御手洗潔が日本を去って1年半。

吉敷竹史の元妻・加納通子は、「首なし男」に追われる幻影に悩まされていた。

浅草で浮浪者風の老人が、消費税12円を請求されたことに腹を立て、店の主婦をナイフで刺殺した。

さらし首の名所・暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の大楠。

虚栄の都・ハリウッドに血で爛れた顔の「怪物」が出没する。

人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。

ミステリー作家の石岡は女子大生の里美に誘われて英会話学校に通い始めた。

収録作品 御手洗潔の挨拶 ひらけ! 勝鬨橋 灰の迷宮 毒を売る女 月報 対談 島田荘司・戸川安宣 『本格ミステリー未来への架け橋』 本格ミステリー作家の登竜門となった鮎川哲也賞の選考などで共に新人発掘に尽力した二人による、「本格」の今までとこれからを語り

石岡和己、犬坊里美、そして加納通子―。雪に閉ざされた龍臥亭に、八年前のあの事件の関係者が、再び集まった。

御手洗潔の過去・現在 貫き流れる音楽 次々と壊される便器と美女。

「6人の処女の肉体から、星座に合わせた新しい人体を合成せよ」 ひとりの画家の衝撃的な遺書の発見。

英国に留学中の夏目漱石は、夜毎、亡霊の声に悩まされ、思い余って、シャーロック・ホームズの許を訪ねた。

収録作品 『確率2／2の死』 『サテンのマーメイド』 『夏、19歳の肖像』 『火刑都市』 月報　対談　島田荘司・川本三郎 『島田作品と旅、そして東京』 本全集収録の『火刑都市』ほか、島田作品には「旅（トラベル）」「東京」を扱った作品が多い。

嵐の夜、マンションの十一階から姿を消した男が、十三分後、走る電車に飛びこんで死ぬ。

収録作品:『消える上海レディ』『Yの構図』『網走発遙かなり』『展望塔の殺人』月報 島田荘司/橋爪懋「上海レディを探して」 月報では『消える上海レディ』を担当した元角川書店編集者の橋爪懋氏との対談。

山陰地方を走る6つのローカル線と大阪駅に、流れ着いた女性のバラバラ死体!なぜか首はついに発見されなかった。

ニューヨーク、マンハッタン。高層アパートの一室で、死の床にある大女優が半世紀近く前の殺人を告白した。

エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。

テレビ局を舞台に、やらせが過ぎてクビになりかけていたディレクター・軽石三太郎が、進退問われる番組作りにやってきた東京湾・猿島。

プロ野球のスター・プレーヤーの子供が誘拐された。身代金一千万円。

江戸一番の人気者は、大泥棒“鼠”か、はたまた与力“鬼万”か。巷で話題、奉行所の名与力、“鬼の万治郎”。

記憶に障害を持つ男エゴン・マッカートが書いた物語。

箱根、富士屋ホテルに飾られていた一枚の写真。そこには1919年夏に突如芦ノ湖に現れた帝政ロシアの軍艦が写っていた。

映画俳優の大和田剛太の自宅に、差出人不明の郵便小包が届いた。なかから、塩漬けにされた剛太の右手首が…。

1985年4月、国鉄が誇る〈水晶特急〉が、上野から酒田まで、マスコミ関係者を乗せて処女旅行に出発した。

警視庁捜査1課の吉敷竹史は、ふと入った画廊で作者のない“羽衣伝説”と題された彫金を目にした。

失われた過去の記憶が浮かびあがり男は戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺したのか。

切断した男女の死体が合成され両性具有者となって蘇る。窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかりだ。

瀬戸内の小島に、死体が次々と流れ着く。

ちょっとヘルシンキへ行くので留守を頼む―。そんな置き手紙を残し、御手洗潔は日本を去った。

完全な密室で発見された残虐な刺殺体。周囲のぬかるみに足跡も残さず消えた犯人。

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館―通称「斜め屋敷」。

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。

映画版とは男女が逆転したオリジナル・ストーリー 事故で記憶を失った糸永遥は不安と焦燥でうつ病を発症。

母親の自殺未遂の理由が知りたい―青年の相談に、御手洗潔はそれが悪徳金融業者からの巨額の借金であることを突き止める。

幽体離脱殺人事件 見えない女 奇想、天を動かす 羽衣伝説の記憶 月報 対談 島田荘司・岡崎宏司 『バブル景気とレーシングカー・EV』 今回の収録作品の頃はミステリー小説以外に自動車関連の取材やエッセイが増えてきた時期。

昭和61年8月18日、上野駅の隣接したホームに前後して到着した上越、東北新幹線の中から女と男の服毒死体が発見された。

之島のホテルで梨田稔(69)が死んだ。警察は自殺と断定。

オリンピックで4つの金メダルを獲得した天才女性スウィマーが30年後、リスボンで拳銃自殺を遂げた同じ夜、彼女を破滅に追い込んだ医師が射殺された。

アポロンのように美しい少年、と噂される連続通り魔事件の容疑者。お笑い芸人志望の若者達の悲劇。

自殺する理由がない男女が、次々と飛び降りる屋上がある。

衆人環視の総社神道宮の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体。

大銀行の地下金庫から、トンネルを掘って金貨を盗み出そうとした「赤毛組合」事件。

横浜・馬車道に事務所を移した御手洗潔と石岡は、ある老婦人の訪問を受ける。

新宿駅西口でバスが放火され、逃げ出した乗客の一人がタクシーに轢ねられ死亡。

JR博多駅に到着した寝台特急〈あさかぜ1号〉の二人用個室から、女性の死体が発見された。

娘は名門幼稚園に入り、家も手に入れた。医者である夫の仕事も順調で、全てがうまくいっているはずだった。

臆病で生真面目だけど、十一歳のごく普通の少年・田之上翔太。

札幌の実業家系赤渡雄造のバラバラ死体が2つのトランクに詰められて、自宅に届けられた。

十七歳年下の女性と結婚した助教授。妻が恐るべき運命を告白する…。

進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。

とある社長邸のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生!邸内にいた10人の中でグラスに毒物を混入できたのは誰か、そして動機は…。

完全に施錠された家に現れたサンタ、殺されていた母親。鳥居の亡霊、猿時計の怪。