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三幕の殺人(三幕の悲劇)
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【この小説が収録されている参考書籍】
三幕の殺人(三幕の悲劇)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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クリスティはどんな作品でも圧倒的リーダビリティで読ませてしまう。 レトリックを駆使するタイプではないからその技術がみえにくいが、 つまりは文章が上手いということだと思う。 本作は舞台劇のような仕立てになっており、そのつもりで読めば 当然犯人は配役でわかってしまう。 クリスティもそれは分かっていたはずで、 したがって本書の一番の謎解きはフーダニットではなくホワイダニットになっている。 これから本書を読む人は、なぜ事件が起こったかを考えて読んでもらいたい。 古今東西の名優たちを想像しながら、 自分だけの舞台を妄想して本書を読んでみるのも面白い。 | ||||
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この物語の登場人物の一人サタースウェイト氏は、短編集「謎のクィン氏」の探偵役でもあります。 この作品で死体は見たくないとか言っているサタースウェイト氏が、「クィン氏」の後半では進んで死体を見に行っていることから時系列的には「三幕の殺人」→「謎のクィン氏」だと思うのですが、「クィン氏」の方を先に読むのをお勧めしたいです。なぜなら「三幕」の後に「クィン氏」を読んで、私はすっかりこのサタースウェイト氏という紳士が好きになってしまったからです。 この「三幕の殺人」は優れた作品ですが、3人の素人探偵が主体の前半がやや長く感じられます。これをサタースウェイト氏にもっと感情移入しながら読めたら、より面白く読めたのではないかと思った次第です。 しかし第一の殺人のトリックと動機は、最後までわからなかった! 犯人と第二の殺人のからくりは何となく予想がついたのですが。 | ||||
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最初は、淡々と話が続いていたのに、真相がわかりはじめるとただただ驚きの連続で、最後はゾクッとするほどかっこいい!!こんな読書はそう体験できるものでなく、興奮してしまった!殺人の動機も、”法律による救済のない悲劇的ケース”ということで、そんなことがあるのかと驚かされた。エッグ嬢の絶望は想像して余りある。前半の書きぶりもすべて計算されていたものと思うと、唸らされる。前半期待していなかった分、後半のギャップが凄くて、一推しの作品です! | ||||
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やはり面白いです。子育て中の息抜きにかなり助けられています。 毎回、犯人にはおお、そうか〜!と唸らされます。今回は登場人物の描写に笑ってしまいました。アガサクリスティーは天才でユニークですね。 | ||||
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冒頭にあるいつもの登場人物紹介とは別に、 この事件を舞台に見立ててスタッフ(人物)紹介をしているページがあります。 「演出」「演出助手」とある中、「照明」にポアロの名が。 捜査は3人の素人探偵に任せて、今回ポアロはその3人に照明をあてる影に徹しています。 ポアロの出番が少ないのでちょっと寂しいですし、素人探偵の3人だとあまり捜査が進んでいる気がしないのが残念でした。 しかし3人のやりとりはテンポ良く描かれており、クリスティのキャラ付けが上手いのもあって、読み物としては結構楽しめました。 トリックですが、私の見落としがなければ手掛かりが全て開示されていたわけではないようでしたので、少し釈然としない感じはあります。 しかしながら第一の殺人の動機が斬新なのと、ラストのポアロの台詞が面白かったので、読後感はとても良かったです。 少しネタバレになりますが、途中から某人のポアロに対する態度や評価があんまりだなあと思っていました。 しかしそれがポアロの作戦だったのが最後にわかり、さすが!と感動しました。 犯人はなんとなくですが途中でわかってしまったので、犯人を暴くシーンよりも個人的にはこちらの方が楽しく印象的でした。 | ||||
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すっかり騙された。お見事! | ||||
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この作品は凝った構成で、登場人物一覧とは別に、三幕の芝居に 見立てて、演出・演出助手として名前が並び、最後に「照明係」としてポアロの名前が出てくるのが目を引く。牧師の毒殺事件に挑むのは、通称「エッグ」と言う美少女と、彼女の両脇を固める2人の初老男。この3人の素人探偵が主役で、ポアロが脇役に回る趣向。 いかにもクリスティー好みなお転婆娘エッグを始め、素人探偵団は関係者の聞き込みに回って奮闘するが、真犯人の見当も付かず、第二の殺人を起こしてしまい、捜査は暗礁に乗り上げる。そこでポアロが登場し、名推理で真相を暴く、という筋立てだが、ポアロ=照明係と言うのは言い得て妙だった。 ネタバレになるので書けないが、不可解な殺人動機が最大の謎か。第2の殺人動機も「お前血迷ったのか」と言いたくなるが、第1の殺人は普通あり得ない鬼畜なもので、こんな理由で殺されては牧師も浮かばれまい。目的のためには手段を選ばない、実に卑劣な殺人動機だったと言っておく。 本作最大の見所は、真犯人の意外性で、それを効果的に演出したクリスティーらしいミスリ-ドが光る技巧的な作品だったと思う。素人探偵団のグダグダぶりもポアロの名推理を引き立てていたと思うが、「エッグ」や真犯人の心理描写か乏しいのは少し物足りなさを感じた。演劇的描き方ではあるが、こんな卑劣な動機で殺人に手を染める人間の心理が、少しでもあれば、と欲求不満を感じたのである。 | ||||
