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東京島
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東京島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全187件 161~180 9/10ページ
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私が初めて体験した桐野作品は『リアル・ワールド』で、当時青春真っ盛りの私にとって、余りの読後感の後味の悪さにショックを受けてしまい、それ以来桐野作品からは距離を置いていました。 そんな私も年齢を重ね、ある程度社会の汚い部分も知ってしまったので、今回内容に惹かれ久々に桐野作品に挑戦してみました。その結果やっぱり悪かったです、後味。 と言っても、あの頃感じた後味の悪さとはまた種類が違って、『リアル・ワールド』の時は見事に世界間に飲み込まれた結果の後味の悪さでしたが、今回は肩透かしを食ったという意味での後味の悪さです。もっとぶっ飛んだ、この人にしかできないような発想を期待していたのですが、特に珍しい展開も無く、ラストも作者のしてやったり感が見え隠れして何となくイラッとしてしまいました。 好きになれる登場人物も一人もいませんでしたし、これが本来の人間のあるべき姿だと言ってしまえば、それまでなのかも知れませんが、やっぱり私は例え綺麗ごとであっても救いのある物語を求めているのだなぁ、とそういう気付きを与えてくれてありがとうという意味での星3つです。 | ||||
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恐らく「アナタハン島事件」をベースにした作品なのだが、島に中年女性を唯一人含む複数の人間が漂着し、奇妙な生活を始めると言う設定に時代・社会的必然性が感じられず、無意味な作品としか思えない。ベースの題材が無ければ作品を書けないと言うのも、作者の昨今の想像力の欠如を改めて感じさせる。児童向けの「十五少年漂流記」に比べても構成力において劣る。 登場人物は記号的であり人間性が感じられない。無人島に漂着したせいで奇矯な性格になった訳ではなく、初めからある種の典型パターンの人物が選ばれているのだ。それが又、島の区域に記号的な(東京の)地名を付ける。読んでいてイライラする。そしてヒロインの設定である。「OUT」の成功体験で、どうも作者は中年女性をヒロインにしたいようだ。無人島におけるヒロインの性的な栄枯盛衰を描きたいようだが、年齢設定に無理があるため読む方はその世界に入っていけない。10代前半の少年でさえ、無人島からの脱出のため力の限りを尽す。本作の設定は現実味に欠けるだろう。そして結末まで読んでも得るものが無いのである。 今日の新聞で本作が谷崎賞を受賞したのを読んで、本当にガッカリした。日本文学の近年の低調を象徴するような出来事である。作者には、「自分は何を書きたいのか」をもう一度見つめ直して欲しい。 | ||||
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無人島の中で、どんな手を使っても生き抜いて脱出するという人間たちの本能むき出しの様子がしっかりと描かれていて最後まで一気に読ませる作品だった。無人島という隔離された空間の中でも、東京、ホンコンといったような人種差別や、共同生活をすることができないものがいたりと、新宿や渋谷、チョーフという街社会が生まれたりと、生活観にリアリティもあってよかった。ただ、もっとも読みごたえがあった最後の脱出劇のところが語りだけであっさり終わってしまったのが個人的には物足りなかった。 | ||||
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何はともあれよくもまあこんな話を思いついたものだと,それだけでも充分価値のある本. 正当化されているものをおちょくりまくり,今のエセインテリを笑い飛ばし,ことごとく惨めな状態に突き落とし,痛快軽快に書き進んでいくその筆致のテンポの良さも見事,昔一世を風靡した筒井康隆のあの世界を彷彿とさせる.桐野ワールドのさらなる発展に期待 | ||||
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久々に新書で買う程の期待作でした!! また帯にある「あたしは必ず脱出してみせる」が期待を増幅!! アナタハン島事件を元にした作品です。 心の機微などは、まるで自分が無人島に住んでいたかのようで楽しめるのですが、 最後がいかんせん・・・ 桐野作品は、ラストがどうも・・っていうのがちょくちょくありますが、今回も然り。 ただ、読んでいる時の「手が止まらない」ってのは変わりません。 既にミステリーを脱している著者としては、それを期待して読んで欲しくはないのでしょう。 ミロ作品や、OUTを意識して読むと物足りないかもしれませんが、角度を変えて読んでみると それなりに楽しめる作品だと思います^^ ラストは自分的にはちょっと・・ですが。 ここんとこ、事件を題材にした作品が続いているので、ファンとしては書き下ろしの新作が読みたいです・・・ | ||||
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登場人物がすべて品の無い人たちばかりで全く感情移入できない。 出てくるのはヤンキー、野生人みたいな中国人、ホモセクシャル、など。 唯一の女性も節操の無い下品な女。 無人島はその特殊な環境によって常人が次第に狂っていく所に面白みがあるのに、 元々狂った人たちがここまで集まっても面白い作品になりようがない。 夢野久作「瓶詰の地獄」のようなものを期待した自分がバカだった。 絶対に買ってはいけない一冊。 | ||||
