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夜歩く



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夜歩くの評価: 3.57/5点 レビュー 28件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.57pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全15件 1~15 1/1ページ
No.15:
(4pt)

ディクスン・カーが専業作家となった1930年の作品

知り合いがCarr Graphicを出しまして、順番に読むことにしました。
このKindle版は訳が古いので、出来れば新訳をお薦め!
ただ、Carr Graphicの絵を描かれた森咲さんの絵を見ると、自然と作品世界に入れました。
古典物を読むのに必須なのはその時代入り込むことだと思いますが、普段からTV等で情景等を頭に入れているので、姿形、風景も浮かびます。
森咲さんの手腕はもちろんですが、カー自身も色々沢山描き込んでくれています。
今でも翻訳本は役一年位かかるのに原作と同じ年に出て読めたと言うのは、当時のミステリーファンやカーマニア(ファン)にはたまらなかったと思います。
新訳であれば五つ星にしたと思います。
夜歩く (創元推理文庫 118-14)Amazon書評・レビュー:夜歩く (創元推理文庫 118-14)より
4488118143
No.14:
(5pt)

もう最初から素晴らしい

ご存知のように、ジョン・ディクスン・カーのデビュー作です。

これがもう初めからスゴイのだ。構成力・登場させるキャラクタ・発せられるコトバ、全てがもう、ジョン・ディクスン・カーとして完成している。そして、1930年作品だというのに、全く古さを感じない。

ここまで読んできて、ジョン・ディクスン・カーというヒトは、ホントに歴史中心に素養が満ち満ちているのが感じられる。だから、素晴らしいフレーズが随所に散りばめられているのだ。

で、ついに昨日は、この小説の謎を解いている夢まで見てしまった。

主人公は、アンリ・バランコン。カーが最初に作り上げた探偵は、とてもクールでカッコいい。これがどうしてフェル博士やH・Iのような探偵に移行したのか、ちょっと不思議ではある。ふたりとも、丁度この小説に登場するグラフェンシュタイン博士みたいだ。

そして、たまらなく映像的だ。だから夢に出てきてしまったのだろう。もう最初から素晴らしい。
夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488118356
No.13:
(5pt)

カーファン必携の書

誤訳、抄訳、翻訳者の資質などで評価が高まらないカーだが、近年新装版として発刊されている作品はその評価を変えている。この作品も以前の物と比べて非常に読みやすく良い。カー作品は従来駄作とされていた作品も新訳で読むと、決して駄作でないことが判る。パンチとジュディなどはその典型である。
 恐怖は同じ、ハイチムニー荘の醜聞など絶版になって久しい作品の新訳を希望するのは私だけではないだろう。
夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488118356
No.12:
(5pt)

怪奇と論理のグラン・ギニョール

原題 It Walks by Night
1930年に発表された記念すべきカーのデビュー長編。前年にはヴァン・ダインが『僧正殺人事件』、同年にはハメットが『マルタの鷹』を上梓した、まさにアメリカミステリ黄金時代の真只中であった。
初刊行時には後半の1/3を封印した形式だったという本書はベストセラーとなり、一躍カーは流行作家の一員となった。

読者を惹きつけて止まぬ波乱万丈な展開、グロテスクな残虐味、強烈な不可能犯罪興味を備えたサービス精神に満ちた筆致はとても二十代で書かれた作品とは思えないほど堂に入ったもので既に後の巨匠としての力量の一端を発揮している。(原型となった中編「グラン・ギニョール」の初稿は23歳の時に執筆されたという)

若きカーが愛し憧れ、本書において妖しく活き活きと描かれたパリを舞台に、闇を徘徊する人狼の様な殺人鬼…作中言及されるポオやド・クィンシーの如きデカダンスなイメージで彩られた猟奇的な物語の展開は後年の作品よりも更に濃厚なロマネスクを感じさせる。
そしてフェル博士やメリヴェール卿のようなユーモアや人情味といった属性を持たない探偵役アンリ・バンコランの冷酷な個性は本作の妖しい雰囲気に見事に合致し引き立てる一因となっている。

