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対岸の彼女
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対岸の彼女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全355件 281~300 15/18ページ
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二十代の男である自分としては、何となく想像はできるけれども実際はよく見えない「女の群れ」のリアルな姿が、おそらくは非常に痛烈に書かれていて、まずはそれが最高におもしろかったです。角田さんは、人と人の様々な思惑がぶつかり合いまじり合い、生々しい喜怒哀楽が生れる瞬間をとらえて正確に表現するのが、鳥肌がたつくらいに恐ろしく上手だなあ、と思います。ふたつの物語を並ばせる部分は、その直前の展開に少し強引さがあるかもしれない、とは思いました。けれど、他人の思いを誤解することの仕方なさをありありと明らかにしながら、三つの女性の人格が重なり合っていく情景は、やはり、とてもすばらしかったです。とくに、最後の4ページの、小さなアイテムからふと浮かんでくる鮮烈なイメージには、ふるふると、くるものがありました。 | ||||
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≪女≫という生き物の、本音もズルさも描かれている。女として生きるって大変なんだよね~と痛感しました。私は29歳、結婚はしているけど子供なし。実家の商売を手伝うのが仕事です。周りの友人達と比べてみて、自分が特に幸せだとも劣っているとも思わないけれど、友人の子供を見ればうらやましいとは思います。そしてその反面、気ままな一人暮らしをしている友人へのうらやましさも感じ・・・。勝ち犬とか負け犬なんて言葉があるけれど、葵と小夜子もそうだし、誰もがどちらにも当てはまるんじゃないかなー。女の敵は女だなんていうけれど、逆に自分の味方になってくれる最強の女友達を見つけたら、これほど力強いものはないですよね。葵と小夜子を見ていてそう感じました。 | ||||
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昨年小学校の同窓会に呼ばれた時、幹事さんがこんな話しをしてました。かつての同級生だった女の子達に声をかけたら、「○○ちゃんが行かないなら私も行くのやめる」こんな感じで女の子達の何人かは芋づる式に欠席だった。それを自分の奥さんに愚痴ったら、奥さんからの返事は、「女ってみんなそうだよ」と当然のように言われたそう。例えば、連れションのような群れた女の子同士の集団を私は好ましく思わない。でも、例え無意味であっても自分の居場所を確保したいという気持ちを、小・中学校の頃持っていたことも確かです。あの頃の感覚を見事に思い出させてくれました。そして、ナナコのような強さを持った友達を持つことができた葵がちょっぴりうらやましい。 | ||||
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葵と小夜子の立場の違う、同年代の女性の感情の対比が実によく描写されていた。特に今30代である女性の読者だったら、小夜子の葛藤や心情に共感を覚える人は多いのではないだろうか。物語は、葵の高校時代と現在が交互に書かれていて、葵がどんな少女であったかがわかる。少女期の葵からは現在の葵の姿は想像しにくいので、現在の葵に至るのに、どんな過程があったのかも興味をそそられるところだが、そこの経緯はこの物語では詳しく語られてはいない。高校時代のナナコと呼ばれる親友とのやりとりが、とてもみずみずしい印象で、高校時代の部分が読んでいて好きだった。読後は爽やかな感想が残った。 | ||||
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結婚して子供のいる小夜子と独身で好きなふうに生きているように見える同い年の女社長の葵。。。物語は小夜子の現在の話しと葵の学生時代との話しが交互に語られていきます。読みすすむうちに今の小夜子と葵の関係が昔の葵とナナコの関係にそっくりだっていうことに気付くようになってます。女の子の仲良しグループ・・・誰もがハブられるのが怖くて自分を偽りながら傷つかないようにうわべのつきあいを繰り返してる。ほんとの友情とは?読み終わってそんなことを考えながら対岸の彼女とはうまいタイトルやなぁ~と思った。たぶんこの本は男の僕が読むのと女性のひとが読むのとはまたちがった思いがあるんだろうな・・・そんなことをふと思った。。。 | ||||
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どことなく哀愁の漂う、しかしすっきりとした後味のする本でした。今現代では「勝ち犬」「負け犬」だといった言葉が飛び交いますが、この概念を良い意味で取り払ってくれるのが、この作品だと思います。独身の葵と、結婚して子持ちだという小夜子。立場も性格も違う二人ですが、人生にはそれぞれの土俵があり、目標があります。お互い違う道を歩んでいるけれど、人生における「成功」を分かち合えるのは、どちらにも共通している点です。「女である」という理由だけに「結婚」、すなわち世間一般でいわれる「勝ち組」になる必要なんてない。この本はこういう事を教えてくれたように思います。 | ||||
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女性同士の友情や心理がとてもうまく表現されていたなぁと思いました。途中、ちょっぴり暗い気分になりましたが、エンディングに少しほっとしました。読んで良かったです。 | ||||
