ゼツメツ少年
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急ぎ足で、この本を読みました。 一番先に思った事は、自分の子供時代です。 ボクも中学時代からいじめられていたので、 結果論ですが、あの時ガツンとやっていたらな、とか思いを巡らせていました。 でもね、所詮ヘタレだったのでなすがままで終わりました。 多勢に無勢だとやはり不利で・・・つるんでこられると、それこそゼツメツしそうです。 余談ですが、途中で隠れキャラ的に重松氏の作品で以前登場した人物が数名出てきます。 タケシ君は、少し弱腰ですが優しい心根を持っています。 トオル君は、優等生だからこそ、弟であるタケシ君を軽くみていました。 自分の実際にいた人が、この小説には出ているのかも・・・ と、ク~ラクラと眩暈がしそうでした(笑) それだからこそ、人生生きていると何かの拍子で正義と悪が逆転する事もあり、 第一に大前提で、もがきながらでも生き抜くという事自体が大事なのだと思いました。 最後は大人になっても、いじめは決してしてはいけない事だと認識した次第です。 家出はいけないけれど、冒険はしなければいい大人にはなれないな?とは思いました。 また、好きな事をする人を決して軽んじて見てはいけないのだな、とは感じ取りました。 三者三様の物語で、いわゆる「スタンド・バイ・ミー」という洋画を思い出しました。 タケシ君はこれから、ツヨくタフになれればいいな、というエールを送って最後の言葉としておきます。 | ||||
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授業中にお腹が痛くなりトイレに行ったことで「臭い」とイジメられるようになったニシムラくんという男の子がおしっこを漏らすシーンがあります。 (※主人公はリュウという子です。ニシムラくんはリュウのクラスメートですね。) いじめっ子のウエダがニシムラくんをトイレまで追い回して、ニシムラくんがおしっこをしているうちに教室に戻り、「ニシムラ、ただいまションベン中で~す。もっとくさくなりまーす」と大声で言い、みんなは窓を開けたり鼻をつまんだりしてニシムラくんを迎えるのですが、ニシムラくんはそれに気づきます。 関連シーンを抜粋しますね。 (中略)みんなに窓を開けさせ、鼻をつまませて、ニシムラくんを迎えるのだ。それに気づいたニシムラくんは、次の日は休憩時間になってもトイレに行かなかった。おしっこをずっとがまんして、がまんして、がまんして、がまんして……六時間目の社会の授業中、ついに、席についたまま、漏らしてしまった。 トイレに行かないと決意したのならおむつを穿いてくるべきだったと思いますが、そこまではしなかったようでパンツとズボンの中にお漏らしをしてしまいました。 主人公のリュウはとても正義感の強い少年でウエダをグラウンドに呼び出して喧嘩をし、ニシムラくんのことをいじめないように誓わせます。 ここからが凄いのですが、ウエダは確かにニシムラくんをいじめないことを誓いました。ただ、それと同時に、クラスメート全員で今度はリュウを無視するようになりました。そして助けたニシムラくんまでとうとうウエダの仲間になってしまいます。(かつて自分をいじめていた子に仲間に引き入れられて、プライドも何もなく仲間になってしまうところが、イジメられおもらしっ子のニシムラくんらしい卑屈さを表していますね…。) 何とニシムラくん、「ションベン」という酷いあだ名を付けられてもウエダから離れません。なんならウエダにおむつでも穿かせてもらえばいいんじゃないかなと思いました。ウエダもウエダで、そんな卑屈なニシムラくんに対しては、以下のような仕打ちを徹底してほしいですね。 1:1日1回、「ションベン」というあだ名に相応しくお漏らしをさせる 2:お漏らし後の替えの下着として、ムーニーマンのスーパービッグのような、赤ちゃん用の紙おむつを穿かせて学校生活をさせる 3:トイレに行くことは禁止にして、おしっこは毎回ムーニーマンにお漏らしさせる 4:ニシムラくんのおむつ替えは、教室内で行う 5:「4」の行為で他の誰かがニシムラくんをいじめたり、先生にチクらないように牽制 まとめとしては、イジメのリアルさ、それから小学5年生ということで、「正義は素晴らしいこと」という理想も通じなくなってくる年代であることなど、兎に角リアリティーが凄いです。出来ればニシムラくんがおしっこを漏らした時に穿いていたパンツの種類(ボクサーブリーフなのか、トランクスなのか、ブリーフなのか)と色も知りたかったですね…。 | ||||
