長いお別れ

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評判

長いお別れの評価:

4.34/5点 レビュー 290件。 A ランク

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平均点4.34pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全547件 21〜40 2/28ページ
No.527
(4pt)

贔屓の引き倒し

清水俊二さんの訳は、たしかに原文の全てをそのまま訳しているわけではありませんが、その例示を『九月の暁』に求めるのは如何なものか
村上春樹さんの訳の『ロング・グッドバイ』は2007年にハードカバーが出て、2009年に軽装版、2010年9月に文庫本が出ていますが文章は少しずつ直されています、多分増刷の度に細かく直されているのでしょう。
言われているのは29章の事でしょうか、私が持っている軽装版初版では、
「着ていたローブの前が開かれた。その下はまったくの裸だった。九月の暁のごとく遮るものもなかったが、その露わな眺めには九月の暁ほどのはにかみの色はなかった。」とご指摘の様な『 』印で明示はされていません。

おそらく、2010年10月発行の松原元信さんの『3冊の「ロング・グッドバイ」を読む―レイモンド・チャンドラー、清水俊二、村上春樹―』の指摘を受けて修正したものと思われます。
清水俊二さんは1988年5月22日に亡くなられているので、自身では直しようがありません。
ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection) Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)より
4152090103
No.526
(4pt)

贔屓の引き倒し

清水俊二さんの訳は、たしかに原文の全てをそのまま訳しているわけではありませんが、その例示を『九月の暁』に求めるのは如何なものか
村上春樹さんの訳の『ロング・グッドバイ』は2007年にハードカバーが出て、2009年に軽装版、2010年9月に文庫本が出ていますが文章は少しずつ直されています、多分増刷の度に細かく直されているのでしょう。
言われているのは29章の事でしょうか、私が持っている軽装版初版では、
「着ていたローブの前が開かれた。その下はまったくの裸だった。九月の暁のごとく遮るものもなかったが、その露わな眺めには九月の暁ほどのはにかみの色はなかった。」とご指摘の様な『 』印で明示はされていません。

おそらく、2010年10月発行の松原元信さんの『3冊の「ロング・グッドバイ」を読む―レイモンド・チャンドラー、清水俊二、村上春樹―』の指摘を受けて修正したものと思われます。
清水俊二さんは1988年5月22日に亡くなられているので、自身では直しようがありません。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.525
(4pt)

確かに格好いいが

ハードボイルドと言えばチャンドラーと思い、初めてチャンドラー作品を読みました。想像していたハードボイルドより、何だか横溝正史の金田一っぽさを感じました。

個人的には映画のアンタッチャブルとか、ダーティーハリーみたいなハードボイルドを想像していました。ですが、主人公は思ったより受け身で判然とせず、回りくどい印象を受けました。単に自分の性格的なものや理解力の問題かもしれませんが。

自分はこれを読んでいて、横溝正史の金田一探偵が浮かびました。マーロウは金田一よりダンディで言うことも格好いいですけど、何だかんだ流れに流されているだけで、事件をどうこうと言うより、事件が綺麗さっぱり更地になる直前に突然カッコつけ始める感覚を受けてしまいました。

言葉や社会も今から考えればかなり古いので、その点で馴染めないと感じてしまうこともありました。

あと、チャンドラー作品が初めてなので余計にそう感じたのかもしれませんが、台詞が恐ろしく長いところがちょいちょいあります。一人の人間が会話の中で話す量としてはかなりの長さだと思い、そこは驚きました。

探偵物ですが事件とか推理云々ではなく、マーロウさんのやり方を見て「これは格好いい!」と思えるかどうかを試される作品だと思いました。
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1)) Amazon書評・レビュー: 長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))より
4150704511
No.524
(4pt)

