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(短編集)
満願
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満願の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全329件 61~80 4/17ページ
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実はわたしは米澤穂信という作家のことをよく知らなかったのですが、つい最近最新の文庫本である『本と鍵の季節 』(集英社文庫)を読んで惹かれるものがあり、本作を読みました。解説にもありますように、本作は単行本が出版された2014年5月には第27回山本周五郎賞に輝いたばかりでなく、同年末には「このミステリーがすごい」(宝島社)、「週刊文春ミステリー10」(文藝春秋社)、「ミステリーが読みたい」(早川書房)と3つのランキングで首位を独占しました。どうもこの作家は暗い主題を扱うことが多いようで、読後感が良くないと言われることも多く、そういう点から好き嫌いがはっきり出るようです。実際この書評欄でもそういう指摘が多く見られています。しかし、その堂々たるストーリーテラーぶりには単純な好き嫌いを越えて感心させられるものがあります。今更のような評になってしまいますが、未読の方には是非ご一読されることをお勧めします。繰り返しになってしまいますが、好き嫌いを離れて感心させられるものがあると思いますよ。 | ||||
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必ずしも幸福な結末、大団円というわけではないお話ばかりですが、不思議と読後感は悪くありません。 だけど、決して余韻が残らないというわけではなく。 短編でサクサクと読めるのに、しっかりと人間が書けている感じがして薄っぺらくなく、それぞれとても質の高い小説だと感じました。 ミステリ作品は無駄に(という言い方も失礼かもしれませんが)男女が関係を持ちがちで「ここに恋愛要素必要だった?」とか「そんな無理くり情事シーン入れなくても……」と思わされることが多いと感じているのですが、この作品はそういったことがなく好感が持てました。 この作家さんの本を読むのは初なので、そういった作風なのか短編集だからなのかはわかりませんが。 ここ最近読んだ中で一番好きな小説です。 美しい文章でありながら堅苦しすぎずに読みやすい。 そういった本が好きなので、この作家さんの他の本も読んでみたいと思いました。 | ||||
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米澤穂信の小説では、太刀洗万智を主人公とする作品や「古典部」モノなど、シリーズ作品は良いと思う。 しかし、どうも他の作品とは相性が良くないのか『追想五断章』『儚い羊たちの祝宴』『ボトルネック』など、いずれも印象が薄い。 この短編集も世評は非常に高いのだが、正直、こうした小説なら松本清張、笹沢左保、結城昌治、土屋隆夫、陳舜臣、森村誠一らが、昭和の時代に多数書いてきたと思うような作品ばかりだ。 新鮮さを全く感じない。 じっさい宮部みゆきは直木賞の選評で「表題作には、松本清張の傑作『一年半待て』を思い出しました」と書いていた。だが、『一年半待て』には最後の最後にもう一捻りあったではないか。 また直木賞の選評では『万灯』で主人公が受ける「裁き」に作者の勘違いがあることを、東野圭吾が指摘していた。この『万灯』よりも、たとえば土屋隆夫の『肌の告白』の方が、ミステリ短編としては上ではないか? その他の短編も、引っ掛かりを覚え始めると、昭和の作家にもっと上の短編があった・・・と思えてしまう。 現代の国産ミステリでは、推理小説的な趣向を、何とか新しい題材に落とし込み、新しい人物設定で描こうとさまざまな努力がなされ、時には途方も無い怪作までも登場してきた。 この短編集では、リアリティを高めるべく社会的な題材を選んだ結果、かえって作者の悪い意味での”若さ”が露呈し、昭和の作家の域には及ばなかったと感じる。 | ||||
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語り部から聞いているかのようにその世界に引き込まれます。短編集なのにそれぞれがとても濃密です。読み終える毎に深いため息とリセットする時間が必要です。 | ||||
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短編集だったので話の停滞もなくテンポよく進んでいくためか「柘榴」「関守」あたりはミステリーというよりもホラーな感じにも思える。柘榴の放課後二人で体に傷を入れるシーンの痛々しさが心に刺さった。 | ||||
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短篇集ですので、全作に統一された性質があってもなくても別にかまいません。しかし、著者は、企画においてたくみな書き手ですので、何かしかけてきます。 第1作「夜警」は、ひとが別のひとを信じようとするこころが、別のひとを疑うこころと同様の性質を持つことをはっきりと浮き彫りにします。これは、自分ではない人間と向かいあわざるをえない社会生活の一端であって、その結果、ひとのこころを知ることにより、自身が相手のこころ及びその作用の結果に巻き込まれていく過程を表現しているのです。従いまして、そうなるところまでの条件、状況の設定がうまいほど、話は面白くなります。短篇、中篇、長篇といずれにおいてもうまい書き手です。このことは著者の愛読者は心得ていることだと思います。 | ||||
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柘榴と万灯と満願がお気に入りです。 この作者が好きな方は必読。 | ||||
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短編ですが全てイマイチでした。 というか、私がこの手の推理ミステリーは好きではない、というのが理由ですが。 | ||||
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何年も前にミステリ関連のランキングで既に高評価を得ている本に対して、今更ですが、粒ぞろいの作品が詰まった短編集でした。 やはり、以前から思っていたように当代一の技巧派作家である米澤氏の魅力が遺憾なく発揮されているのではないでしょうか。 それぞれが独立した作品だからか、各作品異なるアプローチで書かれており、ミステリ短編の書き方のお手本集のようです。 ただ後知恵でいえば、オチはこうなるだろうなという予測が出来てしまう作品もちらほらありました。ホラー風味が強くなりますが、「儚い羊たちの祝宴」のほうが同じ短編集でも、読者の予想の一歩も二歩も先を行く、オチを堪能できると思います。 | ||||
