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対岸の彼女



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【この小説が収録されている参考書籍】
対岸の彼女
対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女の評価: 4.24/5点 レビュー 355件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.24pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全355件 101~120 6/18ページ
No.255:
(5pt)

とても読みやすく、共感の多い本!

初めて角田光代先生の本を読みましたが、とても良かったです!共感できるポイントが多く、自分を見つめ直す良い時間になりました。おすすめです!
対岸の彼女Amazon書評・レビュー:対岸の彼女より
4163235108
No.254:
(2pt)

仲間外し、女社会で時々あるある。でも、

仲間外し、いじめ、悪意のある噂話、公園デビュー、女社会でこういうことがあることを知ったのは、私自身の場合は、(多分、幸いにも)かなり大人になってからでした。
主人公の小夜子の一つ一つの体験に、思わずあるある!と思う一方で、人間の心の狭さや愚かさに辟易とした、というのが正直な感想です。
また、小説では、誤解されてしまいがちだけれど、本当はとても純粋な良い子という視点で描かれている、ナナコ(魚子)の存在について、とても違和感があり、主人公の考え方や生き方に大きな影響を与える人物だけに、その本当の姿を読み取りたいと願って読み続けましたが、とうとう最後まで重要性が分からず、ナナコの存在そのものを受け入れられずに読み終えました。
対岸の彼女Amazon書評・レビュー:対岸の彼女より
4163235108
No.253:
(5pt)

ところどころにグッと来る台詞が

女性同士の煩わしい関係は、大人になったらなくなるのかなと思っていたけどそうでもない。むしろ、大人になった分たちが悪くなっているところがある。

葵とならなんでもできる、そんな風に思っていた小夜子ですら、ほんの些細な出来事で葵に悪意を向けるようになる。もちろん、小夜子にとっては些細なことではないのかもしれないが、だったらその場で言いたいことを言えば良かったのだ。その場で自分の思いをぶつけて、解決すれば良かったのだ。

でも、それが出来なのが女性なんだよねえ、と読みながら思った。そして、いつまでもその出来事を引きずってしまうんだよねえ。

ところどころにグッと来る台詞がありましたが、私はこの台詞が一番印象に残っています。
『ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事』

友達付き合いになんとなく悩んでいる中学生の長女に、話して聞かせました。友達は数じゃないんだよ、常に一緒にいなくても平気、約束を断っても平気、そんな楽な付き合いが出来たらいいよね、って。

この小説は男性にはわかりづらい世界かもしれない、けど女性同士の付き合いって、男性みたいに簡単に割り切れないところもあって、色々な悩みも抱えてるんだよ、って事を知るにはいいかもしれません。
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4163235108
No.252:
(4pt)

さわやか

専業主婦VSキャリアウーマンって
単純な話かと思いきや、違った。

人がくっついて離れて、
またくっついて、また離れて。

若い頃は離れることで傷つき
人と関わりたくないと思った。

でも、私も年を取るほど
くっついたり離れたりが
うまくなってきてるかも!

なぜかは分からないけど
そういうふうにできている
(さくらももこ?笑)
としか言いようがない。
経験のなせる技ですかね。

だから年をとることは
悪いことばかりじゃない。

読み終わって
自分の拙い人生を抱き締めたくなりました。
対岸の彼女Amazon書評・レビュー:対岸の彼女より
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No.251:
(4pt)

10代から40代ぐらいの女性向けか?

高校生から大人になるまでの女性の心理を描いた作品です。
主に若い女性には共感できる内容なのかと思いますが、私のような鈍感な男性にはイマイチ内容がわかりませんでした。
男性にはどうかなということで星を一つ減らしております。
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No.250:
(5pt)

この直木賞は超納得の五つ星!

女同士の感傷ごっこ小説かなぁ、と思いきや、とんでもなかったです、
角田光代さん、いいですねぇ。遅ればせながら一気にファンになりました。
視点が交互に二人の主人公へ入れ替わりながら物語は進みますが
後半で見事に合流して流れるように進展してゆきます。

情景描写や二人の女性の心理描写が圧倒的な筆力で綴られ
クライマックスは心地よい脱力感に襲われました。
自分がこの二人の旦那だったら絶対応援するのに!なんて興奮してしまいました。
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No.249:
(1pt)

素人作家?

