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占星術殺人事件



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占星術殺人事件の評価: 4.03/5点 レビュー 211件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全211件 1~20 1/11ページ
No.211:
(5pt)

島田荘司の最高傑作か? 怪奇なアゾートの謎、また密室殺人と男女の足跡の謎。。。『占星術殺人事件』

ある推理漫画が原因で知名度が高くなったトリックが使われています。
本著、『占星術殺人事件』(島田荘司)の方が先に創作された本物です。
そのトリックのほかに、密室殺人事件をめぐる推理、雪の上に残された男女のものと思われる足跡の謎も
おもしろいので、星五つです。
唯一の欠点は、作中でコナン・ドイルの『まだらの紐』のネタばれをやっている点です。
そのあたりに描かれた『シャーロック・ホームズ批評(批判?)』は最高におもしろいのですが。。。
シャーロック・ホームズ愛好家は必読です。ただし、血圧が上がると頭の血管が切れてポックリと
逝ってしまうかもしれない熱烈なホームズファンは読まない方がよろしいかと思う。
御手洗潔は、独特の味を出す極めておもしろい名探偵です。
島田荘司の最高傑作と考えるファンが非常に多い作品です。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)より
4062775034
No.210:
(5pt)

できれば新装版は初版の復刻調にしてほしかった

それでも多くの人がこの名作を手に取ってくれるなら嬉しいです。
御手洗ってあの「ドライブ・マイカー」にも出てきた広島県内の地名でもあり、
そういえば幼いころSF映画に御手洗博士というのが登場して、
「おてあらい博士だって=」なんて無節操に笑っていたのを思い出し、
しかも潔なんて命名された日には小学校時代にはさぞトラウマになるような事件があっただろうと同情します。
でも、その後彼は海外に活躍の場を広げたり、ミスタ・クリーンなんて呼ばれたりするので、
名前なんて本当記号のようなものでしかありません。
閑話休題、この作品の肝のトリックがよりによって同じ講談社の「金田一少年の事件簿」にパクられたのは有名。
ただ、それはともかくこの犯人の周到な計画というものには脱帽しかありません。
御手洗がこの孤独な人を探し出すくだりも感動的。
いろいろ手記が混じっていたり、読んでて???を感じるかもしれませんが、
それらはすべて必然の装置として機能しているので読み飛ばさないで。
一度読了後、思わず二度読みしたくなると思いますが、
それくらい周到な仕掛けが施された鮮烈なデビュー作です。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)より
4062775034
No.209:
(5pt)

御手洗が好き

超有名作品だがなんとなく食指が動かなかったものを今更読んでみた。早く読めば良かった。多くの方が面白いというわけだと納得。御手洗のひねくれ方が大好きです……!!
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)より
4062775034
No.208:
(4pt)

占星術オタクに最適

元々星占いに凝っていたのでこのタイトルに惹かれました。なかなかなトリックです。表紙も素敵!
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)より
4062775034
No.207:
(4pt)

傑作

探偵役といえる御手洗潔という人間があまり好きになれず、なかなか読み進められなかった。
40年以上前の事件の真相を暴くものだが、手記という形で当事者たちの葛藤がよく書けていた。

メインのトリックは他の作品で使われていたのですぐにわかってしまったが、当時は多くの人を唸らせたのだと思う。

作中でも言及されているが、論理的な計画の中に多くの偶然がある。
犯人も失敗したならばそれはそれで仕方なしと思っている所が少しもやっとした。

発表から40年前の作品ではあるが加筆修正されているからか、「作中における現代」ならではの描写は少なく、ギャップが少なく読めます。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.206:
(3pt)

無駄な部分が多すぎる

トリックはすごい関心しましたが、過去の未解決事件を読み解く形のため、全ての事件が終わっており、後半の現在の行動全てが読まなくてもいい蛇足部分に思えます。
無駄な占星術の説明、登場人物、行動や作者の挑戦状みたいな文等が長すぎて無駄にページ数が多くなってるため、もう少し短くするか本流を太くしてほしかった。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.205:
(2pt)

冗長な作品で退屈で疲れる。読む体力が無い人は手を出さない方が良い

分厚い説明書を延々と読まされる感じで場面展開が相当に少なく退屈。非常に疲れて眠気を誘発する退屈作品。読む体力がない人にはオススメ出来ない。人を選ぶ作品。好き嫌いが相当分かれる作品である。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.204:
(4pt)

御手洗がもっと活躍するのかと思ってた。

御手洗がもっと活躍するのかと思ってた。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.203:
(3pt)

読みずらい

話口調が昔なのでかなり読みずらさあり
私は途中で挫折して最後だけ読みました
占星術殺人事件Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件より
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No.202:
(3pt)

評判ほどではない。

余りに評判が高いので購入したが、名探偵とやらの御手洗の活躍
というより、途中で事件関係者の重大な自白があって最大の
謎が明かされてしまう。他の謎はトリックを細かく練ってあるだけで
驚き、或いはどんでん返しでびっくりというほどの事もない。
また、事件の本流に関係ない登場人物が多くて、単にページ数が
増えているだけのところもある。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.201:
(4pt)

斬新なトリック...

