赤ヘル1975
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赤ヘル1975の総合評価:
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広島市民にはグッときます! | ||||
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なぜ泣けるのか。この本が私の心に響いたのは、カープ暗黒時代のまっ只中(末期ではあったが)に発表されたからでした。「絶対に負けられない戦い」に20年以上負け続けたプロ球団と、その球団を好きになってしまったファンの惨めさよ。私は忘れない。2013年、長嶋茂雄と松井秀喜の国民栄誉賞授与式のセレモニーが行われた東京ドームの巨人戦。カープは見事な負けっぷりで、完璧な引き立て役だった。あらゆるスポーツニュースが長嶋を松井を巨人を祝福した。だけど、この日は5月5日だったのだ。鯉のぼりの日だったのだ。 絶望の底にいた私にこの本は語りかけた。カープは素晴らしい球団だ、ファンは胸を張れよ、と。お前たちが信じられなくて誰がカープを信じるんだ、と。 中学生でも分かるような易しい言葉で、優しい感情をすくい取るような重松文学の真骨頂のような作品です。 私は1978年生ですので、生まれる前の広島が舞台ですが、カープを中心に世の中が回る街の様子は私が小中学生を送った80-90年代にもありました。夏になると、どの家も網戸になるせいか、家の周りを歩くとどこからもカープのラジオやテレビ中継の音が聞こえます。カープが勝てば翌日のクラスの話題はペイやコージや大野です。大勝に気分を良くして宿題を0にしてくれる先生もいました。 | ||||
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1975年当時、自分は小学4年生。この中心人物に程近い広島のカープっ子だった。もちろんカープ少年の会にも入っていた。当時の広島の少年は三歳児でも一人称は「ワシ」。外出時にはカープの帽子だった。 また、貧しく複雑な家庭環境に育った身としても、切なくて胸が張り裂けそうになりながら。読了した。 大人の感覚も子供の感覚も、カープとの距離感も、今となっては随分と違ってしまったけど、このお話しは、出来ればアニメ化してもらえないだろうか? 現代の広島の人以外にどう映るのか見てみたいと思う。 | ||||
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転校生にはややハードルの高かった1975・広島。市民の間でしか共有できない深い傷、市民の間でも分かち合えない体験の差異。だからこそ彼らは市民球団・カープの奮闘に心躍らせ、奇跡の「アレ」を気を揉みながら心待ちにしている。「期待すること」をそっと手放していたマナブはしかし、いつか彼らの狂奔に心を寄せ、短い日々の中でかけがえのない友情を育んでいく。…遠い記憶のムーブメントが渾身の取材によって蘇り、繰るページ全てに胸を熱くした。登場人物はみな一癖ありながら笑えない事情を抱えており、運命を受け入れるしかないマナブの諦観を共有させられていく。人の数だけ狂わされた人生の数があるヒロシマを、小市民のつましい暮らしを通して描く著者の力量に敬服した。 | ||||
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私は広島人ではありませんが、東京から引っ越して長く広島で育ったので、東京もんの主人公に深く感情移入しました。この本を読んでやっと広島の人を理解した気持ちになりました。幼い頃からなんとなく感じていた広島独特の雰囲気というか人間性というか、やっと理解できた気がした。 広島人でない私がこれほどの感銘を受けたのだから、親戚縁者も広島にいる本当の広島人にはさらに深い感動があると思う。実際何人かの人に勧めましたが、皆さん「良かった。教えてくれてありがとう」と言ってくださった。 広島に少しでもご縁のある方には、ぜひ読んでみてほしいです。1975年辺りを実際に生きた方々には特におもしろいのでは。 もちろんそれ以外の方にも、これを読むと「広島」がとてもよく分かります。 広島人でないのに、ここまで空気感をつかみ書き上げた作者は、本当にすごいと思う。広島弁も上手に書かれていて、光景が目に浮かぶようでした。 | ||||
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