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メインの登場人物が全員自殺するような話は子供に読ませたくありません。 | ||||
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いじめられっ子が自殺して初めて世間は騒ぐ。生きていてあいつにいじめられたと告発しても何も起きない。そういう構造は良くない。作者はそういう構造を利用している。まじめな主題で幽霊を出してはいけないが、それも侵犯している。重松清はいじめっ子だったそうだ。なら、この小説家をいじめっ子だったことにするのが筋ではないか | ||||
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小説家の「センセイ」。地味な小説ばかり書いていたが、ある時タケシという中学2年生の男子と、リュウという小学校5年生の男子、ジュンという小学校5年生の女子から手紙が来る。このままだと僕たち3人はゼツメツしてしまう、センセイが3人の小説を書いて3人を救ってほしいと頼まれる。 そこでセンセイは3人の物語を書くことにした。ここから、タケシたちの物語が始まる。 リュウは夏休みに合宿に参加する。リュウの父が隊長で、中学校の理科の先生だ。副隊長2人はおばさんで、やはり学校の先生である。一行がやって来たのは化石の発掘現場だ。不登校の子どもを集めた合宿のようだ。リュウは不登校ではないが、いじめに遭っている。 その参加者の中にジュンもいた。そして、化石を見つけたらしい中学生に話しかけると、彼は化石を見せてくれた。それがタケシだった。 リュウは、ずるいことやひきょうなことが大嫌いな正義感の強い少年だった。学校でいじめられていたニシムラという少年を助けたのだが、代わりに自分がいじめられるようになった。そして夏休みになり、リュウたちは合宿に参加している。 1日目が終わり、全員がアンケートに自分の将来を書いたのだが、ジュンはそこに「ゼツメツしている」と書いた。 翌日は海水浴の予定だったが、リュウ、ジュン、タケシの3人だけ化石発掘のほうに行くことになった。 リュウは体育が得意だが、タケシはかなり鈍い。 タケシも「ゼツメツする」という言葉を使う。学校で弱いヤツは負けて、負けたヤツは追い出されるしかない。そして、自分たちはゼツメツしそうな種族なのだと言う。 タケシは小学校の時、年下の生徒からもいじめられていた。そんな状況を作ったのは彼の実の兄だった。 ジュンは学校に行けないのではなく、行きたくないだけだと言う。蛍雪セミナーという英才塾に通っていて、成績はトップである。だが、人間が嫌いなのだ。 タケシの発案で、3人は合宿の後で家出をすることになる。タケシは自分たちをイエデクジラと名付け、学校以外の場所で生き延びなければいけないと言った。 とりあえず、3人は家が不動産屋のタケシが鍵を持っているアパートに行くことにした。 タケシは数学で「3x+3y」とノートに書いてあるのにそれを黒板に書く時には「3x-3y」になってしまう。社会でも、平安京ができたのは794年だと覚えているのにテストでは749年になってしまう。そんな生徒である。 「大事なのは想像力だ」と言うタケシがセンセイに書いてくる手紙は、現実と虚構がない交ぜになっている。センセイの小説の登場人物とタケシたちが会っていたりするのだ。 タケシたちが遭っているいじめの様子はリアルで、涙が出そうなほどである。ジュンはジュンでなかなか深刻な問題を抱えている。 物語になっても、現実の問題が解決するわけではない。センセイは思う。「現実では決して起きない奇跡を信じるために、人は物語を語り続けてきたのではないか」と。 ちょっと荒唐無稽なところもあるが、心を動かされた作品だった。 | ||||
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