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パディントン発4時50分
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【この小説が収録されている参考書籍】
パディントン発4時50分の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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本書『パディントン発4時50分』は、1957年の作品。 第二次世界大戦で英国、フランスがドイツと戦った時代が終わった。 その時代背景が残っている物語です。 登場人物の「エドマンド」は、その戦争で戦死しました。 長男エドマンドには、フランス人のマルチーヌと結婚したという噂がありました。 「彼が戦死する直前に、フランス人女性と結婚するつもりだった、あるいは結婚した、という話をお聞きになりましたか?」(339頁) こういう噂から、殺された女はマルチーヌだったのでは、という推理につながっていきます。 こんな調子ですから、噂が噂を呼んで……。村の人たちは、とにかく噂好きなんです。 警察は地道に聞き取り調査を続けますが、噂が混じりこむので、よけい混乱します。 警察関係者には推理力が不足しているので、殺人容疑者を絞り込めないでいます。 いくら聞き取り調査を続けても、埒があきません。 そのうち、別の殺人事件がふたつも起きます。 こんな村人たちの支離滅裂な根拠のない噂話には、マープルは慣れています。 噂話の中から、直感的にクールに推理のストーリーを組み立てていきます。 推理なので、証拠が不十分です。 不足の情報は、老体にもかかわらず、自ら情報収集していきます。 マープルは、あと、どのような証拠が必要なのかを考えます。 まるで探偵のように根気強く。 そしてマープルは殺人犯人に自供させるために、最後は芝居を打ちます。 この芝居によって、殺人犯人は観念し、本性を表します。 ここが面白い。 マープルの「ちょっとした作戦」(414頁)なんですが。 「殺人の目撃者(傍点あり)がいたんです」(409頁)とマープルが詰め寄ると、 「このばばあ」(409頁)と、殺人鬼は言葉遣いまで急変して本性をあらわしました。 マープルの作戦、大成功です。 「後ろ姿にだってその人らしさがあるものだ」(413頁) それにしても、 遺産を受け取る人数が少なくなるほど、山分け分が多くなると考えて、 殺人を繰り返すなんて! 人間を狂わす金(かね)。 金銭欲にかられた殺人。 | ||||
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導入部~序盤にかけての話は、実に気が利いていて面白かったです。まるで、映画でも観ているみたいな映像的な面白さ。わくわくしながら頁をめくってました。 登場人物のなかではなんといっても、プロフェッショナルな家政婦、ルーシー・アイルズバロウの生き生きとした活力に魅了されました。彼女が、クラッケンソープ家の男たちの誰彼から迫られるところ(とりわけ、当主のおとっつぁんの豪放磊落ぶりときたら!)。おかしくて、くすりとしちゃったな。 一方で、第二十二章以降の展開はあまりにもトンデモ過ぎて、私はちょっとついていけませんでした。 松下祥子(まつした さちこ)さんの訳文は、実にこなれていて、読みやすかったです。 | ||||
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並走する列車内での絞殺をマープルの友人が目撃するとか、冒頭からいきなり楽しませてくれます。 そしてその絞殺死体が発見されたお屋敷に住む面々がとても個性的で、しかも全員最低でも一回は「こいつが犯人か?」と疑ってしまうくらいにミスリードも巧みで大変楽しめました。 ただ、私の見落としがなければ手掛かりが全て開示されているわけではないようでしたので、真相が明かされても釈然としない感じはあります。 ミステリーとしてみるとそんなに質が高いわけではないのですが、しかしこの作品の面白さは別のところにあると思っています。 今回マープルは体調不良であまり動けないため、ルーシーという頭脳明晰なスーパー家政婦をお屋敷に送り込むのですが、このルーシーが非常に魅力的な人物に描かれています。 この作品がここまで面白いのは、ひとえに彼女のおかげと言っても過言ではないでしょう。 そしてそんなルーシーと、お屋敷に住むそれぞれ全くタイプの異なる男性陣との恋模様も面白い。 全員に言い寄られるとか、少女漫画みたいな展開をまさかミステリーで拝むことになろうとは…。 ミステリー部分はそこそこに、クリスティの描く人間模様がお好きな方には、この作品を激しくお勧めします。 | ||||
