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人それを情死と呼ぶ
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【この小説が収録されている参考書籍】
人それを情死と呼ぶの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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物語の最初の主役は、河辺照子だが、その後河辺由美に交代する。由美が優 秀な頭脳と行動力の持ち主で、心中事件が、殺人事件だと見抜いて活躍していく。松本清張風にみえたミステリーも、次第に様相が変化していく。犯人の最期が哀愁にあふれていて同情せざるをえない。 | ||||
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鮎川哲也が作り上げる犯人の偽アリバイは、(『翳ある墓標』の場合と同様、)この作品でも込み入っている。よく思いつくなあと思う。 また、最後のどんでん返しにはびっくりした。なるほどなあ、と感心した。 とは言うものの、読み終わってから、犯人は、人を殺さないでも、初期の目的を達することができることに気がついた。犯人は大変な思いをし、手間をかけて、むだな殺人を犯したのである。 どうすれば目的を達することができるかは、犯人をばらしてしまうことになるので、ここには書けない。 『翳ある墓標』のレビューに書いたが、一見すると、『翳ある墓標』のプロットはよくできているのだが、その前提が間違っているのである。(ataruのレビューを読んでください。)『人それを情死と呼ぶ』についても、似たことが言える。間違った前提の上にミステリーができあがっているのである。 ついでに書くが、私は、『翳ある墓標 (1962)』のレビューに、「著者は自動車や中古車販売についての十分な知識がなかったのかも知れない。」と書いたが、『人それを情死と呼ぶ (1961)』の302頁に「エンジンにふたをして、運転手は客席の扉をあけ、(……)」という文章がある。やっぱり、自動車について十分な知識がなかったのだろうなあ。 | ||||
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社会のリアリズム的な雰囲気の中、読んでいくとトリックは本格派の内容だった。 文章の書きっぷりにひきこまれた。 | ||||
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序盤は松本清張先生の二番煎じか?と思わせて、その後の展開は全く違う。素人探偵の活躍、中盤以降は鬼貫警にバトンタッチ。容疑者たちのアリバイ、それを崩すのかと思いきや更なる展開あり。やはり最後のシーンが印象的。読み終えるとタイトルに違う響きを感じる。シリーズの中でも指折りの一冊。 | ||||
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トリックというよりミスリードですが。錯覚をグサッと突いてくるような作品です。犯人が凶悪じゃないのは、鮎川さんの人柄か。 ちなみに鬼貫さんはあまり主役ではありません。つまり、あくまで正統派ミステリーで勝負(推理小説と称されながら、実質はキャラ、トラベル小説のU氏やN氏(両方とも好きですが・・・)と異なり)という点が潔く気持ち良いです。犯罪を書きながら清々しさを感じられる作品です。 書かれた年代が古いのですが、それを考慮しても充分お勧めと思います。 | ||||
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鮎川哲也の小説は久しぶりに読みました。本格推理作家が社会派推理の意匠をこらしたのかしら、時流に乗ったのかしらと思わせて、さすがは鮎川哲也、見事な本格推理小説にしてしまいました。社会派といえば封建的な省庁や巨大企業のトカゲの尻切りなのですが、この小説は二転三転。十重二重のアリバイ崩しに加えて絶妙の人間描写が生きます。本格推理小説では人間が記号化してしまい。情感が描けないし、描けていなくても良いものと私は思っていました。そんな私の迷妄を打ち砕く、美しい小説でした。次は鬼貫警部たちがメインで活躍する小説も読みたいと思います。鮎川哲也はやっぱり信頼できる。 | ||||
