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対岸の彼女



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【この小説が収録されている参考書籍】
対岸の彼女
対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女の評価: 4.24/5点 レビュー 355件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.24pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全355件 321~340 17/18ページ
No.35:
(4pt)

生きることの意味

なぜ人間は生きているのか?人と出会い関係を持ちながら生きていることを考えさせられた作品でした。たぶん無駄に人と出会うことはないんだろう。タイトルの意味は最後にわかります。過去の自分について考えさせられ、現在と未来に期待したくなりました。
対岸の彼女Amazon書評・レビュー:対岸の彼女より
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No.34:
(5pt)

久々の

大人になったら、何かを選択できるの?しっとりとした雰囲気で進められていく話です。私はまだ働いていないし、結婚してもいません。しかし、登場人物の感情はリアルに伝わってきました。どうしようもなく終わっていく友情。別々の世界をつくっていく。それが大人になるということ。成長していくということ。久々に泣いてしまいました。
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No.33:
(5pt)

これぞ女流。 (長文失礼)

素晴らしい。この作品の圧倒的な日常から生まれる深いカタルシスを少しでも多くの人に味わって欲しくてたまらない。思春期からオバサン(失礼!) へと突入していく主人公の今に至る人生の切片が一斉に甦って色づくようで、ぞくぞくした。強烈。ただしそのためにラスト前にばらされるネタと展開は多少ご都合主義を含みはするが、この作品らしく深奥ながらささやかなものなので、それほど気にはならないだろう。単純な浅ましさや嫌らしさが不思議と臭ってこないのもいい。安易に読者の欲求や願望を刺激する装置が配置されていないせいだろうか。ソープドラマ臭さも逆に水商売臭さも芸能界臭さもラウンジ臭さも薄く、作品世界と問題が極めて女性的であるにも関わらず、誤解を恐れずに書けば男らしいすっきりとした内容である。桐野夏生の「OUT」と合わせて現代オバサン小説の二大巨頭と私は勝手に称したい。描かれるテーマ――歳を重ねることであったり友情であったりその葛藤と成長であったり――は、女性特有のモノと受け止められるかもしれないが、そう単純でないようにも思う。私は作者の思想や考えをよく知るわけではないのであくまでこの作品についてだが、舞台装置が女性周辺の環境であるだけで、浮かんでくる焦点は誰にも通じる深みを持っていると感じた。(まあ昨今の男性の場合はそれどころでないハードルが多すぎて目を向けていられないかもしれないが……)もちろん、勝ち組だとか負け犬だとかの香ばしい話では決して決して決してない。女流作家が苦手な男性にも、あるいは想像力豊かな男子高校生や女子高校生にもオススメしたい。だってオバサン(三度本当に失礼) だけのものにしちゃうなんて、勿体なさすぎる。しかし「対岸の彼女」ってほんといいタイトル。カッコよすぎ。
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No.32:
(5pt)

葵の高校生時代にのめり込む

主人公小夜子の迷いより、また女社長葵の人間性よりも多く書かれている描写は葵の高校時代です。女子校特有の雰囲気の中で、3人目の主人公ともいえるナナコと一緒に楽しく過ごしている場面は、とてもきらきらして実際の映像が浮かぶようです。高校時代あんな友達がいたらな、と誰もがうらやましく思うはず。そして物語を読み終えると不思議なことに小夜子や葵のことよりも「ナナコは今どうしているのだろう」と思います。そして「きっと幸せになっているはずだよね」と思わせてくれるのです。
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No.31:
(5pt)

軽やか

 帯に書かれていた煽りの文章を見たときには、もっとドロドロとした物語を想像していたが、それとは違い、軽やかに物語が進んでいくので、良い意味で期待を裏切られました。 エピソードを考えてみれば、そんなにも軽いものではないはずなのに(特に葵の過去)、軽く読ませてしまうのは、角田さんの文章が巧く、読ませる文章を書くことが出来るからではないでしょうか?その反作用として、全体的に重厚感というものがかけてしまっているのが少し残念な気もします。 しかし、読ませる文章と言うのは読んでいて心地よく、言葉の意味を咀嚼する前にダイレクトに響いてくる説得力と言うものがあります。そういった意味でもこの作品は良書として薦めることの出来る本だと思います。
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No.30:
(5pt)