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ルーシーは魅力的で、今作だけの登場なのは非常にもったいない。 登場人物たちの心情や駆け引きの描写はさすがクリスティ! ただ、肝心の謎解きが唐突で、最後マープルが仕掛けた犯人をあぶりだすための手段も結構ギリギリ。成功率が決して高くないでしょ、そのやり方! シチュエーションの面白味を愉しむタイプで、クリスティ作品の中では亜流のサスペンスです。ミステリとはちょっと違う。 | ||||
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発送が早く、良いです | ||||
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ルーシーは結局誰を選んだのだろう〜!? わからないなー。 ドラマ版でも、男達の雰囲気が全然違っていて面白いですね。 ヒクソン版の、画家兄弟の詩のようなセリフ回しは、原作には無いものだったんですね。 | ||||
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犯人はこの人かも?と思わせるが、読者の予想を良い意味で超える!最後の盛り上がりは『流石クリスティ』の感じが最高? | ||||
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アガサ・クリスティ(Agatha Christie)『パディントン発4時50分』(4.50 from Paddington)はイギリスの推理小説である。安楽椅子探偵ミス・マープルが活躍するシリーズの一作品である。 ミス・マープルの友人のマギリカディ夫人は隣の線路を並走する列車の窓から男性が女性の首を絞めて殺そうとしている現場を目撃する。映画やドラマにしたくなるような劇的な導入である。但し、鉄道要素は導入部のみである。時刻表トリックがある訳ではない。その後は資産家の屋敷で物語は進む。それでも導入部の印象が強いため、タイトルは『パディントン発4時50分』がしっくりくる。 犯行動機では離婚を認めないカトリックの特殊性が印象に残る。イギリスではカトリックは少数派と実感した。世界史的には英国国教会の方が異端になるが、イギリスの中では世界的な多数派と少数派が逆転する。少数派が多数派になっている中で別の立場でいることの肩身の狭さを感じた。 本作品はテレビ朝日でドラマ化された。『アガサ・クリスティ 二夜連続ドラマスペシャル パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~』が2018年3月24日に天海祐希主演で放送された。 ミス・マープルは平凡そうな老婦人が難事件を解決するところに妙味がある。それは高齢社会の日本に合った設定と考えるが、ドラマの天海祐希はバリバリのキャリアウーマンになっている。介護離職したという設定が現代日本的である。 本作品はタイトルからして特別な響きを感じる。テレビ朝日のドラマは現代日本に舞台を置き換え、特急列車は西東京から出発した設定にしたが、タイトルを『西東京発4時50分』としても面白味がない。 ドラマでは蒸気機関車が走る一方で、スマホでTV電話するという時代設定がチグハグであった。アガサ・クリスティは、その時代の社会や文化を描いており、現代日本に翻案して謎解きだけをやっても味気なさを感じるかもしれない。 | ||||
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ミスマープルのものでは一番好きです。展開も早く、知的。 論理的な女性が大好きなので。 | ||||
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わたしにとって、アガサの作品の中ではかなり上位にくる作品で、なによりも全ての登場人物のキャラクターが立っているのがいいです。中でも、老年のミス・マーブルの手足となって捜査に乗り出す家政婦・ルーシーは魅力的な人物です。事件の舞台となるクラッケンソープ家の人たちも癖が強くてなかなか面白い人たちです。凝った物理トリックはなく割と素直なフーダニットです。そのおかげでつっかえることもなくスラスラ読めます。 | ||||
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この話にしか登場しないのが残念だが家政婦のルーシーというのがすごい。 そしてルーシーが死体を発見する。 ルーシーはマープルよりも好奇心旺盛だ。 もっとマープルのシリーズに登場すれば活躍しただろうに… | ||||