難解な不可能犯罪が起き,数十年後に探偵役が解決する物語.

他の方のレビューにもあるが,最初がとにかく退屈.
それを乗り越えると多少は読みやすくなるが,古めかしい言葉や展開・登場人物には馴染めなかった.

トリックとしては,私は「金田一少年の事件簿」を読んでいたので驚かなかったが,当時としては非常に斬新なものだったように思う.

トリックに敬意を表して星を1つ追加し,星4とした.
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4061825712
No.200:
(2pt)

稚拙。

この作家さんの作品は、これしか読んでないのですが、手記や手紙のくだりはとても雰囲気があってよいのですが、そのほかの文章がとにかく稚拙でした。セリフも長々としていて、どっちが話してるのか分かりづらいし、どこへいって何があったとかを延々読まされる側は、たまったもんじゃないです。
それでも、どこか悪魔的な雰囲気は惹かれるものがあって読んでみたのですが、トリック説明で興醒めしました。そんなことになるわけないだろうと…。

発刊当時は斬新だったのかもしれませんが、その後、増補改訂して作者も名を成したからでしょう、上から目線のあとがきも、なんだか残念な気持ちがしました。後世の「研究者」に向けて書いたそうですよ。
そのうち、いまのライトノベル作家もこういう立ち位置になるんでしょうかね…

あ、でも、この本に関わっている間は楽しかったですよ。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.199:
(5pt)

とても面白かった!

ずっと気になっていて遂に読了。
純粋にとても面白かった!
1980年代に発表されており、約40年前。
作中でも40年前の事件を追っていくので、何やら不思議な運命を感じます。笑
そのまま占星術の深みへ…とはいかず、
冒頭は頭が痛くなります。笑
でも、この占星術の世界に入る為には、全てを理解せずともとにかく読み進める事をオススメします。
御手洗と石岡くんの会話はとても軽快で読みやすかったです。改めてこの作品が40年前とは驚きました。
随分派手な始まりに派手な事件ですが、
最後まで読んだ後はしっとりした爽やかな気持ちになります。
事件のやり方も動機もその時の心情も犯人が教えてくれます。
トリックだけでは無く、犯人の心情まで詳しく書かれており、どちらも両立してくれるミステリー作品はありがたいです。
ぜひ、1度は読んでみて欲しい作品です。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.198:
(5pt)

(2024-27冊目)週刊文春「東西ミステリー ベスト100」国内編第3位は伊達じゃない

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 昭和11年2月26日、東京は積雪。世に言う2・26事件があったこの日、都内に暮らす画家の梅沢平吉が密室で殺害された。遺された手記には、女性6人の肉体を一部ずつ切り出して完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。ほどなくして平吉の娘と姪6人が行方知れずとなり、後日日本の各地からバラバラ死体として発見されるが、事件は迷宮入りしてしまう。
 それから43年が経過した昭和54年、占星術師の御手洗潔とイラストレーターの私こと石岡和巳は、あることをきっかけにこの〈占星術殺人事件〉の謎解きに挑むことになる……。
---------------
 本格ミステリーの代表作とされ、『 週刊文春臨時増刊 東西ミステリー ベスト100 』(2012年)では国内編第3位にランクインしている作品です。

 怪異に満ちた密室トリック、仮借なき一家鏖殺(おうさつ)、猟奇残忍なバラバラ殺人、不可解な迷宮入りをした後に40数年を経て事件解決へと至る驚天動地の道程――500頁超えの一冊の中に、ミステリーの禍々しい要素がこれでもかといった具合にてんこ盛りです。
 探偵役の御手洗潔は当初こそ懶惰無頼(らんだぶらい)の徒といった様子ですが、後段、一気に怜悧聡明(れいりそうめい)な推理力を発揮し、あっと驚く真相と真犯人を暴き出します。その道程たるや痛快無比です。
 遺体が全国各地に運ばれ、しかも埋める深さがバラバラという不思議な状況にも、そんな理由があったとは。いやぁ読者として気持ちよく欺いてもらいました。
 
