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夜歩く
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【この小説が収録されている参考書籍】
夜歩くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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バンコラン・シリーズの第1作『夜歩く』は1930年の作品、1927年のパリが舞台です。 どぎついまでの怪奇趣味や不可能犯罪など、ミステリーとしては結構楽しめます。 しかし、和爾桃子さんの翻訳には、首をかしげる点が多すぎます。ちょっと、読んだだけでも ・・・・・・ P12「小ぶりな口ひげと黒くとがったあごひげに、ほの笑いをひそめ」 ・「ほの笑い」という語は初めてみました。『精選版日本国語大辞典』には載っていません。「ほの暗い」という語は一般的ですが、接頭語「ほの(仄)」は「動詞や形容詞などの上に付けて、かすかに、また、わずかに知覚されるなどの意を添える。」とのこと。文法的には合っているのかも。 P15「小耳にはさんだその関連の噂がいやな感じで耳朶に蘇る。」 ・「小耳」と「耳朶」の対照の妙が実に印象的です。要するに、思い出したってこと。 P16「レストラン内には、壁面装飾の薄っぺらい華やぎ相応にしまりのない人びとが群れていた。」 ・難解な修飾をさりげなく表現しているところが、まことに感動的。 P16「カラーにうずもれたあごをやおら動かして口を開くと、ブロンズ色の大きな口ひげが動きにつれてもふもふそよぐ。」 ・出ました! 「もふもふ」! 私は「もふもふ」は初見でしたが、『デジタル大辞泉』にはちゃんと載っていて、副詞・形容動詞として「動物の毛などが豊かで、やわらかいさわり心地であるさま。」だそうです。でも、これには「補説」があって「2000年代後半頃から広まったとみられるインターネットスラング。」と書かれています。21世紀の新訳にふさわしい名訳ですね。ちなみに、これはバンコランの友人で語り手であるジェフ・マールの記述です。 P21「このムッシュウ・ローランは新婚まもない妻を襲った―確か得物は剃刀でしたよ。」 ・「凶器」などという俗な訳ではなく、「得物」というのが素晴らしい。お前は武士か。 P25「警官一名による目撃があるんだよ。」 ・ふつうに「一人の警官が目撃していたんだ。」と訳さないのが、この訳者の面目躍如たるところか。 P29「にしても、困ったものだ。」 ・バンコランのセリフですが、「にしても、すごい訳だ。」 ・・・・・・ この翻訳者の魅力を語り出すときりがないので、このへんでやめておきます。 | ||||
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デビュー作って名作揃いが多い印象だが、これは無理。カーの作品は好きだが、これは肌に合わなかった。バンコランの人物像は苦手。トリックも何もない。 | ||||
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カーの本を現在入手できる物は全て読んでいます。 夜歩くも西田、井上、文村氏と現在もオークション、古書店等で入手できます。 各訳者の違いによって作品の評価も変わると思います。 さてこの訳ですが、分かりにくい表現の訳文が多々見受けられます。 たとえば、挙措の奥だとか、耳朶に蘇るとか、普通に、立ち居振る舞いとか 耳にしたのを思い出したとかと、 訳すほうが圧倒的に読みやすいのではないかと思います。 登場人物の話し言葉と情景描写のギャップに違和感を感じました。 あと単位のフィート、インチはメートルに直すぐらいの気配りは必要かと思います。 早川ミステリ文庫版の文村氏の訳が読みやすかったです。 | ||||
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