■スポンサードリンク
(短編集)
満願
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
満願の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全329件 221~240 12/17ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
事件の謎を解くのではなく、「彼(彼女)はなぜそうしたのか」をひも解いていくのが収録作品に共通のテーマであり、どれも読み終わると納得感と軽い意外感に襲われる、そんな短編集。他の方も書かれてますが、謎解きやどんでん返しを期待して読むと肩透かしを食らいます。さらにどちらかといえばホラータッチの後味のよくない話が多いため、読後のカタルシスを求める方には全くおすすめできませんが、どの作品も高いレベルで安定しており、巧いなと思いました。 この作品が「このミス」等で1位になった理由はイマイチわからないばかりか、潜在的な本格ミステリファンにとってはミスリードでさえあって、それが評価をバラつかせている部分はありそうですが、「ミステリ要素のないエンターテイメント小説は存在しない」という説に立つならば、完成度の高い短編娯楽小説集としてお薦めできる1冊です。 一番印象に残ったのは「柘榴」ですが、あまり好みではないので、お気に入りは「夜警」と「関守」。表題作も面白かったけど、短編にする必要はなかった気がします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
短編なので評価しづらい。普通。 意表のつき方が悪くない。長編に期待 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
様々な賞を受けた話題のミステリー本という認識で手にしたが、読んでみると、ミステリーという枠を超え、巧みなプロットや筆力で人間をしっかり描き出した素晴らしい文学作品という印象を持った。 先ず、最初の「夜警」を読み、「おお、これは面白い」と、嬉しくなった。一度に読んでしまうのがもったいなくなり、6編の作品の各余韻をゆっくり楽しみたかったので、1日1編ずつ読んでいった。描かれる人物は、女子中学生、海外赴任の商社マン、古びた峠の茶屋のドライブインの老女等、相当にバラエティに富んでいる。この点が読者としては嬉しい。著者は、表面上は穏やかでごく普通の人間の内奥に、実は広がる「業」の深さを見事に描く。ありふれた、ごくまともな人間が実は密かに持つ異常さを巧みな筆力であぶり絵のように浮かび上がらせる。なるほど、これなら山本周五郎賞を受賞したのも頷けると感じた。 読書を楽しめる良書であるのは事実だが、ところどころ、う〜んちょっとこの構成には無理がないかなと思うところがあったのも事実である。特に「柘榴」は、素晴らしい作品と思ったが、「離婚はもう成立しているのに親権争いだけで何カ月もかかって」などということはあり得ない。協議離婚でさえ親権を決めずには成立しないのに、まして調停離婚である。また、調停委員と調査官の混同がありはしないだろうか。審判の描写もかなりねっとりしたもので、いささか偏向気味なのが残念だった。ベストセラーで多くの人が読むだけに、誤った認識が広まることを危惧しないではいられなかった。文学作品としては優れているが、この点において星5つにはできかねる。 また、個人的には、終わりの2作、「関守」と特に「満願」は、読んでいる途中で先行き・ラストの推測がつき、ちょっと物足りなかった。「夜警」「柘榴」には感嘆したのだが。 しかし、総じて本書は、文章も巧みで、人間の業がしっかり描かれた佳き文学作品であり、日頃、ビジネス書に終始してしまいがちなビジネスマン等が人間の深みを味わいたくて読む文学書としてはボリュームもちょうど良いのではないか。よって、事実・法律関係はさておき、文学としては多くの方にお薦めできるのではないかと考える。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2014年度「このミス」や「週刊文春」等々国内ミステリー部門の一位を独占した短編集。実は、この作者米澤穂信の「ボトルネック」という作品を以前に読んで 以来この作者の作品は遠ざけて来た。「マニアックな独りよがりの世界」についていけなかったというのが実感であった。ただ、今回余りにも評判がいいので、 この「満願」読んでみた。まあ、「ボトルネック」よりはミステリーの範疇に入るんだろうが、どの作品も正直全くと言っていいほど面白くなかった。この程度の作品 集にこれほど高い評価を与えるのであれば、横山秀夫の「影踏み」「真相」「深追い」などは常にそれ以上の評価を与えるべきではないのか。全くレベルが違 うと言っていいほど歴然とした差がある。ミステリーファンは本当にこの短編集「満願」を支持しているのか。どれも無理やり作られたシチュエーションの中で事件が起 こるような気がしてならない。つまり「現実的」ではないのだ。これも「マニアックな独りよがりの世界」ではないか。それともこの年はこの作品に異常なほど高い 評価を与えないといけないほどに不作の年だったのか。世の批評家が激賞したかもしれないが、少なくとも私は支持しない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
