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姑獲鳥の夏
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【この小説が収録されている参考書籍】
姑獲鳥の夏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.05pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全265件 241~260 13/14ページ
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新書版が発表されたときから今日まで、ず~っと気になっていながら、読まずにいたものを、先日、ようやく文庫版を購入して読破。読み終わってまず思うのは、「なるほど面白い」ということ。しかし、不満も多い。その理由は、本の厚さの大半を占める、“主人公・京極堂のうんちく”と、語り部である“友人・関口のとんでもない愚鈍ぶり”、そして“探偵・榎木津の特殊能力”にあります。途中、何度も「何だよ、それぇ」と思い本を投げそうになるのです。が、そこをこらえて読み続けると、最後には「なるほど面白い」と思えるから不思議。冒頭近くの坂の描写など、京極堂たちの饒舌さにうんざりした脳みそにも「お」と思わせる巧みな文章がそこかしこに散りばめられているために、くじけそうになっても、最後まで読めたわけです。ただし、これをハラハラドキドキと謎解きを楽しむ物語だと思って読んではいけません。がっかりします。また、横溝正史のような作品だと予想しても、裏切られます。そしてまた、“妖怪”を前面に押し出した作品とも違います。ならば、何が面白いか……。それは、読んでみてのお楽しみ、といいますか……。個人的には、語り部である関口が、なんでもないところで混乱したり、勝手に錯乱したりするのがいただけなかったです。そしてまた、京極堂、関口、榎木津の3人に感情移入できなかったこともマイナスでした。しかし、評価は面白い、と。矛盾したレビューのようで申し訳ないのですが、これが私の素直な感想です。 | ||||
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本書は1994年に刊行された京極氏のデビュー作の文庫化である。1952年ころを舞台とする本書の謎解き自体は単純で、そもそも推理小説とはいい難い。論証などというものはほとんどない。また、内容も猟奇的で後味が悪い。 ただ、京極堂=中禅寺秋彦の薀蓄は論理的に面白く、きわめて合理的である。「この世に不思議なことなど何もない」という彼の座右の銘は、超常現象の肯定でも否定でもなく、その「創出過程」の解明を志向しているように思える。私見では、本書はこの最初の80頁くらいを読めば事足りるように思えるが、それは私に文学を読む才能がないからなのだろうか? | ||||
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妊娠20ヶ月を過ぎても、出産の気配のない女性がいる・・小説家、関口巽が「眩暈坂」を登って、古書店京極堂へその噂話を持っていくところから、不幸で不気味な物語が徐々に展開してゆく。探偵・榎木津礼二郎の「超能力」の謎。人間が「脳」を通じてみている世界、そして、「見えているはずなのに」見ることができない世界の境界を複数の物語が交錯する。憑き物落とし。関口の犯した「罪」久遠寺家の「呪い」。特に後半部分から、猛烈に面白い。「この世に不思議なものなどなにひとつないのだよ」 | ||||
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京極夏彦のシリーズはどれもビックリするくらい分厚くなかなか読む気になれなかったんだけど、初めて手に取ったのがこの「姑獲鳥の夏」シリーズ第1弾というのと、中でも薄いので買って読んでみたが今までに読んだことのない不思議な世界観と霊や記憶を今まで考えたこともなかったような解釈に惹かれて最後まで読んじゃいました。ただ、もし魅力的な世界観と解釈を抜きにしてストーリーだけを見たときにこの「姑獲鳥の夏」が面白い話なのかどうかがわからない。なんか煙に巻かれた気がして。ということで★★★ | ||||
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今日、売れるのは、薄くて字が大きい本らしい。私個人はそんな本は損した気分になるのだが・・。京極夏彦の作品はそういう今時の売れ筋の本とは対局にある。字が小さく(しかも二段構え)ちょっとひるむほどの分厚さ。しかし、ただ活字が多いだけの本ではない。読むやいなや冒頭から引き込まれてしまう。あとはもう端麗な文章を思う存分楽しみながら、物語の展開に身を任せるのみ。初めて読んだときには「凄い本に出会ってしまった」と思ったものだ。あの厚さにもかかわらず読み終える頃には「もう終わってしまうのか」と少し残念な気分になる程。まったく活字好きには堪えられない。ストーリー展開は、登場人物の超人的能力に頼ったご都合主義なところは否定できないが、もうそんなことはどうでもよろしい。本を読む楽しみをこれほど味わえる作品にはなかなか出会えないのだから。同じ作品を二度三度読み返したいと思うわけではないが、読み終えると他の京極作品を渇望している。これから京極作品を読もうかと思っている方には、ぜひこのデビュー作から読むのをお薦めする。二作目三作目を読みすすむと、「あ、これはあのときの話か」とシンクロする場面がでてくるので。もちろん二作目・三作目だけを読んでも楽しめる構成なのだが、あらかじめわかっているとより楽しい。(京極氏のファンサービスかもしれませんね。) | ||||