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他の方のレビューにもありますが、創元文庫版の「三幕の悲劇」とは 訳者が違うというレベルでは無く、クリスティが2パターンの動機を用意したというくらいの違いがあります。どちらが好きかは好みがありますが、どちらも読んでみることをオススメします。 が、創元文庫版の方を先に読んだほうが良いです。(ある仕掛けをより楽しめるからです) | ||||
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まさにクリスティー作品自体が『トランプで作ったお城‼︎』です。 | ||||
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なんでも、イギリスの男は五十五歳になると若い娘に熱を上げて恋に血道を上げる「五十五歳恋愛症候群」なるものにかかるらしい。 でも本文の中に、言葉が違っても世界中どこでも人間というものは変わらない、的な言葉もあるからイギリス男に限った話しではないのかもしれないけれど。 私の夫が五十五歳になるまであと数年。 果たして大丈夫かな? いや、それにしても。 30も歳の離れた夫婦とか恋人とか、ないわー。 それはそれとして。 アガサ・クリスティは若いカップルが好きね。 | ||||
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クリスティーの34年に発表のポアロものの長編ミステリーである。 代表作が連発された全盛期の30年代の作品としては一般的な知名度はあまりない作品であるが、この2年後に発表される代表作のABC殺人事件のプロットの原型とも言うべき作品である。 以前のアクロイド殺しと似たプロットでもあるので、この2作の影に隠れてしまうのは否めないが、演劇を模した3幕構成でシンプルながらも、最後まで一気に読ませる。 クリスティー作品はトリックよりも動機がメインなので、本作も何故このような事件が起こったのかという動機の面で最後まで引っ張る形だ。 | ||||
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最後の最後で犯人が明かされた瞬間、アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)を思い出した。 若干、似通った結末(犯人が実は…という様な部分)である。 それに加えて、今回の事件の犯行は、ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)にも相通ずる部分もある様だ。 故に、本作は、前述の両作品の中間地点的な作品だと個人的には思われる。 | ||||
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ある事件を捜査したり、恋愛指南をしたり、とある人物を立てたり、大活躍でした。 | ||||
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作品全体を舞台に見立てた三幕構成の作品で、幕ごとに殺人が起きる。表舞台の主役はチャールズ、観客(読者と同じ目線の人物)がサタースウェイト、そして舞台裏で謎解きをになうポアロが陰の主役といったところだろうか。この作品は作者黄金期の1935年の作品だが、前後に「オリエント急行の殺人」と「ABC殺人事件」という作者の代表作に挟まれている割には、それほど人気のある作品ではない。では、なぜ本書が人気がないかというと、「本格ものだから」ではないかと思う。「オリエント〜」と「ABC〜」は派手な見かけや設定のせいで大衆ウケはするが、どちらも謎はあっても謎解きの論理が弱く本格ものとしてはイマイチで、玄人ウケはしない。本書はその点、論理構成がしっかりしており、江戸川乱歩が選ぶ作者ベスト8に「オリエント〜」も「ABC〜」もなくて本書が入っているのも、そういう理由ではないかと思う。ただ、本書には謎を解き明かすための手がかりとか決め手がないに等しく、勘に頼る以外に犯人を指摘するのはまず不可能。そういう意味で1点マイナスの星4つとした。 | ||||
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犯人が群を抜く鬼畜です。もちろんポアロもので鬼畜という犯人は例に漏れず犯行が発覚してもしらばっくれてくれます。面の皮も厚いようですよ。目を惹くのはトリックよりもその動機でしょう。特に第一の事件のその動機です。これが本当に驚愕の一言に尽きるでしょう。そう、他の作品ではまず用いられることのない動機なのですから!!そして犯人指定もまさに驚愕。でもそれは読みなれている人には残念ながら大体推測できることでしょう。とことん犯人が鬼畜です。それは犯人登場のときによくわかることでしょう。それとともに散るものも… | ||||
