長いお別れ
評判
長いお別れの評価:
4.36/5点 レビュー 290件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全547件 141〜160 8/28ページ
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長いお別れの評価:
4.36/5点 レビュー 290件。 A ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
以下に本文(早川書房刊 単行本 p.9)から引用します。( ) 内は私の補足説明です。
(ホテルの駐車場で酔いつぶれていた男を介抱していると、やってきた)白服(の駐車係)は私の顔を見てにやっと笑った。「お客さん、人がいいね。俺だったらそんなやつは道ばたに放り出してとっとと行っちまいますがね。(中略)このとおり弱肉強食の世界だ。ボクシングで言えば、人はなるたけクリンチに逃げて、いざというときのために力を蓄えておかなくちゃならんってこと」
「そうやってここまでのしあがったわけだ」と私は言った。
相手はしばらくぽかんとした顔をしていたが、やがて腹を立て始めた。しかしそのときには私はすでに車を出していた。
…なぜ白服が怒ったのか?いまひとつ腑に落ちなくて原文を見てみました。
The white coat grinned at me. ”Okay, sucker. If it was me, I'd just drop him in the gutter amd keep going. (中略) The way the competition is nowadays a guy has to save his strength to protect hisself in the clinches."
"I can see you've made a big success out of it," I said.
He looked puzzled and then he started to get mad, but by that time I was in the car and moving.
こうして比べて見ると、実は「白服」がかなり無礼な口のきき方で、初対面の主人公に話しかけてきたことが判明します。 sucker とは suck (チュウチュウ吸う=しゃぶる) + er (~する人)、つまり、優しめに受け取れば「大人の体で中身は赤ん坊」ぐっと下品に取れば「☆ンコしゃぶり野郎」です。(昔、名作カルト映画 TWINKLE TWINKLE KILLER KANE のVHS版字幕で見た sucker の絶妙に上手な和訳が「おしゃぶり野郎」でした。実に腕のいい翻訳家です。)白服のひとこと目は「お客さん、~」ではなかったのです。原文のニュアンスでは「おい、青二才、~」ぐらいでしょうか。全く失礼な奴です。さらに彼の発言の中には himself を hisself と言っている部分が見受けられます。かなり教養に欠けているか、または、すごくワルぶって喋るチンピラ風な人物であることがここからうかがわれる仕掛けになっています。そんな無礼極まる奴に、なかばケンカを売られた具合になった主人公は、ハードボイルド(固ゆで hard-boiled 卵が、温泉タマゴと違って、ゆさぶってもビクともしないのと同様に、たとえ目の前で殺人が行われようとも、いかなる非常事態に直面しても動じない精神を備えている)ですから、冷静にやり返すのです。「まあ見たところ、あんたはその《クリンチ》とやらで、まんまとがっぽり成功を手にしただろうからね」つまり、酔っぱらいを介抱するふりをして、悪いやつは、そのすきにつけこんでふところからたんまり何かしらちょうだいするもんだ、あんたもそのクチだろう、と返した訳です。「白服」は、すぐにその皮肉を理解できなかったので、「しばらくぽかんとした顔をしていたが、やがて腹を立て始めた」ということだと、私は原文から読み取ります。
このペースで500頁ちょっとを読み進めるとなると…気の遠くなる時間を要しますね。やはり、この先はサクサクと行く方がいいかもしれません。