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水魑の如き沈むもの
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水魑の如き沈むものの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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面白い箇所はある、本当にちりばめられてる。 戦後昭和✕ホラーミステリーだからこれはイイネ!なんですけど、いやー天と地の差が激しい! 盛り上がってまいりました!からのえぇ…そこいる?そのやりとりで何ページ使うの…という。 浅見光彦シリーズのように刀城だけが現場行くほうが良いって、本当に。 ラノベ系恋愛はいらないよぉ…二十代の敏腕編集者推しの作者からすりゃ書いてて面白いと思ってるんだろうけど、敏腕にしては時代背景に合ってない爆弾しゃしゃりクラッシャー過ぎて物事が入ってくるまでにゲンナリしますって。 せめてやりとり少なめか、普通の男女の会話にしてくれぇ…先生は私がいないと!そんなことないよ!認めないとかいけずぅ(プンプン)周りが囃し立てるとかでそんな使わないで時間が無駄に過ぎる! あのやりとりがなけりゃもう少しページも減るよぉーむしろその分別な部分クローズアップしてほしい。消化不良のまま終わった部分もあるよー。 4作目までの純粋に楽しめてた時代は何処? もう少しアッサリめならきっと好きになれてたよ。 分かった!美人なのも可愛いのも分かった!もうやめてくれーもうそろそろそれ展開で話し進めないでくれー!頼むー!続きが読みたいんだよ、気持ちノッてきてるんだよ頼むよぉぉぉ!!!!ってなりながら読むってどんな苦行… 面白いのに!!トリックも!!雰囲気も!!すっごく良いのに、なぜ作風が一気にラブコメ突入するんだ… 分かった、片思いしてるんだよね、うんうん…分かったから話しを進めて…お願い… | ||||
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やはり、いつものような二転三転する結末でした。 | ||||
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大変素早く送っていただきありがとうございました。またお願い致します。 | ||||
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水魑様を信仰する4つの神社とその宮司たち、増儀と減儀という儀式、左霧・鶴子・小夜子・正一の家族の過去の経験など、作品世界の作りこみが重厚で、ページ数も多いが、物語としての読み応えは十分で、作者の物語の創作力・構築力はすばらしい。 13年前に儀式の最中に起こった死亡事件、刀城と祖父江が立会時に起こった殺人事件、さらに引き続き起こる宮司の連続殺人。事件とその背景にあるものが複雑で入り組んでおり、探偵役の刀城が後半で疑問点を整理しているのはわかりやすくて良い。真相の核となっている儀式に関する秘密は、全く想定外だったので、判明した時、なるほど面白いと感じた。このシリーズでお約束となっている真相の二転三転だが、刀城が推理を示す中で論拠の不備が見つかって、その都度犯人が入れ替わっていき、最終的に1人に落ち着く。 犯行現場とそれにつながる経路の状況がわかりにくいこと、真犯人が真相通りに実施可能かどうかを読者が判断しにくいこと、その後の連続殺人に関する動機に疑問があることなど、ミステリーとしては不満箇所があった。 | ||||
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ホラーの部分は面白く読めるが、 多分このシリーズの肝であろうミステリーの謎解きは 恐ろしくつまらない。 どんでん返しとはなんだろう。 この真実の裏にはさらにこんな真実が というのが面白いのではないのか。 謎解きのお粗末さに目をつぶっても 登場人物の魅力のなさ説得力のなさがすごい。 特に相棒の編集者には辟易する。 まとめ買いしてしまったので数作読んだが どれもミステリーとして面白くなかった。 突拍子もない先輩だけが救いってどうなのだろう。 ミステリーとホラーが分離している。 一緒にする必然性がないと思う。 ホラーが特に秀逸なのでひたすらもったいない。 | ||||
