■スポンサードリンク
エコー・パーク
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
エコー・パークの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.65pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
AmazonPrimeの「BOSH」を全シーズン観終わった後からマイクル・コナリーの原作を第1作目『ナイトホークス』から読み出し、ようやくドラマのファーストシーズンに使われた原案の一つである本作(ハリーボッシュシリーズとしては第12作目、コナリーの作品としては17作目)にたどり着きました。 ドラマはファーストシーズンがうまくいかないと、当然セカンド、サードと続かないわけで、ファーストシーズンにはかなり力を入れて脚本が書かれたであろうことが予想されますが、その原案として『シティーオブボーンズ』と本作が使われているのは、それだけ本作の出来が良いということなのでしょう。 相変わらずのクオリティーの高さが維持され続けており、ドラマとかぶる部分もありますが、そんなことも気にならないグイグイと読ませるマイクル・コナリーの筆力に舌を巻きます。 本作でボッシュとともに活躍するFBI捜査官レイチェル・ウォリングは、新聞記者マカヴォイが主役の『ポエット』で初登場し、その続編『天使と罪の街』でボッシュと共演して以来の三度めの登場です。 レイチェルの魅力は次のように表現されています。 「息をのむほど魅力的で、なおかつ一見して分からないものの、どこかに傷を負っている雰囲気」が漂よう目を持っている。 そんなレイチェルに惹かれるボッシュ。 なぜなら、その目はボッシュが鏡の中に見出す自分の目と同じだからだ。 それは内面から傷ついている目だ。 コナリーもレイチェルが気に入っているようで、本作以降も何度か登場するようですね。 マイクル・コナリーといえばやはりボッシュシリーズが柱ですが、これまで読んできたコナリー作品では元FBI捜査官テリーマッケイレブを主役とする『わが心臓の痛み』のあまりの面白さに驚かされた経験があります。 本作『エコーパーク』の前年に発表された『リンカーン弁護士』は未読ですので、次からはコナリーの新シリーズであるミッキーハラーものを読んでいこうと思います。ミッキーハラーもの2作目『真鍮の評決』にてボッシュとの共演があるとのことでこれも楽しみです。 『わが心臓の痛み』で味わった新鮮な驚きを期待しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容がちと荒唐無稽な気がするので前作「終結者」より劣ると評価します。警察・検察ら法執行官はボッシュがいかに優れた嗅覚をもつ刑事かを理解し、陰謀を企むならばボッシュが一切関わらない事件に限るといいかげん学習しなければいけません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
シリーズ12弾は、ラストまで二転三転。 結末をここまですっきりさせるところは、小説ならではのエンタテイメント。 ボッシュが自負する強い刑事魂は、実はダークな面もあり(本人の認識は如何ほど?だが)、そこがこのシリーズをおもしろくしている。正義感満々で清廉潔白なだけだと退屈だ。 本作では#10『天使と罪の街』で微妙な別れ方をしたFBI捜査官レイチェル・ウォリングと非公式の共同作業を行うが、やっぱり微妙な関係。 ボッシュの推理力が際立ち(時に的を外すが)、自宅待機を命じられても聞かず、孤軍奮闘するところがいい。 余談だが、そういえば(やっぱり現れた)アーヴィングは…?と、どんでん返しのうちに存在を忘れてしまった。 レイチェルが再三自分のことを「女の子」と表現するところは受け入れられなかった。原文がどうなっているのかわからないが。40代にはなっていると思われ、とても“愛嬌”と流せない。女性として恥ずかしい。まあ、現実いくつになっても「女子会」とか言っているのだが…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2020年の1月にボッシュシリーズのKindle版がセールを行っていたので、第一作『ナイトホークス』から『ラスト・コヨーテ』までをまとめて購入。