■スポンサードリンク
対岸の彼女
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
対岸の彼女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全355件 41~60 3/18ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
三十代半ばの田村小夜子は、かつて会社の人間関係に嫌気がさして結婚を機に会社を退職し主婦業に専念するも、今度は育児にともなう人付き合いに疲れていた。夫と義母の不興を買いながらも再就職を希望した彼女がありついた勤め先は、旅行業に関連する便利屋業を営みながらも家事代行業に移行する途上にある、アットホームな雰囲気をもつ小企業プラチナ・プラネットだった。そして会社を運営するのは、小夜子と同世代で独身生活を送る開放的な性格の楢橋葵である。 物語は、プラチナ・プラネットでの労働と同僚たちの様子を中心に、家庭での夫との不和と娘あかりの育児、疎ましい存在である義母との関係などが綴られる現在の小夜子の日々と、社長である葵の高校生時代の親友ナナコとの過去のエピソードで構成されており、この二つのパートが交互して展開する。 小夜子のパートでは、葵との親交の深まりや仕事へのやりがい感じる姿といった、展開によっては"お仕事小説"にもなりえるポジティブな一面を見せながらも、初めは和気あいあいとして見えたプラチナ・プラネットの社員たちの本質と組織の歪みが徐々に見え、家庭では夫や義母との関係の悪化、ママ友への違和感など、働き家庭を持つ女性にとって今日的な問題が数多く現れる。高校時代の葵についても、中学校で虐められて引っ越した経緯もあって高校の同級生たちに心を許せない葵が、やはり学生生活で当然のように起こるいじめ問題と表面的でしかないグループ間の付き合いやスクールカーストへの忌避観から級友たちに心を閉ざすなか、イノセントな魅力をもつ親友ナナコに強く惹かれていく過程が描かれている。 いずれのパートも、非常にありふれていながらも厄介な、誰もが経験する人間関係の暗部を露呈させる出来事と、それに対して二人の抱く嫌悪が繰り返し描写されており、作中にある「なんのために私たちは歳を重ねるんだろう」という小夜子の言葉は、この作品において象徴的な問いである。 本作でもっとも印象的だったのは小夜子のパートに登場する楢橋葵のキャラクターだった。高校時代と現在の葵には明らかなギャップがあり、その飛躍と現在の葵がときおり見せる内面の欠落が浮き彫りにする"空洞"に怖さを感じた。彼女が抱える大きな空虚さは、作品内で未消化のまま終幕を迎えたように感じる。読後、小夜子と葵のその後を思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルとあらすじから、まったくタイプの違う女性二人が衝突しながらも分かり合っていく物語なのかな、などと考えていましたがいい意味で裏切られました。二人の主人公、小夜子と葵は既婚と独身、子ありと子無し、専業主婦と女社長、内向的と社交的……などなど前半ではその違いについて描写し、さもタイトルの「対岸」とあるように正反対な個性が強調されます。しかし読み進めていく内に、葵はかつて小夜子だったこと、そして小夜子の中にも葵がいること。過去の出会い一つ違えば二人が同じ岸にいたかもしれないこと。対岸なんて、あって無いようなものあること。物語が収束するにつれ、対岸にいるように見えた二人の女性の距離もまた収束していくようでした。合間に入る葵の過去編がとにかく秀逸で、内容はショッキングながらもその内面は誰もが青春時代に経験したことがある切ない気持ちが散りばめられています。その全てを知ると葵という女性の印象が180度変わりました。過去と現代が交互に描かれますが混乱することも無く、むしろ物語に引き込むために計算された巧みな構成だと思いました。直木賞受賞作とのことですが納得です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
葵と小夜子。最後は、理解しやえて、良かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なんどもなんどもハッとする言い回しがあり、後半はページを折りながらボロボロにして読みました笑 女同士の友情に関心がある人は読むべきだと思います。 友達ってなんなんだろう。表面的な話でその場限り楽しめれば十分友人なのか、深い話ができてお互いのよき理解者であり、辛い時に寄り添ってくれる人こそ友人であるのか。。と、考えて悩んでいたのでこの本を手に取りました。(大学生女です) 男の人が読んだらどういう感想を抱くんだろう。私は何度も共感するところがありましたが、男の友情はどこか違うような気がするので。 個人的に解説が的確でたまらなく好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
さわ子の部屋でしたか、作者の方が、でてらして 良い感じの人だな、と この方の、代表作を読んでみたいと、取り寄せて読みました。 何度も、読み返したくなる要など本です。 学生の頃の多感な頃を思い出し出した。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
友達との距離感がわからない、なぜだか友達を怒らせてしまう、私もそんな子供でした。 大人になったからと言って人間関係が上手になったわけでもなく、くよくよと葛藤する日々です。 大人になって自分の好きな生活をして、楽になった部分もあるはずだけれど、また違ったさみしさを感じることが増えてきました。 角田光代さんの本はそういったさみしさに何となくマッチします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あまり小説を読まない私でも読みやすかったです。自分が学生だった頃と重なりあって、ホロッとしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