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三津田氏の作品で最初に読んだ本でした。 初見だと、刀城言耶の昔からの知人への理解が追い付かない箇所もありましたが、 十分に楽しめると思います | ||||
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舞台設定、物語の作りが深くて雰囲気出てた ページ半分まで殺人が起きず、 その後も最後の方まで 読者の推理のための伏線がなかったから 人物の消去法的な推測をすることになったので真相への驚きはなかった しかし、それでも前半は質の高い小説として読むことができるので面白い 今作は推理要素よりも怪奇要素重視 | ||||
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文庫では解説の光原百合さんが書いているように、シリーズ一番読後感が良かった。まさに大雨の後の晴れた空。なのでいつもの「どろどろ、ぞわぞわ、ねちゃねちゃ、ずるるぅ~」を期待すると空かされるかもです。 シリーズとしてはこれは異色作になるのか転換作になるのか。 例えばシリーズがこれからもこの「ちょいラブコメ」風味で続くとしたら、果たして私は購入を続けるのか。やはり迷う所ではありますが。 正一パートや「絵に描いたような悪人の悪人ぶり」はとても楽しんだからなあ… 星五つ。 | ||||
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このシリーズの長編は全部読んでいますが、本作が他の作品に比べ 登場人物の背景などがよく描き込まれており一番好きです。 本格推理として見るならば、もう少し無駄な部分をそぎ落として すっきりさせ、事件と謎、手掛かりの輪郭を明瞭にさせてほしい ところです。 ただこのシリーズはそれを補うほどの魅力と雰囲気があります。 毎回大量の民俗学知識が列挙され、それだけで好きな者には 読めてしまうと言った感じ。事件と関係ない地方の事例まで 語られたりするので興味深いです。 それから事件毎に登場するキャラクターの妖しく美しい魅力も、 楽しみどころの一つ。本作では過去作との関連性もあって シリーズの読者には面白かったのではないかと思います。 刀城探偵の推理方法には最近慣れてきて、ああまたかという 脱力感を感じつつ、逆にツボにはまってきて楽しんでいます。 | ||||
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恋愛要素はいらなかったのでは? 女性キャラクター多用は良いとしても、ヒロインに仕立てる意味があるのだろうか。 ネット上でも賛否両論あるみたいだし、見たところ否定的な感想を書いてる方々が多い気がする。 私は昭和、ホラー、ミステリーの要素か入った雰囲気に魅せられたファン。 横溝、京極的というのだろうか。 キャラクター萌えを楽しみたくて読んでるわけじゃない。 憑かれるかのように読み進めていた初期の作品、あれは本当に良かった。 探偵役がヒロイン助けてポッみたいなのは金田〇少年とかコ〇ンでお腹いっぱい。 小説ですらそういう方向のものはいくらでもあるというのに。 肝心のミステリーも今回は不完全燃焼してる気がしてモヤッとするし(まとまってはいたけど) まだ気になる点が残ってるというか。 ネタバレになるから言えませんが… 作者はシリーズとしてどう作っていきたいんだろうか。 そんな目立ってなかったキャラクターを全面に出してきた意図は? 無駄な空回りヒロインとのやり取りとか、必要なんだろうか。 なぜそこをもっと中身に費やしてくれなかったのか。 せめてヒロインにするなら、もう少し違う性格に出来なかったんだろうか。 えーなんでそういう感じなのよ!?って感情移入出来辛いヒロインは、物語に妨げな気がします。 ライトノベルとか年齢層が低い、恋愛も織り混ぜないとやーだーって人向けになったのか… | ||||
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以前、『密室の如き籠るもの』 (講談社文庫) のレビューでも書いたが、 刀城言耶は職業的な「名探偵」なのではなく、あくまでも、行く先々で事件に巻き込まれているだけである。 本来、怪異譚の蒐集家であって、怪異そのものを解き明かそうなどとは本人自身が思っていない。 だから本作においても、祖父江偲が体験した怪異は、あくまでも怪異のままである。 祖父江偲の視点で語られている個所は、結末のどんでん返しへの伏線としてのみ機能し、 事件の真相に直接関係のない、怪異現象は、あくまでも怪異現象でしかない。 