 ところで、昭和10年頃に姉妹がそろって献血をしたという話が503頁に出てきて、おやっと思いました。戦前の献血事業はあまり一般的ではなかったのでは? 日本赤十字社のサイトによれば、日本初の血液銀行(現赤十字血液センター)である日本赤十字社東京血液銀行業務所が開業したのは、戦後1952年(昭和27年)とのことですから、昭和10年に姉妹がそろって献血するというのはかなり珍しいと思いますが。

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占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.197:
(5pt)

最初さえ乗り越えれば、そこはミステリの宝庫

序盤の小説内小説を読むのがなかなか辛いが、、、そこを超えると極上のミステリが待っていた。
真相解明部分の語り口に「なろう系」のようなキザを感じ取ったが、ミステリ小説はまあそういうもんか、、、と飲み込んだ。そんなことはほとんど気にならないほど恐ろしく難解で極上のミステリだった。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.196:
(2pt)

自分に都合のいいことを、都合よく書いた、後出しジャンケンの典型。

東野圭吾のミステリー『ある閉ざされた雪の山荘で』と『白馬山荘殺人事件』を続けて読んだ。
どちらも面白かったのだが、ライトノベル的軽さが引っかかり、「本当の本格ミステリー」を
読みたいと思った。

ネットで「ミステリーの傑作ベスト10」的な記事を読み、『占星術殺人事件』を発見。『砂の器』
『十角館の殺人』『容疑者Xの献身』などと並んでいたので、読み応えのあるものだろうと購入。

密室殺人にはじまって、猟奇的なバラバラ事件や、占星術をもとにした偏執狂的な展開など、趣向は
限界まで凝らされている。しかし以下のような欠陥がある。

*以下、内容と謎解きについて触れています。

1)自分はそれほど先が読めるタイプではないが、大体の犯人の目星は途中でついてしまう。
 こういうミステリーの場合、真犯人が物語の筋と無関係な人間であることはない。むしろ主要な
登場人物の中にいる。すると、作者の記述から、異なる書き方をされているのは、最初に殺された
梅沢平吉の前妻・多恵であり、その娘・時子となる。事件に巻き込まれた竹越文次郎の件も、彼が
いたその場所に殺された一枝の遺体があったことがすぐに推測できる。

2)まず冒頭から登場し、物語の最後まで全体を支える「梅沢平吉の手記」がある。それは重厚な
文体で、専門的な知識が盛り込まれている。これが読者をミスリードする。
実際にはそれは、全ての殺人を単独で行った真犯人・時子によって書かれている。書いたとき、
彼女は22歳。この手記は、そんな若い女性が書けるものではない。内容的なこと以外にも、手書き
なので、筆跡の問題がある。著者は平吉がほとんど文章らしいものを残していないから筆跡については
怪しまれなかったとするが、時子の筆跡はどうなのか。文庫本で35ページもある文章量の中に、
女性的な筆跡が残らないわけがない。
これならば、犯人が男性であることを文章で示しながら、実はそれが女性であるとひっくり返す
『ハサミ男』の方が、よほど丁寧に周到にそれを行っている。

3)本作で最も重要なのは、殺人の「動機」にある。上記したように、本書は事件の主体が、梅沢平吉
であると読者をミス・リードする。そのための動機は、十分すぎるほど書き込まれている。
後半、作者が出てきて「読者への挑戦」を行い、そこには「必要な材料は全て提供した」と書かれて
いるが、ここまでに真犯人・時子の動機は、1行も書かれていない。
さらに不自然なことに、殺される女性たち6人の日常生活の様子が一切描かれない。あまりに日常感が
希薄なので、「読者への挑戦」のところで、これは何らかのトリックで、全員実は存在しなかったという
オチなのかと思ったほど。

4)そんな風に思っていると、最後の最後に真犯人・時子の手記(遺書)が出てくる。そこには犯行の
ことが(著者の言い訳のように)1から10まで書かれている。これこそ後出しジャンケンそのもの。
「読者への挑戦」というのなら、この手記を先に出して、では真犯人は誰でしょう?とやるべき。
ときおり、読者に必要な情報が与えられず、最後に「実はこうでした」と説明される駄作があるが、
『占星術殺人事件』もそれと同じ。

5)トリックでは、真犯人が画家・梅沢平吉の手記を書いているとなっているが、どうしてそういう
知識や文章力を彼女が身につけたかには触れていない。同様に、作者は得意げに、自分の説(トリック)
を行えば、”死体の切断の回数が減る”などと書かれているが、22歳の女性が6体もの遺体から頭や胴体を
切り離すことの異常さについて納得できる説明をしていない。それをかなり忠実に映像化した映画
『冷たい熱帯魚』が相当気持ち悪いのに、実際にそれを行うことの困難さを考慮していない。