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登場人物が人間くさく、汚い感情やずるさを持っているのに、描写と展開の妙でしっかり共感させてくれる。この没入感ときたら…。 レビューでは評価のわかれる「柘榴」だが、私は、娘を手放すことになった母親がひっそりと解放感を感じているところが妙に生々しくて、六編のなかでは一番ぞっとした。 それぞれ独立した話なので空き時間に読めるのもよかった。 | ||||
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構成がうまい。 人の性癖にまでモザイクを掛けず突っ込んでくるからリアルな描写になる。 この作家の魅力である。 | ||||
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狂気が描かれる。 描かれるのは、我々がごく普通に生活している世間なのだが、そこから、ほんの少し離れたところというべきか、飛び石でちょっと外れたところであり、誰もが一度は通ったことがある、あるいは通ろうと思ったところのことが描かれる。 その身近さが怖い。 直感的な違和感、緩くなったチャイ、仕方なく頼んだまずいコーヒー、達磨に対する所作、浴衣の柄。どれも、気に留めるようなことではない。スルッと目の前を通ってしまいそうなことばかりだ。「えっ」と思って、読み返しても、重々しい筆致の中に紛れて、該当箇所を探すのに苦労するくらいだ。 我々は、こういう狂気をリアルに感じるのは、これを内包する世の中に住んでいることを是認していることを意味ししている。潜在的に認識している狂気を、さりげない描写の中で示す米澤さんの筆力に脱帽するしかない。 急がず、じっくりと読むことを勧めたい作品である。 | ||||
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ミステリー小説に詳しい友人のオススメとして読んだもの。 短編集だがいずれも珠玉の作品。 個人的には夜警と死人宿が好きな作品となりました。 夜警、万灯はテレビドラマ化されたのを読後に観ましたが、これも俳優陣を含め非常に良く出来ていました。 | ||||
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私は基本的にハッピーエンドの物語が好きなのだが、 これはどの短編も苦々しく重たい話ばかりである。 だが最初からそういうものだと割り切って読めば、素直に楽しむことができた。 特によかったのは表題作の「満願」だ。 昭和の時代に主人公が下宿先の女性と過ごす日々が、夏目漱石の作品のような深い描写で綴られている。 ただのミステリーというより、純粋に読み物として非常に優れた作品である。 もちろん最後のどんでん返しも見事だった。 星を減らしているのは、「柘榴」と「関守」という短編が今一つだったからである。 特に「柘榴」は、描かれていた性的指向が個人的に好みではなく、 さらに悪人として登場する人物たちが何も罰を受けないまま話が終わっている。 裁判所の判断もやや無理があるように感じた。 だが総合的にはおすすめの作品であることに間違いない。 短編集なので少しずつ読めるのもよい。 | ||||
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短編に共通しているのはどこかダークな雰囲気。どの短編も主人公や設定が異なるので、退屈せず読み終えることができた。文章も簡潔で綺麗なので不満はない。 | ||||
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個人的には柘榴が面白かったです。 儚い羊たちの祝宴が面白かった人は楽しめます。読んだことのない人は合わせて購入するのがおススメです。 | ||||
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どの短編もページをめくる手が止まらず、面白かった。 特に私が気に入っているのは、関守です。 | ||||
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淡々とした書きぶりにもじわじわと明らかになる事実に少しずつ恐怖を覚える・・・。 第27回山本周五郎賞受賞の当作品は、「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」の6編からなる短編集です。 交番の部下を亡くした「夜警」、かつての恋人が居る旅館「死人宿」、美しい母と娘たち、そして夫を巡る恐怖「柘榴」、日系商社の資源開発競争をテーマにした「万灯」、とある峠のドライブイン付近で起こる事故に潜む真実「関守」、かつての下宿先で世話になった奥さんが犯した殺人の目的とは・・・「満願」、とどれも楽しく、あっという間に読めました。 中でも「万灯」「満願」「夜警」がお気に入りです。万灯は終盤にかけての急展開にドライブ感を感じました。満願は結末が思いもよらなかった事から、評価が高いです。そして夜警は何でしょうか、交番のお回りさんという題材と、そんな卑近な日常に潜む狂気という視点に新しさを感じました。 他方で、「関守」は途中から展開が読めてしまい、すこし興ざめしました笑。 全体的には楽しく読めました。短いストーリ集ですが、それぞれ全く違った舞台で飽きずに読めますし、かつミステリーの風味も効いており次の展開を期待しながら熱中して読めました。文体も妙に饒舌だったり詩的で独特でもなく、実に淡々と率直で誠実な書きぶりに好感が持てました。 小説は読んで仕事ができるようになるというわけではないし、駄作を読むととても時間を無駄にした気になります。この作品は読んだ時間はしっかり楽しめるし、時間の無駄にはならなかったと感じました。 | ||||
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短編のどれも表の姿からサッと影が差したように裏の姿を見せられ、人の底のしれなさを見せられ、良い意味で気持ちの悪い読後感を感じさせられた。 読みやすくどの作品も一定のクオリティで描かれている。 短篇でそこまで重くもないので、電車等の空き時間にサラサラ読むぐらいかあまり本を読まない人向け | ||||
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短編集でそれぞれ意趣が違う話で読み飽きず面白く読み進めることができた。 | ||||
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