弥勒世
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舞台は日本復帰前の混沌とした沖縄。当時の状況が容赦なく描写され、登場人物の強烈な個性と諸々の事件が複雑に絡み合い、一気に読み切ってしまう。 CIAの手先になった主人公伊波尚友が反戦、反米、反基地の活動家たちの詳細を米軍に報告する一方で、米軍の情報を活動家たちに流して信頼を得、更に、琉球の警察官との情報を交換するという三重スパイのような行動を続ける。その根底にはやまとや日米政府による歴史的にも現在も沖縄が虐げられてきた理不尽な環境とそれに対する沖縄の煮え切らない対応への絶望と憎悪が渦巻き、相互を激突させて破壊させたい衝動に駆られている。そこに同じ施設で過ごした友人、一見酒と女と音楽にうつつを抜かしている天才肌の比嘉正信から米軍基地襲撃という恐るべきテロル計画を打ち明けられ、決行に協力する。ヤクザも一枚かんでいるところが沖縄的か。当時の基地の街コザではヴェトナム帰りの米兵が荒れ狂い、白と黒の兵隊のむき出しの対立、女や麻薬、暴力がはびこり、騒然としていた。一方、日米政府の合意により沖縄返還が決まり、日本復帰、反基地運動が盛り上がる中でB52の墜落事故、毒ガス漏れ事件が発生、べ平連などの左翼活動家も侵入して沖縄全体が激しく揺れ動いていた。主人公の尚友と正信は奄美と宮古島出身という沖縄社会ではアウトサイダーでこれらの騒動を冷ややかに眺め、武器集めのため吐き気をもようすようなあくどい手段も実行する。尚友には同じ施設出の献身的に一途に思いを寄せる魅力的な黒人系ハーフ照屋仁美が寄り添うが、己の所作に嫌悪し、出口のない葛藤を抱えながら物語は進展していく。 | ||||
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沖縄、独特の雰囲気と、作者の独特の雰囲気が最高に融合されている。 | ||||
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沖縄のこと知らなすぎた。 差別・貧困 考えさせられた。 無知だったことに恥をしる。 長編だったが時間を忘れて読んでしまった。 | ||||
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馳星周さんの本です。 アメリカ軍の占領から、そろそろ脱けだそうとしている時期の沖縄が舞台です。 英字新聞でアメリカの提灯記事を書いていた伊波尚友は、アメリカ軍関係のホワイトとスミスと名乗る人物から、アメリカのグリーンカード交付を条件に、反米活動の内情をさぐるスパイ活動をするように要請をうける。 アメリカの太鼓持ちをしていた尚友が、いきなり反米活動を始めるわけです。 英字新聞の会社を喧嘩でクビになり、その怨恨から今度は反米活動をする、というストーリーにより、 まんまと反米活動の仲間を得ることに成功。 沖縄の反戦活動や、ベトナム戦争での厭戦ムードを煽るため、尚友は照屋仁美とともに、アメリカ軍の黒人たちの出没する飲み屋街に行くことに…。 高まる沖縄の反米活動。また、沖縄の米軍基地問題。 そういうなか、尚友は仁美にどうしようもなく惹かれていく…。 馳さん、かなり綿密に取材したのかな、と思わせるリアルさで、しかも、アメリカに対する沖縄の感情を見事に描いています。 また、ドラマも次から次へと展開していくのがいい。飽きない。 かなり厚い本ですが、読み応えがある本です。 | ||||
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尚友は政信とともに、武器を備蓄していく。 そして、沖縄ヤクザのマルコウとともに、共和国軍として決起する日をめざす。 といいつつ、尚友はアメリカに反米活動の情報を流しつつ、一方ではアメリカの情報も引き出している。いわゆる二重スパイになりますな。 共和国軍は不良米兵を狙い暗殺行為をおこない、犯行声明を出す。 それが、アメリカ側を刺激することになり、尚友に情報を集めるように指示がでる。 しかし、尚友は共和国軍なので、のらりくらりとかわしている。 そうして、尚友や政信は、核や毒ガスを備蓄している倉庫を襲う計画をたてていくが…。 なんか、政信に対する尚友の葛藤とか、上巻では丹念に書かれていたのですが、下巻になると、そういう葛藤が薄まっているように感じます。政信の存在意義が薄まってくるんですよね。 物語が走り始めて、だんだんと、馳さんもコントロールきかなくなっていたのかな、なんて感じてしまいました。 確かに、この物語の登場人物たちが、勝手に物語を動かしはじめているような気がしましたね。 それだけ、魅力的な人物が多いわけですが。 仁美の退場が唐突感があるのですが、物語の展開上、ここで退場すべきだったのかもしれません。 とりあえず、おもしろく読んだ本でした。 | ||||
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