事件の全貌があらまし解ったところで、犯人の手記が現れ、それによって事件が露わになるならまだ話は
わかる。しかし作者はそれをせず(できず)、犯人を自殺で処理し、何も語らせないまま終えてしまう。

6)トリックだけが込み入っていて、その説明が、主人公の探偵と助手の会話で延々と続く。こんなに
会話が続くことは普通ありえない。何か他のことをしたり、体を動かしたりするが、そういう描写が
なく、会話が続く。その書き分けもできていない。

この小説は、作者が頭の中でこねくり出した複雑なトリックを説明するだけの、不出来な叙述ものだ
ということになる。

ただし”読みどころ”はある。それは作者が最後に付け足した「あとがき」。それによると、この小説が
登場した1981年頃は、松本清張らによる社会派推理小説が主流で、江戸川乱歩的な怪奇小説や謎解きを
メインとするミステリー小説は完全に居場所をなくしていた。それが『占星術殺人事件』の登場によって
大きく変わったという。確かにこれ以降に登場する本格小説の作者たちは、『占星術殺人事件』が持つ
世界観の魅力と致命的な欠陥に意識的で、1986年に発表される綾辻行人の『十角館の殺人』や東野
圭吾の小説は、そういう傷がないように細心の注意を払っている。それらを育てたという意味では、
『占星術殺人事件』は重要な一作なのだろう。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.195:
(5pt)

今でも色褪せない推理小説

職場の上司の推薦で読み始めた推理小説。
1981年の作品とのことだが、作風に古さは感じない。むしろ斬新さを感じるほどだ。

冒頭、奇妙な手記から始まることで読むのをやめようかと思ってしまったが…
改めて読むと至る所に伏線が張られており、複数回読んでも楽しめると思う。

ぜひ、冒頭から推理しながら読んで欲しい作品。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.194:
(5pt)

人間ドラマなんか糞食らえ! これぞ本格ミステリの大傑作。

名作であると言う噂は聞いていた。が、同時にあまりにも難解過ぎて、初心者にはハードルが高い、とも聞いていたので、多少読むのを躊躇っていたのも事実。

  実際に手に取って見て、占星術に関する蘊蓄が語られる冒頭部分に辟易としたのは確かだが、ストーリーは意外に読み易く、エキセントリックな名探偵御手洗潔が登場してからは、ホームズに難癖を付ける傲岸不遜なキャラが面白く、楽しく読む事が出来た。

  エラリー・クイーンばりの読者への挑戦状が入っているのも、本格ミステリファンには嬉しい限りで、連続殺人事件のトリックも、読んで納得の見事なものだった。少なくとも私には、このトリックを見破るのは無理で、難解なのは確かだが、別に私は自分の推理力を試すつもりはない。名探偵の推理の見事さを堪能したい読者としては、大満足の作品であった。

  陰惨なバラバラ殺人事件に嫌悪を覚える人もあるだろうが、この作品はあくまで人間ドラマを描いてるわけじゃない。殺人のトリックの見事さを描いた、本格ミステリであり、登場人物はパズルのピースみたいなもの。その意味で、この作品が日本の新本格ミステリブームの火付け役となったのは納得である。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.193:
(4pt)

内容は意外と古めかしい推理小説的

実はこのトリックを元にしたと言われている漫画「金田一少年」の異人館村殺人事件を読んでしまったため最後の衝撃はあまりなかったです。
ただこの小説を境に、新本格派と呼ばれる人が数多く生み出されたのも事実
どうして自分が出版当初に読んでいなかったのかわかりませんが、その当時は戦前の推理小説が好きで新本格派については否定的な意見でも見たのかもしれません。
内容は意外と古めかしい推理小説的な雰囲気だったので、もしかすると作者は新しいものを生み出したいというよりは、古き良き探偵小説を復古させたいと言う思いが強かったのかもしれません。
日本の推理小説を語る上ではどうしても避けては通れない作品と思いました。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712
No.192:
(4pt)

ちょっと微妙かな

名作の誉れ高い本作を発表から40数年を経て読んだ。少々過大評価されているように思った。十分楽しめるが、多分こういうトリックで従って犯人は○○だろうと思ったらその通りだったので拍子抜けしてしまった。設定では占星術殺人事件は日本中で話題となりしかし40年誰も謎を解けなかったのだが、無理があるように思う。ただし読んで損のない秀作であることに異論はない。
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)より
4061825712

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