お薦めします

閉鎖的な人間関係の中で社交的であることが求められる女性独特の付き合いのわずらわしさに同感。現代女性の特性をそれぞれデフォルメしたような登場人物の言動は、とにかくリアルだ。そつなく周囲にあわせようといっぱいいっぱいになっている私に、深呼吸を教えてくれたような本だ。
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No.29:
(4pt)

大切じゃないものを知る、大切さ

どこに属するか、どこのグループに属するか?これは女性特有のいくつになってもついてまわる問題ではないだろうか?この本では少女達の心の動き、大人になった女性の諦めや心の葛藤、また成長が見事に描かれている。世知辛い(特に)女性の小さな社会の中で心寂しさを感じている時には、この本が一つの答えを出してくれるだろう。何が大切で、何が大切じゃないか?そして歳を重ねる意味を。
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No.28:
(5pt)

負け犬・勝ち組の話しではない

私たちは,なぜ,年齢を重ねるのか? ということを,深く考えさせられる作品です。細やかな表現によって,主人公たちの歩んで来た道を,自分のことのように感じ,考えます。そして,これから先,生きていこうとする力を与えてくれます。それは明確な答えではないかもしれないけれど,それぞれに見つけられれば,いいかな,と思います。
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No.27:
(5pt)

年を重ねていくということ

角田光代さんの作品に出てくる人物の多くはすごい人ではない。自分自身のようにも思えるし、今まであった人たちの中に必ずいそうな・・・。ただ、日頃なんとなく思うことを見事に文章化し、読むほうはぐいぐいと引き込まれる。これぞ小説の真髄だと感心させられもする。理想的でもなく、絶望的でもない、至極現実的な人間模様。主人公の主婦小夜子は、まだ幼い娘のあかりを見て時折いらつく。自分の苦手とすることを彼女もまた出来ないということに。あかりを見ていると小夜子の幼い日をみているようで眼をそむけたくなる。年を重ねてもまだそれを苦手としている自分は、何のために年を重ねているのか疑問に思う。そんな中で魅力的な女社長葵と出会う。安易なカタルシスを用いない角田さんの文章は同年代の女性作家の中でも飛びぬけて地に足がついている印象があります。はしゃぎ過ぎない、堅くなり過ぎない。わざとらしくない言葉の巧みさに一気に読み上げました。
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No.26:
(5pt)

すごい作品だが、空しさは深まる

すごい作品だ。負け犬と勝ち犬の友情は成立するのか?なんて一言でとても片付けられるものではない(私もこの解説は問題ありと思う)。深く人間を、そして社会をもみつめている。人と社会と関わるとはどういうことなのか。何のために歳を重ねるのか。作者が投げかける疑問は重く、容赦がない。
葵の視点のみが小中学生あたりから現在へと順を追って記されていく。これが時間軸で物語を壮大にしている。
私は、葵の視点で描かれる3人目の主人公「ナナコ」にくぎ付けだった。小夜子と葵の間に流れる河とはまた違う、葵とナナコの間に流れる深い深い河。そこに「境遇」「社会構造」といったテーマを勝手に見出してしまうのは私だけだろうか。
最後は(やや無理に)明るめで、作者なりの見解をはっきりと示してくれているのは潔くすばらしい。が、身近な現実に戻ってみると全然解決した感じがせずむしろ空しさは深まるばかりだ。弱っている30代女性は読むタイミングに気をつけたほうが良いかもしれない・・・。愛読書「負け犬の遠吠え」に日々癒されている負け犬な私は、本書には激しく打ちのめされた。逆に、30代-40代女性以外の読者に、このリアルさが実感できるかどうかは甚だ疑問。だがそれを差し引いても、一読の価値あり。
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No.25:
(5pt)

女性賛歌!元気を失いつつあるあなたのビタミン剤です!

