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仔羊たちの聖夜



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仔羊たちの聖夜の評価: 3.42/5点 レビュー 12件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.42pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

「精神分析の実例集」ではなく「ミステリ」を書いて欲しい

「タック」シリーズ中の一作。執筆順と異なり、メンバが初めて出会った頃の事件を対象にしている。
ある年のクリスマスから物語は始まるだが、ここから一年前の回想(メンバの出会いを含む)が入り、女性飛び降り事件が紹介される。メンバは偶然に落下地点にいたのだ。自殺者の持ち物と思われるプレゼントを、これも偶然手にしたボアン先輩の依頼でタックとタカチが贈り主を捜しているうちに、その5年前に同じマンションから高校生が飛び降り自殺した事が分かる。2つの相似的事件の関係は ? そして自殺の動機は ? あるいは自殺ではなく殺人なのか ? タカチが異様な執念で追求する。
ここまで来るのに200頁以上費やしている。幾ら何でも冗長過ぎる。内輪話が多いせいもあるが、タカチを人間離れした凄惨なまでの美人に描き過ぎているのである。作中の男達がタカチを見る目を淫蕩に描くが、傍若無人な捜査の免罪符をタカチに与える目的だろう。ミステリを書く事より、(今回は)タカチの心の闇を描く事に執心しているのである。そして、その闇から導き出される推理は、タカチの境遇を峻烈に反映した更なる深い闇。作者は人間心理のダーク面を強調する傾向があるが、本作は精神分析の実例集を読んでいるようで頂けない。
第三の事件は完全な付け足し。事件の背景もクリスティの作品からの頂きと言うお粗末。青春感傷小説を書くも良し、人間心理を強調した作品を書くも良しだが、肝心のミステリ作家としての本分を忘れてしまってはファンとして困る。論理のアクロバットでカタストロフィが味わえる作品を期待したい。
仔羊たちの聖夜(イヴ) (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:仔羊たちの聖夜(イヴ) (幻冬舎文庫)より
4344412125

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