すっかりハマりました。第一作は92年、電話ボックスを探して走るボッシュ。その後も電話回線でネットに接続したり…昔は大変だったんだなあ、などと呑気にウナっていたら、3月のコロナ禍で自宅待機。この際だからと一気にスピンオフも含めて、コナリー17作目の本作『エコー・パーク』まで読了。 やはり発表・発売順(スピンオフも)に読むことをオススメします。毎回変わる彼女や妻。対立・妥協を経て互いに認め合いながらも、今作では完全に敵対したアーヴィン・アーヴィング。ジェリーやキズミンら同僚達との友情や信頼。ボッシュ自身の生い立ちやベトナム兵時代のトラウマとその克服。何より刻々変化し、ある面では何も変わらないLAという都市と犯罪は時系列で読むことでより味わい深くなります。 しかし、重要なスピンオフ『わが心臓の痛み』、その続編ボッシュシリーズ第7作『夜より暗き闇』、ボッシュシリーズ14作『ナイン・ドラゴンズ』はKindle版が有りません!一刻も早い電子化を希望します。 以上、本作というよりボッシュシリーズの感想・レビューでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
マイクル・コナリーのストーリーを進める手法の上手さは、読者を主人公ボッシュに感情移入させることで、ボッシュがミスディレクションに気が付くと同時に読者も気が付き、その袋小路で戸惑うと読者も戸惑わせることである。 ボッシュが次に進むヒントに閃くが、読者は一歩遅れているから慌ててその閃きに追尾してゆくことになる。 サプライズの次にまた次のサプライズを用意するという著者コナリーの緻密なプロット構成の上手さには舌を巻いてしまう。 本書『エコー・パーク』を、評者は読むことをパスしていたが、『転落の街』を読み終え、あえて時系列を遡り読んでよかったと思っている。 なぜならシリーズの中でもコナリーの指折りの力作であり楽しめた作品だったからである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読むのをパスしてしまった本書『エコー・パーク』(2006年:邦訳刊行2010年)を、入手して読むことにした。 13年前、車だけ発見され、その車に乗っていた若い女性マリー・ゲストが行方不になっている捜査を諦めないボッシュは、時々捜査ファイルを取り出しては読み直していた。 捜査ファイルがボッシュの手元にあるのを知ったノース・イースト署殺人課のフレディ・オリヴァースから電話がかかってきた。 ドジャー・スタジアムに近いエコーパークで夜中に不審なバンを見とがめたパトロールカーの警官が車の中で見つけたものが黒いごみ袋に入れてある女性のバラバラ死体だった。 その場で車を運転していた男レイナード・ウェイツが逮捕された。 ウェイツが死刑を逃れようとして他の九人の殺人を自白すると地区検察官リュク・オシェイに司法取引を申し出た。 その中に長年ボッシュが捜査していたマリー・ゲストの名があった。 その事件の担当刑事がフレディ・オリヴァース刑事だったから、オシェイの指示でマリー・ゲストの捜査ファイルが必要になりボッシュに電話してきたのである。 読み進みながら前半のストーリー展開に少し退屈していたが、犯人のレイナード・ウェイツという名前が偽名であり、バラバラ死体を埋めるため自宅より遠いエコー・パークで逮捕されたのをボッシュが訝るページまできたら面白くなってきた。 相変わらずサプライズを用意しているコナリーながらのストリーテラー巧者ぶりに感じ入りながら『エコー・パーク』上巻を詠み終えた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