6篇からなるミステリー短編集である。 「夜警」 交番勤務の新人が殉職し警察葬まで行われるが、美談の影に隠れた謎があった。正義感の強い人間ばかりが警察官を志望するわけではなく、単に拳銃が撃ちたいだけの興味で入ってくる人間もいるので、上司が云う、不適格な人間には、早めに去ってもらう思いが苦い。 「死人宿」 「死人宿」と呼ばれるほど有名なら、警察との連携や、自殺防止のボランティアとの連絡マニュアルぐらい有るのではないか。ラストの死装束、佐和子は気付くべきではなかったか。 「柘榴」 姉妹の存在は構成上必要不可欠だったかもしれないし、夕子が親権者として父親を選ぶのも必然だが、月子が痣までつけられて、なお夕子の意のままに受け入れてしまう疑問が、この短い紙数では語り切れていない。 「万灯」 この短編集で一番長い。詳細を極めれば期待度が膨らむのは仕方がないのに、それにしては、この落ち、いささか呆気ない。 「関守」 これは凄い。伏線、言葉の矛盾の整合性、驚愕のラスト、どれをとっても完璧。この短編集を読んできて、初めて、唸った。 「満願」 これも凄い。長編に出来そうな題材だが、過不足なくコンパクトにまとめている手腕に脱帽する。 何れもレベルは高いが、惚れ惚れするのが2作品しかなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
願いが叶うということには、人の裏の姿や思いがあったりする。 そして、得るものと同時に失われるものがある。 満願成就のために、主人公たちが取った行動は果たして純粋なものだったのか それとも、単なる私利私欲のためだったのか。 願いを叶えることは決してきれいごとだけではない。 そんなことを感じられる一冊でした。 ※そのような視点から見ると「死人宿」はちょっと趣向が違う感じを受けました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
満願がやはり面白かった。他の話は、あまり印象に残りませんが、買って良かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本は元々あまり読まないので評価は初心者レベルです。短編集なのでいろいろ楽しめますがどの作品も私にはまあまあに感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かなりベテランの作家さんですが、最近本当にブレイクしてきましたね。 なかなか直木賞を取らないのは、やっぱりある程度の地位を確立しているからなんでしょうか 安定して面白い作品を書いてくれて、今回もとても楽しく読めました。 これからもどんどん面白い話を書いていって欲しいですね。楽しみにしています。 本は借りて読む派ですが、作者を応援したくてつい単行本で買ってしまいます。 この人とか、恩田陸さんの本とかを読むと、必ずしも文学賞がその作品の質を保証してくれるわけではないことを感じます | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2014年末の各社のミステリランキングで上位に挙げられた本書(なお、山本周五郎賞も受賞している)、その「満願」という題名を見た時、「これ、読んだことがある」とすぐに気づきました。 この表題作は、「ザ・ベストミステリーズ2011」という日本推理作家協会編集のアンソロジーに収録されている短編で、私は、2011年に読み、収録作の中で印象に残った作品として、既にレビューを掲載しています。 それなのに、なぜ今回、本書を手に取ったかというと、「満願」以外に、未読の短編5編が収録されているからで、「満願」のレベルを考えてみると、粒ぞろいの作品集になっている可能性が高いと判断したからです。 結果は、期待どおり。 しかも、連作短編集のようなシリーズものではなく、それぞれが全く異なる題材、シチュエーションで構成されており、著者の引き出しの多さを感じることができ、思う存分に楽しむことができました。 以下、収録作ごとに、1.は設定、2.は主たる謎を紹介します。 【夜警】 1.交番勤めの警官が新人を迎え入れる。 2.新人がトラブルに巻き込まれて死亡、その事件の真相は? 【死人宿】 1.行方知れずとなったかつての彼女が、「死人宿」と呼ばれる宿屋で仲居をしているのを発見。 2.訪れた宿の露店風呂の脱衣室に「遺書の落とし物」があった。死のうとしている客は誰か? 【柘榴】 1.二人の娘を持つ女性が、夫との離婚を決意。 2.離婚の審判で、親権を得るのは、どちらか? 【万灯】 1.商事会社勤めの男がバングラデシュの天然ガス開発に奔走する。 2.現地反対住民のリーダー殺害の話を持ちかけられた主人公は、完全犯罪を成し遂げられるのか? 【関守】 1.都市伝説の依頼を受けたライターが、伊豆の現場を訪れる。 2.現場近くのドライブインの女主人が語る、都市伝説の真相とは? 【満願】 1.司法試験に見事学生合格を果たした主人公が初めて扱った殺人事件は、下宿先のおかみが起こしたものだった。 2.おかみは果たして、計画的に殺人を犯したのか?