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「グロテスク」は、モデルとなった「東電OL殺人事件」を換骨奪胎した名作だと思います。本作品のモデルとなった(であろう)昭和25年の「アナタハン島事件」は、戦争によりもたらされた極限状況という要素がありますが、本作品にはそのような緊張感、ドラマ性に乏しいように感じました。 また、「無人島に男大勢と女一人という卓抜な設定!」という売り文句で売る以上、書中でモデルについて言及しないのはアンフェアと思います。 | ||||
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最初に本を手にとった時、これは読ませる本だろうと直感した。 この題材で、大きくは外れないという予感はあたったが、そこで 起こる展開やラストには消化不良気味。 まあ、こんなものかという程度の印象に仕上がっている。ただ、 この作者の人間の心の機微を捉える観察眼には、オッと思わせる ものがあって、無人島での人間のエゴが作者の文章力で活きて いる面もあるように感じた。 | ||||
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女性のドロドロした内面や厚かましさ、図太さの表現は相変わらず健在で、流石だと思います。 ですが、あまりにも突拍子の無い設定のせいか、それともTVドラマの「ロスト」を連想してしまうせいか、これまでの作品のように入り込めません。 「まったくの作りごとだよねー」と、どこコか白けてしまいます。 男性の登場人物も、人数が多いせいか、はたまた各人の描写が中途半端なままのせいか、いまいち不鮮明なままです。 ラストには、、、がっかりでした。 | ||||
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少し残念な感じでした。帯の説明と中身は違うと思っておいた方がいいと思います。 女一人を強調していますが、特別女視線で描いている訳ではなく、 発狂する住民達を描いている方が強いと思います。 桐野さんの本は初めてですが、違う作品を読んでみたいなぁって気にはなりました。 ただ、設定に無理があります。そしてラストの終わり方にも???っとなってしまいます。 人物が描ききれていると評価がありますが私はその逆です。 主人公(一様)清子にはまったくもって葛藤が生まれていない。 双子を置いてけぼりはどうなの?あんた母おやなんでしょ? なんで捜索願いを出してあげないの? なんて、皆さんなんて勝手なの〜。 ワタナベにもちっとも共感得ず。 状況的にどうなの。なんで中国語がわかるんだよ〜。馬鹿なのに・・・・。 って負の部分しか語っていませんが、これらを目を瞑れば良作なのではないでしょうか? | ||||
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同じテーマで同じストーリーで男性作家が描くと、きっともっとエロくてグロイが抽象的になるだろうなと思わせる。 エログロさはややひ弱だがだが、やけにリアルで嫌な感じの描写力。 同性なのでわかる部分とだからこそ目をそむけたい部分がないまぜになって、何かぐちゃぐちゃの吐瀉物か排せつ物を見せられた嫌悪感が残る。 読んだ直後なのでまだ整理ができないが、小説としてはもう少し構成力があるべきなのだろうが、あえてそれを拒否しているのか?主人公が脱出後、島での出来事が神話化しているのだが、なんとなく落ち着きの悪い結末なのだ。 この物語はどう終わらせたら良かったのか。 | ||||
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面白かったです。 清子とワタナベの二人が出色。 清子の身勝手さとたくましさ、 ワタナベの進化(?)が 基本的にゆるくて笑ってしまうサヴァイバルもの。 生死に直面したときに緊張感でなく、 あきらめに支配される登場人物の弱さがはがゆい。 日本人の心のありようってこれで正解か?と、大きく疑問を感じます。 後半の島内の社会が形成されていく過程を読み進めるうちに、 読者に人間性とは何か、生きる意味とは何かを考えさせます。 この時点で桐野夏生の勝ちかな〜。 桐野夏生の日本人を見つめる視線の確かさがすごい。 死に直面しても家具作りをしてしまう、 ゆるい日本人を描き出す感性はそこらの作家にはできません。 エンターテイメント小説として、 今年一番の完成度だと思います。 読んで損はありません。 | ||||
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いかにも神話的な構成です。土地があり、人々がいて、そこにリーダーや宗教が生まれていく。対立者との拮抗、異能力を持っている人間の登場、抑えどころを抑えてるなあという印象です。トウキョウとホンコンとの対比・男との女の対比・文明と原始との対比など、そのようなものもよく描けていると思いました。ラストの対比も鮮やかです。もう少し壊れた構成になるのかなあと、半ば期待、半ば心配しながら、読んだのですが、きれいな作品だと感じました。 | ||||