大胆なメイントリックと見事に散りばめられた手掛かり、ドラマチックな構成は『三つの棺』(1935年)や『火刑法廷』(1937年)といった代表作には及ばないものの、若き日のカーの闊達な才気を堪能出来る魅力を持ち、手元にある旧訳(ハヤカワミステリ文庫 文村潤訳)と比べても格段に読み易くなった新訳版で改めてそのスリリングな真価を味わえる。
夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜歩く【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488118356
No.11:
(4pt)

予審判事アンリ・バンコラン 登場!

カーの記念すべき長編デビュー作(1930年)。探偵役は、初期5作品に登場する予審判事アンリ・バンコラン。

サリニー公爵とルイーズ・ローランの結婚式当夜、サリニー侯爵が首を切られた死体で発見された。犯行時、殺害現場は、バンコランと部下の刑事が出入り口を監視していたため、密室の状態であった ・・・

カーといえば密室殺人と怪奇趣味。

怪奇趣味の方は、ルイーズの元夫 ローランが狂気にかられ、狼人間となって二人をつけ狙うという前振りがそれっぽい。もっとも、狼人間という言葉が出現するのは最初だけなのだけど。

いたってオーソドックスな密室ミステリと思いきや、ばら撒かれた数々の謎は、どこか匂い立つようなエロチックな要素もあって、独特な雰囲気を醸し出している。

整形で顔を変えた殺人嗜好のあるローランの影。サリニー公爵の、首を切り離された胴体の奇妙な格好。現場付近の小室に残された「不思議の国のアリス」。殺害現場の上層階の半裸の美女。そして、第二、第三の死体。第三の死体は、ポーの黒猫を想起させる。これらの謎解きの妙味が、最後まで読者を惹き付けていくだろう。

癖もので、腹に一物ありの登場人物たち。なかでも、バンコランの傲岸さや底意地の悪さが、小気味良い。

「24時間で解決できぬ事件はない!」と言い放つ(でも、そのとおりにはならない)、男女の親密な会話を平気で盗み聞して嘲弄する、密室トリックの証人に仕立て上げられているにもかかわらず悪びれない。ラストの真犯人への追及のドSっぽさが際立っている。

密室の謎は、真相が暴かれるまで、さっぱり分からなかったが、「そうきたか〜」というのが正直なところ。すべてがスッキリとはいかなかった。でも、謎に絡めとられてワクワクしたし、楽しい時間を過ごせたのは確かではある。
夜歩く (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-2)Amazon書評・レビュー:夜歩く (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-2)より
4150703523
No.10:
(5pt)

より現代的でよみやすい翻訳です

創元推理文庫版は新刊で購入できないようですから、この版で読むしかないんですが、創元推理の井上一夫訳より、より現代的で読みやすい印象があります 
後年の凝ったミステリに比すればマイナス点もあるでしょうが、処女作ゆえの熱っぽさみたいなものが充満している作品です
ミステリファンの方はぜひどうぞ
夜歩く (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-2)Amazon書評・レビュー:夜歩く (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-2)より
4150703523
No.9:
(4pt)

カー十八番のトリックのプロトタイプ

怪奇趣味や猟奇性を煙幕にすることで、読者の目を真相から逸らさせるという
カーお得意の手法が、処女長編である本作でも、遺憾なく用いられています。
特に、整形手術を受けて顔を変えた狂気の犯罪者(被害者の妻の元夫)を“夜歩く
人狼”と大時代的に見立てているのは、カーの面目躍如といえるでしょう。読者は、
そうしたファンタジックな人物像と、真相のギャップに驚かされることになるのです。
また、解説でも指摘されていますが、本作の主眼である“密室からの犯人消失”
のトリックを、カーは後のいくつかの作品のなかで、手を加えて再利用しています。
カーのトリックの基本を知る、という意味でも、本作は必読といえるでしょう。
ちなみに、本作は、メロドラマの部分が必要以上に濃厚というか、エロいのですが、
それが単なる装飾にとどまらず、犯人の静かな狂気を引き立て、その動機に説得
力を与えているところは、良くできていると思いました。
夜歩く (創元推理文庫 118-14)Amazon書評・レビュー:夜歩く (創元推理文庫 118-14)より
4488118143
No.8:
(4pt)

