マンゴー・レイン



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初公開日(参考)2002年09月
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長編小説

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マンゴー・レイン (角川文庫)

2005年03月01日 マンゴー・レイン (角川文庫)

タイ生まれの日本人、十河将人。彼はバンコクで再会した幼馴染から、中国人の女をシンガポールに連れ出す仕事を引き受ける。法外な報酬に、簡単な仕事。おいしい話の筈だった。だが、その女と接触した途端、何者かの襲撃を受け始める。どうやら女が持つ仏像に秘密が隠されているらしい―。張り巡らされた無数の罠、交錯する愛憎。神の都バンコクで出会った男と女の行き着く果ては。至高のアジアン・ノワール。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

マンゴー・レインの総合評価:6.85/10点レビュー 34件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

強い女のノワール

女を陸路でバンコクからシンガポールへ連れて行く、この設定を読んだ時にこれは馳版『深夜プラスワン』かと思った。
作者がまだ坂東齢人名義で書評家だった頃、新宿ゴールデン街でバーテンをしていたのが、内藤陳がオーナーの『深夜プラスワン』というバー。やはり彼としてはこのテーマは避けては通れないものだったのではないかとまで想像したが、物語はそんな風に簡単にはいかず、主人公の十河将人とメイはバンコク内を迷走する。

やがてメイの持つ仏像に隠された地図の正体を探るにあたって、本作のメイン・テーマは女をシンガポールに送ることではなく、実は仏像に隠された日本軍が遺した莫大なお宝を探し当てるというものであることが解る。

つまりこれは馳版『マルタの鷹』なのだ。歴史に残る冒険小説2作を相手にするあたり、馳氏のしたり顔が目に浮かぶようだ。

さて冒険小説の名作のモチーフを国産ノワールの雄が料理するとどうなるかというのが専ら私のこの作品を読む上での焦点であった。つまり舞台と登場人物を変えただけで、いつも物語は破滅に向かうという構成がこの味付けでどう変わるのかを注目していた。

しかしやはり馳氏は馳氏。変わらない。
一度落ちぶれた人間がどうにか安楽の地を、生活を求めるために大金を手に入れようと足掻き、這いつくばる物語。人生の落伍者と貧困の犠牲者、2人の男女が日本軍の遺した宝を求める道行きに屍が転がっていく。
こんな2人だから出てくる台詞は怨嗟の連続。セックス、金、暴力、そして時々ドラッグ。馳作品の諸要素が今回も織り込まれている。

タイトルのマンゴー・レインとは現地タイで雨季の訪れを伝える夕立のことを指す。つまりはスコールなのだが、マンゴーと云えばタイよりもフィリピンの趣がある。しかしフィリピンではこのようには呼ばなかった。

馳氏はこのマンゴー・レインを罪を、過ちを、全てを洗い流してくれる激しい雨だと語る。かつての幼馴染たちが大金を目に、裏切り、命を奪い合う、そんな凄惨な状況をマンゴー・レインは洗い流す。

さて冒険小説の設定をモチーフにノワールを語った本作で最も印象に残る人物は十河が幼馴染の富生からシンガポールまでの移送を頼まれる女メイ。中国からさらわれて娼婦として生きてきて、エイズを患ってから男どもを、全てを憎悪し、信用しなくなった女だ。
彼女は人を殺すことも躊躇わないし、平気で嘘をつき、仲間でさえ欺こうとする。騙される方が悪いのだ、と云わんばかりに。それはメイの行動原理が至極単純だからに他ならない。それは自分が幸せになること。そのために利用する者は利用し、自分を脅かす存在は撃ち殺す。

作中十河は彼女の眼を魔女の眼と評し、その眼で睨まれると異様の無い恐れを抱き、従わざるを得なくなる。人買いとしてタイから日本へ若い女を何百、何千と密入国させてきた十河だったが、メイだけはいつものように振舞えない。修羅場を潜り抜けてきた者の覚悟の前にタイと日本を人買いのために往復する浮世暮らしのような十河は頭を垂れるしかないのだ。

このメイの存在を象徴するように、今回の物語はメイによって終止符が打たれる。これは実に珍しい。

今までの馳作品では登場する女性はおろかな男たちに翻弄され、利用され、圧倒的な暴力に屈して凌辱されるだけの存在としてぞんざいに扱われてきた。本作のメイも境遇としては過去の馳作品に登場してきた女性とは変わらない。おまけに彼女はエイズまで患っている。

しかしメイには強靭な精神を持っていた。別に男を捻じ伏せる腕力があるわけではなく、逆に街を歩けば10人のうち8人が振り返るほどの美貌とスタイルの持ち主だ。そんな彼女が他の女性と違ったのは己の不幸をバネにのし上がろうとするハングリー精神があったことだ。つまりこの作品はメイの物語だったのだ。

読後に残るのは荒廃感、寂寥感とでも云おうか、燃え尽きてしまった狂気の果てだ。

そう、今回も次々と死人が生まれた。またもや遣り切れなさが残る作品であった。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.33:
(4pt)

よかった

自分的にはタイ旅行後に読んだので余計に面白かったです

名前が頭に入らないのが多かったです笑
マンゴー・レイン (角川文庫)Amazon書評・レビュー:マンゴー・レイン (角川文庫)より
4043442041
No.32:
(5pt)

MK

面白い。第二の代表作です。お薦めです。興奮しました。一日で読んでしまいました。
マンゴー・レイン (角川文庫)Amazon書評・レビュー:マンゴー・レイン (角川文庫)より
4043442041
No.31:
(5pt)

バンコクの裏住人

人買いの男と娼婦がバンコクを舞台に、再起をかけて巨大権力に立ち向かうストーリー。
昔のバンコクの生々しさがリアルで世界界に浸ることができました。
マンゴー・レイン (角川文庫)Amazon書評・レビュー:マンゴー・レイン (角川文庫)より
4043442041
No.30:
(5pt)

スピード感のある展開

なんとなく予想の出来る展開なのですが、常に緊迫感があることで、飽きずに集中して読むことができました。
マンゴー・レイン (角川文庫)Amazon書評・レビュー:マンゴー・レイン (角川文庫)より
4043442041
No.29:
(1pt)

ダラダラしてる

ダラダラバンコク市内を連れ回され、途中ど嫌になってとじた。筆が飽きさせる。
マンゴー・レイン (角川文庫)Amazon書評・レビュー:マンゴー・レイン (角川文庫)より
4043442041



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