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ファイアーウォール
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ファイアーウォールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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「刑事ヴァランダー」シリーズ第8作。いわゆる「サイバー・テロ」に関わる事件を追う。と言っても、足を使う刑事であるヴァランダーは、コンピュータを駆使して謎を解くのはプロフェッショナルに任せざるを得ない。それゆえ彼の孤独感・疎外感・将来への不安感は増すばかりである。そのあたりの描写がいい。「新しい芸を習うことのできない老犬だ。」という言葉が心にしみる。それでも最後にようやく少し明かりが見えるところで本作は終わる。 | ||||
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世界はサイバー戦争真っ只中、ヴァランダーはネット社会で孤立してゆく。刑事の感と足を使っての捜査で サイバー空間に立ち向かってゆくが、その姿はまるでドンキ・ホーテの様で悲しい。そんな寂しさを見透かす様に美女が現れた・・・。シリーズの連読は小休止・・ヴァランダーの悪い部分がのり移って疲れました。 | ||||
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ファンからすると、この巻は、すこしがっかり。ヴァランダーの短所がみな裏目に出て、いいところがないというか。作者に、面白くないことがあったのではと勘繰りたくなります。 署長や同僚とは喧嘩するし、いとも簡単に女の罠に引っ掛かって情報は漏らすし、しかもそれを隠蔽する。愛すべきヴァランダーが、やな奴に見えてくる。 しかし、シリーズ物には、こんな巻もあるものなのでしょう。リンダの事が楽しみになってきたし、次はクルトの挽回を期待します。 | ||||
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毎回社会問題を取り上げる刑事ヴァランダーシリーズだが、今回はサイバーテロである。 一見何の脈絡もない少女によるタクシー強盗殺人、路上の変死体、変電所での殺人と大規模な停電等が次々と田舎町イースタで発生し、捜査陣をきりきり舞いさせる。そして、捜査の焦点は変死体となった男の残したパソコンの厳重なファイアーウォールを突破し、隠された犯罪計画の全体像を解明することに収斂していく。 ここで登場するのがペンタゴンのシステムに侵入して処罰されたハッカーの若者であるが、ハッカーと言えば北欧ミステリーの読者は『ミレニアム』三部作のリスベット・サランデルを想起するのではなかろうか。しかし、『ミレニアム』の第一部が2005年に刊行されたのに対し、本書が刊行されたのは1998年であり、ハッカーやサイバーテロを扱った推理小説として本書は先駆的なものといえよう。 主人公のヴァランダーは旧世代の刑事なので当然こうしたIT犯罪には全く対応できないが、前科のあるハッカーをいち早く活用する勘のよさを見せている。しかし、本書ではヴァランダーは取調中の少女殴打疑惑や信頼していた部下の裏切り、挙げ句の果てはハニートラップにまで引っかかり、ヨレヨレの状態で捜査を指揮する。そして、それがストーリーの手に汗握るスリリングな展開の仕掛けにもなっている。このあたりの「アンチ・ヒーロー」ともいうべき人物造形は実に巧みで面白く、著者がこの主人公に愛着を感じて楽しんで書いているのではないかと思う。 ただ、プロットが広がりすぎたためか、最後まで解決されない謎が残ってしまっており、その点で☆を1つ減らした。 | ||||
