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(短編集)
満願
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満願の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全329件 321~329 17/17ページ
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本書は、「小説新潮」、「小説すばる」、「Story Seller Vol3」に掲載された中短編の6話を集めた本です。 この6話は驚くほど多彩なアイデアに基づきなからも、底に流れるトーンは一貫して同じ色合いを帯びています。 表現するのは難しいのですが、本書の表紙のように暗闇とその対比としてのほのかな明るさといった感じでしょうか。 人間の怖さを感じさせるストーリーばかりです。 私は、それぞれのストーリーの冒頭で「この話はどんな展開にするのだろう」と不思議に思いながら読み始め、その展開が堅実かつ興趣に富んでいるのに耽溺し、そして意外な結末に驚きを覚えながら、本書を読ませていただきました。 すばらしい着想と筆力です。 どの話も、いろんな意味で「残酷な話」で、読み終えた後もずっと心に残り、反芻してしまうような印象的な話ばかりです。 そして、人間の怖さを語った話なのに、読後感は全く悪くない不思議な本です。 お薦めします。 | ||||
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全六話中で最も推理小説的な謎解き味のある「夜警」、主人公の内面描写が胸に響いた「死人宿」、母と娘の危うい関係を描いてこれは凄いと唸らされた「柘榴」、城山三郎全盛時の経済小説を思わせる「万灯」、怪談めいて次第に背筋の寒くなった「関守」、そして松本清張の女性物とも比肩すべき秀逸なプロットの「満願」。日常的な滑り出しに始まり、やがてあらわれる些細な謎と波紋、そしてその脇でドップリと暗い穴を開けて読者を引きずり込もうとする人生の深淵のどす黒さ。どれも読み始めると止まらない、正に一気読みの一冊。 どれか一篇選べと云われれば、評者は「柘榴」を選ぶ。 | ||||
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連作ではない短編集です。 それぞれがきちんとした純文学的な完成度の短編なのですが、それが終盤でミステリー作品であったと分かるという構成です。 姉妹の話は怖かったですね。「いまはそれほどでもない」というところが。 | ||||
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ちょっと、怖いお話、6編。 いわゆる普通の人だと思える人の持っている怖ろしさが、ほんとうにありそうな話になっている。 実際、本書に描かれているような感情はあるんじゃないだろうか。 現実にありそうなだけに、少々辛い話もあった。 | ||||
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古典部シリーズや小市民シリーズしか知らない読者には「上手なラノベ作家」程度の先入観がいまだに強いかもしれないけれど、かつて久生十蘭に感化されたという傑作『追想五断章』をものした実力はここに再び大きく開花。志賀直哉や石川淳がミステリーを書いたらこんな雰囲気に仕上がるに違いないと思われるような熟成された文体と筆運びはさすが。35歳にして文豪の域です。版元が新潮社というアドバンテージはあるにせよ、山本周五郎賞受賞は当然でしょう。 | ||||
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ミステリというより、『世にも奇妙な物語』に近い。理路整然としたストーリー・テリングと文体は説得力があり、読んでいてわからないことはひとつもない。その上、物語の裏側できちんと構築がなされているから、すべてが明らかになったとき、読者はもう身動きが取れないようになっている。見事としか言いようのない作品がいくつかあった(そうでないものもいくつか)。十分、読むに値する一冊である。 | ||||
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鵜川妙子が矢場英司を刺殺した!彼女はなぜか控訴を取り下げ、懲役八年の一審判決が確定した。彼女の真の動機とはいったい何だったのか?表題作「満願」を含む6編を収録。 起こってしまった出来事・・・。人はその表面に見える事実しか知らない。だが、その出来事の裏には、複雑に絡み合いうごめいている人の思惑がある。人の不思議さ、人の怖さ、人の面白さ。作者は6編の話の中で、そのことを巧みに描いている。表題作の「満願」はなかなかよかった。鵜川妙子という女性の執念には驚かされた。何かを守るためにはそんな力も出せるものなのか・・・。また、それ以上に印象に残ったのは「夜警」だった。川藤浩志というひとりの巡査の死は、本当に惜しまれ二階級特進に値するものだったのか?彼の裏の顔を知ったときには、ぞくっとするものがあった。 6編の中にはインパクトが弱い話もあったが、どの話も興味深く読んだ。人の心はまさに複雑怪奇・・・。読後、不思議な感じの余韻が残る作品だった。 | ||||
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これは文句なしの傑作。 また、読まれた方の多くは、ミステリー界の巨匠で昨年惜しまれつつ早世した連城三紀彦の作風を思い起こすのではないか。 人間心理の複雑さを軸にした意外な結末を、これほどトリッキーに描き出した作風はまさに大連城全盛期の作品群にも匹敵すると言って良いだろう。六作どれも傑作だが、冒頭の「夜警」と表題作は特に心に残る名篇。 本年度ベストミステリーの上位はまず確実な必読の短編集。 | ||||
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6つの物語の全てが楽しめました。 人間って怖いなぁって思わされます。 実際にどこかで起こっているのではないかと思わされる話ですが、実際に起こっていたら怖いですね。 伏線と結末のつながりもいいですね。 | ||||
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