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鮎川氏の定番キャラである鬼貫警部が一応登場するのだが、あくまでわき役に徹しており、主人公は女性という鬼貫警部ものとしてはかなりの異色の展開となっている。 鬼貫警部らしくアリバイトリックも出てくることは出てくるが、それがメインにはならず、どちらかというと、地道なアリバイ崩しよりも意外な犯人のどんでん返しのプロットに特化した作品となっている。 いつものような息詰まる地道なアリバイ崩しのだいご味はないが、当時の社会派っぽい雰囲気がなかなかハマっており、鮎川氏の代表作として挙げられる作品だろう。 | ||||
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1961年に東都書房から出た単行本の復刊。ほかにも講談社、立川書房、角川文庫など複数の版がある。本書では著者による若干の修正がなされているという。 鬼貫警部もののアリバイ崩し。容疑者にはいずれも強固なアリバイがある。これがレッド・ヘリングとして効いている。どれが本物で、どれが偽物なのか。良く出来たミステリと思う。解決の鮮やかさと、ラストシーンの印象深さはなかなかのものだった。 また、本書は社会派ミステリへの皮肉にもなっている。著者の強烈なユーモアを感じた。 | ||||
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1961年に東都書房から出た単行本の復刊。ほかにも講談社、立川書房、角川文庫など複数の版がある。本書では著者による若干の修正がなされているという。 鬼貫警部もののアリバイ崩し。容疑者にはいずれも強固なアリバイがある。これがレッド・ヘリングとして効いている。どれが本物で、どれが偽物なのか。良く出来たミステリと思う。解決の鮮やかさと、ラストシーンの印象深さはなかなかのものだった。 また、本書は社会派ミステリへの皮肉にもなっている。著者の強烈なユーモアを感じた。 | ||||
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今のところ、鮎川哲也の長編作品の中では一番好きです。 アリバイ崩しのおもしろさももちろんですが、これでもか というくらい次々展開していくストーリーの面白さ、胸に 迫ってくるラストシーン。これぞ傑作ですね。 | ||||
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今のところ、鮎川哲也の長編作品の中では一番好きです。アリバイ崩しのおもしろさももちろんですが、これでもかというくらい次々展開していくストーリーの面白さ、胸に迫ってくるラストシーン。これぞ傑作ですね。 | ||||
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A省汚職事件の渦中にいた男の死体が見つかる。隣には女性の死体が。捜査の手を逃れられないと知った、覚悟を決めての心中ということで決着がつくのだが、どうしても信じることのできない男の妻と妹は、警察に知らせることなく独自に調査をはじめる。が、容疑をかけた何人かの人物には、全員に鉄壁のアリバイがあった。 鬼貫警部の「アリバイくずし」ものです。 前半は、心中した男の妻・妹の立場から、愛情・憎しみ・嫉妬などの女性の心理が描かれ、サスペンスにあふれていて物語を盛り上げます。鬼貫警部登場は半ばすぎ、一気に推理を組み立て犯人を捕まえる、とはならず、相変わらずに小さなことを丹念に着実に調べあげていく。「アリバイくずし」が苦手、キライだという人は、このヘンがまだるっこしく感じるのかもしれませんが、実はここが一番の読みどころ、犯人の完璧に近い嘘が少しずつ少しずつあばかれていく、一度ハマると病みつきになる快感です。 | ||||
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A省汚職事件の渦中にいた男の死体が見つかる。隣には女性の死体が。捜査の手を逃れられないと知った、覚悟を決めての心中ということで決着がつくのだが、どうしても信じることのできない男の妻と妹は、警察に知らせることなく独自に調査をはじめる。が、容疑をかけた何人かの人物には、全員に鉄壁のアリバイがあった。鬼貫警部の「アリバイくずし」ものです。前半は、心中した男の妻・妹の立場から、愛情・憎しみ・嫉妬などの女性の心理が描かれ、サスペンスにあふれていて物語を盛り上げます。鬼貫警部登場は半ばすぎ、一気に推理を組み立て犯人を捕まえる、とはならず、相変わらずに小さなことを丹念に着実に調べあげていく。「アリバイくずし」が苦手、キライだという人は、このヘンがまだるっこしく感じるのかもしれませんが、実はここが一番の読みどころ、犯人の完璧に近い嘘が少しずつ少しずつあばかれていく、一度ハマると病みつきになる快感です。 | ||||
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