デビュー作『ナイトホークス』でハリー・ボッシュは鮮烈なデビューをした。それは、プロットの秀逸さだけでなく、二つのトラウマをもつ刑事、という設定だったからだ。娼婦の母が殺され、青少年保護院で育ったという生い立ち、そしてその後、ベトナム戦争で「トンネル・ラット」を経験したボッシュ。ベトナム戦争時、ベトコン(南ベトナム解放民族戦線)は各地に地下にトンネルを張り巡らせた基地をつくっていたのだが、ボッシュはこの地下の基地に侵攻するトンネル・ラットをしていたのである。 娼婦の母を何者かに殺され、そしてベトナムの狭く長いトンネルでいつ現れるかわからない恐怖と直面してきたボッシュ。この二つのトラウマがシリーズ初期の作品には色濃く影を落とし、独特の陰鬱なムードをつくりだしていた。だが、最近の作品は、独特の陰鬱なムードは影をひそめ、なにやら普通の探偵小説になっていた。ボッシュもトラウマから解放され、普通のおじさんになったのか、と思われたものだった。 しかしながら、本書、久しぶりにあの陰鬱なムードが復活する。ストリーは、ボッシュが逃亡した連続殺人犯ウェイツを追いかけるという設定だが、ウエィツが地下に掘ったトンネルにボッシュがはいっていく、というところがクライマックスである。 死臭で満ちたトンネルのなかで出会う二人。後続の応援を待つ時間かせぎのためにボッシュはウェイツに話しかけるのであるが、そこで、ボッシュとウェイツは同じ境遇であったことを知るのである。娼婦の母の子として生まれ、同じ青少年保護院にいた二人。ひとりは娼婦の母を愛し、母殺しの犯人を追いかける代償として刑事となり、もうひとりは娼婦の母を憎み、母殺しの代償として殺人犯になっていく。暗いトンネルのなかで、お互いにありえたかも知れない自分との対面をするのである。(名作、『仮面ライダーブラック』の最終回、ブラック・サンとシャドウ・ムーンの戦いを思い出すけど、わからない人のほうが多いでしょうね) なお、事件はこのあと意外な方向に発展してゆくであるが、あとはエピローグのようなものであろうか。トンネルでの対決のシーンの後のストーリー展開はちょっとおざなりで、ちょっとガッカリ。コナリー先生、トンネルのシーンを書いた後はテンションが下がったのでしょう。 本作へのアマゾン書評は賛否両論のようである。プロット重視の人には、最後のテンションの低さにガッカリし、傑作というほどでもないと思うでしょう。だけど、デビュー作の『ナイト・ホークス』が好きな人、トラウマを抱いたボッシュの陰鬱なムードが好きな人にとっては、トンネルのシーンが最高であり、傑作とするでしょう。かくいう私も傑作と思います | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本を購入しようと思い大型の本屋さんへ行き在庫無し、予約も出版社に在庫が無く、諦めてましたがアマゾンで手に入ると聞き注文。 中古本で期待してませんでしたが、思っていた以上に綺麗な本で満足しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
場面の転換、スリル感、スピード感などとても面白く読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
マイクルコナリーシリーズを執筆年順に読んでいます。この本も面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ボッシュの頑固さが切なくなります。 たまたま手に取った「わが心臓の痛み」から マイクル・コナリーにのめりこみ、 ほぼ全作を(原語版まで)漁って読みました。 なぜかこの作品だけ読み落としていたのを、 今回読んで衝撃です。 もっと早く読んでおきたかった。 お勧めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公ボッシュの頑固さが切なくなります。 たまたま手に取った「わが心臓の痛み」から マイクル・コナリーにのめりこみ、 ほぼ全作を(原語版まで)漁って読みました。 なぜかこの作品だけ読み落としていたのを、 今回読んで衝撃です。 もっと早く読んでおきたかった。 お勧めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
