わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。

家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。

町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。

ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

「私は殺人を依頼しました。恋人の妻を殺してほしいと頼みました」誰もが滑り落ちるかもしれない、三面記事の向こうの世界。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。

19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。

強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣は、初めて家族のルーツに興味を持った。

幻の夜を行く男と女。息もつかせぬ傑作長編！ 阪神淡路大震災の直後に、出会った男と女。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

豊後羽根藩の檀野庄三郎は不始末を犯し、家老により、切腹と引き替えに向山村に幽閉中の元郡奉行戸田秋谷の元へ遣わされる。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。

生れるより先に死んでしまった子に名前などつけてはいけない。過去からの声があなたを異界へといざなう八つの物語。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

両親の仇を、俺たちは流星に誓い合った--「兄貴、妹（あいつ）は本気だよ。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

どうやら夫は仕事ができないらしい。―あなたの家にもきっとある、ささやかだければ悩ましい問題。

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。

道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。

望むことは、罪ですか？　誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったＤＶ男との逃避行──。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った。

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。

母と二人で大切にしてきた幼い妹が、ある日突然、大人びた言動を取り始める。

私を見下ろすお父さんの背後には

このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

85年、御巣鷹山の日航機事故で運命を翻弄された地元新聞記者たちの悲喜こもごも。上司と部下、親子など人間関係を鋭く描く。

「価値観が変わる」と聞いて避けてきたけれど、いってみたら「書かれ続ける理由」がわかったインド、首から完走メダルを提げたまま、初老の紳士と親指を突き立ててうなずき合ったスペイン、自分の好みにおける「めんくい」が多いことに気づいた香港……旅好き作家・角田光代が

100年先を見据えて作業をしている、神去村の林業の現場。

等身大の女性を描く、第126回直木賞受賞作。

有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第4弾。

愛する女性を失い、己を罰するように生きてきた鷲田完治。

母と娘。二種類の女性。

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。