確かに格好いいが

ハードボイルドと言えばチャンドラーと思い、初めてチャンドラー作品を読みました。想像していたハードボイルドより、何だか横溝正史の金田一っぽさを感じました。

個人的には映画のアンタッチャブルとか、ダーティーハリーみたいなハードボイルドを想像していました。ですが、主人公は思ったより受け身で判然とせず、回りくどい印象を受けました。単に自分の性格的なものや理解力の問題かもしれませんが。

自分はこれを読んでいて、横溝正史の金田一探偵が浮かびました。マーロウは金田一よりダンディで言うことも格好いいですけど、何だかんだ流れに流されているだけで、事件をどうこうと言うより、事件が綺麗さっぱり更地になる直前に突然カッコつけ始める感覚を受けてしまいました。

言葉や社会も今から考えればかなり古いので、その点で馴染めないと感じてしまうこともありました。

あと、チャンドラー作品が初めてなので余計にそう感じたのかもしれませんが、台詞が恐ろしく長いところがちょいちょいあります。一人の人間が会話の中で話す量としてはかなりの長さだと思い、そこは驚きました。

探偵物ですが事件とか推理云々ではなく、マーロウさんのやり方を見て「これは格好いい!」と思えるかどうかを試される作品だと思いました。
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集) Amazon書評・レビュー: 長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)より
4150002606
No.523
(4pt)

確かに格好いいが

ハードボイルドと言えばチャンドラーと思い、初めてチャンドラー作品を読みました。想像していたハードボイルドより、何だか横溝正史の金田一っぽさを感じました。

個人的には映画のアンタッチャブルとか、ダーティーハリーみたいなハードボイルドを想像していました。ですが、主人公は思ったより受け身で判然とせず、回りくどい印象を受けました。単に自分の性格的なものや理解力の問題かもしれませんが。

自分はこれを読んでいて、横溝正史の金田一探偵が浮かびました。マーロウは金田一よりダンディで言うことも格好いいですけど、何だかんだ流れに流されているだけで、事件をどうこうと言うより、事件が綺麗さっぱり更地になる直前に突然カッコつけ始める感覚を受けてしまいました。

言葉や社会も今から考えればかなり古いので、その点で馴染めないと感じてしまうこともありました。

あと、チャンドラー作品が初めてなので余計にそう感じたのかもしれませんが、台詞が恐ろしく長いところがちょいちょいあります。一人の人間が会話の中で話す量としてはかなりの長さだと思い、そこは驚きました。

探偵物ですが事件とか推理云々ではなく、マーロウさんのやり方を見て「これは格好いい!」と思えるかどうかを試される作品だと思いました。
長いお別れ (1958年) (世界探偵小説全集) Amazon書評・レビュー: 長いお別れ (1958年) (世界探偵小説全集)より
B000JATSCW
No.522
(5pt)

村上春樹訳は大変読み易い!

冒頭部分について、清水訳と村上訳を読み比べ、直訳風の前者清水訳を読み易いと考えて清水訳を購入し読み終えた。読書中、訳文からも分かる明らかな誤訳も含めて意味の取り難いところや情景の想起し難いところがいくつもあり、気になった。
 清水訳を読み終えた直後に村上訳を読み始めたところ、驚くほどスムーズで自然に読み進むことができている。翻訳の分かりづらさが一切ない。素晴らしい。まだ途中だが、村上訳を読むべきかを迷っている方々に伝えたい。
ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection) Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)より
4152090103
No.521
(5pt)

村上春樹訳は大変読み易い!

冒頭部分について、清水訳と村上訳を読み比べ、直訳風の前者清水訳を読み易いと考えて清水訳を購入し読み終えた。読書中、訳文からも分かる明らかな誤訳も含めて意味の取り難いところや情景の想起し難いところがいくつもあり、気になった。
 清水訳を読み終えた直後に村上訳を読み始めたところ、驚くほどスムーズで自然に読み進むことができている。翻訳の分かりづらさが一切ない。素晴らしい。まだ途中だが、村上訳を読むべきかを迷っている方々に伝えたい。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.520
(3pt)