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極限状態にある人間たちの、 おどろおどろしい物語かと思いながら読み始めましたが、 途中から、とにかく笑いどころが満載の、 ハッピーな冒険小説という印象に変わり、 登場人物がみんな愛しく思えました。 | ||||
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無人島に漂着した31人の男と1人の女。 1人の女清子は46歳で、既に無人島で5年目を迎えようとしている。 この状況から物語は始まるが、主人公は清子だけではない。 無人島の生活が5年目に差し掛かろうとする時、 元の場所へ戻ろうという生命力を失わずにいれるのは誰か? 常に今を生きようとする清子 過去に縛られる森軍司 あっちの世界に飛んでしまうワタナベなど、ふてぶてしい程の生命力が交差する。 ここまでくると桐野ワールド狂い咲きって感じで、読書を愉しむ作品ではなくなっている。 | ||||
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メタボラにしてもそうだったのですが、 最近桐野先生はすぱっとまとめに入るなあと思いました。 恐らくまとめに入らないと 本のページがありえないことになったり あるいは終結の方向性が変わってきたり まとまらなくなったりするのでしょうが 東京島に関しては、もう少し長くてもよかったかもしれません★ せっかく登場人物が多いので、語り手があと二人くらいいてもよかったかも。 ワタナベが語り手の話では思わず声を出して笑ってしまうこともありました。 やはり問題児の視点は面白いです。 隆の日記(?)も笑いました。 桐野毒舌は健在のようです。 島という隔離された、要は巨大な密室で 事件よりも人間性の崩壊というか構築というか そういったものをうまく書き出すのはさすが!と言えるでしょう。 | ||||
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クルーザーで世界一周旅行の途次難破し、南海の無人島に流れついた隆、清子夫婦。島の周りは潮流が激しく救出もないまま3ヶ月がたったころ、与那国島での苛酷な労働から抜け出してきた若者23人、更に3年後には中国人11人も漂着してくる。若者達は島をトウキョウジマと名づけた。問題は女が清子一人ということ。という極限状況を設定して作者は人間が生き延びるためにどのような行為をとるかを赤裸々に描いて読者につきつけます。 最年長で島の統率者でもあった隆は漂着1年後に栄養状態が悪化する中でサイナラ岬の崖から謎の転落死をします。それ以降、清子は希望者の籤引きで2年間誰かの妻となる約束事ができあがります。日本人の若者達は気の会うもの同士が数人ずつかたまり、ブクロ、ジュク、シブヤとなづけた集落を形成して生活しているのに対し、中国人たちはホンコンと呼ばれる地域で共同生活をしています。島には猛獣はいません。その代り蛋白源といったら蛇やトカゲ、日本人達はそれらをナマで食べるだけなのですが、中国人たちは廃棄されていたドラム缶から鍋や道具をつくり、塩を煮出し、それなりに料理をしたりします。そうした生活力はやがて脱出用の丸木舟を造りだします。清子は女であることを利用して密かにホンコングループに取り入り、脱出航海に同乗させてもらいます。 激しい潮流とたたかいようやく10日目には島影が見えるのですが、その寸前にスコールにあい沈没、なんとか上陸した島はしかしトウキョウジマでした。それまではただ一人女であることで絶対的に有利な立場にあった清子は、以来一人脱出をはかった裏切り者として阻害されることになります。 物語は更に脱出への希望や失意をもたらす事件が続くのですが、結局、脱出できた者もできなかった者もそれぞれの日常を受け入れて生き続けているという全く意表をつく終幕をむかえます。重い読後感の残る作品です。 | ||||
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本作品は現代人が無人島に漂流して自給自足を余儀なくされたら、どのような行 動をとるのか?がテーマになっています。彼らは望郷からか無人島にダイバ、コウ キョ、チョーフといった東京の地名を付けて生活を始めます。始めは秩序を保って 生活していますが、漂流者で唯一の女性清子の夫の隆が死んで均衡が崩れて行きます。 人間の心の闇を描く著者の作品は、日本でも類を見ないアプローチをしていると 思います。登場人物は自分勝手で弱く、簡単に人を裏切ります。普通なら不快で読 むに堪えないはずなのですが桐野夏生の作品だけはまた手に取ってしまいます。 彼女の描く心の闇は特別な闇ではなく、おかれた環境や状況によって誰もが迷い 込む可能性のあるため、自分も登場人物の誰かになり得るリアリティを持っている からなのでしょう。 | ||||
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桐野さんということで期待したのですが、デフォメルし過ぎで不自然な状況描写が多く、正直辟易してしまいました。 結末もチョット…?という感じです。 ただ、桐野さんに、こんなにも男目線力?があったのかという新発見はありました。 まるで、男性作家が書いたような箇所があったので。 | ||||
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ある行為を封印しながら、最終章のキーワード生成の転機と、その行為で最終章が始まるロジックは、いさかであろう。 | ||||
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