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(短編集)
ぼっけえ、きょうてえ
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ぼっけえ、きょうてえの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全132件 81~100 5/7ページ
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遊郭で客に語りだす所から始まるのだが、客の言葉は書かれていない。遊女の一方的な話しかけだ。遊郭や遊女といった設定は初めてだったので新鮮だった。ジャパニーズホラーってやつだね。やっぱり日本のホラーの方が風情があるかな。 昔の日本の田舎はこんなんだったのか〜ってフィクションなのに心が痛んだ。 で、短っ!!って思った。大賞じゃなくて短編賞じゃないんかい!! | ||||
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この本を最近になって読んだのですが、なかなか面白かったです。 前、この本が話題になっていて怖いもの好きの私にとっては、 「全然怖くなさそうだし、第一面白くもなさそう」 と思い込んでいました。 お化けが出てくる怖さではなく、現実的な怖さみたいなものが感じられて、お化けが登場する本に飽きた人はこういう現実的な怖さの本をお勧めします。 | ||||
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表題作「ぼっけえ きょうてい」は、とても怖くて、キモチワルイ話です。 でも、主人公の遊女が、私は大好きなのです。 彼女、実はとてもいい女だと思う。 生まれのせいか、ひねくれているけど、(彼女なりの)優しさもあるし、こんな境遇に生まれていなかったら、いいおかみさん、母親になって、普通に幸せになれたんじゃないかな。 まあ、そうはいかないのが、岩井志麻子の世界なのでしょう。 初めて手に取った、岩井志麻子の小説が、この本で良かった。 それから、岩井志麻子の本を、読み漁っています。 岡山弁を多用した、独特の、暗い世界。 希望なんて、ちっとも感じさせない貧しい生活。 でも、それでもたくましく生きる人たち。(特に、女性) 密告函の、主人公の奥さんは、怖いなあ。 にこにこしながら、だんなを裏切る女のしたたかさ、情念の強さ。 うん、ぼっけえ きょうていの主人公の遊女より、彼女のほうが怖い。 | ||||
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正直読み始めてなんだか嫌な感じがした。 私はヌルリとした恐怖が苦手だから。 でも読む進むうちに、なんだか涙が出そうになった。 死ぬことだけを最後の望みとして生きている女性。 すごく哀しくて、かつ愛おしかった。 | ||||
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タイトル作「ぼっけえ、きょうてえ(とても、怖い)」を初めとする明治時代の岡山を舞台とした土着性溢れる恐怖譚。読む者の心身にジワジワと染みこんで来る粘着質の戦慄が堪らない。 「ぼっけえ、きょうてえ」は女郎の寝物語として語られるので全編岡山弁である。このため土着性が増しているのは言うまでもないが、その他の作品も当時の岡山地方の様子を巧みに取り入れて往時の雰囲気を醸しだしている。 極貧の生活、閉じられた生活空間における因習、その中での生と性の営み、嫉妬心、疑心暗鬼、死が当たり前のように眼前に現れる恐怖。これらが渾然一体となって、幻想とも現実とも判別がつかぬ物語を紡いで行く作者の手腕は見事である。 本当の恐怖が人間の心の闇からやって来るという事を改めて示してくれた傑作。 | ||||
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直接に怪奇というより人間味の染み出したような怖い話という感じ。 なにより表題作はその極致といっていいと思う。 不幸で醜く、陰湿で不快な道徳に反したドロドロとしたベースになにか主人公そのモノの不思議な優しさが話を幻想的にさせ、ラストにそれを現実的に色変えたのが話全体を「ぼっけえ、きょうてぇ」にさせたんだと思う。この表紙を見たとき誰もが怖いと思ったと思う。しかしここにあるのは悲しさであって人間の醜さなんだと思う。 読んでこの世界観に引きずり込まれる事は間違いないと思う。 | ||||
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凄みのある語り口と この物語の時代背景の濃厚な暗さ、 じめじめと陰惨な空気感がたまりません。 表題作も良いですが 「あまぞわい」が民間伝承の要素もあって面白かった。 また、表紙の女性の絵は、書下ろしではないようですが この陰のある微笑みぐあい、 主人公のイメージにあまりにもぴったりです。 | ||||
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岡山弁は知る人は多いのだろうか? 岩井志麻子によって少しはその知名度を高めたのではないだろうか? 表題作の「ぼっけえきょうてえ」は、秀逸である。ただ怖いだけでなく、畳みかけてくるラストが凄 い。土俗的な背景からじわりじわりと恐怖が滲み出してくる。その恐怖の源に焦点の合う瞬間はとても怖い。 しかし、本当に怖いのは何か?人間のエゴイズム、怨み、妬み・・・作者はそれを承知しているのだろう。 他の短編「密告函」「依って件の如し」についても、人間関係の暗い部分がとても生々しく描かれて いて怖い。作者は夫婦の間にも、親子の間にもそれを見つける。 | ||||
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初めて読んだときにびっくりするホラー小説があります。 怖くて新しい。 たとえば「リング」。 映画化される前に、あのストーリーのダイナミックさとが、 ホラーファンの間で「怖い!」と評判になっていました。 本作も怖くて新しかった作品です。 出版されたときに評判になったことを覚えています。 「土着の怖さ」を前面に出す作風。 ストーリーのラストを落とすプロットの見事さ。 口語で岡山の方言による文体。 そして死とエロスをうまく組み合わせる、 ホラーの王道を押さえています。 下品でありつつ、荒唐無稽ならず、 読者の想像力にグサッと突き刺さる視覚的な表現って、 なかなかできません。 本作以降の岩井氏の名作は数多くありますが、 その原点(死とエロスの融合)は、 この「ぼっけえ、きょうてえ」に見ることができます。 | ||||