最近購入したハズレ小説でした。
書籍化されていないネット小説の方が
数倍楽しいです。読む価値なし。
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No.248:
(4pt)

高校時代を思い出す

この本は女性なら必ずわかるって思う所があると思います。高校生の時の気持ちと主婦の気持ち両方の気持ちに共感できました。
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No.247:
(5pt)

話をザックリまとめると

過去:高校生の葵がナナコと毎日何があっても行動を共にし、客観的に見たら同性愛者と間違えられてしまうほど行動を共にしていた。二人でバイトしてお金貯めて、そのお金で家出して。が、そんな二人に別れは突然やってくる…

現在:35歳既婚一人娘持ちの小夜子がベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされハウスクリーニングの仕事を始める。会社事体立ち上げたばかりで紆余曲折し会社存続の危機まで陥り、絶望のまま終わるかと思いきや…

「本当に、心から信用できる女友達が必要なのは、社会に出て、重たい荷物を背負い、現実を直に突きつけられている今なのに」
とかなんとかハードカバーに書いてあるからドロドロな感じかな?と思ったけど読後全然そんなことなく、読後は希望に満ち溢れた終わり方で清々しい気持ちになります。

で、まぁ大体の主軸は他のとこで書かれまくってるんでここは個人的に気になった人物、木原に注目します。

話を聞いているうち、木原の態度に一定の法則があることに小夜子は気づいた。岩淵さんや関根美佐緒が葵をけなすと、彼は必ず葵を持ち上げるようなことを言う。すると二人は躍起になって悪口を言い合う。プライベートな部分に及ぶ葵個人への揶揄など、洒落にならないくらい会話がヒートアップしてくると、わかるわかるとうなずきながら話を元に戻し、彼女たちに仕事の不満を吐き出させる。意識してそうしているのか、それとも彼も気づかずにそうしているのかはわからないが、相手に自己嫌悪や内省をさせず胸の内を暴露させる特技が、どうやら木原には備わっているように小夜子には思えた。

という文章があるのですが、木原自身はバイトでも社員でもない。ただの葵のファン。会社の手伝いや愚痴は聞いたりはするが何の責任もないから別にこの会社がどうなろうが知ったこっちゃない。必要な技術・人脈だけ手に入れてバイバイするという一見いい奴そうにみえて実はクズ野郎というキャラなのですが、角田さんの表現でいいのは、木原のことをまったく悪く表現していないところ。

つまりなんというか、現実にいるんですよ。こういう人。外っ面がよくて聞き上手で人の懐に転がり込んで必要な物を手に入れたらいなくなるというずるい人間。ただ、コミュ力もあって顔もまぁまぁいいから許されてしまうという。だから角田さんは木原に関して悪い表現を全然使わなかったんだと自分なりに解釈しています。

勿論、遅かれ早かれ会社解散の危機に直面はするかもしれないけど、良いことを言えば良いことが、悪い事を言えば悪い事が起こる言霊を信じているので自分は何でもかんでも口に出してスッキリするってのは否定派です。

例えですけど、何かある度に友達に報告してしまう女Aがいるとします。女Aは付き合っている彼氏の悪いところを友達に報告したとします。その報告された友達は「別れちゃいなよ」と言うとしましょう。

勿論、そんなことで別れることはないですけど、別れちゃいなよと女Aがその言葉を聞いた瞬間、1ミリだけ別れる方向へ考えてしまう。

それが積み重なった場合どうか?1ミリが2ミリへ、2ミリが3ミリ…そう。何でもかんでも人に相談してしまう人は遅かれ早かれ別れがきてしまうのです。(相談される人の人格にもよるが)

木原に悪意はないです。明確な悪意があればおそらく角田さんもそう表現していたはずです。だが結果的に、蜜を吸うだけ吸った挙句、自覚もなく会社一つ潰そうとしたんだから、こんな悪い奴いない。
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No.246:
(5pt)

今まで読んだ角田さんの中で一番!

今まで読んだ角田さんの本の中で一番おもしろかったです。
独身女性と既婚子持ち女性の間にある感覚の違いを川に例えているお話かと思いきや、それを超えた最後には背中を押されるような勇気をもらえるような作品でした。
とても面白かったです。
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No.245:
(2pt)

技巧に走らないストーリー展開は作家の実力

角田氏の作品は奇抜な文体やストーリー展開、伏線などを張り巡らせて
読者を引き込んでくるような、あざとさが全くない。
淡々とありきたりな言葉を用いて気付いたら物語に引き込まれている
玄人好みのする実力ある作家だと思う。しかし、本作品においては
私が30代後半の男性だからか最後まで物語に没入することはできなかった。
他の作家の女性の読者を対象とした小説はそれなりに共感できるものが多いが
本作品は読者を選ぶというか必要条件を満たさないと
そう簡単には共感させない毅然とした空気が漂っているようだ。
角田氏が想定した読者層には圧倒的な評価を得ている。
わかるひとにしかわからないスイートスポットがこの作家の稀有な才能なのだろう。
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No.244:
(5pt)