さすがに面白く読みました。最初は、翻訳が気になって、たとえば、女性が「言わんとする…」とか表現するかな?もっと流れるような表現であってほしい。キズ、エドガー、おなじみの名前が登場するとハリー・ボッシュとロサンゼルス市警の捜査に同行している気分です。コナリーは、ロスが好きなんだな!ローレルキャ二オンの自宅、今回のエコパーク、地図を広げてようやく見つけました。13年前の未解決事件の犯人が自供したことから一気にストーリーに引き込まれて、ミステリアスな犯人の素性が、どんどん謎を深めます。だけど、都合よくFBIの女性捜査官が登場したり、大事件のあった翌日の現場に誰もいなくて、ハリーが簡単に入り込めたり、おばさんだってだまされません。ただ、ロスの街をこんなに生き生きとリアルに見せてくれる手腕は凄いです。ミステリーとしてもとても面白かったけれど、ちょっとハリーに都合よく出来すぎなところが星4つです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この価格で素敵な本と出会えて満足です。 また、探してる本があれば利用させていただきます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者の作品、特にHBシリーズはいつも読むたびにこれはシリーズで一番面白いんじゃないかと思わせるが、この作品も例外ではない。というより本当に今までのHBシリーズの中での最高傑作と思う。やはり辛口の欧米の評論家がそう言っているらしい。連続殺人犯がいままでの犯罪をすべて自白するので、死刑を逃れて無期懲役にしてくれという取引が先方の弁護士から検察に入ってくる。その連続殺人の中にはハリーが執念を持って13年間の長きにわたって追ってきたゲストという女性の殺人事件も含まれている。ハリーが追ってきた真犯人と目される石油富豪の息子ではない犯人ということか、ハリーは納得できない気持ちで、この連続殺人犯ウエイツが案内するゲストの死体発掘に同行する。しかし、そこでウエイツは同行した刑事二人を殺害し、ハリーの相棒キッズ・ライダーにも重傷を負わせて逃亡する。 なぜこんな醜態を警察や検察は見せることになったのか、ハリーはウエイツの過去を徹底的に探る。冒頭からこの石油王の息子がゲスト殺しの真犯人であろうことは文脈で分かるが、どういうプロットが仕組まれ、誰がその黒幕かということは二転三転して、コナリーはさすが当代第一のページターナーとしての実力をふんだんに見せる。最後のクライマックスではこのプロットを仕組んだハリーの上司プラットが司法取引を申し入れ、石油王の息子が逮捕されて本作品は終了するかに見えるが、ハリーの正義心というかコナリー自身の納得感がそれを許さない結果になっている。二重丸の作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この価格で素敵な本と出会えて満足です。 また、探してる本があれば利用させていただきます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2006年発表、2010年邦訳の本作品は、<ハリー・ボッシュシリーズ>の第12作目。 前作、「終決者たち」で、ロス市警に復帰したボッシュ刑事が、強盗殺人課未解決事件班の捜査官として活躍する姿を再び描く。 「未解決事件班」ということで、いわゆる迷宮入りした事件を取り扱っている訳だが、今回メインとなるのは、ボッシュ刑事が1993年に自ら携った「死体なき事件」。 迷宮入りした事件の新展開――というと、「新たな証拠発見」がきっかけになりそうだが、本作品の場合は、いきなり「犯人が逮捕される」。 エコー・パークで、不審尋問により、別件の連続殺人事件で逮捕された容疑者が、1993年の事件の自供を申し出てきたのだ。 これがいわゆる「司法取引」。 何件も犯した事件の罪を認めることで、減刑を狙うというもので、アメリカでは一般的とのこと。 弁護士は被疑者の罪を軽くすることで、有能な法曹として認められる。 さらに、この凶悪事件は、担当検察官の点数稼ぎに利用されてしまう。 アメリカでは、検察官のような有資格者といえども、局長になるには、選挙で選ばれないといけない。 凶悪事件の解決は、候補者である担当検察官にとって有利な材料となるのだ。 この「司法取引」と「法曹の公選制」のふたつは、日本を舞台にした小説では絶対に描き得ないもので、海外翻訳ものならではの、物語展開を楽しむことができました。 純粋に凶悪犯の処罰を願うボッシュ刑事がどんな手段を講じるのか、興味深いストーリーが進行していきます。 当初は、12作で終了という噂もあった本シリーズ、まだまだ続いていくようで、先が楽しみ。 ちなみに、2005年開始の新シリーズの主人公、ミッキー・ハラー弁護士の名前もちらりと本作品中に登場します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