また主人公は、「ガリレオ」シリーズの湯川や「作家アリス」シリーズの火村のような、 警察との信頼関係が築かれている「名探偵」ではなく、あくまで市井の作家であるから、 必然的に、探偵役として知りえる情報には限界があり、 「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できない」 ことになる。 現代的な本格ミステリとしては、むしろ当然の展開であり、別に結末が腰砕けな訳でもなければ、 作者が投げ出しているわけでもない。 もともと、そのような作品として、そのように書かれており、そのような作品としては、非常におもしろい。 「第10回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞」も当然である。 ここで、「自分の考えている『本格ミステリ』ではない」などと言っても、意味が無い。 この作品の前年、第9回の受賞作は『完全恋愛』、翌年、第11回の受賞作が『隻眼の少女』なのだから、 「本格ミステリ大賞」とは、どのような「本格ミステリ」が受賞対象なのか、自ずと理解されるはずだ。 | ||||
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このシリーズはだいたい読んだので、すっかり慣れてしまいました。 怪しい村。しきたりがあって、怖い森やら山やら池やらの伝承がある。 殺人事件が続いておこり、主人公が推理しては違う、また、違う、で誰が残ってるの? もう、他にいないじゃないか。あ、そうきたのね。みたいな展開です。 今回は水バージョン。 満州から引き上げてくるところは人間が怖い、魑魅魍魎も怖い。 しかしながら、殺人事件が起こってからの一番悪いはずの男の悪さがなぜか感じられない。 ただ愚かなだけで、怖さがなかったです。 時々入る編集者との面白い?会話はなんだか無理があります。とってつけた感じ。 著者はこういう会話は苦手なんでしょうか。ところどころちょっと浅見光彦風になってしまいます。 お決まりコースで話が展開するので、絶賛するほどではないけれど このシリーズが好きでなんとなく楽しみに読んでしまう。そんな本です。 横溝正史っぽい雰囲気が好きな方はとりあえずどれか2冊くらい読んでみてはいかがでしょうか。 1冊目ホラー部分が嘘っぽくてしんどくても、2冊目クリアすれば、なんとなく新作を待ってしまいます。 後、この本はかなり分厚いので持ち歩きには不向きです。 | ||||
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文庫化されれば必ず購入するシリーズだが、一度読んだらすぐ売るため、手元には一冊も残っていない。横溝的な雰囲気を期待しているのだが、本格推理部分よりもホラー色が強く、再読する気が失せるためだ。今回も連続殺人の動機は結局よく理解できないし、おどろおどろしい妖怪じみた謎の存在も、正体不明のまま。すっきりしないなぁ。 | ||||
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三津田氏の代表作ともいえる刀城言耶シリーズの新作ですが、本作も舞台設定や人物設定、歴史的考察などしっかり作り込まれおり これまでのシリーズを読んできたファンを裏切る事はないと思います。終盤の伏線の回収や謎解きまで気になって読み続けしまいました。 しかし、このシリーズでいつも感じるように、筋は通っているものの強引さやご都合主義が否めないトリックが受け入れられない人には 駄作にもなり得ます。とにかく世界観は良いのでタイトルや表紙絵にピンときたら手に取る価値はあると思います。 | ||||
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私は本シリーズの愛好者だが、本作のモチーフは龍神伝説とそれに纏わる儀式。奈良の盆地波美の中の東西に並んだ四つの村と各々の神社。そして、四つの村を南北に分断する深通川。村は西から順に開かれ、川の最西端は水源の沈深湖に繋がっている。全ての神社は持ち回りで沈深湖において、川の減水(氾濫時)、増水(雨乞い)を御神体「水魑」様に祈願する儀式を行なう。湖の西端には"流昇の滝"があると言う名前の凝り様。各神社の宮司は「神男」と呼ばれ、過去、度々儀式の際に命を落としたと言う...。 波美で絶対的権力を誇る最西端の水使神社の「神男」龍璽。水使神社の"一つ目蔵"には生きた「水魑」様が棲むとの噂さえおぞましい。また、沈深湖中には"水魑様の口"があって、神男を喰うとの噂も。"