虚の王



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    初公開日(参考)2000年02月
    分類

    長編小説

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    虚の王 (角川文庫)

    2008年03月25日 虚の王 (角川文庫)

    新田隆弘は鬱屈をため込んでいた。かつては渋谷で伝説のチームと言われた“金狼”の元メンバーも、今ではヤクザの下っ端。兄貴分の命令で高校生が作った売春組織を探っていた隆弘は、中心人物の渡辺栄司に辿り着く。さして喧嘩が強そうでもない、進学校に通う色白の優男。だが、栄司は仲間を圧倒的な恐怖で支配していた。いったい何故。隆弘が栄司の全く異質な狂気に触れたとき、破滅への扉が開かれた―。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    虚の王の総合評価:6.06/10点レビュー 18件。Cランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    マンガの原作みたいな話だった

    今まで『夜光虫』以外は新宿界隈を舞台に物語を繰り広げてきた馳氏が選んだ地が若者の町渋谷。そのため、登場する人物も高校生と二十歳の男と非常に若い。
    そして新宿、台湾では外国人マフィアが物語に複雑に絡んできたが、今回は純然たる日本人同士の抗争。渡辺栄司という高校生にして女子高生売春の元締めである男とそれを疎ましく思うやくざ。その中間に新田隆弘というやくざの下っ端が関わる。

    一見普通の優男の高校生でありながら、周囲に恐れられている渡辺栄司と伝説のチーム金狼で火の玉小僧と恐れられていた暴力の権化新田隆弘。
    彼の肉体と激しいまでの暴力を以ても栄司の恐怖に縛られた彼の仲間を屈することはできない。隆弘は今まで自分が暴力を振るえば回りが屈していただけにいくら殴っても屈さずに笑顔を絶やさない栄司の存在に恐怖を感じる。まさに精神が肉体を凌駕するとでも云おうか、異様な雰囲気を身に纏っている。

    栄司の言葉には魔法が宿る。彼が囁くだけで関わる人々は心の奥底に潜む弱い部分を曝け出し、その弱点を克服しようと荒ぶる魂を表出させる。栄司の唇から出る囁きは甘美な毒なのだ。

    その栄司に心の中を見透かされ、恐怖と共に栄司の言葉の魔法に取り込まれ、どんどん自我が崩壊していくのが栄司の彼女桜井希生の教師橋本潤子。
    幼い頃に支配的な母親に抑制された生活を強いられ、自分の意見を持たなく、周囲の人間の言葉に流されるままの人生を送ってきた女。さらには最初の恋人に強姦同様のセックスを強いられ、男性不信から女性を、生徒に欲情を抱くようになった女。
    物語は隆弘、潤子が栄司が持つ、ブラックホールの如き虚無に囚われて転落していく様が描かれる。

    よくよく考えると馳作品の主人公は決して暴力が強い人間ではないことに気付かされる。不夜城シリーズの劉健一しかり『漂流街』のマーリオしかり『夜光虫』の加倉しかり。
    今回の渡辺栄司という高校生はその最たるもので、喧嘩が強いわけでもない、腕っぷしが強いわけでもない。ただただ非常に頭が良かった。そしてなによりも恐怖を感じない。人間として大事な愛とか情と云った感情を欠落した人物なのだ。自分の欲望のために人を利用し、人を傷つけることを厭わない空虚な心を持つ男。

    しかしなんというか高校生で女子高生の売春を取り仕切る渡辺栄司というキャラクター造形がマンガの域を脱していないというか、むしろマンガの原作を読まされているような気がした。
    馳氏特有の路地の小便臭さまでが行間から匂い立つようなリアルさと熱が本書では感じられず、むしろ作り物めいた感じが拭えなかった。なんだか飲み屋で交わした会話のままに作ってしまったお話のような手触りがあった。
    例えばこのように…

    “一番怖い奴ってどんな奴だと思う”
    “やっぱりどんな奴にも負けない喧嘩のプロ”
    “いや、おれは違うね。恐怖心を持たない奴が一番強いと思う”
    “お、それで小説1本書けそうだな”

    といった具合だ。

    さてこの結末はこの作品がこれから始まる新たな物語の序章だということだろうか?高校生の若さで人の心の弱さに付け入り、どんな男でも女でも籠絡させる渡辺栄司。
    この平成のメフィストフェレスは今後も人の心を操り、王として君臨するのか?
    今まで馳氏が主役に選んだのは戸籍上日本人の外国人との混血児、もしくは中国系マフィアに翻弄される日本人だった。彼らへの強力な対抗馬として創造したのが渡辺栄司なのか?
    今後の作品に注目したい。

    ・・・しかしやくざがヴァイヴに怯えるかねぇ(苦笑)。

    Tetchy
    WHOKS60S
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.17:
    (5pt)

    まさに!

    まさに、タイトル通り『虚の王だった!』というのが、素直な感想。 さて、その虚の王は、作品のキャラクター達なのか、読み手自身のことなのか・・・・
    虚の王 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:虚の王 (角川文庫)より
    4043442068
    No.16:
    (4pt)

    読後感は最悪だが

    破滅していく男の姿を描いた暗黒小説。

    過去に名を馳せた暴走族上がりの主人公は、ヤクザに頭を押させつけられてクスリを売るうだつの上がらない日々。少女売春組の略奪を指示を受け、それを束ねる男子高校生に接近する。

    不良たちを圧倒的な恐怖で支配するこの少年のキャラクターが秀逸だ。物語は、少年に魅入られた主人公、少年のカノジョ、その娘に好意を抱く女教師(!)を交えて、スピーディに展開していく。読み進めながら、それぞれの抱えた闇にどんより…。

    少年の囁きに操られるごとく、ヤクザを裏切り、殺人に手を染めていく主人公。不快な描写が随所に見られるが、それだけに抜き差しならない底辺感は迫力がある。

    クライマックスにかけて、登場人物たちそれぞれに破壊的ともいえる運命が待っている。えげつなさに読後感は最悪だが、力のある作品とは言えるだろう。
    虚の王 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:虚の王 (角川文庫)より
    4043442068
    No.15:
    (3pt)

    怪物性を表現したいのは理解できるが、描写通りボコボコにされると死なないにしても立てないよね

    粗野な暴力の人と常識でははかれない高校生のコンビの話なのですけど、描写がちょっと極端すぎて「いや、いいたいことはわかるけどこれはいくらなんでも」といった心持となり少々ついていけない箇所多し。この作家の他の作品を読んだことがないのでよくわかりませんけども。
    Kindle Unlimitedで無料だったので読んでみたのですが、正直お金を払ってまで読むかと問われれば、私は読まないとは感じました。無論個人の好みの問題です。バイオレンス描写がお好きで、細かい話はどうでもいい。といった方にとっては面白く読めると思います。
    虚の王 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:虚の王 (角川文庫)より
    4043442068
    No.14:
    (5pt)

    読み返してみたら。

    やっぱ、面白いね。この作者さん特有のの世界観がよく出ています。
    虚の王 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:虚の王 (角川文庫)より
    4043442068
    No.13:
    (5pt)

    商品到着しました ありがとうございます

    おもったより凄く早く到着し商品も綺麗で良い商品です ありがとうございます
    虚の王 (カッパ・ノベルス)Amazon書評・レビュー:虚の王 (カッパ・ノベルス)より
    4334073786



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