人と付き合う事の煩わしさ、忌まわしさから、特定の友人を作れず、興味もない集団に合わせながらなんとなく生きてきた10代。家庭を持つ。社会的責任を持つ。それぞれに生きている社会に閉塞感を抱き、疲れている自分を 毎日、もてあましている自分。ところが、この本を読み進めていく毎に、一枚一枚身体にまとった燐片が、剥がされていく。立場も持っているものも感じ方が違っていても、同じ時代に生きた女性たちは、全く別のルートから、同じ丘を上ろうとしている。女性が女性の足で、歩いている。一本のろうそくは、他方から見れば、傾いている。それと、一緒だ。明日へのドアが開いている。今日に疲れている女性に是非 読んでもらいたい一冊です。
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No.24:
(4pt)

なんにせよ、うまく生きていくのは難しい。

信じては傷つくワンマン経営者の葵と、鈍くなった感性が光を得てだんだんと開いていく専業主婦の小夜子。友達なんて考えて作るものでもない。相手の何かを好きになれるかどうか。ただ、そんなことをちゃんと感じて受け止められなくなっている大人は多いんだろうな。みんな時間なくて忙しいものね。心を相手に添って開いていけるかどうかの間合いは難しいけど、わくわくする。本書を読んで、自分にとっての「ナナコ」を数人思った。彼女たちは意図せずに、確かに私を変えている。私は誰かの「ナナコ」になれているのだろうか。構成がすごく上手い、というわけではないが、心の動きを細やかに描いた、しみじみと良い作品。ちょっと読み手の状況におもねる部分も多いけど。
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No.23:
(4pt)

対岸の意味

この本には皆が誰でも覚えている若かりし頃の「自分しか感じえなかったと感じる感覚」とその地域や社会が流れていく漠然とした「状況」が細やかに描かれている。特に眠たい街といわれる地方都市の描写は膝を打ち共感できる。「県営住宅の様子」「渡良瀬川の河原の様子」「ソースカツ丼」「白髭神社」「やぶ塚温泉」「伊勢崎の街」など単に忘れてしまった憧憬としてではなく、心に反芻するジレンマの一部として今も記憶に残っています。結局自分は自分であり過去を捨てることはできないのでしょう。今すぐ関越を飛ばして両毛に向いたくなりました。私は現在横浜に住んでいます。角田様素晴しい小説をこれからも期待します。
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No.22:
(5pt)

大切なものは何ですか?

本の帯に惹かれました。「大人になれば、自分で何かを選べるの?」女の人を区別するの女の人だ・・・・・書評も一切読まないで買いました。主人公と年が近いせいもありますが、30代を過ぎて学生時代のとても仲が良かった友達となんとなく離れてしまった今、ちょっとせつない思いをしていたせいもあります。ちょっとずれてるかもしれませんが登場人物であるナナコの「そんなとこにあたしの大切なものはないし。」という言葉にすごく救われました。大切なものは何か?ささいなことで心を痛めるよりも自分にとって大切なものは何なのか、しっかり足元を見つめようと。大げさだけど、人は何度でもやり直せるなあ・・・なんて思ったり。読んでよかったです。
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No.21:
(5pt)

他者との距離感についての物語。

ラストへ向かう中、なぜだかはらはらと泣けてきた。過去にすれ違った多くの人々、今ではもう交流のない人々に、気がつくと思いを馳せていた。これは「他者との距離感について」の物語だと思う。自ら連絡を取って繋がっていたい人、逆に連絡があってもあまり付き合いたくない人……、実にさまざまだ。そこにはある種の利害関係があったり、あるいは純粋な感情だけが横たわるだけだったりもする。理屈じゃない何か。こと友情に関しては、何ものも誰かと誰かの関係を強制できない。大切に思うことも疎ましく思うことも決して「罪」ではない。だから、私たちは人にまみれながら傷つくことを恐れる。けれども人と関わらなければ生きてはいけない。私は、葵が「信じようとした」瞬間に未来への僅かな希望を感じた。まさに、人は出逢うために歳を重ねるのだ、と。
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No.20:
(5pt)

