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寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁
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【この小説が収録されている参考書籍】
寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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『島田荘司全集 II』で未読だったのは、『嘘でもいいから殺人事件』だけである。これを読了すると、未読の作品は、最近の作品いくつかだけになり、ぼくの中で島田作品が初めから連続して繋がり、ほぼ網羅できたことになる。 そして、最初にいつものように『後書き』から読みだした。すっかり癖になっているようだ。ここでの4作は、作家として島田荘司が最も苦労していた時期にあたり、相当に辛い目にあっているのが分かる。胃痛に苦しみながら書き上げ、全て1984年に冷たかった講談社以外からリリースされている。 特にカッパ・ノベルスを有していた光文社の人たちとの交流は、心にしみる内容だ。吉敷誕生や、『寝台特急『はやぶさ』1/60秒の壁』のタイトル誕生の話など、島田荘司のファンとしては、驚くことばかりだ。 この苦しい時期に生み出された4作は、作家島田荘司のファンダメンタルをしっかりと確立した。この辛い時期を乗り越えなければ、『本格』も無かったのだなあ、と思ってしまう。 多くの読者は、この時期の作品を読み飛ばしてしまうような気がする。島田作品の一部だけを読み、こうした当時の経緯を知らずに語っている気がする。それでも良いのかもしれないが、それでは真の島田荘司の理解には至らないだろうとぼくは思う。 全てを読む。当時の状況も知る。それ無くしては絶対に真の理解へは到達しない。ぼくはそう確信している。 | ||||
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吉敷刑事ものの記念すべき第一作です。当時あまりにも作品が売れないため、流行っていたトラベルミステリーブームに便乗して書かれた作品ですが、鬼才島田氏の手にかかると、在り来たりなトラベルミステリーをあざ笑うかのような猟奇的・不可能犯罪が展開され、さすがというしかない。本作で一躍ベストセラー作家となられた商業的には本作が真のデビュー作と言えるかもしれない。何より本作より始まる1/60秒とか7/8とか言ったその後のシリーズも含めた分数タイトルがカッコいいです。最初タイトルだけ見ると?なんですが、読み終わるとちゃんとこの分数の意味も分かるのがイイ。 | ||||
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作者の初期の作品で、鉄道アリバイ・トリックを中心とした吉敷物。御手洗物とは別の路線で本格物と社会物とを融合した作風の開拓を図ろうとした意図が感じられる。この頃は本作を初めとして題名に分数を含める趣向が流行っていた。 だが、「1/60秒」と言う題名から、緻密なアリバイ・トリックを期待すると裏切られる。単に第一被害者の写真が推定犯行時刻に別の場所で撮られていたと言うに過ぎない。不可能な状況を設定しておいて、何とか屁理屈を捏ねて辻褄を合わせると言う悪癖がこの当時から出ていた事が分かる。しかも、メイン・トリックの基本アイデアがA.A.ミルンの著名作品を想起させる点も情けない。 作者としては、第一被害者を中心とした社会的に恵まれない層の人間模様に比重を置きたかったのかも知れないが、その造形や第一の事件後の各自の言動や関係が不自然で、こちらも上手く行っていない。荒削りな作品と言う印象しか受けなかった。 | ||||
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吉敷初登場の本作は、それまでの初期島荘タッチの猟奇的雰囲気ではじまる。 著者が敬愛する乱歩の提唱する発端の怪奇性、中断のサスペンス、結末の意外性が、忠実に実行されている。 そういう意味では、本作はミステリのお手本のようなものなのだが、いまひとつマニアの間での評価が低いのは、ノベルスだからか、はたまた吉敷ものだからか。 つまり、中盤以降の展開なのだが、これが著者らしからぬ典型的なノベルスミステリなのだ。 これは著者をメジャーにするため、当時全盛だったノベルスミステリ風をあえて採用したためであることは良く知られている。 そのあたりが、マニアにとっては残念なところなのかもしれない。 しかし、それでも、そこかしこに著者らしさ、即ちトリッキーな展開が見える。 本格マニアが読んでも、十分楽しめる作品である。 本作がドラマ化されたとき、主演の鹿賀丈史氏には悪いが、若干の違和感があった。 鹿賀氏は私のイメージしていた吉敷とは、少々違っていた。 誰ならいいという訳ではないが、氏がもう少し若いときなら、と感じた。 吉敷ものでは「北の〜」がベストだと思うが、本作は吉敷のデビュー作としての意味だけではなく、著者の本格テイストとノベルスミステリの融合という点でも、傑作といって良いだろう。 本作以後に吉敷ものはかなり発表されたが、後期になるほど完成度は低くなる。 これは多分、著者の吉敷に対する愛着が薄れたためだと思うが、本作はデビュー作であり、著者がこのキャラを何とか一本立ちさせようという気合いが、十分に感じられるものりである。 | ||||
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粗っぽいのに不思議と精巧さを持つ島田論理で彩られた異色のトラベル・ミステリー。物語冒頭の猟奇性で一気に惹きつけられ,捜査過程で主人公の吉敷(よしき)刑事といっしょに旅情を感じ,解明したかに思えた次の瞬間には二重底の様に驚きの真相が隠れている.....凄い!メインのアイデアなんかは鮎川先生あたりからヒントを得たんだろうけど,上記に列挙したようなミステリーの持つさまざまな可能性を解剖学的にひとつひとつ抽出して,それを連結・処理してしまう確かな手腕が見事。ある意味,占星術や斜め屋敷よりも強烈に慣習をぶっ壊した破壊的造形が美しい。島田荘司だから出来た緻密な力技をぜひ堪能してみて下さい。 | ||||