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二人の女性の現在と過去が交錯して進行します。葵とナナコの少女時代、主婦小夜子と仕事の上司葵との現在の関係。その二つの時代、二人の女性達がどう繋がっているのかそれを読み解きながら進むのがとても面白いと思います。人には誰しもその人となりを形成する要因があります。周りの環境や過去からの影響など、自分の考え方がどのように形成されていき、他人と違っていくか。私達はそれに通常気づかずに自分の目線で他人を判断してしまいます。自分と彼女は違うと・・・。葵は少女時代のナナコに現在とてもよく似てきます。それはなぜでしょうか。自分なりに考えて読める作品です。最後に☆がなぜマイナス1かといいますと、タイトルが・・・。最後まで読むとタイトルの意味が分かりますが始めに目にするとなんとなく物語りを予想して読むのを躊躇してしまうのではないかと思いマイナスにしました。勝ち犬、負け犬の話ではありません | ||||
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読み終わったとき、どうしようもなく涙が止まらず、そしてとても大きな勇気をもらったように感じました。読み始めたときは、専業主婦が世間との隔絶という現状にあせりを感じて社会に出てはみるものの、挫折を味わい、、、みたいなありきたりなストーリーを想像していたのですが実際はもっと濃厚な女性たちの過去と現在、そして未来までもが描きだされています。ある程度の年齢になれば、誰しも他人との関係でつまづいたり悩んだり、しますよね。登場人物たちもその一人なんですけど、作者の視点がとてもあたたかくて優しいから、彼女たちは厳しい状況に置かれていても、どこか前向きで、毅然としています。読んでいるとそんな彼女たちに励まされているような気持ちになります。 | ||||
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大体のあらすじなどはいろんなメディアで紹介してあったのでおおよそな想像はできつつやっぱし読みたいと思い購入しました。誰でもあると思うのですが若かりし頃の痛い思い出できれば封印してしまいたいけど時がたっても、ふと思いだしてしまうような事・・・それを思い出させてくれた内容でした女同士特有のやりとり、心情・・・など自分の経験と重なる部分がいくつもあり読みながら、ちくちく心を刺してくる感じがしましたとてもおもしろかったとは私の場合はいえませんが昔の事を振り返るきっかけができた事はよかったなと思います。 | ||||
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誰もが心に空洞を持っています。 それが、何もない真っ白な空白のようなものなのか、深くて奥に何があるのかわからない真っ黒な闇のようなものなのか、その人にしか分かりません。「だけどあたしたち」「どこへ行こうとしていたんだろう」悲しいほど、この言葉が心に残ります。 | ||||
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文章は読みやすいので、もっとすらすらと読めても良いはずなのに、思ったよりも読むのに時間がかかってしまいました。その理由はたぶん、私にとってテーマが重すぎたのだと思います。学校での友達のグループ、あるいは公園の母親同士でのグループ、どこかのグループに入っていないと不安な心理。そしてその延長にある陰湿ないじめ。そういう女同士のいやーな部分が描かれていて、読んでいるだけで気が滅入ってしまいました。最後にはきっと明るく希望もさして終わってくれるさ、と期待して読み進めたのですが、ちょっと物足りませんでした。大人になってからの葵が、高校生の頃のナナコに似ているので(あえてそういう風に描いているのでしょうが)、ひょっとしてナナコは葵の想像上の人物、あるいは葵は二重人格?と思ったりして、途中一人で寒い思いをしました。 | ||||
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僕は現在大学生です。小学生のころからクラスの中で出来る女子の派閥とでも言うのでしょうか、そういったものがなぜ出来るのか疑問でした。恐らく男は死ぬまで女を理解できないし、その逆も然りだと思っています。ですがこの本を読むことにより、少しだけ女の人の考え方とか強さとか弱さとか・・そういったものがわかりました。同じ男性の方々にお勧めします。 | ||||
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主人公がママ友を求めて子供と公園を転々とする姿や子供が公園で遊んでる子ども達の輪の中に入っていけず、それがまるで、幼い頃の自分の様だと、子供にがっかりしつつ、自分に似たのかと申し訳なく思う…。そんな主人公が生活を変えるために始めた仕事で段々と何かをつかんでいく姿がよかった。誰にでも、傍から見たら幸せそうに見えるかもしれないけど、悩みはある。この本を読んで、立場の違う人の事を思いやる気持ちがちょっとだけ芽生えたような気がしました。 | ||||