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10月のある夜タクシーの運転手が殺される。 犯人は19歳と14歳の少女。 犯行の動機はただ金が欲しかったからと淡々と答え反省の色は見えない。 ほぼ同じ時刻にスーパーマーケットの近くのATMの前で一人の男が倒れ死んでいた。 タクシー強盗を働いた二人の少女のうち19歳の少女ソニャは警官の隙を狙い逃亡した。 そしてイースター周辺一体に停電が起きた夜、郊外の変電所内の高圧電流の配電線の上でソニャは黒焦げ死体となって発見された。 これは自殺なのか。それとも殺されたのか。 一方、ATMの前で死んでいたITコンサルタントの男性の死体が死体保管所から盗み出され、代わりにソニャとの繋がりを疑わせる壊れた継電器が置かれていた。男の周辺を調べ始めたヴァランダーはコンピュターに侵入するために天才的なハッカー少年の手を借り真相に迫って行く。 これは世界経済を崩壊させる目論見を企てた男たちとの戦いの物語。 構成がしっかりしてるのでダレることなく最後まで一気に読めました。 これはドラマのシーズン1の第2話「混沌の引き金」の原作みたいね。でもわたしは見てないの。 ドラマのヴァランダーはいつも疲れた様子を見せて見ているこちらも疲れちゃうのだが、まあこれを読むと毎日激務で2、3時間ぐらいしか寝ていず、それと警察署内での同僚たちとの間に軋轢があり疎外感を感じながらも淡々と職務をこなしていく仕事人間のヴァランダー。 孤独で消耗しきった様子の内訳がコレを読んでよく分かったわ。 コンピュータ社会の危うさや今や世界全体に広がる目的を見失った若者たちの投げやりな張りの無さも見せてくれる、いろいろ詰まった密な小説で面白かったです。 | ||||
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面白くこのシリーズを読んできているのですが、この作品は少し内容が 粗いと思います。 キーマンが自然死か否か、衝撃的な感電死の意味、少女の証言撤回など、 肝心なところが全て消化不良です。 極めつけの、出会い系で知り合ったばかりの女性に全幅の信頼を寄せて 重要な協力者を預けるに至っては、後は流し読みになってしまいました。 しかも、その女性が殺されたことを幸いに、主人公は恥ずべき大ミスを 隠ぺいしたようです。 流石にこれはスウェーデン警察への愚弄ではないでしょうか。 好きなシリーズだけに残念です。 | ||||
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ヴァランダー・シリーズの邦訳8作目。創元推理文庫というとマニアックなイメージが強く、自分には敷居が高く、手を出しにくかったのだが、そのイメージを打ち破ったのがヴァランダー・シリーズであった。以前からこのシリーズはスウェーデン版のハリー・ボッシュ・シリーズではないかと思っている。ミステリーと併せてヴァランダーが孤軍奮闘するハードボイルドな香りがハリー・ボッシュ・シリーズに似ている。 最初は『ファイアウォール』というタイトルが昔気質のヴァランダーと結び付かず、面食らった。また、この上巻の前半で描かれる事件も大して大きな事件とも思えず、ヴァランダーが過去の亡霊と向き合うスローな展開が続き、警察組織のゴタゴタが描かれるだけかと高を括っていた。しかし、二人の少女によるタクシー運転手殺害事件のとITコンサルタント変死事件とがシンクロし、いよいよタイトルと結び付く展開が始まると物語は俄然面白くなる。そして、冒頭からのスローな展開の全てが作者の仕掛けた罠だったことに気付き、二重に驚かされる。 結末の断片が少し見え始めたばかりの上巻。果たして真実は如何に。 | ||||
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ヴァランダー・シリーズの邦訳8作目の下巻。上巻と比べてテンポは速くなり、一気に事件の真相へと突き進むストーリーには迫力を感じる。また、これが1998年の作品というから驚く。まるで現在のネット社会の到来を予想していたかのようなテーマをベースにスケールの大きなミステリーが描かれる。 | ||||
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上巻はまだ読み手を引き込ませるスリリングな展開でしたが、下巻になると間延びして結局ラストのみよんでおわりました。 犯人の動機とか事件の全容も結局しっかり描かれないまま終わっていて、何の意味があって伏線はったのかわかりませんでした。 非常に中途半端でした。 なぜ好評なのかわかりません。 | ||||
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ファイヤーウオールと云うより I Tウオールだったな。 佐伯泰英氏の推薦だけあって中身はとても面白かった。 ただ日本人にとってはカタカナ名前が とても覚えにくい。 栞に人物紹介を印刷するサービスは出来ないものだろうか? | ||||