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ポアロが引退したがっていた後の設定になっている。 それなら、途中から登場させてもよかったのにという気がする。 探偵が殺人事件を引き寄せるという文言は、あまり嬉しくない。 主人公が俳優のためか、解説は俳優の日色ともゑさんが書かれています。 クリスティの本に由来の土地を旅行されたとのこと。羨ましい。 もう少し、クリスティの本を読んだら、一度旅行したいと思います。 話の中で、出てくることが「ピン」と来ないことが多く、読んでいても、服の上から掻いているような感じです。 ハリーポッッターのように、架空のことだという前提で読めば、想像力がもう少し働くのかもしれません。 | ||||
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どんな一言も疎かにせず、 よく噛締めて読みすすめる。 ちょっと変、ひっかかりの感覚を頼りにして、 それで著者に迫り得るかもしれませんが、 それはお楽しみ半分と言うものです。 自分の人生経験、人間観から 「カードで家を組み立てる」、 「真実を解明するのは内なる頭脳」で、 「考えるための時間」なのですね。 次に開く作品で試してみます。 | ||||
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引退した俳優が主催したパーティで善良な老牧師がマティーニを口にした途端死んだ・・・人に恨みをかったり、金銭問題に巻き込まれるようにも見えない純朴な老牧師がなぜ?数ヶ月後、俳優の友人が同様の状況で死んだ・・・二つの事件に繋がりはあるのか?ポアロでさえ、途方にくれるが・・・三幕仕立てで送るクリスティの佳作 早川文庫版は、冒頭に「演出」「演出助手」「衣装」「照明」とスタッフが紹介されている。スタッフの欄に目を通すと登場人物の内からそれらしい人を振ってあり、遊び心にあふれている。ちなみに「照明」は「エルキュール・ポアロ」・・・真実を照す人なんですなぁ・・・ 正直、云ってこの作品のトリックは、かなりとんでもない。「ふざけるな」と本を叩きつける人がいても驚きはしない。賛否両論は、必死かもしれない。しかし、自分は、感心した。かなりとんでもないトリックではあるが、最後に明らかにされる犯人なら、いかにも実行しそうなのだ。何気なく読んでいる内は気付かなかったが、要所、要所にさりげなく、時には大胆にその人物の特性が描かれていて、云われて見れば・・・いかにもこの人なら・・・と言う当たりが心憎い。読み終えてみるとこの犯罪自体が、犯人のそのもの・・・いうならば、「ある犯罪者の肖像」なのである。 5星でも構わないが・・・完成度と言う点で少々落ちる気がするので、星4つ。とはいえ、衝撃度は星5つでも足りないかもね・・・ | ||||
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長年にわたって「ハヤカワ・ミステリ文庫」などで読み継がれてきたアガサ・クリスティーの作品が、「クリスティー文庫」として装いを一新、2003年10月から2004年11月までに、全100冊が刊行される。クリスティーの作品は、贅肉を削ぎ落とした、簡潔明瞭でセンスのよい文体で書かれており、元々、テンポよく、流れるように読み進めることができ、読み疲れしないのが特徴だが、新文庫化にあたり、活字が一回り以上、大きくなったことによって、一層、読みやすくなったことは、高く評価したい。ただ、新文庫化にあたり、さまざまな点について見直しを図りながら、新訳を一部の作品にしか取り入れなかったのは、どうしてなのだろうか。おそらく、今後、数十年にわたって「クリスティー文庫」として出版し続けていくのなら、この際、全作品を新訳で出してほしかったというのが、クリスティーファンの偽らざる本音ではある。さて、この作品は、その待望の新訳本である。三幕仕立ての殺人事件、その中でも、偶然の産物としか思えない第一幕の殺人が、ポアロを混乱させる。狡猾な犯人が仕掛けたトリックを、ポアロがどのように看破するのかが見どころの作品であるが、新旧の文庫本を読み比べてみると、ほとんど同じフレーズのない大きな違いに驚かされる。図らずも、日頃、我々が親しんでいる翻訳物は、原作を訳者を透かして読んでいるに過ぎず、訳者の感性、センスや、時には創作的能力が色濃く反映されていることとか、日本語の奥深さや表現力の多様さに思いを巡らす結果となったが、それと同時に、どちらも、クリスティー以外の何物でもなかったこと、ポアロ以外の何物でもなかったことも事実である。考えようによっては、ミステリファンの永遠の宝ともいうべきクリスティーの作品に、さまざまな訳者のそれぞれの訳を通して触れることのできる我々日本人は、世界で最も幸せな国民といえるのかもしれない。 | ||||
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探偵ポワロものの長編第9作。 1935年作。 最も油の乗っていたころの作品でこの年には他に「大空の死」「ABC殺人事件」を出版している。 登場人物の一人サタースウェイト氏はクリスティが創設した別の探偵、クィン氏の作品の狂言回しとしても登場する。 当時としては(ミステリ史上)珍しい一作。 (他にはJ・S・カーに同様の例がある)。 訳は詩人、西脇順三郎。 この当時の創元推理文庫は「ABC殺人事件」の堀田善衛、「矢の家」の福永武彦、「日時計」の丸谷才一など著名な文学者を訳者として起用している。 本編はいわゆるあたりはずれの無い、古典的な作品。 特に派手さはないが読んで損なし。 | ||||
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