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ゼツメツ少年
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ゼツメツ少年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 1~20 1/2ページ
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急ぎ足で、この本を読みました。 一番先に思った事は、自分の子供時代です。 ボクも中学時代からいじめられていたので、 結果論ですが、あの時ガツンとやっていたらな、とか思いを巡らせていました。 でもね、所詮ヘタレだったのでなすがままで終わりました。 多勢に無勢だとやはり不利で・・・つるんでこられると、それこそゼツメツしそうです。 余談ですが、途中で隠れキャラ的に重松氏の作品で以前登場した人物が数名出てきます。 タケシ君は、少し弱腰ですが優しい心根を持っています。 トオル君は、優等生だからこそ、弟であるタケシ君を軽くみていました。 自分の実際にいた人が、この小説には出ているのかも・・・ と、ク~ラクラと眩暈がしそうでした(笑) それだからこそ、人生生きていると何かの拍子で正義と悪が逆転する事もあり、 第一に大前提で、もがきながらでも生き抜くという事自体が大事なのだと思いました。 最後は大人になっても、いじめは決してしてはいけない事だと認識した次第です。 家出はいけないけれど、冒険はしなければいい大人にはなれないな?とは思いました。 また、好きな事をする人を決して軽んじて見てはいけないのだな、とは感じ取りました。 三者三様の物語で、いわゆる「スタンド・バイ・ミー」という洋画を思い出しました。 タケシ君はこれから、ツヨくタフになれればいいな、というエールを送って最後の言葉としておきます。 | ||||
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授業中にお腹が痛くなりトイレに行ったことで「臭い」とイジメられるようになったニシムラくんという男の子がおしっこを漏らすシーンがあります。 (※主人公はリュウという子です。ニシムラくんはリュウのクラスメートですね。) いじめっ子のウエダがニシムラくんをトイレまで追い回して、ニシムラくんがおしっこをしているうちに教室に戻り、「ニシムラ、ただいまションベン中で~す。もっとくさくなりまーす」と大声で言い、みんなは窓を開けたり鼻をつまんだりしてニシムラくんを迎えるのですが、ニシムラくんはそれに気づきます。 関連シーンを抜粋しますね。 (中略)みんなに窓を開けさせ、鼻をつまませて、ニシムラくんを迎えるのだ。それに気づいたニシムラくんは、次の日は休憩時間になってもトイレに行かなかった。おしっこをずっとがまんして、がまんして、がまんして、がまんして……六時間目の社会の授業中、ついに、席についたまま、漏らしてしまった。 トイレに行かないと決意したのならおむつを穿いてくるべきだったと思いますが、そこまではしなかったようでパンツとズボンの中にお漏らしをしてしまいました。 主人公のリュウはとても正義感の強い少年でウエダをグラウンドに呼び出して喧嘩をし、ニシムラくんのことをいじめないように誓わせます。 ここからが凄いのですが、ウエダは確かにニシムラくんをいじめないことを誓いました。ただ、それと同時に、クラスメート全員で今度はリュウを無視するようになりました。そして助けたニシムラくんまでとうとうウエダの仲間になってしまいます。(かつて自分をいじめていた子に仲間に引き入れられて、プライドも何もなく仲間になってしまうところが、イジメられおもらしっ子のニシムラくんらしい卑屈さを表していますね…。) 何とニシムラくん、「ションベン」という酷いあだ名を付けられてもウエダから離れません。なんならウエダにおむつでも穿かせてもらえばいいんじゃないかなと思いました。ウエダもウエダで、そんな卑屈なニシムラくんに対しては、以下のような仕打ちを徹底してほしいですね。 1:1日1回、「ションベン」というあだ名に相応しくお漏らしをさせる 2:お漏らし後の替えの下着として、ムーニーマンのスーパービッグのような、赤ちゃん用の紙おむつを穿かせて学校生活をさせる 3:トイレに行くことは禁止にして、おしっこは毎回ムーニーマンにお漏らしさせる 4:ニシムラくんのおむつ替えは、教室内で行う 5:「4」の行為で他の誰かがニシムラくんをいじめたり、先生にチクらないように牽制 まとめとしては、イジメのリアルさ、それから小学5年生ということで、「正義は素晴らしいこと」という理想も通じなくなってくる年代であることなど、兎に角リアリティーが凄いです。出来ればニシムラくんがおしっこを漏らした時に穿いていたパンツの種類(ボクサーブリーフなのか、トランクスなのか、ブリーフなのか)と色も知りたかったですね…。 | ||||
