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さむけ
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さむけの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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主人公リュウ・アーチャーには深く垂れ込めた霧と灰色の街が似合う。 リュウの一人称で新事実を語らせるが、そこには表と裏の二面性が強調 されているように思える。 テーマは家族と絆の有様です。愛と夢、欲に彩られた絆は衝撃のラストを 迎えます。 ハードボイルドのクールでストイックな文体が、このテーマを一層現実に 近いもの、身近な感覚にさせます。 | ||||
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リュウ・アーチャーのシリーズは、本作品が初体験。どの書評を見ても評価が高いだけあって、ミステリとしての面白さは、抜きん出ていると思う。Finishing strokeについては、ニーリィの「心ひき裂かれて」を読んでいたので、想像がついてしまったが、だからといって、作品自体の良し悪しには関係がなかった。 リュウ・アーチャーを良く知っていれば作品の理解が深まったのかもしれない。シリーズの最初「動く標的」から読むべきだったかも。ここは後悔。 | ||||
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「文学」「ミステリー」といった枠を超えた、文句なしの傑作。 皆さんが書いてらっしゃるように、ラスト1行の衝撃は初読から30年経った今も忘れられません。 その衝撃は、「サプライズ・エンディング」で一発驚かせてやろう・・・などという意図から出たものではなく、人間だれもが持っている心の傷をさらけ出さざるを得ない物語展開の末に、「この文章しかない」という決意のもとで書かれたものだからでしょう。 つらいつらいエンディングなので、読む人を選ぶ小説ではありますが、「エンターテインメント」として書かれたであろう小説でも、小説家はここまで自分の作品と真摯に向き合うのだ、と、ロス・マクドナルドのその姿勢にも感動します。 関係ないけど僕は、ロマン・ポランスキーの映画「チャイナタウン」は、「さむけ」を目指して失敗した作品だと捉えてます。 | ||||
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素晴らしい作品です。ダイヤモンドのように、完璧です。これ以上の作品は、今後発表されないでしょう。 構成が緻密で、人物が対(陽と陰)に配置されており、人物同士の相関関係にも陽と陰があります。 ベルレーヌ他の詩の引用や、ポーの「盗まれた手紙」に倣った、真犯人発見の過程。 刑事司法がいかに政治的圧力に弱いか。有力者は如何に法を曲げるか。人間の心がいかに移ろい易く、脆いものか。 個人の正義感、責任感、他者への共感、弱者への慈悲心、愛情。 それが、複数の人間の間で、親子や夫婦、恋人同士ですら対立の火種になるのは何故か。 淀みない言葉の裏の嘘と、感情に押し潰されそうな、稚拙な言葉の裏の真実。 海からの霧と山からの霧に包まれた、岬の突端の町で起こった殺人が、過去の冤罪事件や殺人のもみ消しを蘇らせる。 真実を隠していた霧が晴れ、真相が明らかになる。 臭い物に蓋をするのは楽だが、真実を探求し、目の当たりにするのは、時に苦しく辛い。 多くの人に是非、読んで欲しい本です。 | ||||
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ハードボイルドか本格推理か、などと言うジャンルを超えて、「ミステリ」カテゴリーの中での最高傑作が本作だと思う。 人物描写のすさまじさ、ミスディレクションの自然さ、ストーリー展開の吸引力、ラストのインパクトの凄さ。 超一級品。 | ||||
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ロス・マクは米ハードボイルド界を代表する作家である。本作も新婚早々の妻が失踪するところから始まり、典型的なハードボイルドの展開を見せる。読者もそのつもりで読んで行くと、最後に本格の趣向が待っているという凝りに凝った構成の作品である。題名の「さむけ(chilling)」は舞台の気候条件も表しているが、同時に最後に明かされる人間関係に対する読者の感想でもあろう。本当に震えが来る。また、この人間関係がR.ニーリィの「心ひき裂かれて」に酷似しているのもアメリカの病巣を露呈していて興味深い。ハードボイルドと本格とが見事に融合した傑作である。 | ||||
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本書は素晴らしい。 かつて、こんなに本格に近づいたハードボイルドがあっただろうか。 いや驚きはそれだけではない。本書の扱っているテーマには人間の弱さを見せつけられてしまった。 親と子の悲劇。次々とあらわれる登場人物たちの内面には、悲劇がすみついているのだ。 これほど大胆に展開する人間のエゴをぼくは知らない。本書の真相は戦慄そのものである。 ぼくは、本書のラストを読んでいて、ふと「サイコ」を思い出してしまった。壊れてしまった頭はとりかえることができないのだ。いや、本書の犯人は壊れた頭をもっているのではない。愛のかたまりと化して、もろくも崩れさろうとしている人間自身の弱さを内に秘めているのである。 本書の悲劇は悲惨ながらもなぜかしら暗さがない。 マクドナルドの作風は一般的に荘重で陰鬱だといわれ、チャンドラーやハメットほど人気はないように思うのだが、ぼくはこの作風が大好きである。 チャンドラーかマクドナルドかというと、こちらの方が好きだ。 構成の巧みさと、意外性のあるストーリー展開がほんとうに素晴らしかった。 | ||||
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登場人物たちが抱える抑圧感の重さ、その深刻なことに、ぞおーっとさせられたのが本書、ロス・マクの名作『さむけ』(1964)。ドリー・マギーと、彼女の伯母アリス・ジェンクス。ヘレン・ハガティと、彼女の父親のアール・ホフマン。ロイ・ブラッドショーと、母親のミセス・ブラッドショー。彼らの深刻な対立、一方が他方に与える重圧、他方が一方に感じる抑圧。ただならないきしみと悲鳴を聞いているような、ムンクの「叫び」の絵を彷彿とするような、声にならない彼ら登場人物たちの悲鳴が行間から聞こえるような気がしました。読みながらはっとさせられたのは、ヴェルレーヌの詩が文中に出てきたことです。わが国でもよく知られたこの詩の味わいは、ロス・マクの作品の味わいと響き合うところがあるなあと、しみじみ胸に迫ってくるものを感じました。霧が辺りを包み込む情景というのも、本書の味わいに実にふさわしい。霧とミステリというと、いまちょうど読んでいるクリスチアナ・ブランドの『疑惑の霧』も挙げておきたい作品。事件はやがて、リュウ・アーチャーの丹念な聞き込みによって、錯綜した暗がりから陽の下にさらされます。ラストには、心底ぞおーっとして、戦慄させられました。本書にずしんとくる衝撃を受けた方には、マーガレット・ミラーの『まるで天使のような』(1962)もおすすめします。ラスト一行のただならぬ恐さ、こ、こいつは……すげぇーと震撼とさせられるミステリってことで、本書に優るとも劣らない「最後の一撃」を感じたからです。 | ||||
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今のところ、僕が生涯No.1のミステリー小説を挙げろと言われれば、この作品を真っ先に挙げます。クライマツクスはまさに“さむけ”ですよ。 | ||||
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ハードボイルド小説、ミステリー小説全体においても金字塔的作品。僕が読んだミステリー小説の中でもNO.1と自信を持って言える作品。ラストはまさに“さむけ”です。 | ||||
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