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ミスマープルの長編。2 時間程度で読めます。 トリックより、登場人物の人間模様、イギリスのカントリーハウス、食事の描写などが興味深い。 巻末の解説に、「マジ常備したい」などという乱暴な表現があり、不快を覚えた。こんな素人の感想文のような解説ならない方がよっぽどいい。 全般的に、クリスティ―文庫の解説は一ファンの思い入れに終始する興醒めなモノが多い。数ページとはいえ、お金を払ってまで読みたい代物ではない。重版するのなら、思い切って解説を外してほしい。 | ||||
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サスペンスといえば、列車ものというくらい、列車の時刻、追い抜く際のできごとと、道具立てはそろっています。 ミスマープルが直接手をくだすのではなく、優秀な助手の活躍しています。 マープルものだけに、ダイヤを詳しく分析するのではなく、目撃者の人を信じるという人間観察、人間描写が中心になっているところが楽しめるところです。 映像作品も見ました。 イギリスの古い屋敷から、文化の香りがしていました。 ps.各国の文化遺産をイギリスに持っていったことの是非は別途議論すべきかもしれません。 | ||||
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サスペンスといえば、列車ものというくらい、列車の時刻、追い抜く際のできごとと、道具立てはそろっています。 ミスマープルが直接手をくだすのではなく、優秀な助手の活躍しています。 マープルものだけに、ダイヤを詳しく分析するのではなく、目撃者の人を信じるという人間観察、人間描写が中心になっているところが楽しめるところです。 映像作品も見ました。 イギリスの古い屋敷から、文化の香りがしていました。 ps. 各国の文化遺産をイギリスに持っていったことの是非は別途議論すべきかもしれません。 | ||||
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本書はマープルものの中で1番面白い作品である。 すれ違う列車の中で起きた殺人を目撃するという出だしはなかなか魅力的である。その後発見された女の死体が一体何者なのか、また誰が何のために彼女を殺したのか。そしてその後に続くクラッケンソープ家兄弟の連続殺人。当主であるルーサー・クラッケンソープを殺すならば、その子供たちや孫に遺産が転がり込むので話はわかるが、なぜその子供たちが殺されるのか、殺された女と何か関係があるのか。盛りだくさんの謎に対する興味は尽きない。 しかし、その謎解きとなると実に腰砕けである。女の死体の正体やクラッケンソープ家の長男エドマンドの行方不明の婚約者マルティーヌの行く末などには意表を突かれて面白かったが、犯人と犯行動機そのものに対する推理というものが何もないのである。また実際、作品中の手がかりから犯人を導き出すのは不可能である。 マープルものにはこういう作品が多く、「灰色の脳細胞」を駆使して真相を推理するポアロと違って、長年の観察により培われた人間性に対する直感を基に真相を探り当てるマープルは、「推理」作品では『火曜クラブ』のような短編集にこそ真価を発揮するのだろう。 その一方、マープルものには読み物として面白い作品が多く、とくに本書は『動く指』と並んで最も面白く仕上がっている。 本書では、死体の捜索役としてマープルに雇われたルーシー・アイルズバロウと、『予告殺人』でお馴染みのクラドック警部がミス・マープルの手足として活躍するが、とくにルーシーの恋愛模様(というか、クラッケンソープ家の誰もが彼女に言い寄る様が)作品に彩を添え、彼女が最後に誰を選ぶかを読者の想像に任せているのも、読後に余韻を残させることに成功している。 | ||||
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本書はマープルものの中で1番面白い作品である。 すれ違う列車の中で起きた殺人を目撃するという出だしはなかなか魅力的である。その後発見された女の死体が一体何者なのか、また誰が何のために彼女を殺したのか。そしてその後に続くクラッケンソープ家兄弟の連続殺人。当主であるルーサー・クラッケンソープを殺すならば、その子供たちや孫に遺産が転がり込むので話はわかるが、なぜその子供たちが殺されるのか、殺された女と何か関係があるのか。盛りだくさんの謎に対する興味は尽きない。 しかし、その謎解きとなると実に腰砕けである。