わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った。

あいつの人生が終わり、僕たちの長い旅が始まった。

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。

このビタミンは心に効きます。疲れた時にどうぞ。

ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

「悪いんだけど、死んでくれない?」ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

東京から、父のふるさと、瀬戸内の小さな町に引越してきたヒロシ。アポロと万博に沸く時代、ヒロシは少しずつ成長していく。

研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

フランス貴族の子でありながらその暴政を嫌い、家名を棄てて渡英したチャールズ・ダーニー、人生に絶望した放蕩無頼の弁護士シドニー・カートンの二人は、罪なくしてバスティーユに18年の幽閉生活を送ったマネット老人の娘ルーシーに思いを寄せる。

小学六年生のユウたちは、先生から厳守するよう言われたルールを体育館裏でこっそり破る――。

強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。

母と娘。二種類の女性。

広大な干拓地と水平線が広がる町に暮す中学生のシュウジは、寡黙な父と気弱な母、地元有数の進学校に通う兄の四人家族だった。

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。

中学校にはいろいろな生徒がいる。

「僕たちはこのままじゃ、ゼツメツしてしまいます」小説家のセンセイのもとに、一通の手紙が届いた。

地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。

丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった―。

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。

助言あり〼(ます)――。スーパーの駐車場で“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

7年前、25歳で死んでしまった一樹。

弱小球団・カープの帽子が赤に変わった1975年、原爆の傷痕が生々しく残る広島に、中学一年生のマナブが転校してきた。

直木賞受賞、第一作 待望の書き下ろし長編 母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

「世界の終わりを見たくはないか――?」 絶望の先を描き切った衝撃作! 7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。

小学校の卒業記念に埋めたタイムカプセルを開封するために、26年ぶりに母校で再会した同級生たち。

望むことは、罪ですか？　誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったＤＶ男との逃避行──。

僕の小説の中では もっとも本格ミステリー度が 高い自信作です。

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。

甲子園に憧れていた。予選を勝ち進んだ。

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

晩年を迎え、体が動かなくなった父親に複雑な思いを抱く43歳の息子。

4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。

不動産会社で空き家のメンテナンス業に携わる孝夫。

広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった―。ある日、学校で起きた陰惨な事件。

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。