神"が持つ対極の属性「信仰と畏怖」の象徴であり、神社間の確執の暗示でもあろう。減儀と増儀との難易度の差異も伝奇・科学的に良く考えてある。そして簡潔に語られる13年前の増儀の際に龍璽の代役を務めた長男龍一の不可思議な死。更にこれを引き継ぐ形での、龍璽の養女左霧(神云櫛村出身!)の息子正一の回想談。幻想的な記述の中に、水使家・水魑様の秘密の奥深さと左霧一族の霊性が伝わって来る。泥女、鬼女、ボウモンと言った小道具の用法も巧み。ここで話は(作中の)現代に繋がり、刀城の眼前で起こる増儀の際の湖上密室事件。ここでも龍璽は代役に次男龍三を立てており、13年前の相似形。う〜ん、殺人と仮定するならば方法は「***」しか有り得ないのでは...。続いて起こる、「神男」龍吉朗・辰三の連続殺人と流虎襲撃事件...。 600頁近い労作であり、本格ミステリ的には良く出来ていると思うが、「厭魅」が与えてくれたゾワゾワする戦慄は味わえなかった。舞台設定、特に左霧を登場させている点を考慮すると、もっと禍々しい解決でも良かったのではないか。 | ||||
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私は本シリーズの愛好者だが、本作のモチーフは龍神伝説とそれに纏わる儀式。奈良の盆地波美の中の東西に並んだ四つの村と各々の神社。そして、四つの村を南北に分断する深通川。村は西から順に開かれ、川の最西端は水源の沈深湖に繋がっている。全ての神社は持ち回りで沈深湖において、川の減水(氾濫時)、増水(雨乞い)を御神体「水魑」様に祈願する儀式を行なう。湖の西端には"流昇の滝"があると言う名前の凝り様。各神社の宮司は「神男」と呼ばれ、過去、度々儀式の際に命を落としたと言う...。 波美で絶対的権力を誇る最西端の水使神社の「神男」龍璽。水使神社の"一つ目蔵"には生きた「水魑」様が棲むとの噂さえおぞましい。また、沈深湖中には"水魑様の口"があって、神男を喰うとの噂も。"神"が持つ対極の属性「信仰と畏怖」の象徴であり、神社間の確執の暗示でもあろう。減儀と増儀との難易度の差異も伝奇・科学的に良く考えてある。そして簡潔に語られる13年前の増儀の際に龍璽の代役を務めた長男龍一の不可思議な死。更にこれを引き継ぐ形での、龍璽の養女左霧(神云櫛村出身!)の息子正一の回想談。幻想的な記述の中に、水使家・水魑様の秘密の奥深さと左霧一族の霊性が伝わって来る。泥女、鬼女、ボウモンと言った小道具の用法も巧み。ここで話は(作中の)現代に繋がり、刀城の眼前で起こる増儀の際の湖上密室事件。ここでも龍璽は代役に次男龍三を立てており、13年前の相似形。う〜ん、殺人と仮定するならば方法は「***」しか有り得ないのでは...。続いて起こる、「神男」龍吉朗・辰三の連続殺人と流虎襲撃事件...。 600頁近い労作であり、本格ミステリ的には良く出来ていると思うが、「厭魅」が与えてくれたゾワゾワする戦慄は味わえなかった。舞台設定、特に左霧を登場させている点を考慮すると、もっと禍々しい解決でも良かったのではないか。 | ||||
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冒頭の京都のシーンは相変わらずだるい。 阿武隈川、偲との掛け合いは、 最近のミステリーものの典型で不要だと感じます。 ここでミステリーの舞台設定をレクチャーされて本編に突入。 鶴子、小夜子、正一の兄弟(および母親左霧)のエピソードが始まったとたん、 テンポがよくなる。 正一のキャラが最高だと思う。 一つ目蔵雰囲気を盛り上げる。 奈良の信仰の湖で繰り広げられる殺人事件の出足は良かった。 それが中盤からだれる。 後半、蔵から逃げ出した正一がストーリーの鍵を握るが、 肝心の正一はまったく登場しなくなる。 どんでん返しのあった小夜子も同様。 それでかくかくしかじかですと東城が事件を解決するのは、 推理小説として、不完全燃焼だろう。 主要な登場人物が死ぬならともかく、 生きている限り、直接事件を語るべきだと思った。 これは失敗作。 後半燃料切れしたと思う。 | ||||
