新田隆弘は鬱屈をため込んでいた。かつては渋谷で伝説のチームと言われた“金狼”の元メンバーも、今ではヤクザの下っ端。

根室でくすぶる幸司のもとへ、東京でやくざになった裕司が突然姿を現した。

一九九七年、カナダ西海岸・ヴァンクーヴァー。中国への返還目前の香港から押し寄せる移民たち。

歌舞伎町の中国黒社会で生きる武基裕。彼は残留孤児二世として中国から日本へやってきた。

かつては神宮球場のヒーロー、プロ野球の世界ではノーヒットノーランを達成。

400日ぶりに東京に帰ってきた私立探偵沢崎を待っていたのは、浮浪者の男だった。

『陰の季節』の「黒い線」で、心に深い傷を負った平野瑞穂。

疫病神・ヤクザの桑原保彦に頼まれ、賭け麻雀の代打ちを務めた建設コンサルタントの二宮啓之。

新宿の若者たちの間で、舐めるだけで効く新型覚せい剤が流行り出した。

日系ブラジル人マーリオ。反対する祖父を殴り倒して出稼ぎにきた日本。

飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。

アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。

突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。

大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。

民族の悲願、独立国家の樹立を求めて暗躍する中東の少数民族クルド。

西新宿のホテルで元CIAのアメリカ人が殺された。事件の鍵を握る平出組の前岡に迫る鮫島。

新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。

衆議院議員が行方不明になっている。伊丹刑事部長にそう告げられた。

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。

「疫病神」コンビ、待望の復活。

“悪魔の手"と名のる人物から、警視庁に送りつけられた怪文書。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

新宿の街を震撼させたチャイナマフィア同士の銃撃事件から二年、警察の手すら届かない歌舞伎町の中国系裏社会を牛耳るのは、北京の崔虎、上海の朱宏、そして、銃撃事件で大金を手に入れた台湾の楊偉民だった。

薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。

犯人逮捕は事件の終わりではない。そこから始まるもうひとつのドラマがある。

建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。

昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。

91歳の耕造は妻に先立たれ、69歳の小夜子を後妻に迎えていた。

船戸与一最高傑作堂々復刊 冒険小説の第一人者、船戸与一最高傑作『山猫の夏』が、この夏堂々復刊。

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。

歌舞伎町の女・奈美。孤独な彼女が心惹かれる外国人・楊は、謎の影を持つ男だった。

「まったく、新宿って街は妙なところだ。ばらばらに飛び散ったもんが、いつのまにかまた集まってきちまうのだからな」 巨躯。

ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく―。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島。

衝撃だった。ここまで悲惨な状況だとは思ってもみなかった。

あの「灰色熊」のような男になりたい。香坂正次は胸に野心を秘め、海外進出日本企業の非合法活動を担うその男に近づいて行った。

長男の不祥事により所轄へ左遷された竜崎伸也警視長は、着任早々、立てこもり事件に直面する。容疑者は拳銃を所持。

カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。

臨場―警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることをいう。

署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か。

竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。

幻の夜を行く男と女。息もつかせぬ傑作長編！ 阪神淡路大震災の直後に、出会った男と女。

「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。

19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。

殺人事件の時効成立目前。

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。