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僕が初めて読んだ怖い、気持ちの悪い小説です。 エロスとホラーが混ざり合っている部分もあったりして、 なんともいえない恐ろしい空気を感じました。 風景が鮮明に脳内に見えてきますので、 そこは、「ああっすごいな」と思いました。 人間というのは環境によって ここまで醜くなってしまうのか、 という描写もありまして、それはそれは痛烈に 感じました。 意外にも僕自身が、 こういったカテゴリーの作品が好きなんだな、 と思わせてくれた作品でした。 | ||||
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四篇の短編集であるが、表題作の「ぼっけえ、きょうてぇ」だけが、 岡山弁を交えた語り口調で描かれる。この表題作の凄味は尋常ではない。 「ぼっけえ、きょうてぇ」とは、岡山弁で、とても怖いという意味らしい。 ここで語られる内容は、怖いというより、壮絶だ。 一方、語り口調の文体にも酔ってしまう。 語り手は、必要以上に自分を卑下している印象だが、 明治時代の事だから、現代の物差しでは量れない。 しかし、この壮絶さが怖い。 そして、切ない。 文章に酔える作品だ。 絶賛したい。 | ||||
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代表作の「ぼっけえきょうてえ」読んだ直後は、こういう怖さも好きだな、と思い。驚いたのは数日たってもこの作品に漂う独特の「怖さ」が全然色あせないって事でした。読んでいるときや、読後すぐは色彩豊かとは言いがたい作品だけど、日が経つに連れ、作品の色彩が鮮やかに蘇ってくる不思議な作品でした。 | ||||
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怖い話の中に、女にしかわからない女の本当の心が描かれています怖いけれど泣けます女というものは、そういうものなんじゃ。と・・・ | ||||
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赤貧と死と近親相姦のお話(集)です。 スーパーナチュラルな要素を用いなくとも 特に派手な何かが起こらなくとも じわじわと真綿で締められるような怖さ。 語りが怖いッス。 囚われ人の、回避不能の恐怖と気だるさ。 うーん、死とエロは近い。 | ||||
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並み居る長編を蹴落として短編で大賞を受賞した力作。個人的に怪談話が大好きで、女郎の寝物語を軸に据え、聞かせる身の上話はアクが強くて素敵。作者ご本人も下品で気色悪く素敵な方。是非とも購読を。 | ||||
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岩井志麻子さんの作品としては一番好きです 表題作のぼっけえ、きょうていは岡山のある女郎の一人語りですが彼女の壮絶な半生を淡々と語るところがとても印象的です 他にもあまぞわい や、依って件の如など良い意味で岩井志麻子さんらしい作品でとても楽しめました | ||||
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なんだかどろどろした感じで、暗い、かつ、猥雑でどこかユーモアを孕んだ雰囲気でした。 面白かったです。人によってはとても不快に思う表現もあると思いますが…。 不快でも大丈夫だ、という人が読んだ方が良いと思います。 映画版は拷問シーンが印象的で、より鮮やかな仕上がりです。 | ||||
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“ぼっけぇ、きょうてぇ”とは岡山地方の方言で、“すっごく、怖い”という意味だそうです。 圧倒的な筆力で、短編でありながら第六回日本ホラー小説大賞の大賞を受賞するという快挙を成し遂げたホラー史に残る傑作。 言葉の隅々にまで神経が行き渡り、琴線の上を歩くような異常な緊張感を最後の一文まで貫いて下さいます。 舞台は、明治後期の岡山。遊女が客への寝物語りに、自分の生い立ちを聞かせています。 女の一人称、柔らかな岡山弁で語られるその内容は、その時代に生きていたのではと思うほど細やかで、背景が目に浮かぶほど。 どんどん明るみになる女の凄惨な生い立ち、容貌に隠された驚愕の秘密。 これほど短くて、これほど怖くて、これほど面白い話は、他に類を見ません。ホラーというよりは怪談に近いかもしれませんね。 かなり救いのない話ですので、鬱に入りやすい方やモラリストの方にはお薦めできません。 しかし主人公の特殊性を除けば、それがかつての日本の姿そのものだと思います。 土俗的な因習、悪習はほんの少し前の田舎にも残っていて(私の生まれもそうでした)、その姿を知っている者には、かつてないほどの恐怖と共に、ある種の郷愁を感じさせます。 この退廃的な話から面白さを読み取れる、ホラー上級者にのみ読んでいただきたいです。 | ||||
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どの物語にも共通して漂う独特の陰鬱さは、やはり文体と岡山弁にあるんでしょうね。読み始めると本能的な嫌悪感、違和感が生じてきて、読んでいく内に怖い!という感情に変化していくように感じました。 | ||||
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表題作他3編の短編集であるが、いずれも「岡山県」を舞台にした因習の厳しい田舎を描いている。その4編は、どちらかと言うと、「怪談」のイメージを強く感じる。言葉も方言を上手く使って、怖さを助成している。特に、一作目の「ぼっけえ、きょうてえ」は、タイトル自身をひらがなで方言そのものを持ってきており、それだけで、不可思議な何かを感じさせてくれる。実際、読み始めても、その雰囲気をそのままに感じさせてくれる作品になっている。 小品ながら、4編ともなかなか面白い作品になっている。 | ||||
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