葵とナナコの友情以上の強い心のつながりが田舎の景色と共に描かれていて、どこか懐かしく切ない不思議な気分にさせる。 あらすじで、結婚しているものとしていない女性はどこかで分かり合えなくなる、というのが主題のように描かれていたけど、そこはこの物語の重点じゃない気がした。結婚とか子供の有無とかじゃなく、人と人との脆い関係性や、そのなかででも離れたくないと強く思う人に出会うことの儚さがよく描かれていた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自分はナナコのような高校生活を送った。どのグループにも属さなかった。大人になったいまもママ同士が共通の話題を見つけて安心しているような馴れ合いが苦手だ。ジムの仲間とかも作りたくない。そんなグループがどこか怖いから距離を置くのだ。集合体となった女は怖い。乱気流が生じてあらぬ方向に急に船が動き出す。 どうしていつも女はグループを作りたがるのか、その答えが少し分かった気がする。身を守るためにグループを作るのがひとつ。グループへの所属を好かない人は、傷つきたくないからなのか、余計なしがらみが煩わしいからなのか。 きっとこの本は精神的な男と女では全く理解が変わるはず。男の理解ではどうなるのか気になるところ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
お互いに支え合うことが生き生きと描かれていた。なんとなくいきてた日常を前向きにとらえ直すきっかけをもらいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最後のページに、この話の意味が凝縮されていると感じました。 自己矛盾を抱えて生きてきた二人の女性が、それぞれの時間を経て現在に出会う。 過去の自分は今の自分を制限しない。これからの自分、対岸の彼女に出会うために、今自分はここにいるんだと、一歩踏み出す為の架け橋はそこにあるんだと、そういう事が伝えたかったんじゃないかと、今のところ自分はこの本の意味をそう解釈しています。すごくいい話だったので、いずれ再読します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は男ですが、女性の方がやはり出産や青春時代の人間関係等、難局が多いだけに分かり合えないことも多いのかと推察します。対岸の女性同士、相手に対する考え方は相容れないものの、共存に収まる感じがとっても良かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
誰しもが共感できる過去の深い絆と時間が経過することによる絆の風化。一方で、環境が変化する人生の中で、その時々で求める出逢いは変化すること、それを受け容れてその中に歓びを見出すことこそ、歳を重ねる理由であるということを受け取った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
女の人を区別するのは女の人だ。既婚と未婚、働く女と家事をする女、子のいる女といない女。立場が違うということは、ときに女同士を決裂させる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
高校時代の夏休み中、葵とナナコが旅館でアルバイトをすることになった。ここからこの本のクライマックスが始まる。現実から逃避し続けた二人のいきさつは、どこに向かおうとしているのか?そして、別れる羽目に。 あんなに再開を約束した二人なのに、何故、ナナコは会おうとしなかったのか?ナナコはどうしているのか?最後まで余韻を残して終わりを迎える。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
友達とか友情とかいうものはどういうものなのかということを考えさせられました。 自分に都合の良いつながりを求めているものなのでしょうか。女同士の真の友情とは思いこみが必要なのかも知れません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今の自分としては魚子がどうなったか気になりますが、 読んで光と闇はつねに一体としてあるものだと実感しました☆ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読む前までは、自分が若干小夜子みたいな心情になっていたので、時間も忘れて一気に読みました。 葵の過去と現在が何となくシンクロしていってる場面は、もっと劇的にという意見もありますが、このくらい淡々としていたほうが自然で私は好きです。 人を信じすぎて失敗したり、でも信じなきゃいけない場面もあったり。 30代後半になってからようやく自分がしてほしいように他人はしてくれない、だから求めなくてよいんだと理解できました。 40代50代はどう考えるのでしょうかね。 めんどくさいとか、そんなこと考えてられないわよ、なんて濁すのでしょうかね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
amazonより内容以下、 いじめで群馬に転校してきた女子高生のアオちんは、ナナコと親友になった。 専業主婦の小夜子はベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始める。 立場が違ってもわかりあえる、どこかにいける、と思っていたのに……結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、たったそれだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。 女性の友情と亀裂、そしてその先を、切なくリアルに描く傑作長編。 第132回直木賞受賞作。 * 直木賞という事で手にとる。 働く女、家族をもつ女、 家族が崩壊している子ども、大事に育てられた子ども。 対岸の者どうし、だ。 共感できる部分が多くて難なく読み切った。 暗さを含んで笑える話とかではないけど面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでいて面白い、と感じるところは少なかった。学生時代の人間関係あるあるではあるが、小説にワクワクを期待する自分には合わなかった。再読や他人に進めることは無いと思います。 良かった点は、あるあるが生々しくて、共感できるところでしょうか。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!