霧の底に沈み幻想的なたたずまいをみせる湯布院。この静かな盆地の町で、疑獄事件の渦中にある前文部次官が首を吊った。

昔住み馴れた家の整地跡から白骨死体が掘り出された。20数年前のものらしい。

早池峰の地下の冥界の王・総門は怨魔王として地上世界の征服を目指す。

この世には、つらいことが多すぎる。私立探偵として独立したものの、相変わらず借金におびえ、妻には頭があがらない。

激しい先陣争いの末に、ピットらはインカの黄金の所在地を突き止める。

16世紀にインカの帝王が国外へ送り出した財宝。

「私の筆跡にやや乱れが見えるとしたら、それはバルタザールが左手で飲み、私が右手で書いているからだ」一つの肉体に共棲する双子、メルヒオールとバルタザール。

アベックを専門に襲う強盗強姦事件があいついて発生した。

血液型A型は『責任感』、B型は『感性』、O型は『信念』、そしてAB型は『論理』によって行動する―独自の血液型別行動理論を展開する白髪の心理学者・湯沢康弘教授の講演内容には、恐るべき陰謀が仕掛けられていた。

雨の日に起きた不幸な交通事故は、さらに大きな災禍を呼び込んだ 　小諸久美子は27歳のベテラン看護婦。

ケイ・ノリスはニューヨークに住む魅力的な女性編集者。

「もしこの作品に欠陥があるとすれば、それはあまりに面白すぎるということであろう」(あとがきより)。

刑務所から出所したばかりの男が、東京郊外に住む俳句の師匠・原花狼を刺し殺した。二人の接点は。

映画の主役に抜擢された元アイドル藤岡みのりは、ロケハンのためイタリアに飛んだ。

シーズンになるとスキー客で賑わう霧ヵ原高原スキー場。そのゲレンデに、六年前事故死した女の幽霊が現れた。

どうしても欲しい高価なネックレスを手に入れるための、見事な策略を成功させた人妻を描く「割勘で安あがり」、夕刻車で友人宅へ向う途中に追跡車に気づき、必死で逃げる女性の恐怖とその意外な結末「高速道路の殺人鬼」、四通りの全く違う結末が用意され、読者が好きなものを

『重力の虹』など、現代アメリカ文学史上に聳える3つの傑作長編を発表後、十余年の沈黙の後に、天才作家自身がまとめた初期短篇集。

群雄割拠の血で血を洗う戦乱の渦が静まりつつあった後漢王朝の時代。17歳の班超は憧れの地、西城へと出陣する夢を抱いていた。

戦争の傷跡を残す大阪で、河の畔に住む少年と廓舟に暮らす姉弟との短い交友を描く太宰治賞受賞作「泥の河」。

失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。『火車』の原型ともいえる「裏切らないで」。

高級リゾート、アスペン。でもゴルディは優雅な生活とは縁がない。

新横浜のホテルに現れた美女の装いは、まるで喪服をまとっているかのように黒づくめだった。

警視庁捜査一課の十津川警部の自宅に、一人の女性が訪ねてきた。

日本脳炎ワクチンの実験は、網走刑務所で行われた。臨床医学の心得がある私が選ばれた。

朝の教室で、美人の女子高生が手首を切って自殺した。

奇妙なことは、首相主催のジャーナリストの懇親会の時から始まった。

殺人の疑いのある死に際会した場合、検視審問を要求するべきか否か。

あなたが果たせなかったことを、わたしが成し遂げてみせる…拳銃自殺に失敗し、誤って見知らぬ女性を死なせてしまったマデリンは、その女性、スタアの身代りとなって生きようと誓う。

