土地の記憶を読み取る霊能力者・火明継比古により、秋田県鹿角市の大湯ストーンサークルに残された太古の記憶が解き放たれる表題作ほか、道に迷い母親が自殺した別荘に辿り着いてしまった男の恐怖を描いた「母の死んだ家」や、盛岡の裏長屋を舞台にした幽霊譚「玄関の人」など

謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。

ある新人賞に驚異的な小説が応募されたことから物語は始まる。

ボストン美術館で殺された老日本人画家とは何者か。

出羽三山の一つ、湯殿山麓の映画ロケ現場から素性の知れないミイラが発見された。

広重は幕府に暗殺された?若い浮世絵学者津田良平が“天童広重”発見をもとに立てた説は、ある画商を通して世に出た。

事件の発端は青森県の板留温泉だ

地獄から復活した屍魔たちの跳梁が誕生直後の平安京を恐怖に陥れる。

異界に漂う小説家の念が死者の魂を引き寄せる…… 締切りを数時間後に控えた私の周囲に、何者かの気配が……(『声にしてごらん』)。

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき―百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸太夫が詠んだ歌に秘められた謎。

明治11年5月、英語が堪能で腕も立つ伊藤鶴吉は、 イザベラ・バードという英国人女性冒険家の北海道行きの旅に同行することとなる。

からくり展のポスター制作を依頼するため、国際的デザイナー矢的遙を訪ねた広告代理店スタッフ池上佐和子。

季節外れの大雪に見舞われた盛岡で、夜間、7歳の少女がひき逃げに遭った。

仙台で個展を開いていた創作折り紙の第一人者・華村研は、何者かが江戸期の手法で見事に折り上げた“紙の蜻蛉”を会場で見つける。

盛岡で古書店を営む結城恒一郎の姪・怜の意識の中には、交通事故をきっかけに甦った江戸時代の天才人形師・泉目吉が棲んでいる。

地球征服を狙う悪魔と超能力者との凄絶死闘東北でのUFO目撃事件を端緒に、超能力者霧神顕の活躍がはじまる。

龍神伝説を追うために津軽、信濃、出雲と列島縦断して調査を進める九鬼虹人たちアクト・ナインのメンバー。

伝蔵こと、稀代の人気戯作者・山東京伝が、風来山人・平賀源内、安兵衛、蘭陽らの仲間とともに、奇怪な事件に挑む。

民俗学者・蓮丈那智と助手の内藤三國は差出人不明のメールを受け取った。「鬼無里がなくなる……」と。

岩手県盛岡市にある喫茶店、ドールズ。経営者の娘、月岡怜の身体には、江戸の名人形師・目吉で棲んでいる。

貸金庫に母が遺した謎のリストは何を意味するのか。

世界的に有名な京都・伏見稲荷大社の千本鳥居に吊された四人の遺体。

古い住宅地図に閉じ込められた思い出の町、あの少女の家は空き地とだけ記されていた…。

織田信長が天下布武を掲げた頃、陸奥の南部家では内紛が続いていた。

冥界を支配する怨魔王は地上世界の征服を目指して、怨魔として甦らせた厩戸、半人半獣の美女シバを内裏に送りこむ。

昭和四十年代まで、「衛生博覧会」という見世物があった。ビーカー詰めの奇形動物の死体、さまざまな疾病の人体模型。

歌麿の「幻の傑作」が発見された?美術界をゆるがすかもしれぬ事件に雑誌編集者の杉原は勇み立ち、研究家の塔馬双太郎の助力をたのむ。

40歳独身の尚之は、お見合いパーティーで“サトウミサキ”と出会う。

吉原近くの堀端で若い女の全裸死体が見つかった。首を切り落とされた上に、背中の皮が剥がされている。

南町奉行所の定町廻り同心・玉島千蔭は、猿若町の中村座から三階役者が首を吊ったと知らせを受ける。

根来忍者の頭領・左甚五郎を追って鬼九郎たちは会津へと向かった。

時は平安、都では鬼が疫病を予言したという噂が。

無残に踏み殺された聆雲の仇を討つべく、総門谷のある早池峰山に向かった和気諒たち。

長野県警から警視庁へ出向中の御子柴刑事。おおむね平穏な生活を送っていたものの、暮れも押し詰まってから次々と事件が発生。

大島不動産販売に入社した若宮恵美子は、前社長の遺児で難病に苦しむ大島雅弘の世話係となるも、突然異動を命じられる。

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

1160年、平治の乱の後、源頼朝は平清盛によって助命される。

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。

ある夫婦が営む古書店がある。鎌倉の片隅にひっそりと佇む「ビブリア古書堂」。

鮎川哲也の作品「死者を笞打て」に盗作の嫌疑がかかる。十年前に謎の女流作家が書いた作品そっくり、というのだ。

顔面を殴打された遺体が見つかった。傍には「品」「蟲」の赤い文字が―。

土地を支えていたのはミイラ化した人柱だった。

かつて「衛生博覧会」と呼ばれる見世物が人気を博していた。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。

村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。

盛岡市にある喫茶店・ドールズ。

ライヘンバッハの滝でモリアーティ教授と戦ったシャーロック・ホームズは、兄マイクロフトの助けを借りて日本へ向かった。

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

時は昭和九年。関東大震災から復興を遂げ華やかなモダン東京を謳歌したのも束の間、戦争の影が徐々に忍び寄っていた。

「武勇伝なんぞするやつァ、戦をしたうちにへえるものか」二百三高地の激戦を生きのびた男はそうつぶやいた…。

ある日、目細の安吉一家に客分として現れた、時代がかった老侠客。

夜更けの留置場に現れた、その不思議な老人は六尺四方にしか聞こえないという夜盗の声音「闇がたり」で、遙かな昔を物語り始めた―。

迷惑、顰蹙、無理難題。人生、困ってからが面白い! 奥田英朗の蔵出し短編集! 貴重な対談2本も収録。

「アルキメデス」という不可解な言葉だけを残して、女子高生・美雪は絶命。