたとも思えません。 しかし、日本という国や日本人を比喩で見事に描ききったと思いますし、最後の章のふたつの視点はスパイスが効いていて、最後まで読んで本当によかったと思いました。 平成の『吉里吉里人』とは呼べないかもしれないが、大胆なアレンジは必要でしょうが、映画や舞台にする価値があると思います。 | ||||
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この物語の大きな見どころは、次の二点にあると思う。 ・無人島に流れついた32人の中で、女は清子ただ一人であったということ ・脱出が絶望的な無人島での生活の中で、 何人もの人が様々な形で正気を失っていったこと 島の男たちに翻弄され、時には自分も彼らを利用し、 結局は島に弄ばれたような運命を辿っていく清子。 しかし食べるものにも不自由している島での生活の中で、 何故だか清子は太っていく。 その事実が彼女を悲劇のヒロインから遠ざけ、ユーモラスな印象すら与える。 重くなりがちなテーマでありながらも、全体的に軽快な印象を受ける。 これは秀作である。 | ||||
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桐野夏生作品は大好きです。 中だるみが無いというか。 この作品は、とある実際にあった事件を題材としたフィクションです。 桐野さんの作品の中ではグロテスクさが薄いですが、桐野節は健在でサクサクと楽しめます。 しかし…最後はいただけません…。 これだけです。 あとは楽しめる作品だと思います。 | ||||
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南洋の島アナタハンに漂着した30人の男とそこにいた一人の女性。彼らがその女性を巡って殺し合いを始めた特異な事件は、「アナタハン島事件」として、女性達が米軍に救出された後、国内でスキャンダラスに取り上げられ映画化もされた実話である。 小説「東京島」は事件にインスパイされた桐野夏生が、例によって巧妙な換骨奪胎で、「トウキョウ島」と言う架空の島を舞台に、現代日本の寓話に仕立て上げた野心作である。 日本人漂着者20数人が暮らす「トウキョウ」と、中国人の漂着者が暮らす「ホンコン」。「トウキョウ」の人々は、気のあった仲間同士で「オダイバ」「ブクロ」「シブヤ」などの集落に別れ暮らしている。正体不明の廃棄物が置いてあるため、「トーカイムラ」として恐れられているエリアもある。 「ホンコン」の人々が、生きることにタフで貪欲であるのに対し、「トウキョウ」の人々は、脆弱で無人島の自然に太刀打ちできず少しづつ破綻していく。その様子を、現代日本と現代中国の縮小された戯画としてみることはたやすい。 しかし決して読者を安心させてくれない桐野夏生は、そういった図式的な構図をどんどん破壊しながらストーリーを縦横無尽に展開していく。う〜ん、相変わらずサディステイックだぜ(笑) 桐野自身が描きたかったのは、やはり彼女の永遠のテーマである「女性のタフネス」であったと思う。 男たちが無人島の生活の中で、時に壊れ、時に安易な社会秩序作りに走る中、主人公の清子だけは現実を受け止め、自分が生き残ることだけを考えて予測のできない行動をとり続ける。 それは女性が本来持つ生命力を、極限状況の中で描き出してみたいと言う、作家の根源的な思いなのだろう。 最近の彼女の作品の中では、飛びぬけた名作とはいえないが、相変わらずのお手並みでした。 | ||||
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本がきれいな状態で、新品同様です。購入してよかったです。対応も早かったですよ | ||||
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面白くない。 というか、なんか低俗。 桐野さんの作品、好きなんだけどなぁ。 それだけに残念。 私には、良さが解らないだけかもしれませんが・・・ | ||||
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ミロシリーズやグロテスク、OUT好きな人には「なんじゃこりゃ?」かもしれません。が、これも桐野ワールド全開の作品だと思います。混沌とアナーキー、亀の甲羅を背負ってるワタナベやらカーネルクリスピーやら毛流族となって原始生活を受け入れるやら…読んでいない人には「?」でしょうが、この荒唐無稽なシチュエーション化で現れてくるアイテムやらエピソードこそ、桐野さんにしか描けない世界です。この方は元々緻密なプロットを組み立てて書くタイプではないし、その筆の勢いで書き進め、最後にある意味放り出す感覚は、私的にはクセになっています(笑)。あと桐野作品で感情移入できる登場人物を探す読み方はしない方がいいです。作者自身、そういう読まれ方は望んでいないと思いますので。とにかくこういう世界観の小説を書ける人(特に女流作家)は皆無だと思うので、この感性で書き進んでほしいですね。 | ||||
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桐野作品は私の中で好きな物と苦手な物に極端に分かれる。 で、今回はと言うと… 全く受け付けませんでした。 共感出来る部分も感動・感銘する部分もなく、カタカナ言葉の乱立や表現など、どれを取っても私には苦手分野 それでもラストまで必死に読み進めましたが、読み終わっても特に心に残る所はありませんでした。 次の作品に期待します。 | ||||
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足掛け4年に渡り、「新潮」に掲載された作品。 4年という期間の割には、ボリュームは少ないと感じる。 第1章を読む限りでは、桐野ワールドの新展開かと今後の展開に大いに期待させるが、 最終的にはやや唐突な感じで終わるのが残念。 実は途中で行き詰まり、ネタ切れしたのでは?と勘ぐりたくなる。 本人としても、納得のいく結末ではなかったのではないか。 桐野作品として、「OUT」以降の一連のダークサイドな内容を期待すると肩透かしに合うが、 別の作者の作品として読めば、ここのレヴューでこき下ろされるほど悪くは無い。 だが、本作の主題、何を描きたかったのかは非常に不可解。 人間に潜む闇を描くのに長けた作者にしては、やや箸休め的な作品という気がする。 シチュエーションの唐突感は、個人的には村上龍に通じるものを感じた。 | ||||
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これはつまらなかった。何が言いたいのか、ただの娯楽としてもおもしろくなかったし…描写も弱い。読み終わるまでも苦痛で読み返ししたい気力もない。 | ||||
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すごく読みやすく、物語の中へ引き込まれてしまい。 一日で全部、読みきってしまいました。 | ||||
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残念。 面白くも、すごくもない。 このような作品もあるんですね。次回に期待しましょう。 | ||||
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桐野さんは「OUT」など、いくつかの作品を読んでおり、気になる作家の一人です。 今回は新聞の書評から、壮絶なサバイバル物語かと思いましたが、読後の感想はまったく違っています。 全体を通して、読者と人物たちとの距離を離している、感情のつながりを故意に?持てなくなしているように思います。登場人物は現実(文明)社会では日の目を見ることのない人たちばかり。そんな人たちの集まりでも、それなりにリーダーや役割などがうまれてくる、スポットライトがあてられる。本来なら相当悲惨な設定にも関わらず、どこかコミカルな雰囲気さえも漂う、現実社会への皮肉に満ちた作品に感じました。現実社会に戻れば、まるで価値のない人間のようにみられそうな人たちが、東京島では子どもたちの先生として、一人一人大切な島民として個人の社会的役割や人の重みが与えられている。一方の主人公はこれまた現実社会にも適応し、文明からの享受を受けて平穏に暮らしている。 私にとっては考えさせられる作品でした。 | ||||
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