できることからやっていけばいい。

角田光代の作品は、スイスイとひっかかりなく読めるのだけれど、そこに著者ならでは力強さも感じさせる気持ちのいい文体で、とても好感が持てます。
 また、登場人物らの姿はリアルで、特に小さな子を持つ小夜子の夫との会話などには、自身に重ね合わせられ、夫側妻側双方の気持ちが手に取るようにわかります。
 本書の構成は、そんな小夜子を主人公とした章と小夜子が仕事を始めることとなったベンチャー企業の女社長葵を主人公とした、葵がまだ高校生だったころの章が交互に描かれます。
 この構成が非常にうまく、現在の葵がどのような経緯を経て、現在の葵の存在感となったのかがショウを重ねていく内に明らかになっていきます。
 葵が小夜子に次のような言葉をかける場面があります。
「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね」
「人はみんなわかりあえるとか、人間なんだから同じはずとか、そういうのは嘘っぱちで、みんな違う。みんな違うってことに気づかないと、出会えない。」
「マニュアルがあるとさ、人って考えることを放棄するの。考えないと何も見えない。マニュアルってのは、あれしなさいとか、これが常識だって説明するだけで、違うって感覚的にわかることを邪魔するんだと思うんだ」
 葵のこのような発言の裏にある意味は、彼女が経てきた十代の頃の章が進むにつれて明らかになってきます。
 この葵の章はドラマティックで、特に高校生の葵とタクシードライバーの父親との会話には鼻がツーンとなります。
 文体よし、構成よし、と直木賞も納得の、とても良くできた作品です。
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No.243:
(5pt)

人間関係の距離感を認識する小説

家族、友達、恋人、同僚、先輩、後輩など人間には様々な人付き合いがある。しかし、各々の関係は常に時の流れと共に変化して行くもの。昔は凄く親しかったけど、特に理由もなく今は疎遠になってしまったり、人間関係の距離感というものが、その時々によって変化し、人付き合いをして行く上で距離感が大切だとあらためて思った。以前は頻繁に会って話をしたりして仲が良かったけど、最近、ちょっとご無沙汰で暫く音沙汰がないなぁという友達がいたら、一読すると良いだろう。人間関係には、その時々で濃淡があり、時の流れに従い変化するものだと分かるし、それを是認出来るから。
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No.242:
(5pt)

主婦をお客にしてる人は読んだほうがいいかも

お掃除の仕事を始めた主人公に対して女社長が言ったこと、「仕事で訪れた家がどんなに汚れていてびっくりしても、決してそれを顔に出してはいけない」という話が強く印象に残っています。
実際ホームヘルパーをしている方や、ハウスクリーニングのお仕事の方にとっては当たり前のことかもしれません。
このあいだテレビ企画で家の中が物で溢れてにっちもさっちもいかなくなって、お片付けのカリスマに来てもらった奥さんが、一緒に片づけながらやっぱり物が捨てられなくてカリスマに怒られているのを見ました。
確かに多少の荒療治が必要なことも多いのでしょうが、子だくさんで頑張っている彼女がかわそうに思えてきました。
学力格差、収入格差、職業格差、いろいろあるけど、家事能力格差も特に現代では激しいかもしれないです。昔のように家で教わる機会も少ないし、家事なんて今にロボットがやってくれるような仕事と軽んじられている節があるし・・・でも厳然とある能力格差、そこを指摘されるのをは何よりいやだと思う人がまだ多いのではないのでしょうか。とっても素直な人ならいいかもしれませんが、そんな人専門にしなきゃならなくなる。
「私の言うとおりにやっていればあなたも幸せになれるし、家庭も円満よ」というメッセージを素直に受け取れない人もいることを頭のすみに置いていてほしいです。
業者さんとして関わるなら、黙って黙々と仕事をこなさなきゃならなくて、指導する人としてだったら厳しこと言えるというのは、ちょっとおかしいような気がします。
経験を生かしてハウスキーピングの仕事に女性たちが参加したいなら、そして社会もそれを望んでいるなら、ここんとこみんなでちゃんと考えて、本当の意味でもっと社会に受け入れられる仕事に成長させて欲しいです。
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No.241:
(5pt)

女性特有の人間関係

随分と長い事、欲しいものリストの中に入れたまま購入に至らずにいた1冊。なんとなく、暗いお話なのかと思っていたので。
しかし、読んでみるといい意味で裏切られました。

女性特有の煩わしいグループ人間関係、友人との微妙な距離感・すれ違い、そんな題材を非常に上手く描きあげています。この話を読んでいると、どんな女性でもきっと人生において1度は自分の人間関係の不器用さに悩んだ事が有るのかもしれない、自分だけではきっとないんだ、という気持ちにさせてくれます。一見、人付き合いが上手く、社交性に長けた女性だって恐らく過去には上手く行かずに悩んだ事の1度や2度ある事でしょう。(特に学生のいじめなんかは、本人の性格云々に関わらずほとんどが運で標的にされる印象を受けましたから。)

