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幻の女
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幻の女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全129件 61~80 4/7ページ
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毎年、年末に、「このミステリーがすごい」略して”このミス”を、私はミステリーファンの端くれにいる者として、毎年買っている。 「来年こそベスト10を読破するぞ」言いながらも、なかなか達成できないでいるが、「幻の女」はここ10年以上、このミスベスト10 に必ずランクされていた。現物(本)で持っているが、kindleにダウンして初めて読んだ。それほど期待してはいなかったが、ラスト は「!!!!」びっくりマークがつくほどに驚いた。今まで、「このミス」の書評を、半ば信じてはいなかったが、今後はもう少し、 「信じる者は救われる」の素直さを心がけることにしよう。 | ||||
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名著の新訳を電子書籍で購入。 名盤のリマスター音源をダウンロード購入するみたいな気分。 もちろん中身は折り紙つきの傑作だから、要は読みやすいか否かだけの話。 すいすいと読み進めることができて、そういう意味では文句なしです。 解説も含め、お勧めです。 | ||||
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飛行機の機内誌で知り、冒頭が美しく、なんとなく気になって購入してみました。 読み始めると、どんどんどんどん引き込まれて2日で読み終えてしまいました。 帯に江戸川乱歩の名前があったので、エログロ系かと最初に多少不安を覚えたものの(そういう偏見を持っていました)、そういう描写になりがちな殺人現場でもドラッグのシーンでも、詩的なんです。 特にドラッグが出てくる場面での描写が素晴らしいと感じ、ページをめくり直して改めて読み返しました。あんなにいやらしい、おぞましい、ドラッグの狂気を美しく描けるとは。 作家の非凡な描写に加え、翻訳者の素晴らしい訳が相まってのこの感動。 この作品を訳して頂いたことに、感謝せずにはいられません。 また読み直したくなってきました。 この作品の前に読了したのは、同じくどんでん返しサスペンスの湊かなえ作品で、こちらもまた素晴らしかったのですが、幻の女は別物です。人の不安を掻き立てる構成、まるで映画を観ているような臨場感溢れる描写、こんなにワクワクドキドキしながら本を読んだのは、学生時代以来です。(また海外ミステリという部分が幻想的なんでしょうね) 何故今まで知らなかったのか、人生を後悔するほどの作品です。嗚呼本当に素晴らしい作品です! | ||||
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古典的な名作ですね。翻訳も見事です。雰囲気が出ています。現代のミステリにも通じる内容です。 | ||||
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名訳です。文章が洒落ている。 「マーセラはにこにこ笑いながら、ただ黙っていた。ちょうど伏せたグラスの中でもがいている二匹の蠅を、じっと眺めているみたいに」とか 「自分のすわっている次の列の席に、靴が一足おっこってきたぐらいにしか見ていなかったんだ」とか、スコット・フィッツジェラルドを思わせるような比喩が随所に出てくる。 ただ、探偵小説としては、いろいろと欠点もある。これを歴代ミステリーのベストテンに選んでいる向きもあるが、「これがベストテンに入るようでは、ミステリーの世界も大したことはないな」と思われてしますだろう。どんな時代に書かれた作品であろうとも、探偵小説の読後には、矛盾や疑問があってはならない。 冒頭から次々と現れてくる謎。なぜ幻の女を見たはずのバーテンダーもタクシー運転手もレストランの従業員も口を揃えて「男は見たが女は見ていない」と証言したのか。「一体この謎は解けるのか?全員が嘘をついているのか?それは何故か?超大物の情婦?まさか買収?この謎に納得の行く回答は与えられるのか?」そう思いながら読者はページをめくる手ももどかしく読み進める。 しかし、バーテンダーが正確な来店時刻思い出せないのだから、幻の女だって思い出せないのではないかという肝心な点での疑問も湧いてくる。 そうした謎はやがて明かされるのだが、最終的な謎解きが終わった後に新たな疑問が起こる。 ①最後の女は幻の女の身元を証言したのではないか? ②被害者との交友関係を洗うとか、犯人捜査の方法に問題があるのではないか 等々、疑問は湧くばかりで消えはしない。 結論として、文章は、チャンドラーが一級とすれば、アイリッシュは二級。謎解きは、三級。のミステリーですね。 | ||||