ナナコは偉いよ

 ナナコは健気だ。ナナコの手にはどんな幸せもない。家に帰りたくないのも当たり前だ。ナナコと葵と、ほんの少しでも楽しい時間があってよかったね、と言ってやりたい。その声が届かないことが切ない。 ナナコと葵のさまようところが、どうにもしてやれなくて悲しい。これは小説で、作り物なんだと思うんだけど、どうにかしてやりたい。泣いたって仕方がないのだが、泣きたい気分である。胸をかきむしられるような気分というのは、こんなことをいうのだなあ。 ナナコと葵に、タイムマシンでプラチナのリングを贈ってやりたい。 
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No.19:
(5pt)

女性は読むべし

女性の友情というものについて、よくぞここまでといえる程に非常に深く書かれている作品です。私が読んだ角田さんの作品のなかで、ベスト3に入ります。残念なのが、まるで「負け犬勝ち犬ブーム」に乗ってかかれたかのような出版社側の宣伝文句が、ほんとにじゃまくさい。
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No.18:
(5pt)

透明感

読み終わったあと、3人の女性の透明感が残りました。とりわけナナコの存在が際立っています。自分が一番近いのは木原か岩淵か小夜子なのか、考えたりしました。高校生の頃に誰もが感じた空しさのようなものがさらりと描かれているので、その頃のことを思い出したり今現在の自分のことなどさまざまな事を考えてしまいました。川辺や渡良瀬橋などの情景を自分もみているような気がしました。直木賞だからとか関係なく、心に染みる物語です。
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No.17:
(5pt)

感動というよりは。

直木賞受賞ということで、興味があり、読んでみました。この本の紹介として、生き方の違った女性2人の話みたいなことが書かれていましたが、読んでみるとそんな単純なものではなく、誰でもが身に覚えのあるような女性の心情や生活観が上手く表現されていて、あっという間に読み終えてしまいました。読んでいる最中、物語の中に入り込んでしまえそうなくらいのきれいな描写が最高でした。しかし、なぜだか、読んでしまった後、感動という感じではなくむなしさでもない、妙な気分になり、眠れませんでした。
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No.16:
(5pt)

バターが溶けるように固まっていた心がやさしくなる物語

一気に読みました。物語の主人公は30代半ばですが、人生20年も生きていればこの物語にあるような、些細なことで人から受ける裏切りや非難。そして前向きに頑張ろうとするときに限って身近な人から受けるやる気をそぐ言葉。本当にここまで良く書ききった!主人公の子持ちの専業主婦はいわゆる「ママ友」が出来ずそのため自分の子供も他の子供とうまくコミュニケーションを取れないのではないかと苦悩するのですが、独身女も「子供」がいないだけで他人とうまくコミュニケーションと取れているのかどうかは疑問です。よく日常でも「この年になると新しく友達を作るのなんてめんどくさい」と耳にしますが、(実際私もそういう風に思ってるふしはありました)この本を読んでそれは本当に「めんどくさい」からなのか?と疑問を持ちました。「相手を知る」のがめんどくさいのではなく「自分を拒絶される」のが怖いのでは?この物語では女社長の女子校時代の親友ナナコとの思い出が交錯しながら進んでいきますが、誰にでもあったキラキラとまぶしい時代。思い出にすがるのではなく、かといって「昔の話よ」と忘れ去るのでもなく、完全に縁を切られるのが怖くて細々と連絡を取り続けるわけでもない。友情っていったい?そして、なぜ歳を重ねるのか?決して明るいテーマではありませんが読み終えたとき、もう一度希望を持たせてくれる宝の地図のような物語です。
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