ミステリというよりハードボイルド

【ミステリというよりハードボイルド】
ハードボイルド風のミステリというよりハードボイルド小説という印象を受けた。ダンディな男性の友情と愛を描いていて全体的に渋さを感じた。クリスティのようなキャッチーなキャラは出ないし、館シリーズのようなコテコテのミステリというわけではないので、それらが好きな人、ミステリが読みたい人には合わないと思う。もう少し年齢を重ねてから読めばもっと楽しめたかもしれない。

【評価】
オススメ度3
読みやすさ2
意外性  3
長い別れ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 長い別れ (創元推理文庫)より
4488131077
No.519
(1pt)

表紙カバーが

表紙カバーが無数のカビのように汚れていました。新品を購入したはずですが残念です。
ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection) Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)より
4152090103
No.518
(1pt)

表紙カバーが

表紙カバーが無数のカビのように汚れていました。新品を購入したはずですが残念です。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.517
(2pt)

漢マーロウ、ついに金持ちばばあ相手にやり逃げに性交する

不幸なことに丁寧に仕込まれた伏線に気付いて大筋がわかってしまった
ただそれは、半世紀以上も前に作られてすりきれるまで模倣されてしまって
模倣作の海をだいぶ泳いできたせいで、作者は、ちゃんと読者にフェアなミステリを提供していたから、読み取れたということだ。作者は、そうなるように書いた。
半世紀以上前のアメリカでアル中やデメロールの被害がこんなにあったのか
今回のマーロウは、ずいぶんマチズモにとらわれていて、こわもて相手に執拗にからみあげている
この時代の客は、そういうマッチョな男を求めていたのかな
いまだともっと、柔らかな物腰の櫻井ボイスの、このシリーズでいうところのカマ野郎主人公になるのかなって、それがまさに村上春樹の小説じゃねーか あれは、村上春樹版フィリップマーロウだったのか
やれやれ系ハードボイルドがここから生まれたのか
ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection) Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)より
4152090103
No.516
(2pt)

漢マーロウ、ついに金持ちばばあ相手にやり逃げに性交する

不幸なことに丁寧に仕込まれた伏線に気付いて大筋がわかってしまった
ただそれは、半世紀以上も前に作られてすりきれるまで模倣されてしまって
模倣作の海をだいぶ泳いできたせいで、作者は、ちゃんと読者にフェアなミステリを提供していたから、読み取れたということだ。作者は、そうなるように書いた。
半世紀以上前のアメリカでアル中やデメロールの被害がこんなにあったのか
今回のマーロウは、ずいぶんマチズモにとらわれていて、こわもて相手に執拗にからみあげている
この時代の客は、そういうマッチョな男を求めていたのかな
いまだともっと、柔らかな物腰の櫻井ボイスの、このシリーズでいうところのカマ野郎主人公になるのかなって、それがまさに村上春樹の小説じゃねーか あれは、村上春樹版フィリップマーロウだったのか
やれやれ系ハードボイルドがここから生まれたのか
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.515
(4pt)

今までで1番読みやすい訳

分かりやすさ
田口訳>村上訳≧清水訳
ハードボイルドさ
清水訳>田口訳>村上訳
こんな感じでしょうか。清水訳・村上訳で首を捻った箇所が色々腑に落ちました。ただ、ハードボイルド小説を読んでいるという気分になれるのはやはり清水訳に一歩譲ります。
長い別れ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 長い別れ (創元推理文庫)より
4488131077
No.514
(5pt)

面白かった。

最初は冗長に感じたが、後半は優れた展開で堪能出来た。ドストエフスキーの長編が、そうであるように。
ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection) Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)より
4152090103
No.513
(5pt)

面白かった。

最初は冗長に感じたが、後半は優れた展開で堪能出来た。ドストエフスキーの長編が、そうであるように。
ロング・グッドバイ Amazon書評・レビュー: ロング・グッドバイより
4152088001
No.512
(5pt)