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メインの登場人物が全員自殺するような話は子供に読ませたくありません。 | ||||
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いじめられっ子が自殺して初めて世間は騒ぐ。生きていてあいつにいじめられたと告発しても何も起きない。そういう構造は良くない。作者はそういう構造を利用している。まじめな主題で幽霊を出してはいけないが、それも侵犯している。重松清はいじめっ子だったそうだ。なら、この小説家をいじめっ子だったことにするのが筋ではないか | ||||
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小説家の「センセイ」。地味な小説ばかり書いていたが、ある時タケシという中学2年生の男子と、リュウという小学校5年生の男子、ジュンという小学校5年生の女子から手紙が来る。このままだと僕たち3人はゼツメツしてしまう、センセイが3人の小説を書いて3人を救ってほしいと頼まれる。 そこでセンセイは3人の物語を書くことにした。ここから、タケシたちの物語が始まる。 リュウは夏休みに合宿に参加する。リュウの父が隊長で、中学校の理科の先生だ。副隊長2人はおばさんで、やはり学校の先生である。一行がやって来たのは化石の発掘現場だ。不登校の子どもを集めた合宿のようだ。リュウは不登校ではないが、いじめに遭っている。 その参加者の中にジュンもいた。そして、化石を見つけたらしい中学生に話しかけると、彼は化石を見せてくれた。それがタケシだった。 リュウは、ずるいことやひきょうなことが大嫌いな正義感の強い少年だった。学校でいじめられていたニシムラという少年を助けたのだが、代わりに自分がいじめられるようになった。そして夏休みになり、リュウたちは合宿に参加している。 1日目が終わり、全員がアンケートに自分の将来を書いたのだが、ジュンはそこに「ゼツメツしている」と書いた。 翌日は海水浴の予定だったが、リュウ、ジュン、タケシの3人だけ化石発掘のほうに行くことになった。 リュウは体育が得意だが、タケシはかなり鈍い。 タケシも「ゼツメツする」という言葉を使う。学校で弱いヤツは負けて、負けたヤツは追い出されるしかない。そして、自分たちはゼツメツしそうな種族なのだと言う。 タケシは小学校の時、年下の生徒からもいじめられていた。そんな状況を作ったのは彼の実の兄だった。 ジュンは学校に行けないのではなく、行きたくないだけだと言う。蛍雪セミナーという英才塾に通っていて、成績はトップである。だが、人間が嫌いなのだ。 タケシの発案で、3人は合宿の後で家出をすることになる。タケシは自分たちをイエデクジラと名付け、学校以外の場所で生き延びなければいけないと言った。 とりあえず、3人は家が不動産屋のタケシが鍵を持っているアパートに行くことにした。 タケシは数学で「3x+3y」とノートに書いてあるのにそれを黒板に書く時には「3x-3y」になってしまう。社会でも、平安京ができたのは794年だと覚えているのにテストでは749年になってしまう。そんな生徒である。 「大事なのは想像力だ」と言うタケシがセンセイに書いてくる手紙は、現実と虚構がない交ぜになっている。センセイの小説の登場人物とタケシたちが会っていたりするのだ。 タケシたちが遭っているいじめの様子はリアルで、涙が出そうなほどである。ジュンはジュンでなかなか深刻な問題を抱えている。 物語になっても、現実の問題が解決するわけではない。センセイは思う。「現実では決して起きない奇跡を信じるために、人は物語を語り続けてきたのではないか」と。 ちょっと荒唐無稽なところもあるが、心を動かされた作品だった。 | ||||
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子供に勧めたら感想が返ってきたのに感動。 大人が読んでもすごく良いと思う内容。 | ||||
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題名からは想像出来ない作品でした 決して明るい内容ではなく、どちらか言えば、重松さんの重~いジャンルの作品かと思います しかし1度は読んだほうが良い一冊だと感じました | ||||