歌舞伎役者の芳沢達也は、恋人の佐伯真琴と、彼女の親友・酒井鞠子を軽井沢の別荘に誘った。

一代で財を成した一ケ原高顕が死んだ。

東京下町に事務所を構える下町探偵局は、所長以下5名が閑古鳥が鳴く中、毎日のんびりと過ごしていた。

飛騨高山のホテルで、美術商・八島恭三が変死体となって発見された。

至急ご一報ください。貴殿の大伯父様の遺言について、貴殿に益となるお知らせがございます―。

京都祇園の一流クラブ「ダツラ」。

タロット占いの名手・二階堂日美子は、友人の若山竜江の招きをうけ、南国・和歌山へ出かけることになった。

会津若松の山林王・内山家で残虐な連続殺人事件が起こる。

「そうだ、この子を連れてひと思いに郷里へ帰ってしまおう」―偶然知り合った少女の柔らかい手をひきながら河野の胸に“蒸発”の二字が浮かんだ。

新進画家として注目を浴びている田島幸平と幸福な結婚生活を続けていた麻里子は、ある日、夫の不倫を指摘する匿名の手紙を受けとる。

風刺劇を演じる道化役の男が何者かになぐり殺された。

神奈川県警多摩署の川合刑事は、太平洋戦争中、ミッドウェイで友軍機を誤射墜落させていた。

警備会社に再就職した宮地礼介以下4名の中年男は、社命で秩父の山荘に住む老人と孫娘の護衛をすることとなった。

殺人を犯して妻とともにアメリカじゅうを逃げ回る脱獄囚、赤毛の男。そして二人の逮捕を命じられたNY第十九管区の刑事。

少女が車で爆殺された。私立探偵ハンナが事件を追うと、真の標的は少女の父シェパード博士と判明する。

198X年11月22日、東京銀座で開催された「虹のパレード」の最中、アイドル歌手の加瀬葉子が殺された。

大晦のパリ。深夜の地下鉄で死体を運ぶ不審な二人組を目撃した貧乏絵描きに闇の世界から魔の手がのびてくる。

なぜ。今度は冴子の部屋から盗聴機が発見された。

電話のベルが再び鳴った。「新聞の投書を読んだよ。

犯罪学科の特別講師としてコロンボが大学に招かれた。その講義中、地下駐車場で法学部の教授が射殺されていた。

1143年ホーモンドとシュルーズベリの修道院間で所有地の交換が行われ、後日そこを耕作しているとき鋤が女性の黒髪を掘り起こした。

昔バンドマンだった父は急に「瀬田の唐橋が見たい」と娘の路子に言いおいて大津に旅立った。

建都1200年で賑わう秋の京都。百合子は高校時代の仲よしグループで、ドライブを楽しんでいた。

破弾に砕かれて坐礁し、そのまま化石となった巨大な軍艦のように見える孤島に、修道会のつくった矯正施設がある。

僕とセンセイと奥さんの衝撃的な愛のかたち。編み目の表裏のような、嘘と真実。

江戸の日本橋界隅を縄張りとする岡っ引き・市蔵は、下手人を挙げるだけでなく、事件の背景の事情にも細やかに目を向け、市井の片隅でけなげに生きる人々に温い視線を送ることを自らの務めとしている―。

明和医大教授・久保伸也。地位も名誉もある彼が、なぜ強姦を装って罪のない女性を殺したのか。

“銀河法典”の定めに従って復讐の旅に出た子供たち。

20世紀末、地球は未知の異星種族の手になる惑星破壊機械の襲来を受けて炎上、壊滅した。

江戸川乱歩はなぜ、幻の作家の小説『仮面の恋』を封印したのか。

弁護士のジェフは、気づいたときにはすべてを失っていた。くじを当てて大金持ちになった妻が、何もかも奪ってしまったのだ。

13歳の八木沢順が、刑事である父の道雄と生活を始めたのは、ウォーターフロントとして注目を集めている、隅田川と荒川にはさまれた東京の下町だった。

古い住宅地図に閉じ込められた思い出の町、あの少女の家は空き地とだけ記されていた…。

死体の額に刻まれた×印。紀勢本線新宮駅近くと東京・世田谷で二人のOLが殺された。

就職しアパートで一人暮らしを始めた清水真弓は、絶えず隣家からの視線に晒されている感じに悩まされる。

井の頭公園に若い女性の刺殺体。

神戸の名門校マリア女子学園で、若い修道女が不審な死をとげた。

血の気は多いほう、くぐった修羅場も数知れない。

「父が殺された」。旧友の水沢小雛から連絡を受けた日美子は急遽、彼女の待つ明石へ向った。

青森にいるはずの広石英人が鳥海山奈曽渓谷で墜落死した。通報者は銃声のあと悲鳴がきこえたという。

「体育祭を中止せよ。さもないとみな殺しや」―度々脅迫された上原中学の校長桜井は、有季をたよって、2A探偵局にやって来た。

指揮者・朝倉宗和の要請で、声楽コンクールの会場警備にかりだされた片山刑事とホームズ。

依頼人の女は真夜中に連絡してきた。短い電話だった。

イギリスで現金密輸を請負う一匹狼、コクラン。今回の仕事は、35万ポンドをスイスに運ぶというものだった。

70歳の大金持ちの選んだ相手はなんと28歳。

会社員細川澄枝は銀行からの帰り、社員のボーナス2千万円をタクシーの中に置き忘れた。

秩父郊外の鬼島家。その屋敷跡で右手に首をぶら下げた死体が発見された。

はじめに袋とじのまま、短編小説の「消える短編小説」をお読みください。

浅見光彦の遠縁の大学生・緒方聡が女子高生誘拐の嫌疑をかけられた。

ピュリツァー賞受賞カメラマンの妻が誘拐され、空き屋で射殺されていた。

「大文字」で賑う京の夜、鴨川東岸で石田千草が毒殺された。―千草は、夫和也の不倫の相手。

離婚した夫が殺されるかもしれない。

道路脇で殺されていたのは青森県からの出稼ぎ労働者だった。彼は金に困り仲間三人で強盗に入った邸で殺人を目撃していた。

上高地から岳沢へ登攀中、雪洞に貯蔵していた食糧を口にした三人パーティの一人が急死した。青酸毒であった。

「ねえ…思いきって、やったらどうなの」「何をだ」「わたしを、殺すのよ」…社の常務の姪と不倫の挙句、妊娠させ、結婚を迫られる夫。

昔、天に昇ろうとした男の伝説がある九州・星里の街。昭和五十一年の昇天祭りの日、祭りの櫓に三人の男女の死体が吊るされた。

景王―陽子は、官吏の圧政で多くの民が重税や苦役に喘いでいることを漸く知り、己の不甲斐なさに苦悶していた。

戦国末期、好きな釣りに出ている時、城が敵の攻撃を受け、父と兄を失った男がいた。

時は紀元前70年。ローマ警備隊を率いる若き貴族デキウスは、元剣闘士が殺された事件を捜査中、新たな任務を命ぜられた。

あたしの名前はフライデイ。職業は戦闘伝書使―秘密文書を正確かつ迅速に運ぶのが任務。

ひょんなことから出生の秘密を洩らしたばかりに、あたしは懐かしいわが家から追い出されてしまった。