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ベンスン殺人事件
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.25pt |
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初めて著者の本を読みました。 | ||||
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この「THE BENSON MURDER CASE」を契機とし、世界中に本格ミステリが広がっていったとされる歴史的一冊を読みました。なるほど、たしかに多くの本格ミステリ作家がこのS.S.ヴァン・ダインから影響を受けていることは明らかであると、本作品を読めばそう思わずにはいられません。ファイロ・ヴァンスの博識で嫌味な話し口調は、日本の本格ミステリの大家である島田荘司氏の描く御手洗潔のペダントぶりにも表れています。 | ||||
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ヴァン・ダインのデビュー作 | ||||
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ヴァン・ダインの処女作として知られている。今読み返してみると、なるほど後世に与えた影響の大きさが良く解る。つまり、どこかで読んだような設定とかキャラクターの造形とかの原型をここに見ることができる。ぺダンチックな文体なんて大元はこれなんだ。名探偵ファイロ・ヴァンス誕生の「ベンスン殺人事件」だが、友人のニューヨーク地方検事ジョン・F・X・マーカムへの辛辣な言葉、ほとんど暴言に近いような言葉のやりとりのなかで、アリバイにこだわる検察当局の主張を片っ端からはねつけ、彼の独自の心理分析を駆使したやり方で真犯人を指摘する彼の探偵としての姿に、当時のミステリーファンは拍手喝采したことでしょう。今読むと事件そのものはベンスン殺害事件のみで、大勢の容疑者に悩まされ進展しない捜査の様子と、多彩な登場人物の動きがいろいろと綴られるところが長くて少し退屈な部分もある。しかも、ファイロ・ヴァンスは最初に死体現場を見た段階で犯人像をある程度絞っていたと語る始末で、その辺のことは何度もマーカム検事に話すシーンもある。マーカムも君は何を知っていると問い詰めるが、ファイロ・ヴァンスはまだ話すべきではないとはぐらかす。このへんはお約束とも云える常套手段で読者を煙に巻くやり方だが、、この辺も今のミステリーの定石として受け継がれている。これ一冊でいろいろ楽しめる部分がありベンスン殺害の真犯人を指摘するラストまで楽しく読めた。たまには古典も読み返すと面白い。 | ||||
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