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すごく引き込まれて、時間捻出して読み終えました。 悲喜こもごも心が忙しかったです。 読めてよかった。 ただひとつ、最後のほうですごくゾッとするところがありました。(少しネタバレになるかも) タケシたちの物語だと信じて疑わず読んできたけれど、結局は全部が「この人」の求める救いのための物語だったのかな? 想像力を働かせてタケシたちに思いを巡らせることで深く真摯に自分を見つめ、贖罪しようとしたのかもしれない。けれど、幼い頃から非道な仕打ちを重ね続けてきた人が、今さらいざ想像してみただけで、相手の実情に肉薄し、察することが本当にできるのだろうか? もしかしたら、イエデクジラの3人はある意味巧妙に利用されたんじゃないといいけど…。 て、考えすぎでしょうか。 でもまあ、きっと、その事以外にもたくさん、人生経験重ねつつ読み返すたびに様々に深々と感じ考えさせられる作品なんだろうと思います。 また読み返したいし、家族にも読んでもらえたら嬉しいし、紙の本で買って正解でした。 | ||||
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けっこうな長編である。最初はなんだかわからない、不遇な子どもたちの冒険をだらっと読んでる感じ。 しかし、後半に突如その意味がわかる。小説家の先生が紡ぐ物語と、少年たち。空想か現実か…、 なかなか複雑なつくりである。後半意味がわかってから、悲しみが胸を支配した。 日本の総自殺者数が下がっている。しかし、唯一上昇しているのが十代の自殺者である。 原因の多くを占めるのはイジメではないだろうか。 イジメられている君へ、という有名人からの励ましのメッセージも効かない。 絶望は過去にあるのではなく、現在にある。 過去の絶望は終わったものであり、現在の絶望は終りが見えない。 当事者にとっての問題は、今の絶望を、具体的にいつ、どのように解消するかである。 かつて子供だった視点と、今、子を持つ親になった視点。 どうやったって自分は、今の親の視点で見る。そうなるとこの物語の結末は、哀しすぎて胸が苦しい。 現在進行系で苦しんでいる子に向かって、耐えろ、その先に希望がある…とはいえない。 ではどうすればいいか。難問である。物語はひとつの、ささいな救いである。 重松作品をそこまで読んでいないので、途中ででてきたキャラクターがわからなかったのは少し残念だった。 | ||||
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重松清さんの最高傑作です……。 虐めや家庭地獄が原因で家出した子供たちからの手紙を元に、小説家のセンセイが物語を書いていくという、変形の作中作のような手法を用いており、『何故、こんな構成にしたのか?普通に物語を書いた方が分かりやすいのでは?』という疑問も浮かべながら読みましたが、 ラストで謎が解けて納得&大感動しましたし、 今作品は、『虐めや家庭地獄が原因で自殺を考える程に追い込まれている、瀕死の子供たち』へ、 『それでも生きていて欲しい。地獄は永遠に続かないから。小学校や中学校を卒業したり成人すれば、地獄が終わるかも知れない。地獄が終われば、今までとは違う安心して過ごせる毎日が待ってるかも知れないから、だから生きていて欲しい……』 と、それを懸命に伝えるために描かれたものだと感じますし、 僕自身も、小学校時代に軽度の虐め・中2~中学卒業まで本格的な虐め被害を経験して後遺症に長らく苦しんだり、 家庭地獄も理由の一端として自殺で亡くした大切な人がいるので、 作品に描かれた痛みや苦しみやメッセージを深く感じつつ、 同じく『地獄は一生続かないから、それでも何とか生きていて欲しい……』と、現在進行形で虐めや家庭地獄に苦しむ方々に願うばかりです。 虐めや家庭地獄を描いた作品として、それらの苦しみを知れたり、それらに向けた全身全霊の見事なメッセージ作品として、是非ともオススメな神作品です! | ||||
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子どもに勧めたい本です。 子どもたちも一生懸命生きてるんですよね。 そのことを改めて考えさせられる素晴らしい物語でした。 | ||||
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中学生の娘とその友人が絶賛していたので読んでみた。 設定はありがちではあるけど文章は読みやすいし、途中まではよかった。 でも他の作品の登場人物が出て来て興醒めした。 過去作品を読んでいたらストンとくるのかもしれないけど、ちょっと狙い過ぎたかんじ。 新しい登場人物で同じ効果を生み出して欲しかった。 でも最近読書から遠ざかっていた娘が喜んで読んでくれたのでそこは高評価です。 | ||||
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重松氏の得意とする人間間の心の中、成り行きを追っていく本としてみていくならありだと思います。 但し、家出した子供三人の冒険内容に視点をおいて「楽しい」と思い読んでいく読者にっとては、後半からだんだん常識離れした内容、展開にがっかり来るかもしれません。 自分は、後者だったので評価が低目となりました。正直たびたび入る センセイとの手紙のやりとりの場面も邪魔に思いました。初めから3人が家出して冒険する「センセイ」抜きの小説として話を展開させたほうがよかった気がします。 | ||||
