少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。

このビタミンは心に効きます。疲れた時にどうぞ。

「悪いんだけど、死んでくれない?」ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。

あいつの人生が終わり、僕たちの長い旅が始まった。

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。

小学六年生のユウたちは、先生から厳守するよう言われたルールを体育館裏でこっそり破る――。

取り壊しが決まった団地に暮らす祖父を訪ねた六年生の杏奈。そこはかつてドラマ『たんぽぽ団地のひみつ』のロケ地だった。

中学校にはいろいろな生徒がいる。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

「世界の終わりを見たくはないか――?」 絶望の先を描き切った衝撃作! 7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。

丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった―。

広大な干拓地と水平線が広がる町に暮す中学生のシュウジは、寡黙な父と気弱な母、地元有数の進学校に通う兄の四人家族だった。

小学校の卒業記念に埋めたタイムカプセルを開封するために、26年ぶりに母校で再会した同級生たち。

弱小球団・カープの帽子が赤に変わった1975年、原爆の傷痕が生々しく残る広島に、中学一年生のマナブが転校してきた。

不動産会社で空き家のメンテナンス業に携わる孝夫。

同じ痛みを抱いて、俺たちは、生きている。 自ら命を絶った少女・ルビィと出会った、中年作家のダザイさん。

甲子園に憧れていた。予選を勝ち進んだ。

小川春香、16歳。3歳で母に捨てられた彼女は、育ての親である祖母も亡くし、正真正銘のひとりぼっちだ。

東京から、父のふるさと、瀬戸内の小さな町に引越してきたヒロシ。アポロと万博に沸く時代、ヒロシは少しずつ成長していく。

ニュータウン「希望ヶ丘」―今年、四十歳になった私“田島”は、春から中学三年生になる美嘉と小学五年生の亮太とともに、この街へとやってきた。

開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。

晩年を迎え、体が動かなくなった父親に複雑な思いを抱く43歳の息子。

「わたしを買ってくれませんか?」―透き通るように白い肌、吸い込まれそうに深い瞳、まるくやわらかな声。

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。

世代を超えた心の交流を描く、家族とふるさとの物語。

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

気が付けばもう四十六歳。 只今、人生難航中――。

本はいつでも、きみの味方だよ。 太宰治、三島由紀夫から宮部みゆき、恩田陸まで。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

同僚を巻き添えに、自らも交通事故で死んだ父の罪を背負い、生涯自分に、笑うことも、幸せになることも禁じたおふくろ。

妻と別居中の雑誌編集長・一博と、息子がいる妻と再婚した惣菜屋の康文は幼なじみ。

左遷部署「イノベーション・ルーム」に異動となった酒井裕介のもとに「ニワトリは一度だけ飛べる」という題名の謎のメールが届くようになる。

馴染んだ毛布とともに、２泊３日だけ我が家に「ブランケット・キャット」がやって来る。

五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。生き残ったのは姉の雪絵―。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

かつて広島の比奈町に現れた謎の類人猿・ヒナゴン。約三十年ぶりの目撃情報に町は右往左往。

「わたし、水原勇気になりたかったの」-離婚後のリスタートで、娘の香織を連れて草野球を始めたアラフォーの洋子だが、やはり現実は厳しい。

神様のような清廉潔白な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみに包まれ、誰もが涙した。

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。

ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年――。