偶発的なものだったのか? それぞれが丁寧な作りで、ミステリ好きなら誰でも楽しめる作品集になっていると感じました。 今更ながらですが、オススメ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どの作品もよく書かれていると思う。久しぶりで楽しめる短編集じゃないかな。ただ、ちょっとくどい文章もあってだらけるものもある。その分星マイナス でも、全体としてはいい方の部類に入ると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日常にようで、日常でない。人間の裏に凄みがあります。心に残りました。 ただ、一点きになりました。 「柘榴」の夫婦、親権を決めずに離婚したという設定ですが、あり得ません。それでは、子供が放り出される危険があります。法律の基本のキの誤りは編集者に気づいて欲しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久々、おもしろい本に出会いました。 最後まで飽きずに読みきりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「夜警」に登場する、小さなミスを取り繕おうとしてより大きな過ちを犯す人間は最近増えている気がする。 遅刻を怒られると思って事故に巻き込まれたフリをしたり、レポートが締め切りに間に合わなそうだからといって 泥棒が入ったことにしたり・・・・・そこに着眼したところはさすが。 作者特有の「じとっ」とした読後感は今回も。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どの短編集も一筋縄ではいかない目論見があって楽しめた。日常生活に潜むちょっとした恐怖がうまく描かれていた。個人的には「柘榴」と「万灯」が好きだった。 「柘榴」は、仕事をせず家にも滅多に帰らない男と結婚し二人の娘をもうけた女性の話。母親の思惑と娘の思惑が交錯し最期はぞっとする結末が待っていた。 「万灯」は、バングラデシュに眠る天然ガスの発掘に関する話。天然ガスを巡って殺人を犯した男が、思いも寄らない存在により裁きを受ける。天然ガスを巡る日本の総合商社、フランスのエネルギー会社、天然ガスの中継地点にあたるボイシャク村のやりとりは緊迫感があり、最後まで目が離せなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このミス1位が短編とは珍しいなと思いながら読み進めて、納得。どの物語も匂ってくるぐらいの描写力でグッと引き込まれます。他の作品も読んでみたいと思いました。星1つ分の減点は、個人的にやっぱり長編の面白さには届かないという部分で。でも、買って損なしの良作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
評判の作品を翻訳を待ちきれず原書で読む→年末ランキング上位数作を買って読む →最上位作だけを買って読む→最上位作だけを図書館で借りて読む→図抜けて 票数の多い最上位作だけを図書館で借りる→ランキングを二度と信用しない(今ココ) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
非常に質の高いミステリー小説です。 短編にもかかわらず、すごく引き込まれます。確かに、これはすごいです。 ですが、後味がとてつもなく悪いのです。 読み終わって、「そういうことだったのか!」という感情よりも、 なんだかなーっていう感じが先に来てしまう。 でも、読んでみる価値はあります。 ただ、心温まるような話や、すっきりするような話ではないので、注意。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
確かに、どの短編も、よく練られた秀作の短編であるが、、、。 果たして、この作品が? ミステリー三冠、山本周五郎賞 を受賞すべき、 ミステリー界、不動の力作なのだろうか? なぜか、どこかで読んだ事があるようなテイストを感じて しまうのが、残念です。 前評判の高さに、期待感が強すぎたのかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
短編ミステリーを6本入っています。この6本すべてが非常に読みやすく、カフェでの読書に最適という感じで、さらっと読めます。 とはいっても内容は淡白なものではなく、ストーリーもしっかりとしたもので、人物描写なども非常にわかりやすく書いてくれています。作者の筆致はくどくなく、軽い文体です。とても読みやすい。すいすい読み進めることができます。 例えるなら、上質な辛口の日本酒を飲み比べるみたいな。口当たりのよいさらっとしたのど口。 ミステリーなので残忍な殺人事件がおきますが、淡々と描かれています。これぞ作家の腕ということでしょうか。とにかく文章が読みやすい。展開も早い。一編・一編読み終わるともう終わりなの、もっと読みたいって思うことになります。長編でもっとこの人物がなぜこんな事件を起こしたのか、知りたい!もっとこの謎を知りたい、このイライラ感。なんとかしてほしい!面白いです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!