美しい社長秘書との結婚を目前に控えたモードデザイナーのポールは、ささやかな幸福にひたっていた。

十一月の深夜、歴史教師のキャロラスはミンコット荘のレディー・マーガレット・ピップフォードから電話を受ける。

大資産家の妻を目指して、知性と打算の見事な結晶の手紙を送ったドイツ人女性ヒルデガルト。

大富豪の一人娘ステラは父の難病を治療した青年医師にひかれ、結婚することになった。

匿名の電話の警告を無視してフリーダは婚約者の実家へ向かうが、その夜のパーティで殺人事件が起こる。

不穏な空気をはらんだ夏の午後、医師シャーロットの診療所にやって来た若い女。

クリスティ、セイヤーズらと並び、四大女流ミステリ作家のひとりに数えられるアリンガム。

ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。

「最後のバラ色の三日間。あとはみなさん、さようなら！」　イリスが車に乗せた青年は、こう言うと笑った。

社会的地位も財産も美しい妻も手に入れ、満ち足りた生活を送っていた男が、それだけでは飽きたらず、途方もない計画を立てた。

事故で死んだ夫、未亡人は義理の息子に有利に条件づけられている遺産相続に不満だった。

破産寸前の夫、その若く美しい妻、彼女に恋する中年の資産家とオールドミスの姉、この四人の男女の頭の中には、それぞれ思惑がひそみ、それが運命の糸のようにからみあって、破局へと突き進んで行く……。

ダレハムの海岸で男の溺死体が発見された。その六週間前、自殺すると言って姿を消した一人の旅芸人がいた。

アメリカ随一の女流本格作家マクロイによる、趣向と技巧を凝らす短篇集が文庫化。

わたし、ミは、火事で大火傷を負い、顔を焼かれ皮膚移植をし一命をとりとめたが、一緒にいたドは焼死。

ブレアトン女子学院に勤めて五週間の女性教師フォスティーナは、突然理由も告げられずに解雇される。

英国で実際に起きた事件を基に執筆された表題作と、偏見がいかにして悲惨な出来事を招いたかを暴く「火口箱」を収録。

実直そうな青年アレックスは、茫然自失の状態だった。新婚旅行の初日に新妻のドリーが失踪したというのだ。

アメリカからの電報を読んで、キャシーは愕然とした。ノエルが結婚!なんて馬鹿な。

女は裸で波間にただよっていた。脳裏をよぎるのは、陵辱されたことではなく手指の骨を折られたことだった。

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。

母親と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所の床に血みどろの抽象画を描いた女。

最高に格好いい87歳、伝説の元刑事。

雇い主の車で初めての南仏を目指した女が巻き込まれた事件。

その夏、英国の小さな村では蛇が異常発生していた。獣医のクララはある老人の死に疑問を感じる。

伯母と犯罪学と切手蒐集から成る人生に安住していたチタウィック氏が、たまさか訪れた午後のホテルで毒殺の現場に遭遇する。

ルーン文字を刻まれ、心臓をえぐられた死体に隠された忌まわしい陰謀とは。

邸の氷室は十八世紀に小丘を模して造られた。

他人の死―それは麻薬。加害者が少なく、被害者が多いほど薬効は高い。

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。

売春婦殺害の疑いがある男に拉致監禁されてしまったコニー。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

地位も名誉もある男たちの事故死。病院に入院している少女の不審死。

ニューヨークの音楽学校で殺人事件が発生、犯人は人質を取ってホールに立てこもる。

ウォッチメイカーと名乗る殺人者あらわる。その報がリンカーン・ライムのもとに届いた。

パリの蝋人形館に消えた令嬢、そして発見された死体。

精神分析学者ベイジル・ウィリングは魅惑的な主演女優から公演初日に招かれた。だが劇場周辺では奇妙な出来事が相次ぐ。

1年前、25年ぶりにアメリカから帰国し、爵位と地所を継いだジョン・ファーンリー卿は偽者であり、自分こそが正当な相続人であると主張する男が現れた。

『太陽がいっぱい』や『見知らぬ乗客』で有名なパトリシア・ハイスミスが、1964年度の英国推理作家協会賞を受賞した著者の代表作である。

不可解な連続帽子盗難事件と、盗まれたポオの未発表原稿──。ロンドンを震撼させる怪事件に挑む名探偵フェル博士。

医師のノートンは、海岸の遊歩道で見かけた美貌の娘に、一瞬にして心を奪われた。その名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”。

十年前に起きた二重殺人事件は、きわめて単純な事件だったと誰もが信じていました。

曰く付きの屋敷で夜を明かすことにした私が蝋燭の灯りで古の手紙を読み不気味な雰囲気に浸っていた時、突如鳴り響いた鐘―それが事件の幕開けだった。

【オールタイム不可能犯罪ミステリ・ランキング第1位! 】 ロンドンの町に静かに雪が降り積もる夜、グリモー教授のもとを、コートと帽子で身を包み、仮面をつけた長身の謎の男が訪れる。

フランスの避暑地に暮らす若い女性イヴは、婚約者トビイの父サー・モーリス殺害の容疑をかけられる。

脊椎手術のためにノースカロライナ州を訪れていたライムとサックスは、地元の警察から捜査協力を要請される。

ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た―この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。

一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。

科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。