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粗っぽいのに不思議と精巧さを持つ島田論理で彩られた異色のトラベル・ミステリー。物語冒頭の猟奇性で一気に惹きつけられ,捜査過程で 主人公の吉敷(よしき)刑事といっしょに旅情を感じ,解明したかに思えた次の瞬間には二重底の様に驚きの真相が隠れている.....凄い! メインのアイデアなんかは鮎川先生あたりからヒントを得たんだろうけど,上記に列挙したようなミステリーの持つさまざまな可能性を 解剖学的にひとつひとつ抽出して,それを連結・処理してしまう確かな手腕が見事。ある意味,占星術や斜め屋敷よりも強烈に慣習をぶっ壊した 破壊的造形が美しい。 島田荘司だから出来た緻密な力技をぜひ堪能してみて下さい。 | ||||
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オリジナルは1984年2月刊カッパ・ノベルス。文庫化は1988年1月20日。島田作品をリリース順にしてみると、 占星術殺人事件(1981年)→斜め屋敷の犯罪(1982年)→死者が飲む水(1983年)の次が、この寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁(1984年)・出雲伝説7/8の殺人(1984年)・北の夕鶴2/3の殺人(1984年)と繋がる。つまり、当初『ミタライ』をスタートさせておいて、一方でトラベル&警察もの的な『ヨシキ』をスタートさせたことになる。つまり、それだけ島田氏としては書いておきたいタイプの作品だったことを感じる。つまり今既に存在する膨大な島田作品からは想像しがたいが、当初は時刻表を駆使したトラベル・ミステリーや警察ものをかなり力をこめて書いていたのが分かる。であるが、 同年の『出雲伝説7/8の殺人』と比べてもそのアプローチはまったく異なっていて、しかも島田荘司らしさが随所に感じられるのだ。そこがたまらなくステキである。単純に終わらないラストなどひねりにひねった後の作品群を連想させてくれて、思わず『いいなぁ、島田荘司』と一人つぶやいてしまうのだ。 | ||||
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オリジナルは1984年2月刊カッパ・ノベルス。文庫化は1988年1月20日。島田作品をリリース順にしてみると、 占星術殺人事件(1981年)→斜め屋敷の犯罪(1982年)→死者が飲む水(1983年)の次が、この寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁(1984年)・出雲伝説7/8の殺人(1984年)・北の夕鶴2/3の殺人(1984年)と繋がる。つまり、当初『ミタライ』をスタートさせておいて、一方でトラベル&警察もの的な『ヨシキ』をスタートさせたことになる。つまり、それだけ島田氏としては書いておきたいタイプの作品だったことを感じる。 つまり今既に存在する膨大な島田作品からは想像しがたいが、当初は時刻表を駆使したトラベル・ミステリーや警察ものをかなり力をこめて書いていたのが分かる。であるが、 同年の『出雲伝説7/8の殺人』と比べてもそのアプローチはまったく異なっていて、しかも島田荘司らしさが随所に感じられるのだ。そこがたまらなくステキである。単純に終わらないラストなどひねりにひねった後の作品群を連想させてくれて、思わず『いいなぁ、島田荘司』と一人つぶやいてしまうのだ。 | ||||
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殺されたはずの女が九州行きのブルートレインに乗っていた。なかなか魅力的な謎の、本格仕立てのトラベルミステリー。事件を追う刑事は日本各地を走り回る。旅情もあり、最後に意外などんでん返しもある。トラベルミステリーとして楽しめるが、ちょっと偶然の要素が多いかな。 | ||||
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殺されたはずの女が九州行きのブルートレインに乗っていた。 なかなか魅力的な謎の、本格仕立てのトラベルミステリー。 事件を追う刑事は日本各地を走り回る。 旅情もあり、最後に意外などんでん返しもある。 トラベルミステリーとして楽しめるが、ちょっと 偶然の要素が多いかな。 | ||||
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初期島田荘司が大衆向けに書いた作品。当時のトラベルミステリー人気が関係したと思われる。作品自体は社会派風だが、その本質は論理的な思考による本格ミステリである。読みやすい文体、各地へ飛び回る主人公、人間ドラマ。社会派を意識し、読み手を意識していると感じさせられるが、まだ社会派と本格を完全に融合させるには至っていないようである。人間ドラマの軽さ、人物の内面の描写の甘さが目立ち、全体的には物足りなく思った。 | ||||
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殺されていた女が死亡推定時刻に「はやぶさ」に乗っていたという目撃証言があり、そのトリックは凄く良く出来ていた。さらにもうひとひねりあって、今回は私の推理もはずれた。 | ||||
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殺されていた女が死亡推定時刻に「はやぶさ」に乗っていたという目撃証言があり、そのトリックは凄く良く出来ていた。さらにもうひとひねりあって、今回は私の推理もはずれた。 | ||||
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