カー十八番のトリックのプロトタイプ

怪奇趣味や猟奇性を煙幕にすることで、読者の目を真相から逸らさせるという
カーお得意の手法が、処女長編である本作でも、遺憾なく用いられています。

特に、整形手術を受けて顔を変えた狂気の犯罪者(被害者の妻の元夫)を“夜歩く
人狼”と大時代的に見立てているのは、カーの面目躍如といえるでしょう。読者は、
そうしたファンタジックな人物像と、真相のギャップに驚かされることになるのです。

また、解説でも指摘されていますが、本作の主眼である“密室からの犯人消失”
のトリックを、カーは後のいくつかの作品のなかで、手を加えて再利用しています。

カーのトリックの基本を知る、という意味でも、本作は必読といえるでしょう。

ちなみに、本作は、メロドラマの部分が必要以上に濃厚というか、エロいのですが、
それが単なる装飾にとどまらず、犯人の静かな狂気を引き立て、その動機に説得
力を与えているところは、良くできていると思いました。
ディクスン・カー作品集〈第1〉夜歩く (1959年)Amazon書評・レビュー:ディクスン・カー作品集〈第1〉夜歩く (1959年)より
B000JAZXFS
No.7:
(5pt)

人狼よりも恐ろしい残虐な人間の性を描く怪奇と密室の鬼才カーの戦慄の処女長編。

英米のミステリー黄金時代に活躍した偉大な怪奇と密室の鬼才カーが1930年に著した戦慄の処女長編小説です。本書はフランスのパリを舞台にしてパリ警視庁の大立者と呼ばれる予審判事アンリ・バンコランが探偵役を務めるシリーズの第1作です。彼は著者の生み出した名探偵フェル博士やH・M卿程に有名ではないですが、やや面白味には欠ける物の明晰な頭脳と俊敏な行動力を備えた迫力を感じさせる紳士探偵です。
精神異常者ローランは妻ルイーズを殺そうとして捕まり精神病院に収容されるが、数年後に彼女がサリニー公爵と再婚しようとしているとの噂を聞いて脱走に成功する。ローランは整形手術により顔を変え、公爵の命を狙い夜な夜なパリの街を徘徊する狼人間と化す。そして結婚式の夜、密室状況のホテルの一室で恐ろしい事に首をはねられた死体が見つかる。
本書は著者の好む怪奇趣味が際立ち残酷の域にまで達しており、「不思議の国のアリス」の本とポーの有名な怪奇短編が小道具として効果的に使われています。著者にとって初の密室トリックは、さり気なく一瞬を誤魔化す巧妙な仕掛けで種が明かされるまでは難攻不落に思えるでしょう。作中の現場見取り図と時間表が重要な手掛かりですので貴方もぜひ挑戦して下さい。本書のミステリーとしての素晴らしさは、事件が実は見掛けとは根本的に全く違う物語だという点で、表面上の筋書きの裏側で仕組まれていた真相の凄まじさに完全に圧倒される事でしょう。そしてバンコランが意外な真犯人に自白を迫る最後の場面では、ある意味人狼よりも恐ろしい残虐な人間の性が強く心に刻まれ、思わず全身が総毛立つような思いに震える戦慄を禁じ得ないでしょう。本書には著者の処女長編に賭ける強い熱意と意気込みが感じられ、見事なトリックの魅力に加えて人間の狂気に満ちた恐るべき愛憎と情念の世界を描き切った意味で、誠に忘れ難い鬼気迫る傑作だと思います。
夜歩く (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-2)Amazon書評・レビュー:夜歩く (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-2)より
4150703523
No.6:
(4pt)

