(短編集)
福袋
- 同窓会 (71)
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8編に登場する人物は、どこにでもいる人たちである、本書では 人生を肯定も否定もしないあるがままの人生が描かれており、 まさに小説のなかに真実が隠されているように思える。 | ||||
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都市生活の日常の中にするりと紛れ込む小さな謎。 それはある日突然、見知らぬ客から預けられた段ボール箱だったり ゴミ収集の日に門の前に置かれた紙袋だったり 駅のホームで赤ん坊を押しつけたまま行ってしまった女の人の事情だったり… 自分だったらどうするだろう、と思わずのめりこんでしまう身近な設定と 確かな観察眼から生まれる日常生活の描写の巧みさ。 つるっとしたうどんのようなやわらかな語り口。うまいなあ~ それでいて、内容はけっしてスイートじゃない。 自分の知らない恋人の生活。妻の知らない夫の過去。 夫の知らなかった妻の性癖。娘の知らなかった母の遺言。 どうしようもない兄を持った妹… 時にはほろ苦く、ときには愚かで、ときには古典落語のようなおかしみさえ漂わせて 段ボールより紙袋より、一番のブラックボックスは実は身近な人間(!)であり もしかしたら自分自身なのかもしれない、と気づかされる。 人生はブラックボックスだ。 でも作者の眼には、同じボックスでもそれは「福袋」に見える。 中身が何であれ、それを受け入れ身につけていくうちにいつしか自分のものになってゆく。 「福」袋を持たされてこの世に生まれてくること自体がとてもおめでたいことなのだと 人生を肯定する力強さに、思わず笑みがこぼれる。 実を言うと、人生はカード・ゲームのようなものだ、とずっと思ってきた。 どんな悪い手札であろうと、与えられた手札で戦わねばならないものだと。 でも、カードだと思うより、福袋だと思うほうが、ずっと楽しい。 どんな厄介事も、「福」のかけらに見えるじゃないか(笑) 短編集のなかで一番好きだったのは 「イギー・ポップを聞いていますか」だった。 ああ、この物語は本当に、幸せな読後感です^-^ | ||||
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犬の舌は、ざらざらしていない。 作者は猫しか飼ったことがないんじゃないか、と思った。 | ||||
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何が入っているのかな? 福袋的な小作品8作品。 突然、何が入っているかわからない 大きな荷物の箱をおばさんに預けられる私の物語。 フシギちゃんと呼ばれる会社の先輩との物語。 などなど、どことなく福袋のようなお話達。 ワクワクドキドキではないけれどスラリと読めました。 | ||||
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人生を福袋になぞらえて描く八つの連作短篇集。 開けてみるまで何が入っているのかわからない。 福袋の「福」の字になにやら期待をかけ、手にはしてみたものの……。 まったく、これは人生そのものではないか。 普通の人々の日々を、その日々のなかで起こるささくれのような できごとを、絶妙なダーティーさで切りとっているのが 角田さんらしい作品だ。 しかつめらしく「なぜ生きる?」というような問いかけは一切ない。 煩雑な日常のなかでもがく人の暮らしをざっとなぞり、 苛立ちやのめりこんでいく気持ちや、相手との齟齬を浮き彫りにするのだ。 時には笑いも涙も愛もレリーフのように刻まれた物語。 しかし、人生はまあこんなもんだよ、なんていうおざなりな目線はない。 そこが、角田さんらしい。 あまり好ましくない状況に遭ったとき、人が抱える諸々の逡巡を描いて リアルだ。その心から思いもよらないことどもが見え隠れする。 囚われていた心が泳ぎ出す瞬間がある。 そこがおもしろかった。 「イギー・ポップを聴いていますか」「白っていうより銀」の2篇がとりわけ 好きだった。 | ||||
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