女の死体の正体やクラッケンソープ家の長男エドマンドの行方不明の婚約者マルティーヌの行く末などには意表を突かれて面白かったが、犯人と犯行動機そのものに対する推理というものが何もないのである。また実際、作品中の手がかりから犯人を導き出すのは不可能である。 マープルものにはこういう作品が多く、「灰色の脳細胞」を駆使して真相を推理するポアロと違って、長年の観察により培われた人間性に対する直感を基に真相を探り当てるマープルは、「推理」作品では『火曜クラブ』のような短編集にこそ真価を発揮するのだろう。 その一方、マープルものには読み物として面白い作品が多く、とくに本書は『動く指』と並んで最も面白く仕上がっている。 本書では、死体の捜索役としてマープルに雇われたルーシー・アイルズバロウと、『予告殺人』でお馴染みのクラドック警部がミス・マープルの手足として活躍するが、とくにルーシーの恋愛模様(というか、クラッケンソープ家の誰もが彼女に言い寄る様が)作品に彩を添え、彼女が最後に誰を選ぶかを読者の想像に任せているのも、読後に余韻を残させることに成功している。 | ||||
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ミス・マープルの友人であるミセス・マギリカディが車窓から目撃したのは、 彼女の乗る汽車と並行に走る汽車の客室で、男が女を絞殺している場面だった!! 通り過ぎていく汽車の中の殺人を目撃するという、鮮烈な導入部が印象的な本作。 そこから物語は、ある富豪の遺産問題を巡る確執へと繋がっていきます。 また、本作では、病院での勤務経験のあるクリスティらしく、ある 毒薬が重要な役割を果たしているのも、見逃せないポイントです。 | ||||
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ミス・マープルの友人であるミセス・マギリカディが車窓から目撃したのは、 彼女の乗る汽車と並行に走る汽車の客室で、男が女を絞殺している場面だった!! 通り過ぎていく汽車の中の殺人を目撃するという、鮮烈な導入部が印象的な本作。 そこから物語は、ある富豪の遺産問題を巡る確執へと繋がっていきます。 また、本作では、病院での勤務経験のあるクリスティらしく、ある 毒薬が重要な役割を果たしているのも、見逃せないポイントです。 | ||||
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先にいってしまうと、本格推理小説としてだけで読むなら物足りないと思います。 つかみの突拍子のなさは面白いけど、種明かしはちょっと尻切れトンボ。 ただ、アガサの作品の楽しみってそれだけではない、というファンも多いはず。 この作品、ミス・マープルシリーズの一作ではありますが、 ちょっと異色なのは、中心的に動くのが彼女ではない、というところ。 体調の思わしくないマープルに代わって、 好奇心旺盛で機転の利く、若く美しい女性が、家政婦としてあるお屋敷に忍び込むのです。 だから典型的な英国のお屋敷の日常が生き生きと描かれます。 家政婦だから、当然料理もします。 アガサの魅力でもある、美味しそうな伝統的英国料理の描写も見事です。 アガサの作品は、単に推理小説としてだけではなく、 ヴィクトリア朝的な味わいが好みなの!という方だったら、 この作品、バートラムホテルと共に、太鼓判押せます。 そして、何せ若く美しい彼女のこと、お屋敷の住人である、 様々なタイプの魅力的な男性陣との、恋の駆け引きもそこかしこに。 ミス・マープルのシリーズでありながら、家政婦さんが 「トミーとタペンス」シリーズの若かりし頃のタペンスを彷彿とさせて、 結果として、両方の魅力を味わえます。 というわけで、読み物としてはとても楽しめるんじゃないのかな。 スタイルズ荘はドラマ映えしましたが、 こっちも美男が沢山出てきて、 ドラマにしたら女性受けが良さそうだな、と思いました。 | ||||
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列車内にいる老婦人がすれ違う列車の中の殺人事件を目撃する。老婦人はその事を周りに訴えるが信じてもらえない。困った老婦人はマープルの所へ訪れるのだが...。冒頭の列車のシーンはヒッチコックの映画「バルカン超特急」を思い起こさせる。オールド・ファン向けの作品である。 マープルは自分の代わりに家政婦を目を付けた屋敷に潜入させ推理を進める。安楽椅子探偵である。もっとも、その屋敷に潜入させた時点でマープルには犯人の目星は付いている訳だが。クリスティらしいストーリー展開は健在で、古き良き時代の雰囲気が味わえるミステリ。 | ||||
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