半パン・デイズ
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ヒロシくんという男の子の主人公の小学生時代を書いた本です。小学生イコール半ズボンということで「半パン・デイズ」とはつまり「小学生の日々」ということですね。 この本でまず出てくるおもらしシーンは、主人公が小学校に上がる直前、越してきた田舎の家で怖くて夜にトイレに行けずに布団の中でおしっこを漏らしてしまうシーンですね。 短ければ全文引用したかったのですが、1~2ページある長いシーンなので、要約して紹介したいと思います。 ・廊下がギイッと鳴った。ぼくは布団の中で体を縮め、下腹に力を込める。おしっこが、もう、漏れてしまいそうだ。 ・足音が聞こえる。奥歯を舌ではじくように押しながら祈った。おばけなんていない、おばけなんていない、… ・(おしっこをしているのが父親だと分かり)なーんだ、と力が抜けたら、おちんちんが急に重くなり、だめ、と思う間もなくおしっこが漏れた。 ・(勿論おしっこが)止まらなかった。たくさん出た。濡れたパンツが下腹に貼りついた。最初は熱く、しだいに冷たくなっていく。 ・おばけなんているわけないじゃん。そんなのあたりまえじゃん。ぐっしょり濡れたパジャマのズボンとパンツを脱ぎながら、やっとそう思うことができた。 これは表現方法や漢字平仮名の使い分けもきっちり合わせて本文から抜き出しているのですが、こうやって抜き出すと、僕が直前までAmazonレビューを書いていた、同じく重松清さんの小説である「ナイフ」の中の短編小説「エビスくん」で、主人公がおしっこをちびる描写と同じ表現が何箇所か出てきますね。やはりおしっこちびりやおもらしの描写方法に重松清さんのクセが出ていると思いました。 気になった方は是非「ナイフ」の方の私のレビューも読んでみて下さいね。 (閑話休題) シーンは以下のように続きます。 ・父も母もぼくを叱らなかった。母は「おかあさんの布団で寝てなさい」と言って、パジャマとパンツとシーツを洗ってくれた。 (↑なんという役得でしょう!代わってあげたい。) ・父もすすり泣くぼくの頭を撫でて、「たまには失敗しちゃうよな」と笑ってくれた。 ・おばけのことは黙っていた。ヨウイチくん(※元々田舎に住んでいる男の子で、東京から越してきたヒロシくんに「お化けが出る」と脅して今回のおもらしの原因を作った立役者。十字勲章モノ)をかばったわけじゃない。おばけが怖くておしっこを漏らしたなんて、そんなの、カッコ悪い。ぼくはもうすぐ小学生になるのに。 我々大人からしてみれば、小学1年生なんて幼稚園児に毛が生えた程度でしかないので、おしっこを漏らして当たり前であり、おむつを穿いて当たり前なんですが、子供にとっては大きな変化ですよね。 その後の描写も面白いです。 ・母の布団にもぐりこみ、穿き替えたパンツの冷やっこさに身を縮めて父と母の話す声を聞いた。 なんで替えの下着がパンツなんでしょうね?またおもらしされたりおねしょされることを想定してないのでしょうか?また、「父と母の話す声」について、ヒロシくんに買ってあげる紙おむつの銘柄の相談でもしているのかと思いきや… ・ぼくがおしっこを漏らしてしまったのはカンキョウが変わったせいらしい。カンキョウが変わると、セイシンテキにフアンテイになるらしい。 まさかヒロシくんが布団の中でしたのがおねしょではなく、「ただ単に怖くて夜中にトイレに行けなかったがゆえのおもらし」だなんて思いもせずに、「精神的に不安定になったのではないか?」と話し合いを進めている点がまさしく大人で、子供なりの事情や視点、お化けが怖いという当たり前の感情を理解出来ていないすれ違いがとてもリアルで良いなと思いました。何故ここから「明日からヒロシに穿かせるパンパースを買ってこよう」という話が出てこないのかワケが分かりませんが、おそらく「小学生にもなっておむつを穿くのはおかしい」という誤った常識に縛られているのでしょう。正確には小学1年生に上がるのは4月からで、この時点ではまだ幼稚園児、おむつを穿いていてもなんにもおかしくないんですけどね…。 というわけで、長くなりましたが、まずはこのエピソードからも、「小学1年生間近の子供にパンツを穿かせるのは間違い」であることが分かりますね。 もう一つ、「小学1年生の子供にパンツを穿かせるのは間違い」であることが分かる素晴らしい事例が登場します。 小学6年生になったヒロシくんは、おしっこを漏らすこともなく、集団登校の班長になります。 その中に健介くんという小学1年生の男の子がいるのですが、この子が実によくおしっこを漏らすのです。 ・健介が(同じ班にいる、足に障害があって性格の悪い美奈子という女の子に)泣かされておしっこを漏らした。 実際に、ヒロシくんが健介くんに「泣きながらおしっこを漏らしたこともあるくせに」と心の中で毒づくシーンもあります。それにしても、小学1年生の数日手前でお化けが怖くておしっこを漏らしたヒロシくんにそんなことを言う資格は全く無いと思うんですけどね…。「ヒロシくんもおしっこ漏らして当時の気持ちを思い出してみるかい?」って気持ちになりました。 また、小学1年生の健介くんのトイレトレーニングをするシーンはとても良かったですね。 ・健介が椅子の上でお尻を落ち着きなく動かしている。おしっこだ。ぎりぎりまでがまんするから、トイレに着く前に漏らしてしまう。いつもは様子をみはからって「しょんべんか?」と声をかけてやるけど、今日は自分から言いだすまで黙っておくことにした。 結局この後健介くんは、我々の期待通りにおしっこを漏らすこともなく、「ヒロちゃん(ヒロシのこと)、おしっこ行ってきてええ?」と言えるようになるのですが、小学校1年生ってこのレベルなんですよ?なんでこのレベルの子供達にパンツを穿かせて平気でいられるのかが本当にわかりません。小学校低学年である小学1年生と小学2年生は、紙おむつの着用を義務化する。おむつ代を小学校の側で負担して、パンパースやメリーズパンツ、ムーニーマンなどを揃えて生徒全員に穿かせるべきだと思います。 小学校低学年のおもらしの実態をリアルに書いたこの本はとても素晴らしいと思いますね。 | ||||
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小学校5年の男子にもわかる本。 難しい言葉もなく、情景も想像しやすくおすすめです。 | ||||
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小学校の中学年から~中学生に、男女問わず、読んでもらいたいです。 | ||||
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疾走を読んで重松清の本を読みたくなかったけど、読んで良かった。 本当に面白かった。おすすめです。 | ||||
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四十代になってから、小学校時代とか過去のことを振り返ることが多くなった。 自分は、重松さんとはほぼ同年代で、小学校2年の時に転校したという点がこの小説の設定と似ていて、むちゃくちゃ懐かしかった。 ロクムシ、ライダースナック、ゲイラカイトといった、当時はやったアイテムがちりばめられていて、「そうだった、そうだった」と。 住んでいる地域は違っても、当時の小学生は日本中で同じような経験をしていたのだなあ。 そして、この年代特有の気持ちっていうのを、重松さんはこんなにうまく表現しているのだなあと。 子供にも読ませたいし、大人も昔を振り返って元気になれる。すべての年代にお勧めしたい作品だ。 | ||||
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