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とてもキレイなままの商品を送り届けて頂き有り難うございました。学生の頃夢中で読んで殆どストーリーを忘れていた今わくわくしてまた読む事ができました。(^o^) アイリッシュの描くN.Y.のある一時期の街の雰囲気に郷愁さえ感じストーリーの面白さに浸る事ができました。 | ||||
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単純にとても面白いです。 映画でいえば、まさに、フィルム・ノワール。 実際に映画化されたようですが残念ながら拝見しておりません。 しかし、難しいのではないでしょうかね、映像化は。 主人公の主観と読者を含めた第三者の主観の大きな隔たりというものを どう映像で表現するのか。 主人公の主観にそって、女優をばっちり当てて明確にするのか、 読者やまわりの登場人物の主観にそって漠然としたイメージで進めてい くのか・・・。前者だと、小説のような「幻」感はでないでしょうし、 後者だと映画としてそもそも成り立つのかどうか・・・。 そういう意味でも小説(文字)である、ということが、この小説の面白さ、 ムードを醸し出す上での必須条件に思えてきます。 実写化しちゃだめでしょうというアニメがあるように、実写化しちゃ だめでしょうという文学もあるのではないでしょうかね。 つまり、小説として面白いということだと思います。 | ||||
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私はミステリが嫌いだ。と言うのも大概納得できない結末を迎えるし、理があくまで作品にとって都合の良いようにしか動かないからだ。そして犯人を捕まえる根拠となる証拠も大概、「実際の事件ではそんなの証拠として使えないよね?」とか、「それはただの自白強要では?」と言う疑問がどんどん湧いてくるようなものが多い。 実際の冤罪事件でも、「ミステリならあり」とされる誘導尋問などで犯人をでっち上げたケースが多い。 この作品もそんな結末を迎えた。 死刑宣告を受けた友人の為に、彼のアリバイを証明する唯一の人間である帽子の女を探すが、その日会った誰もが「男は一人だった。」と言う。 何故女は幻のように「いなかった」事になったのか。 ここまでは幻想的であり、色々考えさせられた。 だが、何故その夜あった人々が証言しなかったかについては、ネタバレを伏せるが、あまりに単純な上に全く納得できない答えだった。トリックも糞も無いと言うか。そもそもそんな方法なら幾らでも覆されそうだ。 そして結末。誰が犯人だったか、だけど、それもまあ強引。 意外性はあるかも知れないが、それだけ。 ミステリにはありがちだけど、実際にはまずそんな行動とるような人はいないだろう。 ハイリスクローリターンすぎる。犯人はただ座ってさえいれば良かったのに何故あんな事を・・・。 更に犯人が人を殺したり隠ぺいしたりの方法も偶然に頼ったものが多い。 コナンもそうだが、「AしたらBするだろう」と言う論理が滅茶苦茶なのだ。 「いや、Cもありうるし、Dだってあるだろう。」 だが物語の都合上、Bしか起こりえない。それが一つ二つではなく無数にある。 ミステリ馴れしてる人なら納得するかもしれないが、私は「いや、ありえな過ぎるだろう」と言う感想しか出なかった。 だが、それを言えば、ミステリにありがちな丹念なアリバイ工作など普通まずしない。藪蛇にしかならないし。 これはミステリとして良くないと言うよりは、リアリティを無視してどんでん返しやトリックを考えるミステリが私に合わないと言う例なのかもしれない。 | ||||
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妻殺しの容疑で死刑の判決を受けた容疑を晴らすためには、その時間に一緒にいた「幻の女」を見つけなければならない。死刑の執行までのカウントダウンと、手がかりを得ては消える焦燥感。 正直言って、謎解きは無理かある。でも、それは、アイリッシュの作品につきもののことである。謎解きではなく、途中の焦燥感を味わうミステリ小説としては、今の抜群の緊迫感がある。 | ||||