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読むスピードの過去と比べて遅くなったがある意味でゆっくり読むことで味わいのある作品に出合うことができた。この作品はその要求にぴったり。 | ||||
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人間味あふれる刑事ものとして、このシリーズは好きです。IT先進国のスエーデン、でも、誰でもパソコンを使いこなせるわけじゃない。 | ||||
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読んでいて今ひとつだったマンケルを、この冬一挙に読みました。ヴァランダーシリーズの魅力は、悩める主人公なのです。彼と同じくらいの年齢層の方には、共感できる部分が必ずあると思います。かくいう私もその一人。シリーズを読み進めるうちに、いろいろな人物関係が分かってきておもしろいです。もうこのシリーズはおしまいなのでしょうか。誰か教えていただけると嬉しいです。 | ||||
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スエーデンの人気推理小説作家の作品である。娘がストックホルム在住なので何気なく手にとった長編。物語の性質上、このレビューでは筋書きの深追いは止めて、読者になるためのモチベーションを喚起するだけに留める。スエーデン南端の港町イースタの警察署が舞台である。少女によるタクシー運転手殺害の事件から次々と起こる殺人事件、一見無関係に見える事件の間に深い関係ありと、捜査責任者ヴァランダーは推察する。実は背後に社会正義に燃えた数人の天才による、世界の金融システムを同時破壊する大規模なサイバー・テロが仕組まれていたのである。皆さんは日本のメガバンクがシステム統合のたびに、ATMが使用不能となって困惑した経験がおありだろう。今の世界ではパソコンのマウスのクリック一つで殆どあらゆる金融取引がグローバルに瞬時に決済されてしまう。これが一握りの邪悪な(本人は正義の味方か神の使いと思っているかも)人間によって破壊されたら、何ヶ月にわたって世界経済は停止してしまう。逆戻りできないIT社会はきわめて脆弱である。著書では一向に進展しない捜査が描かれ、読者は手に汗をにぎる。さて結末はどうなる。この本ではスエーデン社会での女性の職場進出や離婚率の高さなどがサイドエフェクトとして実感される。また捜査チームの人間関係に滅私奉公的なものがあり昔の日本人のようで興味深い。一読をおすすめ。 | ||||
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シリーズ8作目ですか。 愛すべき「ぼやきヒーロー」ヴァランダーも、ダルジール化、フロスト化は否めないところでしょうか。 なりふりかまわぬ捜査に右往左往する、キケンな暴走おやじデカになりつつあります。 いや、ほんと、とんでもないぞっ、ヴァランダー! それにふりまわされる、個性あふれる部下や同僚が気の毒で。 今回はあぶない「お遊び」にも痛い目にあい、反省するかと思いきや、一直線に「わが道をゆく!」その雄姿(爆)? もう、正直、事件なんてどぉーでもいいです。 プロットもへったくれもありません。 登場人物の魅力だけでも読者をじゅうぶん魅了するヘニング・マンケル。 その職人ワザに酔うために、今夜もページを繰るのです。 この「ファイアーウォール」も、仕事はイヤイヤ、私生活もダメダメ、と人生に嫌気がさしている私の、そしてアナタの、共感をよんで余りあります(きっと)。 読み終わってしまうのがもったいない、そしてまた次作が待ちどおしくてならない、・・・・・ヴァランダー中毒患者は増加の一途でしょう(たぶん)。 | ||||
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ヘニング・マンケルの刑事ヴァランダー・シリーズ最新作。 50歳を迎え、ミッドライフ・クライシスまっただなかのヴァランダーが新たな事件に挑みます。 19歳と14歳の若い女性が起こしたタクシー強盗事件の捜査を担当するヴァランダー。 「今の若い者のすることはわからん」とスウェーデン社会の変貌に対する慨嘆の念を あらわにするあたりはこれまでの作品と似ていますが、女性の一人が無残に殺されてから 世界的な陰謀事件の全体像が少しずつ明らかになっていきます。 