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面白かった。すごく、分厚い本なのだけど、最後まで、どうなるの、どうなるの、という感じで、一気に夢中で読みました。血と肉の感じが、不気味感をかもしだして恐いのですが、人間の深層心理もあぶり出していて、ただの推理小説以上のものを感じました。また、作者の土俗の習慣や、神秘的なものに対する理解には、感服すると同時に、大変興味をひかれました。現代人が忘れかけている日本人の因習を思い出せてくれます。カバーがおどろおどろしくて、これはこれで雰囲気を出していて、いいのですが、ちょっと手に取るのをためらわせるものがあるのですが、是非みんなに読んでもらいたいです。 | ||||
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緻密で不思議で美しい日本語の中に近代歴史小説を思わせる、第二次世界大戦直後時期に書かれた、横溝のおぞましいけど、癖になる探偵小説的『ハマリ』を感じる作品群です。実はシリーズ第二作のこの本から京極作品を読み始めましたが、シリーズを最初からはじめなくても、全く無理なく読了できます。とってもハマッちゃいまして、現在、シリーズ全巻 読了を目指し、頑張っています。皆さんもどうかお楽しみくださいね。 | ||||
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初めて読んだ京極作品。 異常と思えるほどの長さや、無駄とか思えない薀蓄や、魅力が全く感じられない登場人物らにウンザリしながらようやく到達した真相が・・・。 当然ながら腹が立った。 しかし一冊だけ、しかもデビュー作で作家の良し悪しを判断するもんじゃない、と思って他のも読んでみたが、どれも撃沈。新作を出す度につまらない薀蓄を盛り込んで無用に長くしたがるアメリカの作家の小説を呼んでいる気分だった。 今思えば飛ばし飛ばしながらも最後まで読み通せた本作が一番マシだった。 | ||||
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この本を読んでいめ時の私はとにかく情緒不安定だった。体のどこかになにかしら沸いてくるような、おかしな焦燥感にかられた。語り手である関口巽に完全に入りこみ、彼と供に惑わされた。いままで読んでいた本とは一味違う。読み手を作品独特の空気に引きずり込む。最高におもしろい作品だとおもう。 | ||||
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この本を読んだ時に僕の頭の中で正に黒衣の着物を纏った陰陽師がいた。この本はトリックを見破る本ではない。トリック等所詮まやかしとこの本を読んだ時に言い切れるはずだ。トリックを越えた何か。人の執心、情念この世にありてこの世にあらず物、この本を読めばすこし、ほんの少しあなたの思い描くこの世界と違う何かを感じられるはずです 産のにてみまかりたりし女 其の執心、其のものとなれリ | ||||
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普通の推理小説のつもりで読んだ私の感想は「何なんだ?これは?」・・・このぶ厚い本を、一気に読んだ直後のことです。あまりの面白さに、途中で本を置けなかったのです。圧倒的な数の語彙と漢字の奔流であるにもかかわらず、読みやすく理解しやすい。この言葉による読者の束縛こそが、陰陽師による呪いかもしれません。その後、憑かれたように京極作品を読み続ける私の、憑き物を落としてくれるのは誰? | ||||
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私はとてもクレバーな構造を持った小説だと思いました。まず、認識論についての長い議論という先制パンチがあって、その後その理論をベースに謎解きが進んで行きます。つまり筆者が始めに、こうやって謎解きしますよ、と読者に教え、それから実際に謎を解いてみせるわけです。手の内をまず最初に明かすことを厭わない、というより敢えてやっているところに京極氏の自信の深さが窺えます。でもそれに見合う濃い内容のミステリーでした。600ページ以上あり、またエンジンがかかるまでの助走がやや長めですが、一旦動き出すと一気に読めてしまいます。ミステリー好きでない人にもお勧めの一冊です。 | ||||
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表示の絵が怖い、題名が読めない、など色々な理由でなんとなく避けてきた京極作品。でもいざ読んでみるともう止まらない。漂ってくる雰囲気がたまらない。まだ読み終えていないのに次の作品を買いに行ってました。まだ読んでない人は是非! | ||||