最新リマスター版の如く

内容は今更言うまでもなくミステリ史に、いやアメリカ文学史上の金字塔のような名作。
昭和の翻訳ミステリらしい生硬な文体だが、たまらなく甘美な叙情を漂わせた清水俊二のポケミス版、愛するチャンドラーを訳す悦びに満ちた村上春樹翻訳。それら先達の訳業に比べて、今回の田口俊樹版は最もニュートラルで平易な読みやすい文章となっている。
音楽に於けるリマスター版のように、偉大な名作に相応しく読者は折に触れて好みのヴァージョンを手にすることが出来る。慶賀の至りに他ならない。
長い別れ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 長い別れ (創元推理文庫)より
4488131077
No.511
(5pt)

王道

漢です。
噛みしめて読み返してます。
訳が異なるとまた新鮮です
長い別れ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 長い別れ (創元推理文庫)より
4488131077
No.510
(5pt)

さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。

1953年に刊行されたレイモンド・チャンドラーの長編六作目である。
アメリカ推理小説作家クラブで1955年の最優秀長編にも推薦されており、チャンドラーの作品の中でも代表的傑作との呼び声も高い本作は、一番ページ数の多い著作でもあり、読み応えも十分。そして匠の技をじっくりと味わえることは非常の悦びだ。

たまたまテリー・レノックスという片頬に傷を持った酔っぱらいと出会った私立探偵 フィリップ・マーロウは、なぜか嫌いになれない、そしてどこか危なっかしさを感じさせるレノックスに対し、無償の親切心を度々表す。
そして二人は、夕方の落ち着きのある時間帯のバーで、頻繁にギムレットを酌み交わす仲になっていた。
結婚生活と自分自身に対して自暴気味な態度を見せるレノックスはいう。
「アルコールは恋愛のようなもんだね。最初のキスには魔力がある。二度目はずっとしたくなる。三度目はもう感激がない。それからは女の服を脱がすだけだ」
或る日の早朝、レノックスは不意にマーロウの自宅を訪ねてくる。その手には拳銃があった。
またマーロウにトラブルが舞い込んできたのだった。

じっくりとした文体、比喩の巧さ、会話のセンスの妙味、切れ味鋭い語り口、クールなキメ具合、その筆力は成熟の域に達している。
また、登場人物も数多いが上滑りしておらず、それぞれが魅力的だ。
これは、マーロウの第一人称で進む語り口こそ従来通りであるものの、これまでの作品に比べてみると、対峙する人物たちの心情までマーロウが汲み取って述べているからこそ、それぞれのキャラが存分に立っているのだと思う。
マーロウも本作中において既に42歳である。彼自身のキャラクターも熟味を増しているのだ。

この稼業の人間にはよくあるように暗い路地で往生しても、悲しがる人間は一人もいない、とうそぶくマーロウ。
数々の登場人物たちとのやりとりも争いも、ロマンスめいた出来事も彼にとっては一抹の泡のようだ。
いつだって物語の終わりには、マーロウは独りに還る。
「ただ、警官だけはべつだった。警官にさよならをいう方法はいまだに発見されていない」
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1)) Amazon書評・レビュー: 長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))より
4150704511
No.509
(5pt)

さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。

1953年に刊行されたレイモンド・チャンドラーの長編六作目である。
アメリカ推理小説作家クラブで1955年の最優秀長編にも推薦されており、チャンドラーの作品の中でも代表的傑作との呼び声も高い本作は、一番ページ数の多い著作でもあり、読み応えも十分。そして匠の技をじっくりと味わえることは非常の悦びだ。