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冒頭の京都のシーンは相変わらずだるい。 阿武隈川、偲との掛け合いは、 最近のミステリーものの典型で不要だと感じます。 ここでミステリーの舞台設定をレクチャーされて本編に突入。 鶴子、小夜子、正一の兄弟(および母親左霧)のエピソードが始まったとたん、 テンポがよくなる。 正一のキャラが最高だと思う。 一つ目蔵雰囲気を盛り上げる。 奈良の信仰の湖で繰り広げられる殺人事件の出足は良かった。 それが中盤からだれる。 後半、蔵から逃げ出した正一がストーリーの鍵を握るが、 肝心の正一はまったく登場しなくなる。 どんでん返しのあった小夜子も同様。 それでかくかくしかじかですと東城が事件を解決するのは、 推理小説として、不完全燃焼だろう。 主要な登場人物が死ぬならともかく、 生きている限り、直接事件を語るべきだと思った。 これは失敗作。 後半燃料切れしたと思う。 | ||||
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民俗ホラーとミステリの面白さを兼ね備えた 「刀城言耶」シリーズの第5作にして、 2009年12月発表の最新作です。 舞台は、終戦から10年位後の、 奈良県波美(はみ)地方。 ここを流れる深通(みつ)川に沿って、 水使(みずし)・水内(みずうち)・ 水庭(すいば)・水分(みくまり)の四神社が点在し、 持ち回りで雨乞いの儀が行われています。 (この儀式で祀り上げられるのが、 題名にもなっている、「水魑(みずち)」様です) 刀城言耶は、その儀式に立ち会う機会を得ますが、 儀式の中心人物、「神男」を務める男性が、 湖に浮かべた屋形船の中で、 刺殺死体となって発見されます。 状況は誰も近づくことのできない、密室状態…。 そしてこの儀式では、 13年前にも同じような不可解な死亡事件が起きていたのでした。 このシリーズ、怪異現象の描写が盛り込まれ、 ホラーの雰囲気を味わいながら、 ミステリも楽しめるという優れもの。 ホラー部分は、不可解な状況のまま終わりますが、 ミステリ部分は、きっちりと合理的解決でまとめてくれます。 本作品でも、密室トリックはきちんと存在し、 雨乞いの儀という特殊状況下を 巧く活かしたトリックを楽しむことができます。 また、後半の刀城言耶の推理は、 真相に辿り着くまでに二転三転し、 一体どんな真相が待ち受けているのか、 ハラハラしながら読み進めることができます。 さらに、作者の文章力が充実してきたのか、 一作ごとにこなれてきて、 小難しい民俗学的用語を多用しながらも、 読みやすくなってきているところが このシリーズのファンとしては嬉しいところです。 日本の古い歴史的なものに興味があり、 ミステリもお好きな方には、 是非とも読んでいただきたいシリーズです。 一作一作は独立しているので、 どの作品から読んでみても良いかと思います。 | ||||
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民俗ホラーとミステリの面白さを兼ね備えた 「刀城言耶」シリーズの第5作にして、 2009年12月発表の最新作です。 舞台は、終戦から10年位後の、 奈良県波美(はみ)地方。 ここを流れる深通(みつ)川に沿って、 水使(みずし)・水内(みずうち)・ 水庭(すいば)・水分(みくまり)の四神社が点在し、 持ち回りで雨乞いの儀が行われています。 (この儀式で祀り上げられるのが、 題名にもなっている、「水魑(みずち)」様です) 刀城言耶は、その儀式に立ち会う機会を得ますが、 儀式の中心人物、「神男」を務める男性が、 湖に浮かべた屋形船の中で、 刺殺死体となって発見されます。 状況は誰も近づくことのできない、密室状態…。 そしてこの儀式では、 13年前にも同じような不可解な死亡事件が起きていたのでした。 このシリーズ、怪異現象の描写が盛り込まれ、 ホラーの雰囲気を味わいながら、 ミステリも楽しめるという優れもの。 ホラー部分は、不可解な状況のまま終わりますが、 ミステリ部分は、きっちりと合理的解決でまとめてくれます。 本作品でも、密室トリックはきちんと存在し、 雨乞いの儀という特殊状況下を 巧く活かしたトリックを楽しむことができます。 また、後半の刀城言耶の推理は、 真相に辿り着くまでに二転三転し、 一体どんな真相が待ち受けているのか、 ハラハラしながら読み進めることができます。 さらに、作者の文章力が充実してきたのか、 一作ごとにこなれてきて、 小難しい民俗学的用語を多用しながらも、 読みやすくなってきているところが このシリーズのファンとしては嬉しいところです。 日本の古い歴史的なものに興味があり、 ミステリもお好きな方には、 是非とも読んでいただきたいシリーズです。 一作一作は独立しているので、 どの作品から読んでみても良いかと思います。 | ||||
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