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稲葉明雄氏の翻訳で本書を読んだのは、もう何十年も前のことになる。細かなプロットの内容は、その大半を忘れているような状況だったので、この新訳でもう一遍読んでみようと思った次第。やはり、面白いものは面白い。冒頭部分は、稲葉氏の訳がそのまんま使われているのも、これはこれで、読者としても納得の名訳。 種明かしがされる最終章は、読者の推理を詰めてから、数日後に読んだほうがいいかもしれない・・・・・ | ||||
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コーネル・ウールリッチ(1903 - 1968)が別名義ウィリアム・アイリッシュで1943年に発表した、“Phantom Lady” の新訳。 旧訳を読んだのはだいぶ前なので新訳との違いを比較できませんが、本書の訳は非常に読みやすく、おかげで本作の渇いた筆致を感じとることができました。 本作は、妻殺しの嫌疑をかけられた男をめぐるサスペンスですが、サスペンスフルな叙述だけでなく、映像を喚起させる描写の豊かさが魅力の作品でもあります。映画でいえば、主人公が非日常的な事態に巻き込まれ、なにが現実で、なにが現実ではないか、虚実の境界が不確かになるサイコスリラー的な趣きがあって、「幻の女」を追う展開は臨場感たっぷり。 とくに導入部がすばらしい。ひとりの男が道を歩き、ふと目にとまったバーに入り、人目を惹くオレンジの帽子をかぶったミステリアスな女と出会う。男女はたがいに身元を打ち明けない約束でデートをする。 レストランに入る場面で、男は先にテーブルへ、女は手洗いへ。男は予約した名前を給仕長に告げる。ここではじめて読者にだけ男の名が明かされます。少しして同じ席に着く女は、特徴的な帽子を脱いでいる。そこでようやく帽子に隠された女の素顔が描写されます。それにより、名前を知ることができたのは男だけなのに、女からも帽子という神秘のヴェールを剥がされたことで、読者は同じタイミングで、ふたりに等しく実在感を感じとることができます。 頭のなかで生き生きとイメージが立ち上がるほど秀逸な導入で、現実と夢幻が入り乱れたような作中の世界にすっかり引き込まれてしまいます(あまりにミステリアスで魅惑的なため、結末においてすべてが理詰めで説明されると、少しがっかりしてしまうのは否定できませんが)。 本格ミステリとして読むと、叙述のなかに甘さが残りますし、現在の基準で見ると、どうしてもリアリティや倫理観に疑問を覚えたり、女性観に時代を感じてしまいます。けれども本作は「サスペンス」なのでオチの合理性よりも、そこにいたるまでの緊迫感を楽しむもの。現代的な基準にそぐわない点も、古典を読むうえでつきものなので、さほど問題にならないと思います。 ちなみに冒頭の有名な一文は旧訳と同じ。訳者である黒原氏は理由を、その訳が「原文どおりに訳して意味を過不足なく伝え、しかも美しい」翻訳の理想のかたちだからと述べています。たしかに以下の一文の簡潔さをべつの言葉で言い換えるのはむずかしいでしょう。 “The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.” 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」 *kindle版には池上冬樹氏の解説は収録されておりません。 | ||||
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新訳本を読みたくて買いました。 出だしのThe night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.の訳はそのままでした。 よかったです。 | ||||
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読む前の期待からは、読書後は期待はずれであった。少し偶然が多すぎる。 | ||||
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●家族が先に読んでなかなか順番が回ってきません。 ●ネタバレにならないように聞くと、たいへん面白いとのことです。 | ||||
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どんどん話に引き込まれて、時間を忘れて一気に読み終えました・・・大満足です。 | ||||