IT社会の影の部分が危惧とともに描かれますが、本書に登場するものと同様の事件へのおそれが 日常茶飯事になりつつある昨今、マンケルの時代をとらえる目の鋭さには改めて感心します。 「誰でも世界の中心になり得る」IT社会の脆さと怖さが迫真的に捉えられています。 上司との不仲、同僚への猜疑、友人との離別、新時代のIT犯罪についていけないあせりなど、 50歳になったヴァランダーの哀愁に満ちた心理の描写も泣かせます。 このシリーズの醍醐味はミステリーの謎ときもさることながら、 現代社会の持つさまざまな矛盾に苦しむ人間たちの哀しみをヴァランダーが 静かに受け止めているところかもしれません。 展開は相変わらずスピーディーでスリリング、シリーズの翻訳者、柳沢由実子さんのあとがきも秀逸です。 常に現状に対する批判の目を忘れない社会派の巨匠マンケルらしい佳作です。 | ||||
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14歳と19歳二人の少女がタクシー運転手を襲う事件が発生する。逮捕された彼女らは金欲しさの犯行と自供するが何の反省の色さえない。50歳を過ぎたカート・ヴァランダー警部にはそんな彼女たちの態度が理解できなかったし、何故このようなことをしたのかを理解できないでいた。尋問の席でも、ふてぶてしい態度は変わらず、母親を罵倒し殴った14歳のエヴァにヴァランダー警部は、おもわず平手打ちを食らわせてしまう。ところがその瞬間をマスコミに流されてしまう。この事件を事務的に済ませようとする署長、同僚等への不信感と孤独感にヴァランダーは苛まれる。俺はやっていけるのか?・・・と。 ところが、タクシー運転手殺人で逮捕された19歳のソニャが脱走し、変電所で死体となって発見された。単純と思われた事件のフェイズが一変する。 話は此処から佳境に入るのです。 タクシー運転手の事件が起こった頃、一人の男性が現金自動支払機の前で死亡していた。病死だと思われたそのITコンサルタントの男性の死体がモルグから盗まれ、かわりにソニャとの繋がりを疑わせるものが置かれていた。男の身辺調査を始めたコンピューターに疎いヴァランダーは天才ハッカー少年の手を借りることになる。この辺から話のテーマは殺人事件からテロリストにかわる。それも現代的なコンピューターがらみの。 流石にこの著者は面白く読ませる。レビューアーが感じ入ったのは、著者の50歳ヴァランダーの心理描写です。若者たちとの心理的ジェネレイション・ギャップ、新時代の犯罪について行けない中年過ぎの自分自身への葛藤等の描写は秀逸です。 この心の壁こそFIREWALL。 もちろん上下一気読みで! | ||||
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14歳と19歳二人の少女がタクシー運転手を襲う事件が発生する。逮捕された彼女らは金欲しさの犯行と自供するが何の反省の色さえない。50歳を過ぎたカート・ヴァランダー警部にはそんな彼女たちの態度が理解できなかったし、何故このようなことをしたのかを理解できないでいた。尋問の席でも、ふてぶてしい態度は変わらず、母親を罵倒し殴った14歳のエヴァにヴァランダー警部は、おもわず平手打ちを食らわせてしまう。ところがその瞬間をマスコミに流されてしまう。この事件を事務的に済ませようとする署長、同僚等への不信感と孤独感にヴァランダーは苛まれる。俺はやっていけるのか?・・・と。 ところが、タクシー運転手殺人で逮捕された19歳のソニャが脱走し、変電所で死体となって発見された。単純と思われた事件のフェイズが一変する。 話は此処から佳境に入るのです。 タクシー運転手の事件が起こった頃、一人の男性が現金自動支払機の前で死亡していた。病死だと思われたそのITコンサルタントの男性の死体がモルグから盗まれ、かわりにソニャとの繋がりを疑わせるものが置かれていた。男の身辺調査を始めたコンピューターに疎いヴァランダーは天才ハッカー少年の手を借りることになる。この辺から話のテーマは殺人事件からテロリストにかわる。それも現代的なコンピューターがらみの。 流石にこの著者は面白く読ませる。レビューアーが感じ入ったのは、著者の50歳ヴァランダーの心理描写です。若者たちとの心理的ジェネレイション・ギャップ、新時代の犯罪について行けない中年過ぎの自分自身への葛藤等の描写は秀逸です。この心の壁こそFIREWALL。 もちろん上下一気読み! | ||||
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