たまたまテリー・レノックスという片頬に傷を持った酔っぱらいと出会った私立探偵 フィリップ・マーロウは、なぜか嫌いになれない、そしてどこか危なっかしさを感じさせるレノックスに対し、無償の親切心を度々表す。
そして二人は、夕方の落ち着きのある時間帯のバーで、頻繁にギムレットを酌み交わす仲になっていた。
結婚生活と自分自身に対して自暴気味な態度を見せるレノックスはいう。
「アルコールは恋愛のようなもんだね。最初のキスには魔力がある。二度目はずっとしたくなる。三度目はもう感激がない。それからは女の服を脱がすだけだ」
或る日の早朝、レノックスは不意にマーロウの自宅を訪ねてくる。その手には拳銃があった。
またマーロウにトラブルが舞い込んできたのだった。

じっくりとした文体、比喩の巧さ、会話のセンスの妙味、切れ味鋭い語り口、クールなキメ具合、その筆力は成熟の域に達している。
また、登場人物も数多いが上滑りしておらず、それぞれが魅力的だ。
これは、マーロウの第一人称で進む語り口こそ従来通りであるものの、これまでの作品に比べてみると、対峙する人物たちの心情までマーロウが汲み取って述べているからこそ、それぞれのキャラが存分に立っているのだと思う。
マーロウも本作中において既に42歳である。彼自身のキャラクターも熟味を増しているのだ。

この稼業の人間にはよくあるように暗い路地で往生しても、悲しがる人間は一人もいない、とうそぶくマーロウ。
数々の登場人物たちとのやりとりも争いも、ロマンスめいた出来事も彼にとっては一抹の泡のようだ。
いつだって物語の終わりには、マーロウは独りに還る。
「ただ、警官だけはべつだった。警官にさよならをいう方法はいまだに発見されていない」
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集) Amazon書評・レビュー: 長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)より
4150002606
No.508
(5pt)

さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。

1953年に刊行されたレイモンド・チャンドラーの長編六作目である。
アメリカ推理小説作家クラブで1955年の最優秀長編にも推薦されており、チャンドラーの作品の中でも代表的傑作との呼び声も高い本作は、一番ページ数の多い著作でもあり、読み応えも十分。そして匠の技をじっくりと味わえることは非常の悦びだ。

たまたまテリー・レノックスという片頬に傷を持った酔っぱらいと出会った私立探偵 フィリップ・マーロウは、なぜか嫌いになれない、そしてどこか危なっかしさを感じさせるレノックスに対し、無償の親切心を度々表す。
そして二人は、夕方の落ち着きのある時間帯のバーで、頻繁にギムレットを酌み交わす仲になっていた。
結婚生活と自分自身に対して自暴気味な態度を見せるレノックスはいう。
「アルコールは恋愛のようなもんだね。最初のキスには魔力がある。二度目はずっとしたくなる。三度目はもう感激がない。それからは女の服を脱がすだけだ」
或る日の早朝、レノックスは不意にマーロウの自宅を訪ねてくる。その手には拳銃があった。
またマーロウにトラブルが舞い込んできたのだった。

じっくりとした文体、比喩の巧さ、会話のセンスの妙味、切れ味鋭い語り口、クールなキメ具合、その筆力は成熟の域に達している。
また、登場人物も数多いが上滑りしておらず、それぞれが魅力的だ。
これは、マーロウの第一人称で進む語り口こそ従来通りであるものの、これまでの作品に比べてみると、対峙する人物たちの心情までマーロウが汲み取って述べているからこそ、それぞれのキャラが存分に立っているのだと思う。
マーロウも本作中において既に42歳である。彼自身のキャラクターも熟味を増しているのだ。

この稼業の人間にはよくあるように暗い路地で往生しても、悲しがる人間は一人もいない、とうそぶくマーロウ。
数々の登場人物たちとのやりとりも争いも、ロマンスめいた出来事も彼にとっては一抹の泡のようだ。
いつだって物語の終わりには、マーロウは独りに還る。
「ただ、警官だけはべつだった。警官にさよならをいう方法はいまだに発見されていない」
長いお別れ (1958年) (世界探偵小説全集) Amazon書評・レビュー: 長いお別れ (1958年) (世界探偵小説全集)より
B000JATSCW