たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

元寇の時代、すべてを操る美しき巫女がいた。傑作ダークファンタジー。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

この世ならざる和風情緒が漂う表題作ほか、流罪人に青天狗の仮面を届けた男が耳にした後日談、死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末、人語を話す囚われの獣の数奇な運命…暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す、大人の

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

世界は終末に向けて暴走してゆく。 人類に、希望はあるのか――。

江戸時代のこと――。

からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。

数多の世界を越えて、また会いましょう。異能の道具が導く魂の旅。

他人の家とは何かが「ズレて」いる――。

「人間はおもしろい。だが、飼ってはならぬ」 スリルに憑かれ空き巣を繰り返す羽矢子。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

父の遺した不動産で夜になると聞こえる「痛い、痛い」という謎の声。

『黒面の狐』事件後、海運の要から戦後復興の礎となろうと灯台守になった物理波矢多は、二十年の時をまたぐ怪奇事件に巻き込まれる。

僕たちは双子で、僕たちは不運で、 だけど僕たちは、手強い 双子の兄弟が織りなす、「闘いと再生」の物語 常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。

誰とも比べなくていい。

薬丸岳の新境地にして新たな代表作。 壮大なスケールで贈るエンタメ巨編! 一九世紀末。

孤高の検事の気概と執念を描いた、心ふるわすリーガル・ミステリー! 検事・佐方貞人は、亡くなった実業家の書斎から高級腕時計を盗んだ罪で起訴された男の裁判を担当していた。

「判決は、全員死刑。命をもって罪を償ってもらいます」 伊勢湾に浮かぶ、通称「海賊島」に招かれた10名の男女。

家裁調査官の武藤は貧乏くじを引くタイプらしい。無免許事故を起こした19歳は、近親者が昔、死亡事故に遭っていたと判明。

あと二日で、四人死ぬ―― ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾! その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。

平成15年に発生した一家殺人事件。最有力容疑者である次女は薬物の過剰摂取のため浴室で死亡。

衆議院議員の宇田清治郎の孫娘が誘拐された。犯人の要求は「記者会見で罪を自白しろ」。

初読はミステリ、二度目はホラー。この島の謎に、あなたもきっと囚われる。

恐怖、また来る。デビュー作(日本ホラー小説大賞『ぼぎわんが、来る』)、戦慄の舞台裏。

いつの時代も「家族」は、やさしく、あたたかく、いびつで、おそろしい。

バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

入行三年目の銀行員・結城が配属されたのは、日陰部署と囁かれる渉外部。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

正子は75歳の元女優。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

沖縄で退魔師の修行を積んだというプロデューサーの伊東氏は、男性カメラマンから相談を受けていた。

母親の遺品整理のため田舎を訪れた男が、農道ですれ違った般若の面をつけた女―記憶と時間が不穏に交錯する「面」。

色とりどりの恐怖をどうぞ召し上がれ。あのとき、目をそらしていたら。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

その物語は、人を殺す――。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

ヨマブリと胡弓の響き、願いを叶えてくれる魔物、ニョラの棲む洞窟、林の奥の小さなパーラー、深夜に走るお化け電車、祭りの夜の不吉な予言、転生を繰り返す少女フーイーが見た島の歴史と運命とは―。

路上のくじ引きで一等賞を当て、異世界に飛ばされた斉藤夕月(34歳・無職)。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

小松左京ファン必読! 選りすぐりの恐怖小説集第2弾。

奇妙な文様が刻まれている魔偶――土偶の骨董――は、所有する者に福と禍をもたらすという……。

ラストまで一気読みの本格ホラー&ミステリー。原点にして最高傑作 その路地にさしかかったとたん、ひどく嫌な気分がした。

雨の日には、読まないでください。

小さな喫茶店を営む女性が殺された。 加賀と松宮が捜査しても被害者に関する手がかりは善人というだけ。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

この呪いは剥がせない――『異端の祝祭』の著者が放つおぞましい粘着ホラー 塾講師の片山敏彦は、絶世の美青年。

その家に嫁いだ花嫁は、必ず死ぬ。 「嫁いだ花嫁が3年以内にかならず死ぬ」――。

１９９３年４月の創刊以来、わが国のホラーエンタメを牽引し続けている角川ホラー文庫。