カーの長編処女作

パリのクラブで新婚初夜の公爵が首を切られて殺される。しかし、現場となった小部屋は刑事が見張っており密室状態だったというお話です。
密室物の帝王と呼ばれるカーですが、処女長編もやはり密室物です。
カーのもう一つの特色であるオカルティズムについては、人狼伝説をモチーフにとっているもののそこまで強くありません。整形手術という合理的な説明が最初になされているからでしょうか。
密室トリックについては洗練さが足りず、真相については誰でも言い当てられてしまいそうなのが玉に瑕ですが、後にこのトリックを昇華させたことを考えるとカーの原点として興味深い作品です。
夜歩く (創元推理文庫 118-14)Amazon書評・レビュー:夜歩く (創元推理文庫 118-14)より
4488118143
No.5:
(4pt)

カーの長編処女作

パリのクラブで新婚初夜の公爵が首を切られて殺される。しかし、現場となった小部屋は刑事が見張っており密室状態だったというお話です。

密室物の帝王と呼ばれるカーですが、処女長編もやはり密室物です。

カーのもう一つの特色であるオカルティズムについては、人狼伝説をモチーフにとっているもののそこまで強くありません。整形手術という合理的な説明が最初になされているからでしょうか。

密室トリックについては洗練さが足りず、真相については誰でも言い当てられてしまいそうなのが玉に瑕ですが、後にこのトリックを昇華させたことを考えるとカーの原点として興味深い作品です。
ディクスン・カー作品集〈第1〉夜歩く (1959年)Amazon書評・レビュー:ディクスン・カー作品集〈第1〉夜歩く (1959年)より
B000JAZXFS
No.4:
(4pt)

バンコラン

言わずと知れたディクスン・カーのデビュー作。幻想的に描かれたパリと探偵のバンコランがえもいえぬ魅力をかもしだしています。密室トリックもシンプルそうでいて、案外微妙に凝っているのが面白い。まだオカルト要素が物語の筋と噛み合いきれていないきらいもありますが、大時代的雰囲気やチェスタトン風ロジックはまさしくあのカーのデビュー作なのだと思わせます。
夜歩く (創元推理文庫 118-14)Amazon書評・レビュー:夜歩く (創元推理文庫 118-14)より
4488118143
No.3:
(4pt)

バンコラン

言わずと知れたディクスン・カーのデビュー作。

幻想的に描かれたパリと探偵のバンコランがえもいえぬ魅力をかもしだしています。

密室トリックもシンプルそうでいて、案外微妙に凝っているのが面白い。

まだオカルト要素が物語の筋と噛み合いきれていないきらいもありますが、大時代的雰囲気やチェスタトン風ロジックはまさしくあのカーのデビュー作なのだと思わせます。
ディクスン・カー作品集〈第1〉夜歩く (1959年)Amazon書評・レビュー:ディクスン・カー作品集〈第1〉夜歩く (1959年)より
B000JAZXFS
No.2:
(4pt)

リバイバルフェアでの復活

殺人鬼の元夫が顔を整形して妻を殺しにやってくるという人狼伝説と蠱惑的なエロティシズムをミックスして微妙なトリックを成立させているカーのデビュー作です怖がらせ要素で読者を楽しませようとする作品群の中ではトリックと内容が融合して良い出来になったものでしょう早川書房60周年を記念して久しぶりに登場しました
夜歩く (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-2)Amazon書評・レビュー:夜歩く (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-2)より
4150703523
No.1:
(4pt)

人狼伝説

殺人鬼の元夫が顔を整形して妻を殺しにやってくる
という人狼伝説と
蠱惑的なエロティシズムをミックスして
微妙なトリックを成立させている
カーのデビュー作です
怖がらせ要素で読者を楽しませようとする作品群の中では
トリックと内容が融合して
良い出来になったものでしょう
ディクスン・カー作品集〈第1〉夜歩く (1959年)Amazon書評・レビュー:ディクスン・カー作品集〈第1〉夜歩く (1959年)より
B000JAZXFS

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