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あまり得意な分野ではなかったのだが、このところ我が子からの影響で重松清さんの小説を続けざまに読んでいる。 その中でも、今までの作者の全てが詰め込まれているように感じられたこの作品がお気に入りだ。 重松さんのお話は、ご自身の身近なところでおきた出来事を元に創作されているように感じるためか、淡々としている中にも柔らかさ、悲しい状況でも温かさを感じる。 なんとも形容し難い涙が流れるが、本読みさんには非常に面白い構成となっており、彼のファンの方はもちろん、初めて手に取る方もこの作品をきっかけに次々と他のお話も読みたくなってしまうのではないでしょうか。 | ||||
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居場所がない、居場所を失った少年少女たち。 まあおもしろく読めたんだが、そういうオチか。これはこれでいいけど。個人的にはリュウたちの明るい未来が見たかった。 | ||||
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歳のせいか、最近、感情が鈍くなったように感じていました。ゼツメツ少年、何だかもう一度読み返します。 | ||||
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ワケわからんです。 センセイ! 狙いすぎてスベってます。 精神世界? 想像力の世界? なんだか わからないけども よく編集者も こんなのでgoをかけたなと呆れます。 もうすぐ 物語は終わる。終わる。と 途中からクドすぎ。 世界一のクソ本です。 | ||||
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通勤の車内で読みながら何度も涙が込み上げてきました。重松作品で出会ったことのある、あの人やこの人にも会えます。悲しくて温かい作品です。 | ||||
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重松氏はいじめをとりまく小説をこれまでも数多く書いているけど、まるでその総集編とでもいうかのように、過去の小説の登場人物が出現して、今回の主人公である3人の少年・少女に何らかの形で「救い」を与えていく。なんだなんだ? これはいったいどういう意図のもとに書いたのだろう? しかし結局のところ、救いの無い身も蓋もない現実に対する悟りのようなあきらめだけが語られたように思えるのだが。 ちなみに作中語られるタケシが受けてきた様々な仕打ちには、ツカさんの憤りが自分にも乗り移ってしまった。ちょっとつらい読後感でした。 | ||||
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この文庫本も「文庫本のためのあとがき」がついていて「解説」はない。だから、ここに登場するエミさんもツカモトさんも、ナイフさんも、マユミという女の子も、初老の男性数人も、草野心平詩集を読んでいた中年男も、野球帽を目深にかぶった少年も、かつての重松清の小説の登場人物らしいのだが、特定してはくれない。重松清はずっと文庫本解説を拒んでいて、そういう訳知り顔の「解説」が嫌なんだろうと思うから、私も「特定」はしない。 年に一冊以上は重松清を読むことにしている。昔は九割型読んでいたが、途中で追いつかなくなって諦めた。でも、今回登場した人物たちは昔の作品が多かったので、正直嬉しかった。 そんな中に、タケシとリュウとジュンという「ワケあり登場人物たち」が新たに登場して来て、物語をセンセイと一緒に作り始める。途中で真由美という女の子も出て来て、話の筋は複雑になるけど、かえってスッキリし始めるのが不思議だった。 私のスマホで「ゼツメツ」って書くと、最初から三番目に「絶滅危惧種」が登場する。絶滅危惧種たちは、自殺しない。けれども、とんでもないところまで追い詰められているんだよ、とタケシやジュンは私に教えてくれた。「想像力が大事なんだよ」。昔、重松清を読み始めたころから云えば、追い詰められる子供たちの事情はどんどん酷くなってきた。あんなに高度な追い詰め方は、私の「昔」にはなかったと思う。 夏休みが終わる頃に、そして終わった後に、今年も、いく人かの悲しい出来事があった。その数万倍もの、追い詰められたゼツメツ少年たちが、今もテーチス海の海岸をさまよっている。私に、子供たちとの接点はない。けれども、偶然、霊園や駅前やコンビニ前で出会ったならば、絶滅危惧種には気がつくことができるように、今から想像力を鍛えておこうと思う。 2016年9月20日読了 | ||||
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