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ここまで派閥からはみ出る恐怖に翻弄され,悩む主人公に違和感を感じた。自分自身は結婚してて,小さい子供を持っていて,働きたいなぁと漠然と思ってて,共感する部分は充分あるはずなのだけど。「いい人だな」「なんか好き」「仲良くなりたいな」と思うのだったら,派閥云々など考えずにとっとと仲良くなりなさいよ…あんたは今,外野100人と交換してもいい,ただ一人の人と巡り合ってんだよ,アホぅと。そこらあたり,なんか読んでいて私はイライラしました(苦笑)。それから,その他脇役の人たちがあくまで「善人」か「悪人」でしか描かれていないところにも…ちょっと…う~ん…。イヂワルな嫌味をたれる姑,妻が働くことに非協力的な夫,上司の悪口ばかり言っている同僚…。これら型にはまったような人たちが主人公の周りで陰々滅々と主人公の神経を逆なでしてゆく。でもさぁ…。それぞれ確かに欠点はあるかもしれないけど,あなた,そういう嫌な所ばかり見ずに,もっとその人のいいところを探してあげなさいよ…と私は思いました。結局,主人公たちの,外見ばかり気にして相手の心の裏に隠された暗部とか葛藤を全く見ようとしない態度に私は一番腹が立ったのかもしれない。友情がテーマのはずなのに,相手に対する思いやりや共感がない。出会うことも大切だけど…出会うばかりじゃ友達できないよ…。あ,でも物語としてはサクサク読めて楽しめた…と思います。読みながらいろんなことを感じました。ぜひ皆様にも読んで色々感じてみて欲しいです。 | ||||
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毎日会社へ行く日々の電車の中がとっても待ちきれなくて・・・よい本に出会うと心が懐かしい感じになります。まさにこの本はそれでした。とても得をした気分・・・葵や小夜子、こんな思い女性なら特にあると思うのですが、自分の過去と照らしあわせながらあっという間に読んでしまいました。何が怖くて必死になって仲間でいようとした日々、でも時がたてば結局一人ぼっちで・・親友??本当の親友っていったいどこに?・・いるんだろう・・人に何かを求めるのではなく自分自身をまずさらけ出す、これって意外と勇気いるんだよね。葵は日本人でナナコはアメリカ人とかそんな感じ、結局自分らしく思ったことは行動に移した方がいいって単純なことなんだ。それにしても最後の場面・・とってもよかったね~ | ||||
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人と人との関わりがストレスをもたらすものである一方で、人と人との触れ合いが人を癒したり、生きる糧になったりすることもある。裏切られ、傷ついたとしても、前向きに、人との関わりを断たないことが大事なことであるということが描かれていると思った。学校生活での友情、主婦の世界の葛藤、独身を通して働くことの大変さ、仕事関係の人間関係の苦労・・・いろいろなところがとてもリアルに迫ってくる。何となくとってもいい作品を読んだなという後味が残った。 | ||||
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タイトルと装丁に惹かれ、1年ぶりにハードカバー本を購入しました。ケッコンしているけど子供なし。私は主人公たちのどちらに属するのかと、考えながら読みました。読み終わった結論は、「どちらにも属さないし、どちらにも属している」。結局、ケッコンしてようがしてまいが、子供がいようがいまいが、誰もが抱える悩み、誰もが踏み込んでしまう道があるのだなあと思いました。女の子、女性、メス・・・オンナという性だからこの話を自分の事のように切実に感じてしまうのだとも思いました。途中泣いてしまう場面があり、泣いた後、すっきりしました。このところ無理してたかなあ。少しゆっくり暮らしていこうと思いました。購入後読み終わったら売ってしまう私ですが、この本は後でもう一度読み返そうと思い、本棚に並べました。 | ||||
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流れるメッセージは、「私たちはなんのために歳を重ねていくのだろう」だ。作品中、主人公がこのテーマを問い続ける。幼かったときの人間関係、大人になってもあまり変わらない馴れ合いの関係。そして疲れていく。そんななか、小夜子と葵は出会う。鬱屈する小夜子に対し、奔放な葵。だが、過去は必ずしも明るいものではなかった。作中、細かな友情や人間関係を観察した描き込みがあり、その世界観に引き込まれる。巧いなと思わされる。同じ目線で同じ空間を共有しながら蓄積された関係が、お互いの生活空間が変化したとき、どうなるのか。小夜子や葵の過去を通して描かれている。同じことが、ぼくたちの生活にはいくらでもある。そして、終盤で「なんのために歳を重ねていくのだろう」という問い対して回答が提示される。「生活に逃げこんでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」共感。なぜそのような考えに行き着いたのかは、作品を読んでいただきたい。暗いシーンもあるものの、この作品には、希望があふれている。 | ||||
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子を持つ者として、私は…。こう記すことは、持たない者と持つ自分の間に1本の線を引くことになる。アナタは向こう、私はこちら。そんな線引きで人を分けることの愚かさは分かっているのだが、子を持ったこの20年近くの間に、心を許してきたつもりの友人が、気がつくと、どうしようもなく、向こう側の人だと意識させられ、返す言葉を失った経験は、何度もあった。冷酷な悲しい1本の線を2人の間に感じた時点で、もう、以前の二人に戻ることはできなくなる…。これが現実の恐ろしさである。この小説は、その微細な感覚と動きを丁寧に描写し、行間にリアリティの重々しさを散りばめることに成功している。おそろしく繊細さにこだわったからこそ、その恐ろしさ、悲しさがじわじわと押し迫ってくるのであろう。こんな小説は今まで出会わなかった。読後は、斬新な感傷にしばし囚われて、疼く胸の傷みを鎮めるのが困難だった。 | ||||
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