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サスペンス・ミステリの醍醐味、「もっとも“らしくない”人物が真犯人」を見事なまでに実現している。完璧に騙された(それも二回も!)。事件全容の作中解説は十分に納得できるもので、作者しか知らない秘密や突っ込みどころはあるものの、途中まで感じていた“ありえない感”はほとんど解消した。 1942年刊行で最初の翻訳が1950年に出ている。当時としてはこのジャンルで画期的に斬新な作品だったらしいが(解説)、今の感覚からすると文体がおっとりしすぎていてスピード感、緊迫感に欠け、やはり古くさく感じる。全体の構成も古風すぎる。 しかしそれだけに読みやすいし、性格描写・心理描写の冴えがよくわかり、文章にはコクがあるとも思った。事件が解決してもさらにもう一つ裏があり、その奥行きと余韻が人生を感じさせて、それにいちばん感心した。 しかしそれでも、問題は残る。 事件全容を振り返る解説に沿って読み返すと、細かい突っ込みどころには目をつむるとしても、最後の殺人事件がどうにも不可解だ。普通に読めば、真犯人は“幻の女”の名前と所在を突き止めたと解釈できるのではないか。問題の場面の描写は非常に巧妙かつ曖昧なので断定できないが、そう考えるのが自然だと思う。 もしそうであるなら、クライマックスは起こり得ず真犯人は逃げ切るから、この小説自体が成り立たなくなる。思うに、アイリッシュは予定していたプロットを最終段階で変えたのではないか。 念のため本書の全レビュー51点を読んでみたが、同じ場面に注目したレビュアーはいなかった。ネタバレは避けたいので詳しく書けないが、考えれば考えるほど、のどの奥に刺ささる小骨が増えていく。 | ||||
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名作と名高いので読みました。 「確かにいたはずの人をみんなが知らないという」という作品はたくさんあります。それだけこの定型には人の本能的な部分に訴えかけるものがあるのでしょう。 この話でも、主人公とともにいたはずの女の存在をバーテンダー、タクシーの運転手、レストランの給仕といった目撃者がみな「知らない」というシーンの不安感、やっと女の存在をつかめかけた途端にまた見失う場面の絶望感、いよいよ女に接近していく過程の疾走感は素晴らしく、古典的名作というのも納得できます。 本格ミステリーではなくサスペンスなので筋違いな指摘かもしれませんが、真相が明らかになると描写にアンフェアな箇所が若干あります。また、真相自体も刑事のやや単調な長広舌で解説されます。そういった欠点はありますが、読んでいる最中は夢中になってページが繰れる傑作であるのは確かです。 | ||||
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言わずと知れた巨匠ウールリッチ(アイリッシュ)の代表作であり、タイムリミット物のサスペンスの嚆矢でもある。日本では江戸川乱歩が戦後すぐに本書を入手し読後興奮のあまり世界ベストテンに値する傑作と原書に書き込んだ逸話でも有名な作品だろう。リリカルで魅惑的な導入部の美しさ、死刑執行のデッドラインまでの手に汗握るサスペンス、フーダニットとしての面白さなど今も名作と呼ぶに相応しい。 率直に言うと旧版の稲葉明雄訳が素晴らしい文章だった為、新訳を出す意義が個人的には感じられなかったのだが、訳者あとがきを読み、先達の業績に対する敬意を払った上で現代的にアップデイトしようという熱意に感心した。あまりに名高い冒頭文は敢えて稲葉訳を踏襲した経緯など興味深い。 恐怖と不安の詩人と評された作者の美質が改めて堪能出来る、滑らかで読み易い訳文だ。 | ||||
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それをやっちゃったらミステリが成り立たなくなるだろー!と思うような粗削りな部分も非常に多いものの、それでもこの作品がミステリ史でも最も人気を博す作品の一つであり続けるのは、とにかく全編を貫くタイムリミットのスリルが他に類を見ないほどのものだからでしょう。 通常、このタイプのストーリーは、あと少しのピースがリミットに間に合わないかもしれない!という形ですが、ギリギリになっても何も詰まっていかない(むしろ後退していく)スリル感はこの作品ならでは。 丹念に謎解きを楽しみたいタイプの人には不満でしょうが、割り切って読めば充分楽しめます。 | ||||
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近年のオールタイム海外ミステリーのランキング等では常に上位にくるサスペンス小説の名作である。 死刑執行までのタイムリミットが迫る中、唯一の主人公のアリバイの証言となる謎の女性を捜し出すというシンプルながら序盤の謎の展開が魅力的なプロットとなっている。 まあ、戦前の作品なので、近年のミステリーを読み慣れた人には事件の真相は途中で分かってしまう人もいるだろうが、それを差し引いても今読んでも充分楽しめる古典作品である。 | ||||
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