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説明不足。いくらなんでもこのトリックはないんじゃないの? アノ流れで、講談社からの出版ってことで、勝手に本格ミステリとして読んでしまったオレが不幸なのか、はたまたバカだったのか…。それにしても説得力に欠ける。「フェアじゃない」と思わせないくらいに力のある文章でねじ伏せてくれれば幸せになれたんだろうけど、ヒネクレモノのオレにはどうにも受け入れにくかった...。酔わせるだけの魅力ある文章であるとは思うんだけどね...。あまりにもあのトリックのアンフェア印象が強すぎて、打ち消しきれてない。 以来京極モノを薦められても二の足を踏んでしまいます…いつか読もうとは思っているんだけど、初読で裏切られたショックが大き過ぎた…。 | ||||
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この作品は京極夏彦の講談社文庫での初めての作品だが、シリーズの中で最も短い作品である。はじめはその容姿に圧倒され、腰が引けてしまうのだが1度読み始めると止まる事が出来なくなる。人間と同じようにまずは軽く2~3ぺーじほど付き合ってみる事が大切だ。 | ||||
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私は狂骨→魍魎→姑獲鳥とさかのぼってから全シリーズ読みました。京極作品の特徴は、作品中にカオス理論や哲学理論などのような専門的知識の引用がサラリとちりばめられているというところではないでしょうか。これらは古臭い設定や胡散臭い登場人物の高次元(?)な言動を現実的なところに引き下げてきてくれます。だから奇妙すぎる流れなのに必ず引き込まれてしまう。本作品は読み進めていくにつれてすぐに結末が予測できてしまうかもしれませんが、その結末で暴かれた真実に「まじで?!(驚愕)はぁ・・・(脱力)、あははは(苦笑い)」と何故か清々しくなるでしょう!シリーズで一番インパクトがあります。 | ||||
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京極夏彦さんのデヴュー作。これだけベストセラーになり評判高い人にほめ言葉は不要だと思いますが、やはり初めて読んだときは強烈でした。もともとマンガ!で作品化しようとしたということでしたが、トリックをちゃんと分析すると、なるほど、と思いました。凄く情報量が多いので、一度絵に描いたり空間化してから読むともっとグっときますよ。京極さんは、もともとデザイナーですから絶対2次元化したりヴィジュアル化して作品世界を構築していると思うんですよ。推理小説には、人間がどうすることもできない物理的なトリックを精密に構築する人と、人間の心理の中に起きるトリックというか妖しい複雑に絡まった感情を主軸にする人がいます。この二つの傾向から云うと、京極さんは圧倒的に後者ですね。日本の土俗的な民俗社会をモチーフに数々の傑作を生み出した日本推理小説の正当な後継者のような気がします。魅力としては、①擬音の使い方 ②深すぎる(笑)知識に裏付けられた冗長ともいえるほど情報量の多い文章 ですね。病的に数をこなす読書人としては、こういう妖しい知識の集大成を魅せられると、背景まで調べようとハマりますねぇ(笑)でもなによりも読んだあとも残るさまざまな『音』!!あれがキますねぇ。 | ||||
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風鈴がなった。この本を読み終えたとき、確かにそんな気がした。「姑獲鳥の夏」の中で風鈴は実に印象的にその音色を聞かせる。そう、まさに聞こえるようである。夏を描写した表現は他にも色々あり、そのうだるような暑さが伝わってくるのだが、この風鈴の音色は涼しげである。そして寂しげだ。それは、小さな不安感を増幅し、恐怖へと変化させるような、そんな音色である。読み手である私は、主人公関口巽と共に京極堂の呪術的な民俗学・宗教学・心理学的考察の深海へと引きずり込まれ、溺れそうになり、そして「りん、」という風鈴の音色によって我に返り、情景を取り戻す。しかし、そのときには圧倒的な孤独感に包まれているのである… | ||||
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この作品は、推理小説と銘打っているがそれは「ズルイ」。謎解きの究明にいたっては「あまりにも非道い」。それでも、五つ星を付けざるを得ないほどに「圧倒的に上手い!」。「アンフェアな謎解き」などと声を荒らげるほど私も純情ではないけれど、これを俗に言う本格推理小説と思って読んだ私は愕然とした。これは「犯人当て」などという次元で済むお話ではないのだ。世の中に妖怪という物が存在する事の謎解きと、理論。そこには妖怪マニアの浪漫主義などを軽く越えた、圧倒的なロジック(言い換えれば「科学」)がある。とっつきにくい衒学的な装いさえも、全てはそのロジックを支えるための見事な手段だ。もちろん、主役である京極堂のヒロイックな魅力も楽しめるエンターテイメントである!傑作!!その後の著者の作品に溢れる「京極世界」の要素は、ほぼ本作品で堪能できるだろう。 | ||||
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