13年前に若い女性が行方不明になり、限りなく犯罪性を帯びた事件だったが、ボッシュは持ち前の動物的勘で、一人の重要容疑者を執念深く追っていた。 そんな頃、複数の猟奇殺人事件で逮捕・拘留されていた死刑確実の人物が、弁護士を通じて司法取引を行いたいと言ってくる。ボッシュの追っていた事件を自供すると言うのだ。 いつものようにテンポよくストーリーが進んでいく。へんに文学っぽい流れがないのがよい。エンターティメントに徹しているのが小気味よい。 本書は数少ないハイレベルのシリーズを保ち続けており嬉しいかぎりだが、いつまで続くのだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
デビュー作『ナイトホークス』でハリー・ボッシュは鮮烈なデビューをした。それは、プロットの秀逸さだけでなく、二つのトラウマをもつ刑事、という設定だったからだ。娼婦の母が殺され、青少年保護院で育ったという生い立ち、そしてその後、ベトナム戦争で「トンネル・ラット」を経験したボッシュ。ベトナム戦争時、ベトコン(南ベトナム解放民族戦線)は各地に地下にトンネルを張り巡らせた基地をつくっていたのだが、ボッシュはこの地下の基地に侵攻するトンネル・ラットをしていたのである。 娼婦の母を何者かに殺され、そしてベトナムの狭く長いトンネルでいつ現れるかわからない恐怖と直面してきたボッシュ。この二つのトラウマがシリーズ初期の作品には色濃く影を落とし、独特の陰鬱なムードをつくりだしていた。だが、最近の作品は、独特の陰鬱なムードは影をひそめ、なにやら普通の探偵小説になっていた。ボッシュもトラウマから解放され、普通のおじさんになったのか、と思われたものだった。 しかしながら、本書、久しぶりにあの陰鬱なムードが復活する。ストリーは、ボッシュが逃亡した連続殺人犯ウェイツを追いかけるという設定だが、ウエィツが地下に掘ったトンネルにボッシュがはいっていく、というところがクライマックスである。 死臭で満ちたトンネルのなかで出会う二人。後続の応援を待つ時間かせぎのためにボッシュはウェイツに話しかけるのであるが、そこで、ボッシュとウェイツは同じ境遇であったことを知るのである。娼婦の母の子として生まれ、同じ青少年保護院にいた二人。ひとりは娼婦の母を愛し、母殺しの犯人を追いかける代償として刑事となり、もうひとりは娼婦の母を憎み、母殺しの代償として殺人犯になっていく。暗いトンネルのなかで、お互いにありえたかも知れない自分との対面をするのである。(名作、『仮面ライダーブラック』の最終回、ブラック・サンとシャドウ・ムーンの戦いを思い出すけど、わからない人のほうが多いでしょうね) なお、事件はこのあと意外な方向に発展してゆくであるが、あとはエピローグのようなものであろうか。トンネルでの対決のシーンの後のストーリー展開はちょっとおざなりで、ちょっとガッカリ。コナリー先生、トンネルのシーンを書いた後はテンションが下がったのでしょう。 本作へのアマゾン書評は賛否両論のようである。プロット重視の人には、最後のテンションの低さにガッカリし、傑作というほどでもないと思うでしょう。だけど、デビュー作の『ナイト・ホークス』が好きな人、トラウマを抱いたボッシュの陰鬱なムードが好きな人にとっては、トンネルのシーンが最高であり、傑作とするでしょう。かくいう私も傑作と思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
プロットはかなり凝っています。 しかし、難しさを感じさせることなく、 自然に読ませてくれますね。 後半、ボッシュが強引に捜査を進めようとしていく 部分がありますが、ちょっとあざとい印象を受けました。 物語として、その先にあるものを導くために 作者があえてボッシュをそのように動かしているように思えて、 ちょっと乗り切れない感じでした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!