作中で特に印象に残る台詞がありました。
『ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事』
-112ページ

この1文に舌を巻きました。人間関係に悩む女子中高生、20代・30代の女性に是非お勧めしたい1冊です。

しかも、この話のいい所は暗い気持ちのままでは終わらない。それでも人と関わって生きていくんだ、という明るい前向きな姿勢で物語が終わるのが非常に良かったです。

偶然にも私は、2人の主人公、小夜子と葵と同じ年齢なのでそう言った部分でも考える所が色々あって読んで良かったです!!作中に出てくる葵の友人ナナコを主人公にした続編(裏ストーリー)を是非とも書いて頂きたい!!!!謎でいっぱい、そして色々と気になり過ぎる。
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No.240:
(5pt)

じわじわくる

女同士の複雑な感情が、実に見事に表現されていると思う。 女性なら誰もがこういう経験、一度はしたことがあるんじゃないのかな?角田さんの本は初めて読むけど、すごく惹き込まれて感動した。 じわじわくる考えさせられる作品だと思う。
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No.239:
(4pt)

タイトルとラストの融合が秀逸

レビューの高さに惹かれ手に取ったが、とてもよかった。
過去と未来を行き来するような視点で書かれており、学生、そして社会人になってからの女同士の友情についてさりげないタッチで深く書かれている。
女同士の友情についてがメインだが、個人的には物語の間に挟まれる夫婦間の軋轢の描写がなんともリアルで生々しく印象に残った。
総じてなにか大きな事件が起きるでもなく、出来事を羅列してみれば大したことは起きてないのだが、それでも本作は夢中で最後まで読ませる力を持っている。
そういえば学生の頃の友人で社会人になった今でも交友が続いている人は何人いるだろうと読了後ぼんやり思ってしまった。そして社会人になってからの友人の作りにくさといったら。
普段見過ごしてやり過ごしている部分を的確についてくる傑作。女性はもちろん、男性が読んでも楽しめる作品に仕上がっていると思います。
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No.238:
(5pt)

いま、もっとも、筆力のある作家

角田光代が、いま、一番、脂ののった、筆力のある作家であることは、異論がないところであろう。この作品においてもそうであるが、彼女が巧いのは、日本語を巧みに駆使して、いかにも銘文を書くからではない。日本語は、あまり上出来ではない。しかし、それをはるかに凌駕して、ニンゲンの深淵をきちんととらえて、文章に起こせる執念がある。ずばり、孤独を描ける作家である。孤独を描く・・となると、たいていの作家は、「孤独」という言葉が似合いそうな、風貌、個性、境涯、背景を創作して、読者に、これでもか、これでもか、と孤独を押し付ける。角田は、それとは、まったく異なる。角田は、ニンゲンすべてが孤独でありつながりは希薄である・・という理解から出発する。この作品も、登場人物はみな孤独である。しかし、いかにも、孤独な境涯でもキャラでもなく、ごく普通の人々である。ごく普通の人間の孤独。を、角田は、作家じみた手慣れた言葉は一切使わずに、周辺を丹念に描き切ることで、各人の孤独を浮き彫りにする。そして、最後に救われるか??というと、そうではなく、孤独は、孤独なままで、背負ったまんま、生き続ける。そういう突き放し方で終わる作家である。こういう周辺の人物像と、出来事だけをつらねて、人物を浮かび上がらせる手法には、よほどの集中力で最後まで矛盾なく書き上げねばならないが、角田の場合、中途で、多少息切れしても、中盤以降で必ず巻き返す。タフでスタミナのある作家である。彼女の作品に流れるテーマは一貫してニンゲンの孤独であるが、それを、作品ごとに、完璧に変える切り札の多さも、タフ、スタミナを現している。
対岸の彼女Amazon書評・レビュー:対岸の彼女より
4163235108
No.237:
(5pt)

綺麗事でない現実感

色々な著者の中でも 角田さんは女性の心理を表現する事に、一番長けていると思います。 実際に自分も感じた事、今も感じている精神的な部分 言葉や文字にはできなかったものが、本文の至る所に生息していました。 距離が縮まったかと思えば、本当はそうではなくて 友人の事はほとんど分かっていると思っていたのに、知らなかったところに悲しんだり。 不特定多数の人が、自分の事を書かれていると錯覚するような、とても現実的です。
対岸の彼女Amazon書評・レビュー:対岸の彼女より
4163235108
No.236:
(5pt)

面白いです

読後直後だからかもしれないですが、面白かったです。 作者は酒好きの豪快な作家だとばかり思っていましたが、こういう繊細な作品を書くのかぁと感心しました。 他の作品も読もうと思います。
対岸の彼女Amazon書評・レビュー:対岸の彼女より
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